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内需振興へ期待したい政治のリーダーシップ①

2012-10-11 00:01:53 | 日本

 日銀に対する金融緩和圧力は強まる一方です。

 先日発足した民主党・野田改造内閣の前原経済財政担当相は日銀に関し、今年2月の金融緩和策で示されたインフレ率1%の目標を日銀が本気で実行する気構えがあるのか注視するとの立場を強調しました。さらに現行の円高水準は行き過ぎている、とし、日銀による外債(米国債?)購入はそれを是正する有力な手段との考えを示しました。そして今月5日の日銀の金融政策決定会合に自ら出席してプレッシャーをかけています。

 近いうちに行われそうな(?)衆議院議員選挙を経てどうやら政権を奪還しそうな自民党も似たような感じです。

 先月下旬、同党総裁に選出された安倍元首相は、これまた日銀に対して一層の金融緩和を要求し、年率3%(も!)のインフレ達成を求めています(いったいどうやって?)。

 こうした動きを見てみると、どうやら民主党も自民党も、わが国経済の現時点の最大の課題を「円高」と「デフレ」ととらえているようです。これらへの対策として金融政策、つまりさらなる量的緩和を推進して外貨に対する円のベースマネーを増やすことで、円安誘導およびインフレを起こして外需の獲得とデフレ脱却を図ろうというのでしょう。

 以前から書いているように、個人的にはこのような課題の認識や対策の方向性については疑問を感じています。為替については現状程度であれば実質的に円高とはいえないし、デフレについても緩やかなもので、「デフレスパイラル」というほどの経済活動を著しく縮小させるほどの事態に日本経済は陥ってはいないと考えているからです。

 まず現在の為替レートが本当に「円高」といえるほどのレベルなのかを確認してみます。

 以前も紹介した最近の「ビッグマック指数」(7月時点)によれば、アメリカのビッグマックの価格は4.33ドル、ユーロ圏は同3.58ユーロ、そして日本は320円となっています。これを直近(10/10)の為替レート1ドル78.3円、1ユーロ101.0円で換算すると、アメリカおよびユーロ圏のビッグマックの円建て価格はそれぞれ339円、362円となり、いずれも日本の価格320円よりも高くなっています。つまり「ビッグマック指数」からみた現在の為替は円高どころかむしろ「やや円安(ドル高・ユーロ高)」といったところになります。

 もちろんさまざまな財やサービスがあるなかで、ビッグマックの価格比較だけで通貨高なのかどうかを判断するのは大ざっぱ過ぎる面はありますが、同指数や、前にも取り上げた日銀がHPで公表している「実質実効為替レート」(現在は「やや円高」といったところ)などで比較しながら見る限り、現在のレートが多くの政治家やマスコミがしばしば言うような「歴史的な」とか「超」がつくほどの円高といえる水準にはないことは明らかだと思います。

 現に最近、欧米諸国に旅行に行かれた方は、彼の地では思ったほど円高メリットを感じなかったのではないでしょうか。ビッグマックはむしろ高いくらいだし・・・。

(続く)

コメント
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