Chang! Blog
福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです




 5月13日午後2時、熊本城を降りた僕は、同期の住む熊本駅方面へと移動。市電はいつも混み合っているので、今回はバスを使ってみました。
 渋滞する時間でもなかったので、駅前には並走する市電と同着。ただ運賃は、10円高かったです。


 がんばるばい!


 駅裏で待ち合せた同期の車に乗せてもらい、益城町中心部へと向かいました。震災から2週間も経たない4月末に一度仕事で来ており、その後の様子が気になっていたのです。
 まだ壊れたまま手つかずの家は多く、道路もがたがた。厳しい状況の街中に、真新しいテントが立っていました。東北でも多く見られた、復興屋台村です。


 時間帯が時間帯なので、お客さんの数はまばら。夜には賑わうのかな?
 ドライバーがいるので飲むわけにもいかず、からあげと「水」でおやつにしました。


 メッセージボードには、著名人のサインも。


 市内に戻り、昨年3月に開業したばかりの西熊本駅を見物に来ました。熊本市側が経費全額負担した、いわゆる「請願駅」です。
 立派な高架駅だけに、経費もハンパなかったろうと思います。


 駅周辺は街中というより、郊外の「バイパス沿い」といった風情。駅のすぐ北側には、高架を挟んでイオンタウンが広がります。バイパスを挟む分、駅とは心理的な距離感があるのは残念。
 一方、駅前ロータリーの前はマンション建設予定地になっており、平日は電車、休日はクルマの生活には便利そうです。


 駅そのものは、熊本駅の隣にも関わらず、無人駅なのは驚き。券売機も簡易型です。


 改札には、都市型無人駅でおなじみの列車位置情報紹介サービス「どれどれ」がはめ込まれていました。今後も、こんな駅が増えていくんだろうな…。
 駅事務室自体はしっかりしたものが設置されていて、有人駅で計画されていたのかも。もし事務室設置の費用も公費で負担されたのだとしたら、ちょっと腑に落ちない感はあります。


 新しい高架駅だけに、ホームも立派。壁面には県産材が使われ、無機質なホームに温もりを与えていました。


 同期と別れ、今宵の宿にチェックイン。ワシントン系のR&Bホテルです。
 GW明けの週末なのに宿の確保には難航し、ようやく予約できました。観光はもちろん、復興需要も重なっているのかもしれません。


 夕方7時のアーケードに出てみれば、あい変わらず賑やか。広いアーケードに人があふれる様子は、福岡では見られない光景です。


 2014年に閉店したダイエー熊本下通店跡には、新たな商業施設「COCOSA」が1週間前にオープンしたばかり。
 地方の大型スーパーやデパートの閉店はよく聞く話だけど、すぐに代わりのものが建つあたり、熊本市街地はまだまだ元気です。


 アーケードの反対側から見ると、5階までが商業施設、6階より上はオフィスという構成がよく分かります。
 JR熊本駅では、JRの手による駅ビル開発が予定されており、福岡における天神VS博多の構図は、熊本でも展開されそうです。




 市役所裏の焼鳥屋さん「八師団」で、明日への英気を養いました。


 明けて5月14日(日)。7時には早起きして、8時に交通センター(工事中のため仮営業中)へ出てきました。


 熊本空港行きのリムジンバスは、韓国・ヒュンダイ製の大型バス。自家用車の市場には切り込めなかったヒュンダイも、長距離バスの世界ではじわじわ浸透してきています。


 僕自身は韓国で乗り慣れていることもあって、違和感ゼロ。快適な乗り心地でした。


 郊外に出れば、阿蘇を目指すライダーたちの姿も目に付きます。5月の阿蘇は、震災の前も後も吹く風爽やかな別天地。最高でしょうね。


 今回は空港を目指すわけではなく、1つ手前のテクノ団地前で下車しました。テクノ団地はもともと工業団地ですが、現在は多くが、大規模な仮設住宅団地になっています。
 既存の市街地とは距離があるけれど、市内へゆったり座っていける空港バスが使えるのはいいですね。


 益城の市街地との間にも路線バスが走り、車のない人の生活も支えています。


 イオンの仮設スーパーをはじめ、商業施設が並んだゾーンもありました。木造の集会所は団地で1ヶ所だけではなく、区画ごとにいくつも設けられています。
 仮設住宅の暮らしは本当に大変な面も多そうですが、少しでも不便を和らげようとする試行錯誤が続きます。


 今回の熊本入りの目的は、テクノ仮設団地への「緑のカーテン」設置のお手伝いのためでした。東京のNPO「緑のカーテン応援団」の主催で、これまでも東日本の各地で設置して来られたのだとか。
 まずはモデルを見ながら、設置方法のレク。ノウハウが確立されています。


 午前中はネット設置班として作業。ネットは、窓の庇のボルト部分にひっかけます。
 作業としては単純で慣れれば早かったのですが、脚立の昇降に想像以上の筋肉を使っていた模様。


 お昼ごはんは、カレーをもりもり御馳走になりました。
 午後は土入れと苗の植え付け班に回り、無事に作業終了。当初は希望されていなかった世帯からのリクエストも多く寄せられたそうで、少しでも夏の苦労が和らげばと思います。


 5月の阿蘇とは思えない陽気で、体は汗だく。いい運動にもなりました。
 集会所での打ち上げも終わった頃には、長い初夏の陽も傾き始めていました。


 日曜の夕方とあって空港から市内へ戻る人も多く、空港バスは満席状態。補助席で、うつらうつら船を漕げば、バスはネオンきらめく市街地へと入っていました。


 我々グループの打ち上げは、昨日発見した「オーデン」の本店へ!老舗のビアレストランです。


 店内は、本場・ドイツのイメージ。新婚旅行で行ったドイツのビアホールを思い出します。


 メニューはビールだけで、何ページにもわたります。樽生ビールだけでも常時7種類。どれにしようか迷いまくりです。


 ともあれ時間もないので乾杯!ソーセージも熊本産の手作りで、ビールにもよく合います。昼間に抜けた水分を、一気に補充しました。
 わずか40分ほどのドイツ体験でしたが、満足。今度はゆっくり来たいです。


 帰路は、早得で抑えておいた「つばめ」で久留米へ。熊本までなら普通電車でも充分だとは思うけど、翌日が控えているときはやっぱりラクでいいものです。
 おかげで翌日からの仕事も元気バリバリ・・・だったらよかったのですが、脚立昇降の後遺症(筋肉痛)に、1週間悩まされたのでした。

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 GW明けの5月第2週は、約1年ぶりに熊本の街を訪ねてみました。


 熊本までは、西鉄電車+JR普通電車の乗り継ぎで。西鉄沿線からであれば、経済的に移動できるルートです。
 西鉄の特急電車は、すっかり3000形に入れ替わってしまいました。クロスシートは快適だけど、どこかバブリーな雰囲気があった8000形が恋しくもあります。




 大牟田からの普通電車も、クロスシートの817系だったので快適。ドア間1枚の大きな窓からは、有明海越しに普賢岳も望めました。
 週末に熊本方面へ遊びに行く人で、玉名あたりからは満席状態。2両ではちょっと輸送力不足に感じます。


