今回の「最低賃金引上げ」の政府主導による平均1000円の目標において、最低賃金の低い地域では、中小企業傾斜の抵抗は強硬であった。
経済の低迷下では、【賃金引上げは、企業を倒産に追い込むとんでもない要求だ】との言い分で、引上げだけしたら赤字は避けられない。
しかし、中小企業の経営者は、引き上げに反対するのではなく、その見返りとして、政府に要求を突きつけるのが正当な行動であった。
政府の長期的な要望にそう変わりに、生産性向上する手段に、大幅な補助制度、有利な貸付条件を整える政策を実現せよと、言うべきだ。
例えば、政府の要求が最低賃金の引上げ5%とすると、生産性を5%向上すれば対応できる。
つまり、20人で経営していた事業を19人で可能にするのが、対応策だとして、その設備投資や、環境整備の補助金を手厚くするのである。
これを強硬に要求して見返りを獲得しようとしても、「最低賃金引上げ5%」のことだけを政府側が言うならば、それこそ理不尽だ。
具体的に要求しても政府が対応しないならば、政府の怠慢と言える。
結局、平均3%の「最低賃金引上げ」で妥協したので、さらに地方からの働き手が都市部、特に東京圏に人が移動して、地方は寂れる。
東京では、給与は上がっても、生活環境はきびしく、若者が結婚して、子供を育てる状況にはならずに、少子化がさらに進む。
政府の怠慢で、地方経営者が、自分の首を絞めていることになるのだ。