(前回からの続き)
今年は大統領選挙の年、ということで米ドナルド・トランプ大統領は、世界ワーストの新型コロナウイルス禍が自身の失策のせいと有権者に思われないように、悪いのは感染拡大を防げなかった中国だ、ということにしたいのでしょう(?)。そのあたりは前述したことからも、そしてその他の言動やツィートなどからも窺えるわけですが・・・
ちなみにトランプ大統領の支持率等ですが・・・アメリカの世論調査サイト「Real Clear Politics」によると、トランプ氏の仕事ぶりを評価する率(ABC News/Washington Post)は先月31日時点で45%。ただし就任以来最高値の48%近くに達した4月初旬からは下がってきています。他方で評価しない割合は53%と、評価する/しない、の差は少しずつ開いてきている感じです。また今秋の大統領選挙で共和党トランプ氏と民主党ジョー・バイデン氏のどちらを支持するか(同)ではトランプ氏は43%と53%のバイデン氏に対して劣勢を強いられています・・・
以上からすると、選挙に勝つ気なら、現職大統領としては、やはり中国に対して厳しい姿勢を見せようとしたくなるだろうな、と想像ができそうです(?)。前述のように、コロナ禍でアメリカ人の多くが中国にネガティブな感情を抱いているところ、これに沿った、より強硬な対中スタンスを示したほうが支持を得られそうですからね。その意味で、トランプ政権が、自国主催のG7サミットを、(なぜ選ばれたのか不明な?)ロシアや韓国等を追加で呼び、逆にいまもっとも対話をするべき中国を露骨に?外して、当初予定の今月から秋に時期を移して行おうというのは、その直後の大統領選を見据えた判断なのでしょう(?)。ここで中国をG7各国・・・ばかりかその周辺国のロシアや韓国といっしょになって吊るし上げ、(民主党バイデン氏以上に?)中国に屈しない大統領であることをアピールしよう、みたいな・・・(って、ロシア、そしてG7ではドイツなどが反対するので、中国に対してシビアな共同声明等は、まず出せない・・・ように思えますが)
・・・と考えると、米トランプ政権のいまの中国敵視の姿勢は、あくまで大統領選に向けた戦術の一環であるとみることもできるでしょう。個人的にはそのとおり、これ今年の秋までの時限的なスタンスで、選挙が終ってトランプ氏が引き続き大統領職にとどまることになれば、いまの強気な姿勢は途端にトーンダウンし、現実的な対中政策をとるだろうと考えています。他方、バイデン氏が新大統領になったら・・・トランプ氏と同じくらいか、それ以上に、中国に対して友好的なアプローチを図ることでしょう(?)
ということでアメリカは、次の大統領が誰になるかによらず、中国とは今後、引き続き・・・というか、いま以上に連携を強固にしていく・・・しかないしょう。その理由は、本ブログでは何度も指摘しているように、アメリカにとって中国は、貿易、金融、国民生活、マスク&人工呼吸器等のコロナ禍対応(?)などなどのあらゆる面で、もはや欠くことのできない戦略的パートナーだからです。