 熊本の1駅手前、上熊本駅で下車しました。昨年5月に来た際には、「ななつ星」テイストに新装された高架駅にびっくりしたものです。
 簡易型IC改札機は、1台増設され2台になっていました。


 そして昨年12月、駅本体に続いて、商業施設「駅マチ1丁目」もオープンしました。「駅マチ1丁目」とはJR九州がマネジメントする、駅ナカ商業施設の愛称。福岡都市圏を除くと、副都心クラスの駅では珍しい存在です。
 熊本には水前寺と、ここ上熊本に立地しています。水前寺には賃貸マンションもあるとかで、さすがは九州3番目の政令市です。




 100円ショップや大型のスーパーが入り、日常使いできるラインナップ。主要幹線沿いにあり、車の客を呼び込めるのも強みです。


 駅マチのテナントの一つ、オーデンハム・ファクトリーでランチにしました。
 市内のビアホール「オーデン」のハム工場部門が独立したのがハム・ファクトリーで、そのハムの直販店という位置づけですが…


 店内でも、できたてのホットドックを味わえます。元がビアホールだけあって、ヒューガルデンの生を昼間から飲めるのも嬉しいところ。本店にも行ってみたいな。


 市電の上熊本駅前電停からB系統に乗って、街へと出ます。旧JR上熊本駅の上屋を移設した電停は、今も地震の影響で立ち入り禁止エリアが設定されていました。
 この日、藤崎台県営野球場でホークス戦が開催されており、観戦客で市電はぎっしり満員でした。


 新町電停で下車。


 新町から洗馬橋の間は、熊本市電で唯一の専用軌道区間。下町情緒がぐっと濃く感じられる界隈です。


 新町電停の交差点斜め向かいにある、長崎次郎書店を訪ねました。2013年に閉店した大正13年築の老舗書店が、関係者の努力で翌年に復活したものです。
 スクラッチタイルがいい味を出している、瓦屋根の擬洋風建築です。


 1階は小さなギャラリースペースも擁する書店、そして2階への階段を上がっていくと…


 魅惑の空間、喫茶室が出迎えてくれます。
 歴史ありげな風格を醸し出しますが、オープンは書店再開と時同じくしての2014年なんだとか。


 丁寧に淹れられた珈琲を傾けつつ、


 窓からは行き交う市電を眺められます。鉄道好き、近代建築好き、珈琲好きの僕としては、至福の時間が流れていました。


 新町界隈は、古くからの街並みが残り、近年ではその風情が注目を集めていました。
 しかし昨年の地震では、古いが故の被害を受けることに。街を歩いていると、廃業や、他の場所で再開した店のお知らせがあちこちに出ています。


 解体される建物も多い中で、ひときわ大きく歴史もある吉田松花堂は、大規模な修理作業に入っていました。
 応急判定では危険を示す「赤」が貼られた建物も、しっかり工事をすれば復旧できるんですね。


 そのまま歩いて、熊本城を訪ねました。地震で大きな被害をうけた天下の名城も、立ち上がりは早く、周辺の観光ルートは地震後1ヶ月も経たずに再開していました。
 お土産処の被害も大きく、立ち入り禁止のままですが、プレハブの店舗を構え営業を再開されています。


 駐車場には大型バスが並び、押し寄せる観光客はご覧の数!外国人の姿も多く見られ、一級の観光地としての存在感は、完全に復活していました。






 無残に崩れた石垣も、少しずつ復旧に向けて動き始めています。番号を振られ並べられた石は、今しか見られない光景です。


 天守閣にも足場が組まれ、まさに復旧工事にかかろうというタイミングでした。熊本城全体の復旧には数十年かかるといわれている中、天守閣の復旧工事は4年後の年度末が工期に設定されています。




 昨年5月には入れなかった加藤神社も、応急復旧が施されていました。昨年6月8日には、麓からのルートを開通させたんだそうです。


 熊本城の復旧工事も間近に見られます。


 城下に降りれば、今日も賑やかな熊本の繁華街。路面電車の芝軌道が、爽やかな都市景観を作っていました。

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 2005年の台風被害で休止・廃線になった高千穂鉄道、高千穂駅。廃線から10年以上経た今も、駅は現役当時の姿のままです。というか、むしろ賑わってる・・・?




 現在は、「高千穂あまてらす鉄道株式会社」が管理者となり、駅内は鉄道公園に、そして旧高千穂鉄橋までは「スーパーレールカート」を走らせています。
 家族で楽しめる鉄道テーマパークといった趣で、休日は人気を集めるレジャースポットに生まれ変わりました。


 中でも人気の高いレールカートは、早い時間に満席の情報を得ており、乗れないものと諦めてました。しかし窓口で見てみれば、次発の14時発に1席だけ空席が! 家族連れのスポットだけに、1席ではなかなか売れないんでしょうね。
 ヨメさんも後押ししてくれたので、待ってる間にと生ビールを1杯おごり、カートの列に並びました。運とヨメさんに、感謝。


 嬉しいことに、あまてらす鉄道の乗客は増加基調。以前は、軽トラックベースの素朴なものだったのが、今年3月、30人乗り・2500ccの力持ち「グランド・スーパーカート」に入れ替わりました。
 ピンクが基調の塗装は、高千穂鉄道のTR型と同様。このまま延岡まで走ってくれないものかと思います。


 運転台を見てみれば、鉄道車両とは似て非なるもの。大型トラックっぽいです。
 簡易な車両で運行できるのは、あまてらす鉄道が鉄道ではなく、公園内の遊具の扱いだから。錦川清流線の終点から伸びる「とことこトレイン」と同様の解釈です。


 ロングシート?に満員のお客さんを乗せて、出発進行。もう二度と乗れないと思っていた、高千穂鉄道の線路の上を走り始めました。
 天岩戸駅までの間にはトンネルがあり・・・


 トンネル内はイルミネーションで輝きます!
 錦川のように、トンネルそのものが発光しているわけではなく、車両から投影されたもの。さすがは純民間企業、手作り感とアイデアで勝負してます。


 1駅目の天岩戸も現役時代そのまま。将来構想では、こちらも観光拠点として活用していきたい意向のようです。


 鉄門をくぐれば、いよいよ東洋一の大鉄橋、高千穂橋梁へと足を踏み出します。


 峡谷の中に放り出されたような感覚!高千穂鉄道時代のトロッコ列車も解放感はありましたが、屋根がない分、よりスリルは増したように感じられます。




 車両から身を乗り出してみれば、川面ははるか眼下に・・・もはやリアリティを感じない高さです。
 鉄橋が赤さびてしまっているのも、ちょっとスリリング。もちろん安全点検は行っており、昨年の熊本地震後は安全確認のため、夏頃まで運行中止に追い込まれたとか。




 運転士さんがシャボン玉を飛ばすと、子どもたちからは歓声が上がりました。


 しばしの空中浮遊を終え、前後を入れ替えて高千穂駅方面へと戻ります。


 高千穂鉄道として復活できなかったのは残念だけど、自由度が増した分、観光施設としての魅力が増していたのは嬉しい想定外でした。
 好調な業績が、ぜひ延伸への後押しになればと思います。


