8月19日(月)に内科外来から、肺癌の患者さん(70歳代半ばの男性)が受診して、血圧が80mmHg台で脈拍が140/分くらいと連絡がきた。
また、もともとの左半身麻痺が進行して完全麻痺になっているという。名前を聞いてもわからなかった。8月5日に地域の基幹病院呼吸器内科から紹介されて受診した方だった。(外来で1回診ただけでは、若い先生のように記憶してはいない)
今年の4月に胸部腫瘤影で、近くのクリニックから基幹病院に紹介されたそうだ。気管支鏡検査で右肺小細胞癌と診断された。放射線化学療法目的で、大学病院紹介となった。
大学病院では照射困難(腫瘍が大きいため)で、抗癌剤治療が行われた。6月下旬に右中大脳動脈領域の脳梗塞が発症した。その後は肺癌についてはBSC(緩和ケアのみ)となった。
7月初めに大学病院から基幹病院に転院してきた。脳梗塞のリハビリをしていたが、介助での杖(4点杖)歩行が可能になったところで退院になった。
退院後の治療と癌進行による終末期の対応も含めて当院の外来に紹介された、という経緯だった。
心電図上は頻脈性心房細動だった。診療情報提供書に心房細動の記載はなかったが、処方に抗凝固薬(リクシアナ30mg)が入っていた。心房細動だったことがあったのかもしれない。呼吸器内科の紹介なので、脳梗塞についての記載は簡単なものだった。
バイタルが良くないので、その日は頭部CTだけ行った。右中大脳動脈領域に新規の梗塞が追加されているようだ。前回の脳梗塞発症時の画像は送られて来ていなかったので比較が難しい。
入院後は点滴をして血圧が90~100mmHgになってきたので、ビソノテープ2mgを貼付した。心拍数が100~110/分くらいにはなった(体動時は140/分まで上昇)。
20日朝に診ると、心拍数50~70/分の心房細動だった(病室の心電計)。血圧は100~120と安定してきた。ナースステーションに戻って心電図モニターを見ると、P波があった。洞調律になっているので、12誘導心電図でも確認した。
バイタルが安静しているので、頭部MRIを行った。右中大脳動脈が閉塞して、その領域に梗塞巣を認めた。
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