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【円安ダメージを輸出で取り返せるのか】なぜアベノミクスのインフレは悪質なのか②

2015-10-01 00:00:13 | 日本

前回からの続き) 

 前回、アベノミクス」の円安誘導にともなうインフレは、上記イメージの「赤」部分が示す外国に支払われる費用(ドルで取引される輸入原材料等の円建てコスト)をアベノミクス前後で1.5倍(1ドル約80円→同120円)に膨らませることで引き起こされたようすを観察しました。もちろん、値上がり分の円貨は日本人の手元に残ることなく海外への支払いに消えていくわけです・・・。政策的な物価高でわたしたちが余計に支払わされたオカネがそっくり外国へダダ漏れ・・・こんなインフレ、「悪性」に決まっているでしょう。

 上記イメージはまだマシなほうかもしれません。アベノミクスとともに始まったエネルギー&食料品の価格上昇で国民の購買力が低下していることもあり、売り上げ減を恐れる多くの企業は上記のように、単純に円安起因のコスト増分を商品価格に転嫁できないはず。で、結局、売価は以前と同じか、ほんのちょっぴりの値上げ幅にとどめ、「黄」の国内コストを削ったり、株主に怒られながらも「青」の利益を減らさざるを得なくなる・・・。このようすを表現したものが下記のイメージです。

 このイメージは、商品Aの売価をアベノミクス前後で同水準に保つため、「赤」部分のコスト増加を「黄」部分、つまり国内に支払われる各種費用―――広告宣伝費とか人件費の圧縮で吸収させたようすを表しています。見た目の売り値は変化ないけれど、原価に占める「赤」の割合が急上昇・・・って、表向きは普通でも「悪玉コレステロール」がびっしりこびりついたメタボの人の血管みたいなヤバイ状態。そんな動脈硬化(?)をもたらす「赤」(外国に支払うコスト)なんて、少ないにこしたことはないのに・・・。まあこの場合、消費者にとっては売価が同じなので助かりますが、これによって広告宣伝効果の落ちた商品Aの売り上げは伸び悩み、この商品を製造販売する企業の従業員の賃金は下がり、これらが巡り巡って個人消費は冷え込み、日本のGDPますます小さくなっていく・・・といった悪循環が起こっていそうです・・・。

 で、こう綴ると、「輸出があるじゃないか!」という声が飛んでくるかもしれません。通貨安が実体経済に与える唯一のプラス効果は輸出に価格競争力をつけること。以前、「円安誘導による外需狙い」と書いたようにアベノミクスには、円安のアドバンテージをテコに輸出振興を図り、上記を含む円安インフレのマイナス面を凌駕するほどの利益を日本にもたらそう!というねらいもあったはずですが・・・

続く

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