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尖閣国有化が日本の安全保障コストを跳ね上げる?④

2012-10-07 00:03:42 | 日本

(前回からの続き)

 もちろん日本政府・日銀の次回の為替介入の表向きの理由は「市場の投機的な動きに断固として対抗するため」とか「過度の円高ドル安で日本経済にこれ以上の悪影響が及ばないようにするため」といったことになるでしょう。まあそういった面を100%否定するつもりはありませんが、ここではそんなことよりも介入によってドルおよび米国債を買うことで、資金集めに苦慮するアメリカの財政ファイナンスに日本が貢献するという点が本質的に重要と思います(個人的な、うがった解釈ですが、近々行われることになりそうな為替介入とか、多くの政治家が導入を主張する日銀による外債購入策[米国債でしょう]には、今回の尖閣国有化騒動におけるアメリカの日本支援に対する「お礼」の意味が含まれることになるのだろうとみています)。

 先に記したように、ドルは長いスパンでみれば趨勢的に円に対して減価し続けてきました。ということは、以前に購入した米国債の円建て価格は多くの場合、現時点では目減りしているものと推測されます。その間、利息相当額の受け取りなどはあるでしょうが、とても減価分を埋め合わせるほどの額にはならないでしょう。実際、これまでに行われてきた為替介入などの結果、日本政府が抱える外貨建て資産の評価損は40兆円を超える規模にまで膨れ上がっているそうです(2011.11財務省試算:1ドル77円換算)。

 他方でアメリカからすれば、借りた時点よりも返済の時点でドルの価値が下がっていれば、下がった分だけ借金負担が軽減されることになります。1ドル100円のときに米国債を発行して資金調達し、償還時に1ドル80円となっていれば、アメリカは100円を借りても80円を返せばすむことになるわけです(日本からみれば100円を貸したのに80円しか戻ってこないことになる)。

 わが国の外貨準備の多くが米国債(約8割)であることを考えると、この減価分のほとんどはアメリカに対する借金の値引きという見方もできるでしょう。現にネットなどではこれこそ日本のアメリカに対する「思いやり予算」と揶揄する声が多数見受けられます。

 このドル資産の目減り分はめぐりめぐってわが国の財政赤字の拡大につながり、結局は国民が血税によって埋め合わせることになるのでしょうか・・・。

(続く)

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