いろはに踊る

 シルバー社交ダンス風景・娘のエッセイ・心に留めた言葉を中心にキーボード上で気の向くままに踊ってみたい。

法律が邪魔をする 43編

2005年08月13日 08時02分25秒 | 娘のエッセイ
 先日、テレビで『性転換手術の現場』という特集を見た。『現場』という言葉から、
手術室のおどろおどろしい映像を想像していたのだが、実際はひとりの男性の手
術の前後を追った形の番組だった。

 まず彼は、日本で禁止されている手術を行ってくれる医師を探す。もちろんヤミ
だ。そして数十分後、手術を終えた彼女は、たった今、自分の体から切り落とされ
た二つの分身をホルマリン漬けにしてもらい家路を辿る。

 手術後数日、彼女の顔からは、男っぽさがすっかりと消え、代わりに柔らかな
優しい表情が現れている。彼女は幸せそうに笑った。でも彼女には、ひとつの辛
い現実が待ち受けている。それは、法律上の性別は『男』であるという現実……

 性転換が認められている国々ではこれは一種の病気だと認識されているとのこ
と。もちろん、手術するにあたっては、”性転換の願望が二年以上継続している
こと”など数々のチェック項目があるらしいが、それをクリアーし手術を終えた

時、彼女は法律上も女として生きることが出来るそうだ。このような事実を知る
と、日本がいかに精神面の病気に対してケアや認識が遅れているかを思い知ら
される。

 彼女達は男として生を受けたが、染色体の異常か、生活環境の為か何らかの
理由によって、女性としての精神を持ち、結果、肉体までも女性化した。

そんな彼女達に、現実的にも法律上にも男として生きていけ、というのは酷く
残酷なことではないだろうか。こういうことを法律を用いて強制するということは、
本当に正しいことなのだろうか。

 もし、その理由が生命の神秘に反する、などというものだとしたらお笑いだ。
クリスマスを楽しみ、初詣をし、お経を唱えるこの節操のない国が?個人の生
き方ぐらい、もう少し自由に選択させてよ……ね。


コメント (1)
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