いろはに踊る

 シルバー社交ダンス風景・娘のエッセイ・心に留めた言葉を中心にキーボード上で気の向くままに踊ってみたい。

たかが占い? 48編

2005年08月18日 06時47分01秒 | 娘のエッセイ
 占いというものは、必ず当たるようにできている。何故なら、正反対のことを同
時に言うことがあるそうだ。例えば、「あなたは一見、強そうに見えるけど、本当
はとてもデリケートな心を持っていますね」などというように、実に巧みな心理的
トリック。

 でも、いいじゃないの。楽しいのだから。占いなんて宝くじと同じようなもの。
当たるも八卦当たらぬも八卦。千円ちょっとで夢が買えたり、元気づけてもらえ
るんだから、安くて便利。けれどもこの占い、妙に当たってしまうと、これがま
た怖いのだが。

わたしが二十歳の時、友人ふたりと一緒に駅ビルの占いコーナーで見てもらっ
た。当時の一番の関心事と言えば、当然、恋愛運。「二十一歳の時に縁があ
るけれど、あなた、二十一歳では結婚しないわね」と言われた私。

見事に当たってくれました。でも、最近その彼と偶然に会い、彼が別の女性と
結婚して、一年という短い結婚生活に終止符を打ったと聞いた時、密かに私は、
あの占い師のおばさんに感謝してしまった。わかれてよかった……

 そして、「二十六歳だか二十七歳で結婚するね」と言われたHが、二十六歳と
六カ月の時にゴールイン。

実にめでたいのだが、占いによると、彼女の未来は『若き未亡人』。確かに、
彼女の夫は幾つか年上だけれど、こればっかりは、当たってしまっては困る。

 ところで、その当時『恋愛運があり過ぎる程ある』とも言われた私。ずっとそれ
を信じてきたのだが、この間、十年来の男友達に言われてしまった。

「おまえ、男運が悪いんじゃないの」。うーん、そうかもしれない。恋愛運がある
のと、男運がいいというのは、きっと違うものなのだ。

 その上、私の寿命はもしかしたら長くない。かなり前に、ある人に言われた。
「大宰治と同じ運命だ!」と。私は「人間失格」と言いながら死ぬ運命なのか……

 でも気がつく。この一事だけで、占いの嘘っぱち加減がわかるじゃない。
私は作家じゃないんだもの。


コメント (2)
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