何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

いかに安定した実績を残すか

2008-07-21 12:31:49 | 思いつくまま
 広岡氏は、巨人OBでありながら、ヤクルトや西武で監督を務め、優勝を果たしている。その功績は大きいと思うが、一方、指導者としてイメージが良くない印象だ。理論は確かなのだろうが、どちらかというと「上司であってほしくない上司」に映る。選手には、指導内容に愛情が感じられないのだろうか。

〈要旨〉若い時は体力もあるから無理もきくが、基本を無視して無理を続けていれば、やがては無理が祟って代償が来る。「基本」とは何か。野球という専門的領域の技術における基本もあれば、それ以前の生活の基本というものもある。後で後悔しないよう、若いうちから基本を身につけておくべきである。 p.57

 若いときだからこそ味わえるものがあるのではないか、という想い。それを諦めて、チャンスを見送って、人生がつまらなくなってしまうのではないか、という思いとの葛藤。そんな暗い、節制を重ねた生活の先にある、別の次元の楽しさ、輝きというものを思うことができない。
 一時的にうまくいっても、基本に手を抜いていては安定的に力を発揮することは難しい。基本の修得は、継続的に力を発揮する対策ではないか。


〈要旨〉「優勝は無理としても、せめて3位くらいになれ」という、一見ものわかりがよく聞こえる意見。その程度で満足する選手を作ってしまっては、妥協が身についてしまう。選手が飛躍するには、優勝の喜びを経験することである。 p.205-6

 一生懸命やっても、それが結果として出るかどうかは、自分の努力とは無関係の要因があって、運も左右するように思っているのか。自分一人だけではどうしようもない部分もある。本当の喜びを知っているといないとでは、そこに向かおうとする意識に雲泥の差が生じる。

 患者さんに本当に喜んでもらった経験の乏しい人は、その患者が引き続いて来局してくれれば、とりあえずその程度の業務をしていればよいと思ってしまう。ちょっとした程度の喜ばれかたではなく、心から感謝された経験を持つと、しかもそういった事例をある一定の件数経験すると、「また今度も心から喜んでもらえると、自分もうれしい、やりがいもある、薬剤師をやっていて良かった」という気持ちになり、患者への係わりかたにおいて専門性を追求し、患者の生活やQOLを考慮したものへと、レベルアップしていくに違いない。


〈要旨〉最初は簡単な捕球練習から始める。イレギュラーなどない状態から「今度はそのボールが逃げると思って」と言うと、身構えて補給にあたろうとする選手。さらに、それまでとは全く異質のボールを転がすと、それを予想していなかった選手は当然取れない。しかし、不測のことが起きるのが試合であれば、それすら想定した構えをするようになる。何がくるかわからない状態を意識して練習を続けたときに、上達が始まる。 p.252-3

 どんな処方が来るか、どんな生活状態、考え方の患者が来るかわからない、医者も処方にどのような微修正(処方変更)をかけてくるかわからない、そういった準備があるかどうかで、要点を見逃してしまうか、適切に対処できるか、変わってくるだろう。
 “たぶん前回と同じだろう、前と同じように用意して渡せば一丁あがり”的な心構えでは、仮に処方変更があっても、誰もが気づくところに対処できても、それに気を取られて見逃してしまう部分もあれば、確認をし忘れたまま交付していることもあるだろう。
 真正面に飛んでくる打球も、イレギュラーバウンドがあっても取るぞ、という意識の有無。ささいなことのようで、大きな差を生むように思われる。

※ページは、「勝者の方程式」による。 
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知恵も心も感じられない

2008-07-21 11:20:35 | よくわからないこと
Kスタ・楽天戦 飲食物持ち込み規制強化に不満の声 7月20日6時12分配信 河北新報

 プロ野球東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地、仙台市のクリネックススタジアム宮城(Kスタ宮城)で行われる東北楽天の試合で、飲食物の持ち込み規制が強まり、観客から不満の声が出ている。外で買った食べ物だけでなく、手作りの弁当やおにぎりも締め出す徹底ぶり。球団は「売店の売り上げを確保するために仕方ない」と理解を求めるが、一部のファンは「もうけ主義が強すぎる。手作り弁当ぐらい大目に見てもいいのでは」とぼやいている。