 レールカートに乗れなくとも、現役時代そのままに保存してある、高千穂駅構内の見学も楽しいですよ。


 2両が保存してある高千穂鉄道時代のディーゼルカーは、車内まで入ることができます。車両の下まで潜り込めるのも、他ではできない体験です。
 監視の人はおらず、安全管理は自己責任。公営ではないので、あまり細々したことは言わなくてもいいのかも。


 線路は、車庫から100mも行かない地点で途切れます。世が世なら、南阿蘇鉄道まで通じていた線路です。
 まさか南阿蘇鉄道まで窮地に陥るとは、しかも地震の被害のために。九州横断の夢はついえても、どうか少しずつでもレールが戻ってほしいと願います。


【高千穂回遊バス】高千穂駅⇒高千穂峡


 14時55分の高千穂回遊バスに乗って、高千穂峡へと下ります。最終便なので、高千穂峡で降りてしまうと、他の手段で戻る他ありません。
 えらい山道をクネクネと下っていくので、こんな道を歩いて戻るのは敵わんなあと思いますが、バスを一方通行で「回遊」させるための迂回路なので心配なく。


 約15分で高千穂峡へ。もっとも晴れてほしかったタイミングで、晴れてくれました。
 木々の若葉を通して降りてくる日差しは、爽やかで柔らかです。


 高千穂といえば、渓谷のボート巡り。そもそもこの旅、高千穂峡でボートに乗ってみたいというのが発端でしたが、3時間待ちとあっては諦めざるを得ません。
 まあ他に「できたこと」はたくさんあるので、よしとしましょう。


 渓谷を渡る風に吹かれながら木々の間を歩くのも、気持ちがいいものです。


 高千穂で好きなポイントの一つ、1代目、2代目、3代目の橋を見上げられる場所。技術の水準は違えど、谷を渡りたいという人間の要求に応えてきた技術の歴史が、一同に会します。


 というわけで、橋に乾杯。


 シャトルバスに乗れば100円で高千穂神社まで行けるのは分かっているのですが、遊歩道の看板も高千穂神社を指しているので、歩いて行ってみることにしました。酔っ払いがどこまでも歩くのは、3日前と変わりません。
 九州オルレのコースでもあり、見慣れた2色のリボンを目印に歩きます。


 階段の傾斜と高低差は想像以上のもの。高千穂神社から渓谷まで歩き、帰りをバスに乗った方が賢明だったと気付いたのは、行程も中盤を過ぎたところでした。
 時間があるのは幸い。休み休み、時ならぬ山登りです。


 境内の後ろから失礼!高千穂神社にたどり着きました。
 バスセンターまでは徒歩15分の距離です。


 バスセンターまでの途中には、がまだせ市場なる物産館があり、お土産の買い出し。
 夕方5時になり、高千穂牛レストランもオープンしたところでしたが、あまりの値段に後ずさりしました。


 バスの時間まで1時間少々。旅の終わりに一杯やりたいなと思い、バスセンター周辺をウロウロしてみましたが、開いているお店は1軒だけでした。選択肢はなく飛び込んだ「居酒屋けんちゃん」、結果的には とんでもなく当たりのお店だったわけで…


 神楽酒造の法被が飾られた店内。著名人も多数、訪れているようです。


 高千穂牛の串やら…


 肉厚のシイタケ焼きやら…


 もちろんビールから焼酎まで、いい気分になるまでお酒もたっぷり。お腹も大満足、バスの中で飲む用にワンカップの焼酎まで持たせてもらって、2人で4千円でした!
 また立ち寄らせて頂きます。


【ごかせ号】高千穂バスセンター⇒久留米インター


 18時40分発の高速バス「ごかせ号」が、事実上の帰路。久留米まで3時間近くかかるとはいえ、座っていれば山奥の神都から地元まで帰れるのですから、便利なものです。
 バスの外観を見て嫁さんが一言「はかた号だ!」。博多~東京間の夜行バス「はかた号」は2階建てバスを経て、現在は個室付きバスに変わっていますが、このデザインは僕も「はかた号」を連想します。


 車内も独立3列シートの、夜行バス仕様。ゆったり寝て過ごすには最高の車両です。
 4年前に乗った時は窓も夜行仕様、つまり光漏れがないよう窓の1/4が遮光フィルムで塞がれており、景色が見えなくて閉塞感がありました。今日のバスは窓が大きいままで、日没までは車窓を楽しめそうです。


 高千穂峡を眼下に、はるか久留米への旅が始まります。


 陽も沈めば手持ち無沙汰。独立3列シートなので嫁さんとの会話もままならず、スマホに熱中という、現代人にありがちな時間の過ごし方に帰着します。
 休憩時間は、ありがたい気分転換です。熊本らしく「ヒライ」が営業主体のSAは、すでに店じまいした後だったのは残念。


 すっかり夜行バスの旅の気分だけど、熟睡すれば福岡まで連れていかれかねないので注意。


 熊本地震以降、2車線・対面通行での暫定運用が続いていた区間も、GW直前に4車線復旧を果たしました。おかげで慢性的に発生していた渋滞も解消され、スムーズです。
 昨年の暫定復旧もGWまでに行われており、その影にあった努力を想うと、感謝しかありません。


 ほぼ定刻の9時半、久留米インター着。こんな遅い時間に帰ってきても気が軽いのは、明日も休みなればこそ。ありがたき5連休です。


 久留米インターで高速バスを降りた後は、東合川商工団地まで5分ほど歩いて、空港発の高速バスで久留米市内に向かうのが、お決まりの乗り継ぎルートでした。昨年9月のルート変更に伴い高速バスの市内利用ができなくなり、今は徒歩10分の合川まで出る他ありません。
 暗いバス停から20番のバスに乗れば、一気に日常へ帰って来た気分になったのでした。

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 最終日の朝は、早起き。広い宮崎県を南から北へ大縦断するため、朝7時前には出発です。
 夜中に雨が降ったらしく、商店街には水たまりができていました。もともとはアーケードがあったので、路面の雨水排水はあまり考慮されてないのかな。


 街中を抜け、JR日南線の油津駅にやってきました。
 SUN Q パスを持っているので、バスならタダになるところ。しかしバスで行くと、どうしても今日の目的地・高千穂入りが遅くなってしまうので、油津⇒宮崎間だけは別払いでJR利用にしました。


 サボテンが威嚇する駅。さすがは南国、宮崎です。


 乗り慣れた非電化ローカル線の雄、キハ47系に乗り、今回の行程でほぼ唯一の汽車旅がスタート。ボックスシートに座り景色を眺めていると、心が落ち着きます。
 もちろんローカルバスの旅も好きだけど、僕の「本業」はやっぱりこっちなんだと思います(笑)。


 油津~宮崎市内はJRで1時間半、宮交バスで1時間40分と、所要時間では大差ありません。いずれにせよ今は、県都までの時間距離はなかなかのものです。
 車窓にはJRのライバルになりうる、東九州道の工事が進んでいます。企業誘致を目指す日南市にとっては、待望の高速道路だと思います。


 「鬼の洗濯岩」は、JRにとっても名物車窓。観光特急「海幸山幸」は一時停止する景勝地も、普通列車はなかったことかのように走り抜けます。


 大淀川を渡れば、1日ぶりの宮崎市内です。


 宮崎駅には定刻に到着。バスへの乗り継ぎ時間は8分しかなかったので、ありがたかったです。
 改札口には、ついに2015年、宮崎にも導入された自動改札機が。合わせて導入されたICカードはバスとも共通利用できるので、一気に便利になりました。


