いろはに踊る

 シルバー社交ダンス風景・娘のエッセイ・心に留めた言葉を中心にキーボード上で気の向くままに踊ってみたい。

宝石パズル 40編

2005年08月10日 08時11分59秒 | 娘のエッセイ
 ダイヤの指輪が光っている手をヒラヒラさせながら、C子の話は続く。「でね、
何軒か行ってみたんだけど、やっぱりA店のダイヤがカラットもカットも一番いい
と思って……もう一回A店に行って、店は閉まっていたけど、ドアを叩いて開けて
もらって、こ・れ、買ったのよ」。

彼女の話を聞いて、友人達三人は「我が儘なヤツだなー」と心の奥底で思った。
が、皆口には出さずに、相槌を打たないことでその意思を示した。

 確かにダイヤモンドは綺麗よ。でも、普通そこまでする? 彼女のダイヤにか
ける熱意は、一体何なんだろう。

 例えばT子だ。「トモコの彼って可愛そう。トモコが宝石大好きで」と、年に数
回宝石店に連れて行かれる私の男を気の毒がり、光りモノにはあまり興味の
なかったのに、実際婚約指輪を買った時には、「やっぱり、0.4カラットは欲しく
って」とちらりと女らしい? 本音をもらした。

 それにしても、女達は何故そんなにも婚約時のダイヤの指輪にこだわるのか。
もしかしたら女達は、パートナーとの関係の中でこれからできてしまう心の隙間

を埋める為の予備のピースとして、ダイヤモンドを求めるのではないだろうか?
これは、人の心ジクゾーパズル説である。つまり、心のパズルが綺麗に完成し
ている時、予備のピースは要らない。

 でも、一つでもピースが欠けると、パズルは完璧ではなくなる。予備が必要に
なる。だから、ピースの無くなる予感が大きければ大きいほど、たくさんの予備
が必要になってくる。そこで、登場するのが、お決まりの『ダイヤの婚約指輪』だ。

 こんなモノで、女達の不満が爆発しないなら安いモンだ。と上手くそれを利用
するか、そんなモノ、欲しくならないくらい心を満たしてあげるよ、となるかは
殿方次第。

 でも宝石は、自分で買わずにやっぱり男から貰いたい。実は、これがホンネだ
ったりもする。







コメント (1)
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