なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

脳梗塞ー隣人に助けを求める

2014年03月13日 | Weblog

 74歳男性が救急搬入された。昨日までは何でもなかったらしい。朝からいつもと違うことに気づき、20mほど離れた隣家までフラフラと歩いて行った。どうしていいかわからない、助けてくれと隣人に訴えた。受け答えが普段と違うので、隣人が救急要請した。

 この方は東京在住だが、15年前から趣味の釣りをするために当地の山沿いに古家を買ってひとりで住んでいた。奥さんと子供は東京にいる。半年に1回東京に戻り、ほとんど当地で過ごしている。名前は言えたが、生年月日が言えなかった。3人の息子の名前も出なかった。明らかな麻痺はない。心電図で心房細動を認め、脳塞栓が疑われた。発症時間がはっきりしないが、頭部CTですでに左後頭葉に脳梗塞を認めた。頭部MRI・MRAでは同部位の脳梗塞が確認できて、左後大脳動脈の閉塞を認めた。神経内科に治療をお願いした。救急隊が東京の妻に連絡していて、こちらに向かっているという話だった。運動機能にはそれほど支障はないのだろうが、同名半盲もあり認知力も低下するので、気ままな釣り生活はもうできないだろう。

コメント
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