【宮崎交通・高速バス】 宮崎駅前⇒高千穂バスセンター


 高千穂までは、土休日限定で1往復のみ運行の、直行高速バスを予約しました。
 宮崎駅前を8:40に出発し、高千穂までは約2時間半。JRと路線バスを乗り継ぐよりも、早くてらくちんです。


 座席は、この旅初のゆったり3列独立型リクライニングシート。夜行バスのような仕様です。リクライニング角も深く、ゆったりくつろげました。
 乗車率は6割程度。満席になることもあるようなので、早めの予約が吉です。


 ようやく恵まれた晴天。大きな窓からは、宮崎の山々を見渡せます。何でもないような景色にも、外国人観光客が盛んにシャッターを切っていたのが印象的でした。


 海側に目を転じれば、波打ち寄せる日向灘も見渡せます。リクライニングを倒し、大きな窓から景色を眺めて、時々まどろむ。高速バスの旅は、こうでなくっちゃ。


 延岡JCTからは、九州中央自動車道なる耳慣れない高速道路に入りました。最終的には熊本県側の、九州自動車道・嘉島JCTに至る計画ですが、まだ調査にすら着手していない区間もあります。
 延岡側は、市内の北方までが供用区間。完成2車線の区間も見られ、制限速度は80km/hです。


 道の駅北方よっちみろ屋で、休息。


 地元農家さんが販売する店舗も出ていました。果物だけではなく、果物を加工した製品も扱っています。1次×2次×3次の、いわるゆ6次産業というやつですね。


 10時のおやつは金柑のクレープ。皮ごとがぶりで、柑橘系の香りが広がりました。


 延岡から高千穂へは、峡谷をいくつもの橋で渡る「神話街道」を通ります。旧来の五ヶ瀬川沿いの集落は、はるか眼下です。
 以前からの旧道を路線バスで通ったことがありますが、よく大型バスを通せるなと感じるほどの隘路でした。1995年のバイパス開通は、革命的な出来事だったんでしょうね。


 もしバイパスがなければ、平行する高千穂鉄道はどうなっていたのかな…2005年の台風被害で命運尽きた鉄道の跡は、バスの車窓からもチラチラ見えます。


【高千穂回遊バス】高千穂バスセンター⇒天岩戸神社⇒高千穂駅


 ほぼ定刻に、高千穂バスセンターに到着。県内の移動で、接続もスムーズだったのに、油津から4時間20分を要しました。宮崎県はでっかいどう。
 高千穂町内の観光地は、バスで回ることも難しくはありません。特に土日なら、主要な観光地を巡る高千穂回遊バスが便利です。


 岩戸方面は「九州のバス時刻表」で検索すると、1日4本の回遊バスしか出てきませんが、実際は町が宮交に委託しているコミュニティバス「ふれあいバス」も走っていて、組み合わせると自由度が増します。
 高千穂峡方面も、高千穂神社まで歩けば、時期によってはシャトルバスが出ているので、公共交通派は事前にリサーチしておきましょう。


 高千穂回遊バスは、派手な外観で目立ちます。


 車内にも、運転席の後ろに神楽面が飾ってありました。


 約20分で、岩戸着。天岩戸神社の門前町です。
 時間は昼12時、お腹も空いたので、まずは腹ごしらえをすべく飯処を探しました。


 参道の端、「居酒屋」の看板の方が目立つ なかや食堂さんで、昼ごはん。


 特に名物といった料理ではなかったけど、やさしいおかみさんの作る手料理、おいしかったです。


 お腹もふくれたところで、天岩戸神社へ参拝。まずは岩戸川の渓谷を挟んだ北側に鎮座する、東本宮を訪ねます。


 うっそうとした森の中の階段を登る参拝客は、参道の賑わいに比べればわずか。訪れる人は少ないようです。


 東本宮は『天照皇大神が天岩戸からお出ましになられた後、最初にお住まいになられた場所を御祀りしている神社』(公式HPより)。どちらかというと、隠れ家のような雰囲気は東本宮の方が強いように感じました。


 バス停に戻り目の前にある西本宮は、門前町も大きく、観光地的な空気も感じられます。


 新緑の木々がまぶしい。


 西本宮は『天照皇大神が御隠れになられた天岩戸(洞窟)を御神体として御祀りしている神社』(公式HPより)。観光客の姿は、東本宮よりずっと多かったです。


 13時30分の回遊バスに乗り、高千穂駅で下車。高千穂鉄道の休廃止から10年以上経った今も、バス停名には「駅」が残ります。そして駐車場には、車もいっぱいです。
 つづく。

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 日南市・油津の中心部、山形屋前で下車しました。人口5万人の街に、デパートが営業しているのだから立派です。
 2006年まで大分県臼杵市にあった、臼杵トキハを思い出しました。


 規模は小さめで、食品売り場はスーパーのようです。昔ながらの地方の百貨店という雰囲気が濃い中、コムサの一角だけはなんだか空気が違いました。


 入口には、中国語の案内が。クルーズ船の旅客は、宮崎市内などの観光やショッピングを楽しむ傾向があり、クルーは買い物を近場で済ます傾向があるのだとか。
 なるほど、大型クルーズ船ともなれば、クルーだけでも「特需」となりうるわけですね。


 クルーズ船の待つ港へはシャトルバスが結び、気ままな個人客やクルーの街歩きをサポートします。ボランティアのおっちゃん達がガイドに立っているので、言葉が分からずとも安心です。


 商店街のアーケードは、明るい雰囲気。よくよく見れば屋根が取り払われており、自然光が差しているのでした。アーケードの完全撤去はよく見るけど、骨組みだけ残すとは斬新です。
 そしてこの油津商店街こそ、今回日南海岸を下った目的の一つ。商店街活性化、地方創生のモデルとして全国から注目を集める現場を、歩いてみたかったのです。


 まずは商店街の油津駅側入口にある、ABURATSU COFFEEへ。油津商店街の活性化プロジェクトの第一弾として、2014年にオープンしたカフェです。
 正面から見ると、古くからの喫茶店をうまくリノベーションした、今風のカフェですが。


 側面にまわると、昭和の街中ならどこにでもあったような、喫茶店のたたずまいを残します(笑)。


 店内も、ほどよく昔の雰囲気が香ります。歴史ある店の再生だけに、デザインにあたっては昔の常連さんの意見も取り入れたのだとか。老舗に歴史ありです。
 午後3時前だというのに、若いお客さんで満席。今風のチェーンのカフェがなかなかやってこない地方だからこそ、集客のチャンスがあるのかもしれません。


 遅いランチは、九州パンケーキを使ったクロックムッシュにしました。フードのメニューもしゃれております。
 コーヒーも合わせて、972円でまったりゆったり、時空を超えたひとときを過ごせました。


