我想一個人映画美的blog

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人間失格

2010-02-26 13:22:08 | 劇場&試写★4 以下
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「人間、失格。
 もはや、自分は、完全に、人間で無くなりました。」


太宰治生誕100年を記念して、去年から続々と数本映画化されてる中、
ここへきて「人間失格」の登場。

監督は「ファザーファッカー」、「赤目四十八瀧心中未遂」の荒戸源次郎。
製作総指揮、角川歴彦。



太宰治の小説は、いまはめっきり読む時間もないけど昔はこうみえても?
本は(特に日本文学とか)結構読んでいたので、
「人間失格」も読んではいるけどあまり覚えてないのである。

でも、太宰小説が映画化される度、どんな風に映像化されてるのかが毎回気になるし、
(ジャニーズの中では)いちばんカワイイと思える生田斗真主演というのも
気になるので一応劇場鑑賞してきた~。
DVDになってからだと忘れちゃうか、どうでもよくなりそうだし
劇場、ほとんど女子!しかもさすが女子高生多い!


例によって、主人公はいつも太宰自身を自己投影した
いつも死ぬことばかり考えていて、酒に溺れ、女には好かれ、
自堕落、破滅型、陰湿、マイナス思考、、、、
そんなキーワードが並ぶような人間。

そんな主人公、大庭葉藏を 明朗快活、素直、元気、爽やか、前向き、、、、と
全くイメージが違う生田斗真が演じるなんてどうなのー?


相変わらず、ジャニーズ関係関わるものは画像全然なくて苦労するなー



今回初主演、女性がほおっておけないという点では同じだけど、
ダメ男でなんとかしてあげなきゃ、的な感じがしないし男っぽさがある斗真くん
う~ん、、、、頑張ってたけどやっぱりイメージ違う。
でもジャニーズ所属のアイドルという雰囲気は感じさせず、ちゃんとした演技の出来る俳優であるという印象を残した。

しかし!中原中也に同じジャニーズだからってなんだろうけど
V6の森田剛を起用するのはどうかと思う。原作に中原中也なんて出てこないし
そのシーンもいらなかったと思えたなー。
葉蔵を堕落へと誘う、画塾仲間にして悪友、堀木正雄に伊勢谷友介は原作で「色が浅黒く端正な顔をしていて」のイメージにぴったり。


この小説には様々なタイプの女性が登場して、そのキャスティングも注目(見どころ)のひとつ。



三田佳子・大楠道代・室井滋・坂井真紀・小池栄子・石原さとみ・寺島しのぶ


大楠道代はスナックのママだけど、葉蔵はそれぞれの女たちと少しづつ絡んでいく。
別にどの女優も好きってわけでもないから、この人が出て来て特に注目っていうのはなかったけど、
面白かったのが坂井真紀のクネクネした分かりやすい態度、
このキャラクターは、ネット上で読める原作を読み直してみるとほぼセリフも同じ。
(以下、本文より少し抜粋。)

「ごめんなさい。下では、妹や弟がうるさくて、ゆっくり手紙も書けないのです」
 と言って、何やら自分の机に向って一時間以上も書いているのです。
 自分もまた、知らん振りをして寝ておればいいのに、いかにもその娘が何か自分に言ってもらいたげの様子なので、れいの受け身の奉仕の精神を発揮して、実に一言も口をききたくない気持なのだけれども、くたくたに疲れ切っているからだに、ウムと気合いをかけて腹這(はらば)いになり、煙草を吸い、
「女から来たラヴ・レターで、風呂をわかしてはいった男があるそうですよ」
「あら、いやだ。あなたでしょう?」
「ミルクをわかして飲んだ事はあるんです」
「光栄だわ、飲んでよ」
 早くこのひと、帰らねえかなあ、手紙だなんて、見えすいているのに。へへののもへじでも書いているのに違いないんです。
「見せてよ」
 と死んでも見たくない思いでそう言えば、あら、いやよ、あら、いやよ、と言って、そのうれしがる事、ひどくみっともなく、興が覚めるばかりなのです。そこで自分は、用事でも言いつけてやれ、と思うんです。


この心の声の部分が面白かったりするんだけど、そこ、映画では省かれちゃって面白い部分が軽減されちゃった。
あ、でもこの作品においてはそもそも面白くあっちゃいけないのか?


薬屋の女、室井滋とは、いきあたりばったりで酒から逃れるための薬を手に入れる為に自分に夢中にさせる。

室井滋にキス!(やっぱりそこは現実に返っちゃう)
こんな場面があること、全く覚えてなかったし、いきなりのキスシーンにびっくり
多くの斗真ファンが嫉妬でしょう~(笑)強烈なインパクトでした。


あともう一人、気持ち悪くて怖くて面白いと思ったのが、三田佳子とのシーン。
田舎に引っ込み静養する葉蔵の面倒をみる醜い女(原作では)、という設定だけど
これが次第に母親のように、恋人のように愛を持って守る姿を見せ、
同じ布団で寝る。
三田佳子はさすがに白い薄い布はかぶってたけど、斗真は全裸という姿で
まるまっている姿!
こちらも、まるでお腹の中にいる胎児をイメージさせて美しく撮ったという狙いなんだろうけど、逆に太宰作品って感じとは違う。
実際は68歳の三田と25歳の斗真。
ビジュアル的に、かなり気持ち悪~い  
なんかここの場面だけ変な空気、怪しくて不気味。



4/10(43点)


120分超えは長過ぎる

ビジュアルばかり綺麗に撮るのを意識したという感じで
肝心の太宰の世界、退廃的で、常に死にたいと思っている陰鬱で暗ーい感じが
表現されてなかったのが残念。
全体に重みが感じられない、、、。


昭和初期の頃を思わせるはずの美術や舞台セットなんかも、
なんだかツクリモノっぽさを感じて、当時のいい雰囲気もあまり感じなかったな。

比べちゃ悪いけど同じ太宰作品の映画化なら去年の「ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~」の方が圧倒的に良かった。

こりゃわざわざ劇場で観なくても良かったかなぁ。。。


公式サイト
人間失格    2010年   日本   134min
2月20日より、公開中~


生田斗真くん、今回での演技の評判も上々で、既にあと2本の映画が今年公開。

6月5日公開「シーサイドモーテル」はコメディー。
「別冊漫画ゴラク」に連載されていた岡田ユキオの人気コミック「MOTEL」が原作。
生田がインチキセールスマンほか、
麻生久美子、山田孝之、玉山鉄二、成海璃子共演。


8月21日公開、一青窈の名曲がモチーフになっている「ハナミズキ」は新垣結衣共演のラブストーリー。



最近あたたかくなってきたけど、花粉症の人は大変な時期に突入~?
皆さま、楽しい週末を



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