いろはに踊る

 シルバー社交ダンス風景・娘のエッセイ・心に留めた言葉を中心にキーボード上で気の向くままに踊ってみたい。

欲ばり 46編

2005年08月16日 15時04分29秒 | 娘のエッセイ
 私の友人夫婦が、マンションを買った。彼女のエプロン姿を見て、私は彼女の
幸せを感じた。彼女 Mちゃんは、初めてお付き合いをした男性と結婚した。

そんな彼女にある時、「Mちゃんの生き方って、女の幸せな流れのひとつだよね」 
と私は言ったことがあった。私は、当然笑顔の返事が返ってくると思っていたのだ。

 けれど彼女は、「でも、私の青春は暗かった……」と答えた。まさか、彼女が
そんなふうに思っていたなんて……と、その時私は複雑な思いで、彼女の咳きを
心の隅にしまいこんだのだった。

 いくら時代が進んでも、とにかく仕事に生きがいを見出し、その傍らで結婚をし、
子供を育てるという画一的な生き方をする男性に比べ、女性の場合は、仕事をす
る・しない、結婚する・しない、子供を産む・産まない・産めないと、嫌でも生き

方が分かれていく。その結果、選択ということが女の人生の特色となり、選んだあ
ともただでさえ青い隣の芝生が、より一層青く見えてしまうのだろう。

 だからバブリーな時代、女達は貪欲に(世間にタカビーなどと中傷されようとも)
生活をたのしもうとしたのではなかろうか?ポップな遊びの相手には若い男の子
をキープし、豪勢な食事はおじ様と。

そして高価なプレゼントが欲しいが故にボンボンを捕まえた。でも、バブリーな
時代が終わりを告げた今、就職難の女の子達が、昔ながらの『永久就職』の道へ
と回帰するのでは……という声もちらほら聞かれる。そう、女はいつだって、自分
が一番得をできる生き方を選択し続けるのだ。

 最近、年下の男と付き合う女が増えたのもひとつの選択の流行かもしれぬ。
たしかに年下男は、強がっている弱い女の良き理解者になってくれる。

けれど私の友人は、私が「男は年下がいいよ」と言うと、呆れ顔をする。さらに、
もっと現実的なプラスもある。女のほうが平均寿命が長いから、年下の男とのほう
が、永い間一緒にいられていいじゃん……と

 ああ、女の「欲ばり」は生涯続く。
コメント (1)
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