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内需振興へ期待したい政治のリーダーシップ③

2012-10-15 00:01:45 | 日本

(前回からの続き)

 前回書いたように、わが国の経済は、このところ緩やかながらもおおむねプラス成長を維持しているといえそうですが、一方で現状は(「スパイラル」というほど激しいものではないけれど)デフレ気味、つまり供給力に対する需要が足りない状態にあると思われます。個人的にはこれこそがいまの日本経済の大きな問題と認識しています(もっとも、欧米中の経済問題に比べれば深刻さの度合いはそれほど大きいとはいえないとは思いますが)。

 これに関連するデータとして、以前から内閣府がHPで定期的に発表している「GDPギャップ」に注目しています。

 ここで内閣府が言うGDPギャップ(%)とは「(実際のGDP-潜在GDP)/潜在GDP)で求められるもの。潜在GDPとは「経済の過去のトレンドから見て平均的な水準で生産要素を投入したときに実現可能なGDP」としています。これがプラスなら「インフレギャップ」、マイナスなら「デフレギャップ」と言います。

 先月中旬の内閣府の公表データによると、今年4-6月期のGDPギャップはマイナス2.0%となったとのことです。そしてこの推移を見ると、東日本大震災以後は改善傾向(徐々に需給が均衡に向かう傾向)が続いてきたものの、このところ横ばいとなっていると分析されています。

 GDPギャップがマイナス2.0%ということは、潜在的な供給力に対して実際の需要が2%ほど少ないということ。この潜在供給力がおよそ530兆円と見積もられているので、デフレギャップはその約2%の10兆円あまりという計算になります。これを言い換えると、現状の日本経済の需要不足は10兆円を超えるレベルということになります。

 なお内閣府が「GDPギャップの大きさについては定義や前提となるデータ等の推計方法によって異なるため、相当の幅をもってみる必要がある」としているように、現在のGDPギャップの大きさには諸説があるようです。なかにはこれが数十兆円にも上るとする意見も少なくありません。正確な金額がどれほどになるかはさておき、現時点でわが国経済が兆円単位の巨大なデフレギャップを抱えていることは間違いなさそうです。

 昨年度からこれまでに東日本大震災の復興事業等に20兆円あまりの財政資金が投入され、結果としてこれが景気を大きく下支えしているのですが、それでもまだこれだけのデフレギャップが存在しています。このデフレギャップを埋める需要を生み出すことが当面のわが国の経済政策の方向性であることに異論がある人はあまりいないでしょう。

(続く)

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