いろはに踊る

 シルバー社交ダンス風景・娘のエッセイ・心に留めた言葉を中心にキーボード上で気の向くままに踊ってみたい。

旅行けば… 51編

2005年08月21日 13時29分32秒 | 娘のエッセイ
 私の妹は、ひとりで旅に出るタイプである。例えば貯金をはたいて、数カ月海外
に出掛けたり、気が向くとふらりと京都あたりへ旅立つてしまう。実に自由気儘な
タイプだ。

 その反対に、私はひとりでは、まず旅になど出ない。必ず友人やボーイフレンド
と一緒である。

 一緒に旅をすると、その人の人間性が解かるという。それまで仲が良かった(と
思った)友人同士が、一緒に一泊旅行に出たばっかりに、仲が悪くなってしまった
……などという話は、世間にゴロゴロあるようだ。

 特に女性同志の場合、生理的に受け付けられないとなると、徹底的に何もかも
が嫌になってしまうから、始末が悪い。

 幸い私は、高校時代から今に至るまで、そういった経験はない。これはひとえ
に、寛大な友人達のおかげだろう。なにせ夜ふとんの中で、話をしながら私がコロ
リと寝入ってしまっても、彼女達は「しようがないな」と電気を消して回ってくれ
るのだから。

 また、男性との相性を知るためにも、旅行は絶好の機会だという。まず、宿の予
約に始まり、交通機関の下調べや確保、利用施設の情報収集、これをどれだけ
テキパキこなすか、あるいおは協力的か? そして旅行中のすべての行動……。

 去年のGWに、私は関西へ旅行した。神戸を車で走っている時、私の胃が急に
痛みだした。我慢しようにも、気持ちが悪い。胃の痛みは激しくなる一方だわで、
とても耐えられない。

「もう、だめ」と私の声に、運転席の彼は、コンビにでトイレを貸してもらったり、
派出所で救急病院を教えてもらい車を走らせたりと、実にまめに手際よく動いてく
れた。会社で日頃、のほほんとしている彼からは想像できない発見であった。

 旅は、それ自体も楽しいけれど、後になっての思いで話もまた楽しい。やっぱ
り、旅は道ずれ……のいるほうが私は好きだ。
コメント (2)
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