殿が残していった膨大な数の本。
電車通勤だったことも手伝って増える一方だったものを、ここで整理しなくてはと思った。
私の残りの人生は店じまいの準備なのかと思ったりした。
しかし、どちらにしても今やっておかなくては、娘たちが大変だ。
私も体が動く間に何とかしなくてはと思う。
一時期、本棚をどんどん買い足した。
溢れた分は100均で買った袋に入れた。
闘病中、処分することより本棚に大事にしまうことの方が多かった。
誰のためにこの本を残すのかと思った。
私はこの本の山を見て、いつも図書館で本を借りることにしていた。
会社でも図書委員をしていた。
とにかく、私は本は増やさないようにしていたのだ。
殿は本棚は何重にも入れられるものを買った。
殿がしたいように、満足のいくように。

文庫本は2000冊いや3000冊は超えるだろう。
足の踏み場もないくらいに増えていく。
本棚の上に本。レンガを積んで板を渡して本、本。



長嶋茂雄の本もびっくりするほどあった。
とにかく、カラーボックスは全て排除し、その分は段ボールに入れた。
「もったいない本舗」へ、段ボール9箱と鬼平犯科帳のDVD。
合わせて10箱。

作業する上で、階段に踊り場があることが嬉しかった。
しかし、これはまだまだ始まりに過ぎないのだ。
歩くところが出来たという程度なのだから。
