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尖閣国有化が日本の安全保障コストを跳ね上げる?③

2012-10-05 00:02:03 | 日本

(前回からの続き)

 そして表題に関するもっと大きなコスト負担として想定されそうだと思っているのが、ドルの買い支えと米国債の買い増しです。

 以前から書いているように、巨額の経常収支の赤字を計上し続けるアメリカはつねに海外のマネーを借り受ける必要があります。ところが最近は米国債の最大の保有国である中国がわずかながらも保有額を減らすなど、必ずしもマネーの調達状況は万全とはいえません。そもそも中国は、ロシアなどと同じように、アメリカの言うことを素直に聞くような国ではありません。

 そうした中で、世界最大の250兆円を超える対外純資産を持ち、これまでも、そしてこれからも(?)安定してドル・米国債を買ってくれる従順な同盟国・日本があらためてアメリカへのマネー供給源として重要になってきます

 もっとも為替は長い目で見ればドル安円高傾向をたどってきています。戦後から今日までのあいだにドルの円建ての価値は1/4以下に減価してしまいました。この5年あまりを振り返っても2007年の1ドル120円くらいから現在の同約78円と50%以上も円高ドル安になっています。今後はアメリカのQE(量的緩和)などのせいでますます円高ドル安が進みそうです。そのため、いくらアメリカが中国の脅威からわが国を守ってくれるとはいえ、たいていの日本人は為替変動リスクを意識して、ドルや米国債を積極的に買おうとは思わないでしょう。

 そこで登場するのが日本政府・日銀によるドル・米国債の買い入れ。具体的にはドル買い円売り為替介入です。

 現時点(10月初旬)の為替レートは1ドル77~78円台と、先月の日銀の金融緩和にもかかわらずジリジリと円高ドル安が進んでいる感じです。以前書いたように、個人的にはこの程度のレートは「超」がつくほどの円高とはいえないし、そもそも世界的な景気低迷期に実施すべき内需拡大策にとって円高はむしろメリットの方が大きいと思っているので、為替介入は不要と思っています。それでもこうした意見は少数派。やはりここは「円高=悪」と考える多くの論者が声高に次のような主張をするでしょう。つまり「金融緩和が円高是正に効かないとなると次なる手は為替介入だ!」ということです。

(続く)

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