 アーケード街(?)の中にある、油津Yottenへ。2015年11月にオープンした、正式名称を「多世代交流モール」と称する公共施設です。
 訪問した時は新築の施設だと信じて疑ってもいなかったのですが、なんとスーパーのマルショクをリノベーションした建物なのだとか。中庭部分を大胆に減築、ガラス張りで明るい内部からは、スーパーの面影を微塵も感じません。


 スケジュールがかかれた黒板には、「視察」の文字がいくつも。油津は今、全国から注目を浴びる商店街です。


 そして油津といえば、カープのキャンプ地としても半世紀以上の歴史を誇ります。昨年は、本家広島市にも負けず劣らず、盛り上がりました。
 そんな熱気を年中感じられる、ファンにはたまらない「油津カープ館」もあります。


 Yottenのアーケードをはさんで向かい側には、コンテナが並んだショップ街「ABURATSU GARDEN」も出現。コンテナの隙間は路地のようで、実際に奥へ通り抜けることもできます。
 「道は最低4m」が建築基準法の大原則として定義される現代でも、「路地」って作れるんですね。


 カラー舗装も、鮮烈な赤で施せば名所になる!? 球場へと続く「カープ一本道」は、優勝パレードのルートにもなりました。


 昔ながらの商店街の顔もあり、老舗っぽい花屋や魚屋も軒を連ねます。
 おしゃれなカフェや施設もいいけど、街で暮らしていくには欠かせないお店です。




 そして山形屋の向かい側にも、新たな施設がオープン。分譲マンションのほか、医療モールや市民活動センター、交流スペースなどを備えた官民協同型複合施設「Ittenほりかわ」です。
 見事な再生事例ばかり見てきましたが、さすがにこちらは新築。この4月8日にオープンしたばかりです。


 1階部分には、子育て支援センターも入居しているので、子育て世代には何かと安心ですね。
 入口のロゴを撮っていたら、やさしい職員さんが招き入れてくれました。




 入った瞬間に漂ってくる木の香りに、心が安らぎます。もちろん使われているのは県産の飫肥杉で、お値段もなかなかのものだとか。
 幼い頃から木に親しんでもらい、良さを理解し、将来の木材利用拡大につなげる「木育」の一環なんだそうです。




 遊具も木製で、オリジナルのデザイン。IT系や既製品のおもちゃは一切置いておらず、徹底してます。
 一時預かりもOKとかで、キャンプ見物やYottenのイベントの時にも安心ですね。




 商店街を抜ければ、昔からの市街地。ボウリング場からは、昭和の香りがプンプンします。


 大通りを挟んだ向かい側には、SAPIAなるショッピングセンターも。核店舗だった寿屋は撤退しましたが、ディスカウントストアのダイレックスが入り、山形屋とはうまくすみ分けできているようです。
 2階には大きなゲーセンがあり、夜7時過ぎにいったら、幅広い世代を集めていたのが印象的でした。むしろ、若者の方が少なかったかも。


 1階には市役所のサービスコーナーもあって、なにかと便利そう。徒歩圏内で一通りの物が買えて、飲食店や遊ぶ場所も揃っている街です。Ittenの分譲マンションなら、車なしでも暮らせるかも。
 当たり前のことのようだけど、5万人クラスの地方都市では、今や稀有な方だと思います。


 さらに交差点を挟んだ向かい側には、車でもアクセスしやすい大きな観光案内所があります。市の観光課と観光協会も入っており、日南観光の情報なら何でも集まりそう。
 公共施設らしからぬ建物は、もともとレンタルビデオ屋、さらにその前は電器屋だったものだとか。宮崎方面からの玄関口でもあり、空き店舗にしておくのはもったいないとばかり、有効活用をはかったんだそうです。 


 時間は4時をまわったので、一旦商店街に戻り、今宵の宿にチェックインします。やはり商店街のお店をリノベして、2月にオープンしたばかりのゲストハウス「fan! Sports Bar & HOSTEL」です。
 代表は現役大学生で、開業にあたっての資金はクラウドファンディングで集めたという、異色のホステルです。




 リノベといっても、コンクリートの床や外壁材そのままの壁、むき出しの鉄骨はオリジナルの建物のまま。建物として新しい部分は、間仕切り壁くらいなものです。
 でも新しい家具がうまく雰囲気に溶け込んでおり、不思議と落ち着けます。


 ツインベッドの個室も、ご覧の通り。部屋は広いし、ベッドの感触も良好です。
 ドミトリーとして使うことが想定されていた部屋のようで、2段ベッドの上段と下段の位置には、無数のコンセントがあります。


 最近まで、新規起業した会社の事務所として使われていたそうで、渡された鍵は「事務所」のままでした(笑)。
 トイレ、シャワーは共用。1泊1部屋7,000円で、ここだけでしかできない経験ができます。




 宿の名が表す通り、ロビー部分は夜はBARとしても営業するそうです。帰ってからのお楽しみ。


 暑さも落ち着いてきたので、夕方の散歩に出かけました。油津は戦前から、マグロ漁と飫肥杉の出荷でおおいににぎわった街。海側は、歴史的にも貴重な街並みが広がります。
 良港を作るべく堀川を開削した堀川運河も、港町・油津らしい景観の一つ。建物のはみだし感もたまりません。


 外壁はトタンになっているものの、縦長の窓から近代建築らしい香りを感じ、建物の前にあった看板を見ればやはり。登録有形文化財の旧外山医院でした。


 同じく登録有形文化財の、油津赤レンガ館。もとは材木商の倉庫だったとか。


 レンガのアーチを眺めながら…


 インスタントではあるけど、お安くコーヒータイムを楽しめます。


 2階は、コワーキングスペースになっています。油津活性化の重要なポイントの一つ、仕事場の創出にも一役買っている文化財です。
 耐震補強もガッツリ施され、安心感があります。


 油津はかつて、NHKの連ドラ「わかば」の舞台にもなったんだとか。「わかば通り」と名付けられた通りには、ロケ地となった建築物も残ります。


 「村上酒造」の「飫肥錦」は、当時ドラマに登場した架空の焼酎。モチーフは「飫肥杉」なんでしょうね。
 「あまちゃん」の舞台になった北三陸市を再現していた、久慈の街を思い出しました。


 ご立派な木造3階の、杉村金物本店。洋館風の外観に張られた銅板は、金物店らしい意匠です。


 路地に入れば、杉村金物店の倉庫と赤レンガ館が対面に並び、ちょっとレトロな景観に。自動販売機も景観に溶け込もうと、カメレオン状態です。


 運河沿いにたたずむ、旧服部家別荘。広大なお屋敷で、庭園も広々としています。これが別荘とは、どんな豪商だったんだろう…。


 そして岸壁には、今日の宮崎に特需を導いたクルーズ船が停泊していました。で、でかい…。


 商店街のYottenに戻りました。並木とパラソルの広場には明かりが灯り、いい雰囲気。街頭パフォーマーのギターも聞こえてきます。


 Yottenの施設の一つ、あぶらつ食堂は、6つの店舗が並ぶ飲食店街。焼き鳥から洋食まで、幅広く選べます。


 6店舗は、建物の中でつながっています。酒類はそれぞれのお店で頼むのが原則だけど、おつまみ、食事は他店からの「出前」もOKという、ゆるやかなシステム。
 これならいろんな人と集まっても、好きなものを食べられますね。




 というわけで、ダイニング居酒屋「Yakiyaki」へ。宮崎へ来たからには、地鶏も外せませんね。うまい!


