世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

世界の激動を感じつつ、日本経済への応援メッセージを徒然に綴るページです。
ご訪問ありがとうございます。

内需振興へ期待したい政治のリーダーシップ②

2012-10-13 00:01:09 | 日本

(前回からの続き)

 次は「デフレ」についてです。

 わが国の2001年以降のインフレ率は下記グラフのとおりです(データは「世界経済のネタ帳」からいただきました)。これを見ても分かるとおり、各年のインフレ率はプラスマイナス1.5%の範囲内にあり、この間の年間インフレ率は単純平均でマイナス0.2%と、わが国では穏やかなデフレが続いているということはいえそうです。



 とはいうものの、物価下落→企業の収支が悪化→所得の減少・リストラ加速→消費低迷→さらなる物価下落・・・といった経済の縮小、いわゆるデフレスパイラルといえるほどの深刻なデフレに陥っているというわけではなさそうです。

 それを示すデータ例として「一人当たりの実質GDP」をあげることができると思います。

 下記グラフを見ても分かるように、最近では2007年にもっとも高い約410万円となった後、リーマン・ショック等の影響でやや下がりましたが、その後は徐々に回復し、今年は約407万円程度となりそうです。同期間がデフレ傾向にあったにもかかわらず、一人当たりの実質GDPはおおむね上昇傾向を示しています(この間、円の購買力が上がっている点も重要[2007年から現在までに50%以上も円高ドル安となっている])。


 
 わが国のデフレが真に深刻なものであるのなら同値も物価とともに下がり続けるはず。ところが結果はそうはなっていません。つまり日本国民一人ひとりは、物価が穏やかに下がり続けたこの間、リーマン・ショックや東日本大震災といった厳しい局面はあったものの、傾向的には実質的な経済成長を成し遂げてきているといえそうです。

 次に失業率をみてみましょう。

 わが国の失業率は約4.4%(2012年6月)。これは同月のギリシャ(22.5%)やスペイン(24.8%)などはともかく、いまやユーロ圏のただ一人の勝ち組で好況が続くドイツ(5.4%)や、最近急速に失業率を低下させて世界を「あっ!」と驚かせたアメリカ(7.8%)などと比べても相当に低い値といえるのではないでしょうか。わが国が深刻なデフレで経済が縮小均衡に陥っているのならば、それこそギリシャのように失業率が急上昇しているはずですが、この数値からはそんな気配は読み取れません。

 以上の経済データの一端からも推測できるように、わが国経済は、民主党や自民党の有力政治家や大手マスコミが指摘するような「行き過ぎた円高」とか「デフレスパイラル」に悩まされているわけではなさそうです。だから新たな金融政策、つまり日銀にもう一段の金融緩和を求めて円安を促す必要も、そして金融市場にマネーをあふれさせてインフレを人為的に起こす必要も無いのではないでしょうか。

 むしろこれ以上の金融緩和はネガティブな効果、つまりマネーのバラマキのし過ぎにともなう輸入インフレ金利上昇を招き、危険ですらあると思っています。

(続く)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする