なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

外傷性くも膜下出血

2024年06月26日 | 脳神経疾患

 6月24日(月)に市内の整形外科クリニックから91歳女性が紹介されてきた。

 施設(グループホーム)に、開設当初から入所しているそうだ。グループホーム入所なので、身の回りのことはできる。前日の日曜日の午前6時ごろ、振り向いた時にバランスを崩して転倒した。本人の話では、意識消失はなかった。

 右手関節部と右殿部の打撲による発赤・皮下出血があり、右側頭部にもあった。その日は特に痛みも訴えず、普通に過ごしていた。

 月曜になって、打撲した右手関節部と右殿部の痛みを訴えたため、整形外科クリニックを受診したという経緯だった。クリニックでX線撮影をしている時に2回嘔吐があり、体温が37.6℃あった。頭部外傷のためでしょうか、という紹介だった。

 当院受診時は、嘔気はなく、普通に会話可能だった。頭痛はないそうだ。施設職員の話では車酔いをするので、それで嘔吐したかもしれないという。

 打撲の触診では骨折はなさそうだった。打撲部のX線と頭部CTを行うことにした。

 その日は血便1例、血痰2例の新患があり、再診の合間に診ていて忙しかった。CTを担当している放射線技師さんから連絡が入った。「出血があります」ということだった。

 見に行くと、右側頭部に骨折があり、脳表面の数か所に小出血を認めた。左頭頂部の出血が一番目立つ。硬膜下ではなく、脳溝に及ぶのでクモ膜下出血だった。

 

 意識清明で、その日の朝食も普段通りに食べている。保存的に経過をみていいのかもしれないが、それは脳外科の判断になる。

 地域の基幹病院の脳外科に連絡すると、午後から外来で診てもらえることになった。救急搬送ではなく、そのまま施設車で向かってもらう。家族は市内在住なので、連絡して脳外科受診時に立ち会うよう伝えた。

 整形外科クリニックには、頭部CTのコピー(CDではなく印刷で)も添えて返事を出した。「御高診の通り」と書くのは忘れた。

 

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