 地元の焼酎も一杯。たっぷり、徳利に入って出てきます。


 2軒隣りの「魚匠 和さび」から、太巻きを出前。ノリからはち切れんばかりの魚介類、これもうまかった!


 いい気分になってホステルに帰れば、すっかりバーの雰囲気になっていました。ビールのメニューも充実。あぶらつ食堂でも飲んできたけど、まあ1杯と腰かければ、1杯で済むはずもありません。
 明日も早いし、早く眠らねばと理性は騒ぐのですが、大学生の宿主さんや鉄っちゃんの旅人さんとの話も盛り上がり、いつの間にか時計はてっぺんに近づいていました。

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 3日目・5月5日の行程は、宮崎市内から日南・油津まで下るのみ。早起き続きだったので、朝9時のバスまでゆっくり過ごしました。


 小林方面からの長距離タイプのバスで、市街地へ。リクライニングシートで、1時間を超える行程も快適そうです。今後ノンステップ化の波が押し寄せたらどんなタイプの車両になるのか、心配でもあります。
 晴続きの予報は覆り、今朝も雨模様です。


 繁華街の橘通り沿いに建つ、アートセンターを訪ねてみました。中心市街地活性化を狙った、まちなかの自由度が高い公共施設です。


 1階の太陽の広場には、自由に弾けるピアノが置かれています。NHKの「ドキュメント72時間」でも一度、テーマとして取り上げられてましたね。
 連休中日の朝も、ふらりと立ち寄って鍵盤に向かう市民の姿を見かけました。まちなかに響くピアノの調べは、なんとも豊かな気分にさせてくれます。


 お目当てだったのは、アートセンター1階に入居している きっちょううどん。県内で9店舗を展開しているチェーン店で、久留米で言えば人力、福岡なら牧のうどん的なポジショニングのお店…なのかな?
 340円なりの朝うどんセットを、ぞぞー。やわ系の麺はダシの味がよく染みて、うまかったです。


 nimocaバス、宮交バージョンはアロハのフェレット!一昨年、独自規格のICカードを放棄し、全国共通カードに組したのは大英断でした。


 今日のところはパスを持っているので、nimocaは財布に入れたままです。1バス停だけ、気軽にバスに乗って向かった先は橘通2丁目。


 県庁前交差点を曲がれば、楠並木通りに入ります。青々とした木々の葉は、南国の日差しも和らげてくれそう。全国数ある並木道の中でも、好きな道の一つです。


 そして、こちらも南国ムードたっぷりの宮崎県庁。東国原旋風の頃、一躍有名になった近代建築の県庁舎は、今でも朝9時台に観光客の姿がチラホラ見えました。


【宮崎交通宮崎線】橘通~青島~サンメッセ日南~油津


 橘通2丁目から青島まで下ります。名だたる観光地を結ぶバスながら、途中の住宅団地にはフリー乗降区間(バス停以外でも乗り降りできる区間)があり、生活に密着した雰囲気も感じられた路線でした。
 さすがはゴールデンウイークの観光地、途中何度か渋滞にはまります。それでも、ほぼ定刻で青島に着きました。




 バス停の目の前が、宮交ボタニックガーデン青島のエントランスです。よく手入れされた花々を見ながら、青島へ近道。入場無料で、ここでも贅沢な気分になれました。


 3度目の青島。


 砂浜には、誰が書いたのかネズミの姿が。


 そして沖には、無数のサーファーが。宮崎はサーファーのメッカ。知人の中にも、久留米から宮崎まで波乗りに行く人を、少なくとも2人は知ってます。


 奇勝、鬼の洗濯岩。どのようなメカニズムでこのような造形に至るのか、いろんなテレビ番組で見る機会はあるのですが、分かったところで不思議な風景です。


 青島へは、3輪タクシー「トゥクトゥク」が活躍中。本場では都市交通なんだろうけど、青島の南国の風景だとマッチしているように感じられます。


 僕らは徒歩で渡り、青島神宮を参拝。


 修学旅行、職場の同期旅行に続く3度目の参拝なのに、元宮まで参拝したのは初めてでした。亜熱帯の植物の中に、無数の絵馬がぶら下がります。


 元宮まで至る参道も、植物園のようでした。


 「本土」へ戻る頃にはすれちがいに、同じ名札を付けた無数の中国人が青島へと渡っていました。
 この日はGWに加え、油津港に大型クルーズ船が着岸した余波で、宮崎の観光名所は大いに賑わい、潤ったようです。先々でも、クルーズ特需を実感することになりました。


 本土側には、青島ビーチパークなる小公園が出現。今年で3年目になる取り組みで、10月末までの期間限定なのだとか。


 テナントは白いコンテナ。ビーチの雰囲気にもマッチして、どこかの南の島のリゾートのような、異国情緒すら感じさせます。
 ゆっくりしたいけど、バスの時間が迫って来たので退散。公共交通の旅は、時間の束縛からは逃れられません。


 青島12時発のバスは、宮崎県産スギで装飾された「日南レトロバス」でした。
 車内も杉材をふんだんに使った内装が特色ですが、大混雑で内装にはまったく目が届きませんでした。


 堀切峠では、太平洋を一望!いつの間にか晴天に恵まれ、入口ドアの窓ガラスに押し付けられながらも、絶景を堪能できました。
 道の駅フェニックスで昼食にしようかとも思ったけど、大混雑のようでパス。バスの進みはスムーズながら、観光地の入口では渋滞に巻き込まれます。


 サンメッセ日南の手前でも渋滞に巻き込まれ、約10分遅れに。やれやれ、疲れた。


 高台にあるサンメッセ日南へは、海岸のバス停から急な登り坂を10分ほど登らねばなりません。
 バスが乗り入れてくれればと思うものの、駐車場待ちの車で渋滞中。バスが乗り入れたら、1時間の遅れでは済まなさそうです。


 麓の駐車場に止めた人は、「歩き入場料金」で100円割引に。バスで来た僕らも、自動的に割引になりました。
 SUN Q パスの所持者は、いつでも100円引きなんだけどね。


 サンメッセ日南からは太平洋の大海原も、180度のパノラマで広がります。うねりもすごい。




 そしてサンメッセ日南の名物が、モアイ像。しかもイースター島から公認を得た、「本物の複製」モアイです。晴天の下、なかなか写真映えします。


 サンメッセ日南でもランチは混み合いそうだったので、14時前のバスで油津へと下ります。バスは空いており、ようやく座ることができました。


 鵜戸神宮からは中国人観光客が乗り込み、賑やかに。彼ら、油津ではクルーズ船の待つ港行きのシャトルバスへと乗り換えて行きました。
 クルーズ客でも、寄港地では公共交通で自由に旅する派がいるというのは、新たな発見。次回の訪日時には完全個人旅行客になる可能性は大です。宮崎交通も、外国人専用の県内1日1,000円パスで応援します。 

 つづく。

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 綾線の終点・酒泉の杜は、蕎麦焼酎でおなじみ雲海酒造の醸造所。ホテルや温泉、レストランにガラス工房まで伍する、山の中のテーマパーク?です。


