いろはに踊る

 シルバー社交ダンス風景・娘のエッセイ・心に留めた言葉を中心にキーボード上で気の向くままに踊ってみたい。

怠け者にさせたくない!58編

2005年08月28日 06時28分51秒 | 娘のエッセイ
 私が会社を退職して二週間余りが過ぎた。今まで通勤に一時間かけ、朝八時
半から夜七時八時は当たり前、ひどい時には終電がなくなるまで仕事をしていた
この二年半余り。

ただの安月給のOLだというのに、ウインドウショッピングも出来なかった日々。
一緒に仕事をしていた社員が五人も辞めたというのに、補充がなくその仕事を
ずしんと背負っていた後半の一年は正に地獄のような環境だった。

 退職した時、会社に勤めている間に使えなかった脳細胞をめいっぱい使おうと
思い、今までしたくても出来なかったあれもしようこれもやりたいとウキウキと心
弾んだ。

 ところがどういうことか! 退職した途端に脳細胞がびよ~と伸びてしまってい
たのだ。OL時代は、毎日のルーティンワークに必要な最低時間の脳細胞以外
は、極力使用しないように気をつけていた。

つまり「こーんな会社の為に、私の十年間のOL生活で得た知識と経験と応用力と
創造力を使うのは、実に勿体ないことである」と、ある時悟ったからである。

 それなのに私の脳細胞はととても怠け者だったらしい。充電させるつもりだった
のに、使われていない間に働くこと自体を忘れてしまったようなのだ。

 さて、困った。気持ちばかりが急ぐ。それでもやっと最近になって、リフレッ
シュを終えた脳細胞が働き出した。

花を愛でる時間もなかった期間を思い出しながら、先日何年かぶりに生のもみの
木のリースを幾つか作ってみたりもした。

またしばらく開いていなかった写真集や外国の絵本を眺め、創造力を刺激するよ
うにしているが、なかなか思うようにインスピレーションがわかない。

 一回怠けさせると、上手く働いてくれないなんて、わがまま。身体だったら自分
の意志ではたらかせることができるのに、頭の中だけはそうはいかない。

 もう、絶対に怠け者にさせてやらないゾ。だからこんど就職する時は、サイボー
グみたいに働かなくていい会社を探そう。

 脳細胞全部を使えるような会社をね。
コメント (1)
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