「へこんでも 25歳ナツコの明るいガン闘病記」 多和田奈津子・著、新潮出版、2002年4月20日
先日、ある学会で著者の多和田さんによる講演があった。いま30代半ばである。16歳で甲状腺腫瘍を経験し、25歳で悪性リンパ腫に出会う。
学会で紹介された抗甲状腺剤の副作用はわずかに記されている。
p.28 全身の皮膚の柔らかい所が赤く腫れ上がり、一日中かゆい。かゆい所をさすっていると今度は痛くなる。皮膚が全体的に熱をもち、氷で冷やしても眠れないほどだった。
本書を読む限り、とにかく明るい。前向きだ。そして素直だ。薬も素直に効いたのではないかと思った。プラス思考が、免疫力を高めているかのようだ。
しかし、常にテンションが高いわけではなく、一喜一憂どころか、始終絶望に突き落とされる。しかし持ち前の明るさで這い上がる。しまいには、病気のほうが退散する。
描かれてはいないが、明るく気を取り直す前段で、どれくらいへこんだことだろう。
病気にも勝ったが、へこんで落ち込んだ自分にも克ったのだと思った。
先日、ある学会で著者の多和田さんによる講演があった。いま30代半ばである。16歳で甲状腺腫瘍を経験し、25歳で悪性リンパ腫に出会う。
学会で紹介された抗甲状腺剤の副作用はわずかに記されている。
p.28 全身の皮膚の柔らかい所が赤く腫れ上がり、一日中かゆい。かゆい所をさすっていると今度は痛くなる。皮膚が全体的に熱をもち、氷で冷やしても眠れないほどだった。
本書を読む限り、とにかく明るい。前向きだ。そして素直だ。薬も素直に効いたのではないかと思った。プラス思考が、免疫力を高めているかのようだ。
しかし、常にテンションが高いわけではなく、一喜一憂どころか、始終絶望に突き落とされる。しかし持ち前の明るさで這い上がる。しまいには、病気のほうが退散する。
描かれてはいないが、明るく気を取り直す前段で、どれくらいへこんだことだろう。
病気にも勝ったが、へこんで落ち込んだ自分にも克ったのだと思った。