 蕎麦焼酎だけではない! 地元産の葡萄を使った、綾ワインも醸造しています。


 結婚式でもできそうな雰囲気ですな。


 ワイナリーは見学自由。ガラス越しに、醸造場や瓶詰め工場を見学できます。


 芋焼酎の「木挽」も、雲海を代表するブランドの一つですね。雨の中、中庭には特設の試飲コーナーが開いていました。


 「コレ、試飲ですか?」思わず、係の人に聞いてしまいました。
 水割りは、スッキリごくごく飲める感じ。ご当地ではロックが一般的で、度数も他県向けは25度、鹿児島・宮崎向けは20度と分けてあるんだそうです。知らなかった。


 やはり本業は焼酎。ブランドもクラスも、多種多様です。
 お土産コーナーでは自由に試飲もできて、味比べも楽しい経験でした。


 綾自然蔵見学館へ。蔵見学は予約制で、事前にホームページから予約しておきました。
 1週間前の時点ではどの時間帯もガラガラだったけど、行ってみれば結構な人数。事前予約がベターです。


 エントランスから、立派な施設です。
 「綾手造り蔵」の中は撮影禁止でした。昔ながらの製法で、丁寧に作られた焼酎は、まさに「手作り」。雲海や木挽と違って、高級ブランドなんだろうな~簡単に飲めるものではないんだろうな~と早合点しながら巡りました。


 一巡りして焼酎への理解を深めた後は、お待ちかねの試飲コーナー。中庭を望む天井の高い試飲コーナーは、まるでビアホールみたいです。


 実際に、地ビールもあります。こちらは飲み放題ではなく、2杯まで。


 というわけで、まずはビールで乾杯!
 ワインは、試飲機で好きなだけ楽しめます。


 焼酎はおなじみの銘柄の他、自然蔵で仕込んだ高級ブランドも自由に飲み放題。ここぞとばかりに、ぐいぐい頂きました。いい香りです。
 ただ後から売店で見たところ、高級ブランドでも1瓶で2千円しないんですね。やっぱり焼酎、庶民の味方です。




 だいぶ酔っぱらってしまいました。敷地内にある古民家を見学したような記録は残っているものの、記憶は曖昧です。


 名残り惜しくも、酒泉の杜16時25分の最終バスで、酒の天国を後にしました。
 宿泊施設や温泉もあるようなので、ぜひ今度はゆっくり泊まりに来たいものです。


 宮崎交通のバスには、最前席と最後部の真ん中の席に、シートベルトが備わっています。


 綾の待合所で下車。この先は1時間に1本程度のバスがあるので、1本落として、酔い覚ましの街中散歩に出かけました。


 バス停から、道向かいの綾手づくりほんものセンターへ。


 酒に焼けた胃に、アイスが染みわたります。


 小雨降る中、歩いて坂道を上り、綾城址へ。酔っ払いの行動力は、恐ろしいものがあります。


 しかも入口だけ見て、引き返しちゃうし。




 かつては日本一の規模を誇った照葉大吊橋には行けなかったけど、公園の名もなき吊り橋は渡れました。リアルに恐怖を感じる高さではあります。


 綾待合所17時30分のバスで、宮崎市内へと戻ります。
 綾出発時点でこそガラガラだったバスも、市内に近づくにつれて乗り込む一方で、中心部に着く頃には立客も出るほどでした。


 綾発のバスは宮交シティ行きだったので、バスを乗り換えてJR宮崎駅へ向かいました。
 明後日のバス指定券を調達するため、駅前のバスの切符売り場へ。JR九州ホテルも入居する駅前の複合ビル「KITEN」内にあります。


 再びバスに乗り、中心街へ。短区間の乗車では、運賃がかからないことはもちろん、小銭をジャラジャラ準備しなくてもいいというのもパスのメリットです。
 夜の商店街は、歓楽街に近いこともあってひときわ賑やか。


 今夜はアーケードからアートセンターにかけて、おいらん、芸者、舞妓たちが練り歩く、宮崎おいらん道中なるイベントが開かれていました。


 「だれやみ」とは、晩酌や、疲れを癒すために飲むことを指す、宮崎弁の一つ。飲み屋の屋号や、飲み屋のプランの名前など、あちこちで見かけたワードです。


 ネオン輝く歓楽街は、連休を楽しむ人でいっぱいです。予約なしで入れるような、適当なお店も見つかりません。昼も飲み過ぎたしなあ…


 ならば夕食は酒抜きにしよう!というわけで、アーケードから一歩脇に入った通りにあった、珈琲houseメルビィ に入りました。
 繁華街の夜の喫茶店なのに、お客さんは若い人ばかり。深夜帯の郊外のファミレスのような客層です。


 宮崎名物、チキン南蛮をいただきます。1人前850円。
 待った甲斐あって、揚げたてサックリで美味でした。


 夜も9時前、ぼちぼち宿に入りましょう。少し街から離れた宿なので、またまたバスに頼ります。
 橘通3丁目のバス停は、宮崎県産杉でできていてユニーク。こんなバス停あるといいな~コンテストなるコンペの、入賞作なのだとか。


 しかし「九州のバス時刻表」を見てみれば、乗る予定の小林方面のバスは、3丁目に停車しないことが判明。急いで、隣のボンベルタ前に移動しました。
 この図、よく頭に入れておかねば。


 小林方面のバスは観光バスタイプで、レトロな雰囲気でした。ゆっくりくつろぎたい気分とは裏腹に、ものの数分で到着です。
 休日ダイヤのこの日、ホテル最寄りの大工町停留所は、なんと9時4分のこのバスが最終。昼間は10分と待たずにバスが来るのに、夜はずいぶん早いです。


 宮崎でのホテル探しは、大分以上に難航しました。変哲もないセミダブルの部屋に1万5百円を許容したもの、GWであればこそです。


 ユニークだったのは、温泉水付きだったこと。ポリタンクに入った温泉をお風呂に注げば、温泉気分…との触れ込みでした。
 実際入れてみたものの、うーむ、よく分からん(笑)。肌への効果は、昨日の大分での男性化粧品によるものなのか判断に悩みつつ、床に就いたのでした。

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 ホテルを出発。飲みの待ち合わせ場所のイメージが強いジャングル公園。しげしげ眺めたこともなかったのですが、たしかに日光の下で見ると木が多く、ジャングルの雰囲気があります。


【パシフィックライナー】大分トキハ前⇒宮崎カリーノ前


 徒歩で約10分、大分のバスターミナル的存在のトキハ前へやってきました。実質的な、大分駅前のバスターミナルになっています。


 バス停に面して「のりあいバスプラザ」なる、乗車券販売所と待合所があります。バスの接近表示機もあって、吹きさらしで待つほかなかった学生時代に比べれば、ずいぶん改善されました。


 トキハ前から高速バス「パシフィックライナー」で、一気に宮崎へ下ります。2015年の東九州道「ほぼ」全通に合わせて登場した、新路線の1つです。
 新路線ながら、バスは見慣れた亀の井バスの高速バス。福岡行き「とよのくに号」のお下がりのようです。


