Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

乗継を保証しない系統分割

2010-01-18 23:55:00 | 交通
昨年末も広島に帰省したことは既にチラチラ書いてますが、普段ならいろいろ足を伸ばしてネタ探しに勤しむ所、今年は悔い改めて実家で親孝行ということで、大聡怩サの他で終わりました。

まあそれでも1日だけ日中の時間が取れたこともあり、沼隈半島、端的に言えば何かと話題の鞆近辺に出かけてきました。

今回はまずバスで出かけました。ただ交通論的に取り上げるためにはクルマでの体験も必要なエリアですから、鞆についての考察は改めて、というところですが、それに先立ちとんでもない体験をする破目になったのです。

鞆といえば狭隘区間を行くバスに萌えるわけで、まずは松永からその醍醐味を味わえるバスに、と降り立ったのですが、「沼隈支所、鞆車庫方面」とあるのに鞆行きのバスが見当たりません。
これはひょっとして系統分割か?と取り敢えず沼隈支所経由千年橋行きのバスが程なく来たので乗り込んだところ、車内の掲示にやはり沼隈支所乗り換えの表示があり、ラッキーなことにこの便が乗り継ぎに便利な便と言う事も判明。(2008年秋に系統分割)

本当は常石経由のバスに乗ったほうが「前菜」として楽しいのですが、文句は言いません。三世代テーマパークという微妙さが怪しいみろくの里で女子高生の集団が降り、旧沼隈町の中心街に入り、次は沼隈支所のアナウンスが入りました。

おそらく千年橋までは鞆行きと同じルートなのですが、鞆への県道から右折する交差点で信号待ちとなった時に、鞆行きへの乗り換えはここですか?と運転手に聞くと、「ありゃ、乗り換えるんか」と驚いた声。その目線を追うと、なんとバスが向かおうとする通りから「鞆車庫」の表示を出したリエッセらしき小型バスが出てきて県道を走り去っていくじゃないですか。

乗り継ぎ指定の沼隈支所は右折してすぐ。庁舎前に小ぶりなバスターミナルを作って福山、松永、鞆、常石、内海といった土地を結ぶ各系統の拠点になっていますが、これはいけません。
「駅のあたりで時間がかかったから」とのことですが、目立った渋滞もなく、この程度で接続が取れなくなるようなダイヤでは困ります。


(沼隈支所バス停)

前も尾道からしまなみ海道の因島大橋BSで、接続を謳う今治行きに乗り継ごうとして失敗した経験がありますが、このエリアのバスは接続など全く考えないのが流儀なのでしょうか。
次のバスは2時間後。見た感じ年末の午前中に時間を潰すような場所もなく、10分ほどで来る福山行きに乗って福山経由で鞆に行くか、とも考えました。

ただそれも迂遠です。Λ型の迂回などしたくもありません。
結局、次のバスまで2時間、ざっくり7km程度なら歩いて先行できる、と考えて、県道をとぼとぼ歩いたのです。


(内海大橋を望む)

まあ結論から言うと歩いて良かった、沼隈半島の先端部をじっくり見れて良かった、と言う怪我の功名だったのですが、ちょっとした峠越えやトンネル通過もあって疲れました。
宿題となった狭隘区間のバス体験は次回鞆にクルマを停めて阿伏兎観音まで往復して達成しましょう。


(鞆町平にて)

それにしても「接続できない場合もあります」と注記してあるとはいえ、逃すと1時間、2時間待ちとなる(逆に一本前に乗れとなると30分とか1時間前になる)様なケースで、接続を取らないというのでは話になりません。

特に前回の因島も今回の沼隈も、もともと直通があったものを系統分割などにより乗り換えが発生したケースであり、系統は分割して乗り換えになりました、接続は取れるか分かりませんし、リスクがあるのなら(今回のケースは2分接続と確かに厳しい)、最初から松永発を早めるなり沼隈発を繰り下げるなりといった余裕を持ったダイヤにすべきです。

こんな状況がまかり通るようではでは公共交通への信頼は極めて低くなりますし、公共交通シフトを訴えても受け入れられないでしょう。