 「中の店で買うと高いので弁当を持ってきたが、駄目と言われてがっかり。手作り弁当を食べながら家族で観戦する楽しみに水を差され、興ざめする」と嘆いた。

 阪神と巨人、横浜、広島、ロッテ、オリックスは食べ物の持ち込みを制限していない。ヤクルトと日本ハム、西武は規制はあるが、事実上黙認している。中日、ソフトバンクは比較的厳しく統制しているが、入り口で預かることはしない。

 堀江隆治球場長(39)は「売店の売り上げは貴重な収益で、健全経営のためにやむを得ない」と説明する。

 全球団の試合観戦経験があり、8日のKスタ宮城での東北楽天対オリックス戦を見た大阪市の自営業長谷川靖弘さん(33)は「楽天は規制が最も厳しく、評判が悪い」と指摘。「缶や瓶の飲み物は選手に危害が加わる可能性があって規制は仕方ないが、過度な統制は商業主義の印象を強め、球団にとって逆効果になる」と語っている。


 観客は観戦するだけで高額なチケットを買うにとどまらず、飲食物も球場内で買わなければならないとは、ファンの気持ちに思いが至らないのか。わかったとしても、やむをえないと押しつけることに対し、ファンがどう思うかまでは想像できないのがKスタ側のようだ。

 売上を伸ばしたい一心に、価格に転嫁するとははたして・・・。
・フツウは値下げで客足を呼び込むのではないか。
・味やお弁当の内容を工夫する。
・持ち帰りたくなく容器にする(例:駅弁のように、洗うと貯金箱になる)。
・お土産として欲しくなるようにする。
・日替わりやタイム指定で、選手やOBがある一定の時間、店頭に立つ。

 企業努力はしているのだろうか。

 球場で販売する飲食物には、その店の利益に加えて、相当の球場運営費が含まれていることが(わかりきっていることにもかかわらず)改めて露呈し、クローズアップされてしまった。

 楽天という球団を持とうとしたのは、儲けの手段か、広告宣伝媒体だったのか。世の中値上げ、物価高が続く中、球場のルールだとばかりに一方的に規制する商法。炎天下、水分を補給するのは選手ばかりではない。それをわざわざ「高い水(分)」を買えという。

 楽しみを奪っておいて、はたして野球を楽しむことができるか。心から応援する気になれるのか。こういう側面にも、ノムさんにぼやいてほしい気がする。
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勝者の方程式

2008-07-21 10:49:32 | Book Reviews
「勝者の方程式」 広岡達朗・著、講談社文庫、1991年2月15日

p.35 (酒を)適量ならいいと言っても、残念ながら、若い選手に「適量」を守れるような者はほとんどいない。また、四六時中、選手を監視することは事実上不可能だから、飲みたい者は、いくら規制しても隠れて飲むだろう。そこで全面的に禁止しておけば、うしろめたい気持になり、ブレーキになる。

p.38 意識革命――「これが正しい」と信じ込んでいる者に、「それは間違いだ。正しいのはこうだ」と、頭を切り換えさせるのは、そう簡単にできるものではない。ある意味で、意識革命は監督と選手との嘘隠しのない戦争からはじまるものだと言える。

p.52 極端なことを言えば、彼らはプロ選手は故障しているのが当たり前という意識であり、故障しない身体をつくるにはどうしたらいいかなどというところまで思いが及んでいなかった。

p.66 基本的な訓練だから、はじめからむずかしいことをする必要はない。というより、もっともやさしいところから、納得しながらマスターしていくことが、技術を自分のものにしていくための近道である。

