何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

なぜ、この国は儲からなくなったのか?

2011-02-28 22:49:31 | Book Reviews
「なぜ、この国は儲からなくなったのか?」 長野慶太・著、ユナイテッド・ブックス、2010年3月9日

p.95 (仕事に)優先順位をつけても、下位の仕事に着手する時間の余裕を確保しておかなければ意味はない。下位の仕事を溜め込んで抱えるストレスのほうが、残業によって生まれる疲労よりもよっぽど身体に悪いからだ。
 下位の仕事だろうが、その完成を待つ相手が必ずいる。にもかかわらず、ノー残業を強制されてその仕事が延び延びになってしまえば、大きなクレームを呼び込むことになりかねない。

p.95 職場のストレスは決して労働時間から来るものではない。ストレスはほとんどの場合、人間関係から来るものだ、と。

p.96 もし月曜日が来るのが憂鬱でたまらないよいだったら、その仕事はやめたほうがいいとアドバイスしている。

p.97 企業の使命だからといって「売上や利益を増大させること」が、どれだけ従業員を幸せにするかは疑問だ。

p.99-100 自分の会社がいろいろな慈善活動に参加していたら、積極的にそのことをまわりに話すだろう。

p.100 私は日頃、成果と達成感は別物だと言っている。
 成果管理が重要であるのと同時に、経営陣や管理職は社員が達成感を抱けるような環境作りに注力しなければならない。社員としての誇りや、仕事に対する楽しさの追求に、会社はもっと心を配らなければならないのだ。

p.145-6 私は「報・連・相(報告・連絡・相談)」のシステムを全面的に否定する。なぜかと言うと、「報・連・相」は「指示待ち人間」を生み出しやすいからだ。「報・連・相」システムには、残業してその日のうちに考えておく「考」がないし、それを朝イチに提案する「提」がない。
 「報・連・相」を重視するあまり、そのスピードばかりにとらわれて、「上司の耳に入れてさえおけば無罪放免」と部下は思いがちだ。すると、その後の「考える」作業、「提案する作業」がすべて上司の仕事になってしまう。それは、上司が指示を出さなければ動かないという「指示待ち人間」を肯定することに等しい。

p.147 忠誠心とは個人の中に自然に湧き出るものであって、忠誠心がある人を人事評価で優遇したり、あるいは忠誠心を持つことを強要するといった日本型の経営は、時代に合わなくなってきている。

p.150 部下に忠誠心がないのは本人のせいではなく、それを醸成できなかった上司と会社の責任なのだ。

p.154 部下は部下なりの優先順位を抱えている。にもかかわらず、上司が根性主義を押しつけてばかりいたら、部下は無理を無理と言えなくなり、結果として歪んだ優先順位に妥協せざるをえなくなる。

p.156 根性主義の弊害として、仕事の優先順位を歪めたり、言うべきことを言えなくしたりすることに加え、「本当の上方」がカモフラージュされるというリスクを指摘しておかなければならない。それは美辞麗句が蔓延するからだ。

p.166 そのようなときにNOと言うことができるか否かは、「辞める覚悟があるかどうか」にかかっている。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする