何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

ポイントカードをするのではなく

2011-02-13 12:17:34 | 薬局経営
 調剤ポイントカードをしていることに意味について、先に考察した。
 ならば薬局はポイントカードをしなければよいか、止めればよいかというと、それだけではこの問題の着地点として不十分ではないかと考える。
 
 ポイントカードは薬局の本質的サービスとはかけ離れており、値引きによって集客を図るツールであり、保険医療体制を崩すものである。その意味において、ポイントカードでなくても類似のことをしていれば、もしくはしようと発想するならば同じことである。そのような考えの背景には、少ない労力で、効率よく、どの店舗にも導入できて、売上増を目的とする企業的側面が浮かび上がる。

 だから当局からも「そもそも医療提供施設である薬局は、適切な調剤、適切な服薬指導で地域に信頼されるべき存在」(日刊薬業 2010.11.17)「薬剤師は医療の担い手、薬局は医療提供施設であり、より質の高いサービスを提供すべき」(同 2010.12.15)とのコメントが出てくる。進むべき道や本質を見誤ってはいませんか、という警告ともいえる。

 ポイントカード問題は、医療提供施設であろうとする薬局が、ますます企業化しようとする“薬局”がカンタンに客を奪おうとすることへの妬みではない。国民からすれば、薬局が本来の役割や責務を果たしてくれることが重要で、内輪でポイントカードを否定しているだけでは問題の本質は改善しない。仮にポイントカードが禁止されても、国民からすれば薬局の質の向上なくしては納得しにくい側面もあるのではないか。

 このことは以前、某県のある病院で院外処方せんの引き上げがあったときにも議論されたことを思い起こさせる。保険薬局で提供してきた価値が、病院側から利便性を突きつけられて十分な評価が得られなかったことと同根ではないかと思われる。

 よって今後、ポイントカード問題が決着しても、そこは通過点に過ぎず、ゴールではないと考える。薬剤師は医療従事者として職能を発揮し、薬局は医療提供施設として機能し、それによって国民から“薬局が自分たちの薬物療法の安全確保のために係わってくれるから安心して生活ができ、必要な存在である”との評価が得られるよう、常に成長を続けていかなければいけないのではないかと思う。
 少なくとも調剤報酬で新たに提示される課題にも取り組まなければいけないだろうし、それもカタチ作り程度の中身では不十分だろう。さらに新たな取り組みがあってもいい。
 薬局のあり方を再確認したうえで、さまざまなやり方や工夫をすることが重要ではないだろうか。


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