p.71 怠けてミスをしたのではなく、一生懸命にやった結果としてミスをした場合、腹の中では怒っていても、それは個人的な感情であって、監督やコーチがそれを選手にぶつけてはいけないと思う。

p.74 最初の成果が出たとき、ここで安心し、怠けてしまえば、もとの木阿弥だ。それをステップにして、さらに次の段階に進んでいかなければならない。その間に、何度も壁に突き当たるだろう。それを乗り越え乗り越えして、しだいに実力が身についていくのである。

p.87 プロ野球の壁を打破するのは「欲」である。

p.98 登板の翌日から、酒を飲みたいだけ飲んで遊びほうけて、次の登板予定の前日になってやっと投球練習をはじめる。疲れがとれていないうえに、調整不足なのだから、ゲームで満足な投球ができるはずがない。

p.105 勝ちパターンは、らくな勝ちパターン、必死の勝ちパターンなどをつくっておく必要がある。いくつかの勝ちパターンがないということは、行き当たりばったりで闇雲に試合をしているのと同じことなのだ。

p.114-5 ドラフト制度のより、選手の入団時の戦力に関する限り、十二球団は均質化しているといえる。にもかかわらず、毎年、優勝争いに顔を出してくるチームと、いつも下位を低迷しているチームとに分かれてしまうのは、なぜだろうか。
 首脳陣がやるべきことを正しく認識して、それを実行しているかどうかの違いである。

p.163 本当に身につくのは、押しつけられたものではなく、自ら求めて獲得したものである。

p.168 故障を隠してプレーすることが、結局は選手生命を縮めることになって、選手本人のためにもよくないということも、私は身を持って経験ずみである。
 選手生命を縮めるほうがいいか、一時は戦列を離れることになっても、早期に適切な治療をして、選手生命を伸ばすほうがいいか、よく考えるべきである。

p.172 (大リーグは)「競争に負けたくなかったら、勝手に這い上がれ」と言うのではなく、コンディションを崩すもとになることはしてはならないという教育を、球団はきちんとしているのである。

p.198-9 ある日の試合に負けたとしても、その中から反省材料を見つけて、次の肥料にしていくのであれば、その敗戦も決して無駄ではない。言い換えれば、敗戦を意味あるものにしていけるかどうかが、監督の裁量だと思う。

p.206 (言われたことを無条件で受け入れることを)「管理」だと評する人がいる。言われたから仕方なくやったという選手にとっては、それは確かに「管理」されたことになったかもしれない。しかし、私はあくまでも自己管理の方法を教えたにすぎない。

p.208 監督の意図が練習にあらわれているチームは、公式戦がはじまると、大体上位に位置しているし、監督の意図がわからないチームは、公式戦に入っても、たいてい下位を低迷しているものだ。

p.218 監督、コーチは常に選手たちに見られていると思え。建前論はすぐに見破られる。尽きるところ率先垂範しかないのである。

p.234 身体を動かすのは心だ。

p.235 監督から(調子の良くない)原因を問われて、コーチが「あいつはスタミナがないからだ」と答えて平然としているようでは、コーチの資格はない。
 スタミナがないことぐらい、素人にもわかる。素人にもわかる。なぜそうなのか、それを改めるにはどうしたらいいか。原因を突きとめ、それを改良していくのがコーチの仕事である。

p.246 完全な人間などない。誰にでも弱点や欠点はある。だから、ミスや失敗をするのは当然である。ただ、自分のミスや失敗に対しては、常に責任を感じ、恥ずかしいと思い、悔しいと思うべきだ。そして、その悔しさをバネにして、二度とそういう失敗を繰り返さないように、自らを練習に駆り立ててこそ、上達する。

p.251 基本とは、やるべきことをきちんとやり、安定して長続きするための絶対的なものだと思う。

p.295 「こうすべきである」と思っていることは、どこの監督やコーチも同じである。しかし、それを選手に繰り返し繰り返しやらせ、身につけさせることができる指導者は少ない。

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