なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

脳梗塞

2023年10月03日 | 脳神経疾患

 10月1日(日)の日直の時、午後2時ごろに83歳女性が救急外来を受診した。

 当初は転倒して、左大腿部を打撲してそれから歩けなくなったという話だった。ところが実際は、立位で農作業をしている時に、急に左下肢の脱力が生じたということなのだった。

 意識は清明で、普通に会話できて認知症はなさそうだ。左上肢の脱力はなかった。腰痛はない。左大腿に疼痛・圧痛はなく、整形外科の問題ではなく、脳の問題だった。

 頭部MRIで左大脳の皮質に罹る病変を認めた。確かにこの病変だと下肢>>>上肢の症状が出てもおかしくないか。

 急な脱力で脳梗塞としては合わないかと思われたが、FLAIRでも病変は写っていて、脱力を生じた時よりも前に脳梗塞は発症していたはずだ。

 隣町の内科医院から高脂血症の処方を受けているが、抗血栓薬の処方はない。心電図は正常洞調律で心房細動はなかった。MRAで明らかな脳動脈の閉塞は指摘できない。

 入院してもらって、抗血小板薬(DAPT)とエダラボンで治療を開始した。本人と家族には入院後の症状の進行がありえること、1週間経過をみないと症状が確定できないことを伝えた。

 

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ICD講習会 | トップ | 重症の便秘 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

脳神経疾患」カテゴリの最新記事