経済成長が活発な時期の国では、国民の消費意欲が旺盛で、豊かな生活の象徴となる商品や、サービスが豊富に供給される。
この消費財を供給する企業の活動が、自由市場経済によって、効率よく供給されると同時に、市場競争によって優勝劣敗が起きる。
それが一段落すると、効率の良い優良企業が残って市場を支配するようになり、新たな競争は起きなくなる。
同時に企業に働く従業員の給与を抑制する潮流が生まれて、企業労働者の消費購買力が弱くなっていく。
この段階を「成熟した市場経済の先進国」と呼ぶが、この時期からは経済成長は鈍化して、消費者の上昇志向も衰える。
さらに悪いことに、この時期には低価格商品は、人件費の安い国の商品に置き換えられて、国内の製造業は海外移転を余儀なくされる。
国内に残る企業では人件費抑制が最優先になってしまい、非正規従業員が増える傾向になり、正規社員の給料までも抑制されることになる。
日本以外の国もこうして、低成長の陥ってしまったが、日本は特に、一挙に低成長に陥ったために、デフレ経済に落ち込んでしまった。
この時期に、大企業経営者も中小企業に賃金抑制を要求し、自ら「消費者の購買力を減少させる愚かな方向」に突き進んでいった。
それは、消費購買力不足が原因であったのに、無駄な補助金政策で、起業支援ばかりに、国の税金を投じる愚策を繰り返した