 座席は4列配置で、3時間半(別府からなら4時間)の長時間乗車にはちょっと窮屈。ただ基本運賃自体が3,500円(平日は2,800円、さらにWeb割もあり)とかなり割安になっているので、格安高速バス的な位置付けなのかもしれません。
 大分交通と大分バスの担当便は3列シートなので、時間に自由がきくなら、狙いをつけるのも賢い選択です。


 大分駅のロータリに進んだバスは、しかし駅前に入らず左折し、要町バス停へ。一応、大分駅の高速バス乗り場と位置付けられているバス停なのに、駅も見えない場所に追いやられ、ひどい扱いです。
 たしかにJRの特急とは真っ向から挑みあうライバル関係ではあるけど、交通事業者同士、いがみ合っている場合でもないと思うんですが…。


 米良バイパスで大分市内を南に下り、大分米良から東九州道へ。津久見までは、2003年までの大分の学生時代に開通していたので、おなじみの区間です。
 乗客は、僕らを含め総勢17人。大荷物の人が多く、北九州~大分間より、明らかな「遠出」な雰囲気を感じます。


 車窓に映るのは、見慣れた大分の山々。佐伯付近では荒れた山林が多くみられ、林業県の行方が気になりもしました。


 佐伯ICで料金所を通過。佐伯~門川間は高速会社ではなく、国・自治体が建設した新直轄方式の区間のため、通行料金は無料です。
 なぜ同じような規格の道路なのに、佐伯を境に無料になるのかさっぱり分からないのですが、ともかくそういうことになっています。


 佐伯を超えると、急に流れが良くなりました。最高速度が70kmから80kmにアップしたのです。
 よく見れば、佐伯までは上下2車線の間にポールが立っていただけだったものが、しっかりしたコンクリート製の分離帯になっています。路肩の寸法も、いくぶん余裕があります。


 トンネルの幅も、こころもちゆったりしているようです。佐伯までは、将来4車線にすることを前提に、下り線のみを完成させて対面通行としている「暫定2車線」と呼ばれる区間。一方、佐伯以南は将来的に4車線にしない代わりにスペックを上げた「完成2車線」なのです。
 いつまでも4車線にならない「暫定」よりも、よほど実があるように思えます。


 鉄道にとっては難所で、人里離れた山間部を延々と走る佐伯~延岡の県境区間。高速道路は長大トンネルでショートカットし、いつの間にか日向灘が見えてきていました。
 高速道路から見下ろす日豊本線は、ほそぼそとした隘路に見えます。ただ大分~宮崎間の特急「にちりん」は、高速開通後もほとんど値下げなしの5,140円(2枚きっぷの1枚あたり)。本数も1時間に1本とバスより多く、案外強気です。


 北川ICで一旦高速を降りてすぐの、道の駅北川はゆまへ。無料区間ならではの芸当で、道の駅は国道のドライブイン、高速のSA両方の役割を果たしています。


 ここで10分間の休憩。途中の休憩時間は、長距離路線バスの旅の楽しみの一つです。長時間停車も車内販売もない特急列車より、楽しみがあるという見方もできそう。
 さすがはGW、盛り場のような賑わいでした。


 ちょうど大分方面のパシフィックライナーが、真横に並びました。宮崎交通の担当便は、4列シートながら新型車で、座席がゆったりしているそう。トイレもパウダールーム付きの巨大なものと聞いていて、あっちに乗ってみたかった!


 北川以南は、再び暫定2車線区間に。延岡~宮崎間はともかく、北川~延岡間が4車線になる日なんて来るんでしょうか。完成2車線という選択も、あったのではないかなと思います。


 門川からは、また有料区間に。


 日豊本線よりも高い場所を走る、東九州道。太平洋の大海原も、高い視線から見晴らせます。


 延岡~宮崎間の都市間高速バス「ひむか」が、直前を先行します。


 高速を降り、大淀川を降りれば宮崎市街地。途中の休憩があったおかげで、思っていたよりは短い旅路でした。
 それでも大分~宮崎3時間半は、福岡~鹿児島に迫る所要時間。同じ東九州の隣県は、高速が開通してもまだまだ遠き地ではあります。


 宮崎駅の手前、カリーノ宮崎前で下車。


 向かい側には宮崎の百貨店・山形屋(やまかたや)がそびえる、宮崎市街地の中心部です。宮崎市内のバスが交差する交通結節点ながら、バス停の上下線で名前がそれぞれ異なり、乗りこなすにはバス停の位置関係を抑えることが大切です。


 山形屋のロッカー(有料200円)に荷物を預け、昼食を求め街歩きに出発。


 中心部で幹線道路は広いのに、一歩脇道に入ると店の並ぶ路地が張り巡らされ、迷路を歩くような楽しみがあります。宮崎名物、チキン南蛮の某有名店も路地の中。


 アーケード街からも路地が伸び、テレビ東京の某街ぶら番組のいう「商店街in商店街」もありました。




 古びたアーケードは、店が抜けたり屋根が朽ちかけてたりと、少し寂しい風情も醸し出しつつ…


 新しいラーメン屋や「肉バル」、古着屋なんかも入居してて、新旧の雰囲気のミスマッチが楽しい界隈になっています。


 そんな中の一軒、漁師魚屋へ。ぜんぶが屋外席で、街中で浜焼きを楽しめる、漁師の直営店です。
 昼間からビールを交えた女子会で盛り上がる席もあり、気楽になれる場。浜焼きもいいけど、時間もないので気軽なランチを頼んでみました。


 フライ定食(手前)、刺身定食(奥)ともに850円!刺身定食の刺身なんて、これだけで850円取られそうなボリュームです。品数も豊富、あら汁もだしが出てておいしかった!
 海辺の空気をアーケード街で感じられる、楽しい体験でした。


【宮崎交通綾線】宮交橘通支店前⇒酒泉の杜


 お腹も膨れたところで、バス旅を再開。まずは宮崎市から北西へ1時間、綾町を目指します。


 宮崎神宮や文化公園など、緑豊かな市内のオアシスを抜ければ郊外へ。
 バスが東九州道と交差する時、高速道路上の国富バスストップが見えました。綾線の塚原入口バス停までは、歩いて10分もかからなそう。「パシフィックライナー」は通過だけど「ひむか」は停車するので、うまく使えばショートカットコースになりそうです。


 国富バスセンター。バス全盛期には立派なターミナルがあったことを想像させるバス停名ですが、今はコンビニと一体化しています。
 もっとも、ポール一本のただの「バス停」と化してしまうよりは、ずっと便利で実用的ではありますね。


 ほとんどの座席が埋まっていたバスも、綾待合所で地域の利用客を降ろせば数えるほどの乗客に。田んぼの中を走って数分、終点の酒泉の杜に到着しました。
 さあ、飲むぞ!

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【西鉄バス北九州23系統】小倉駅⇒貴船町


 下関から門司港に渡り、門司港の街をぶらぶらすす計画だったのが、関門汽船の混雑で予定変更。JRの運賃を別払いして、小倉に出てきました。
 次に乗るバスまでは、約1時間半。バスは乗り放題なので、以前から行ってみたかった小倉の新名所に足を向けてみました。






 小倉駅前からバスで9分、貴船町という上品なバス停で下車しました。
 目の前にある白い巨大な球体が、TOTOミュージアム。「水回り」の衛生器具でおなじみ、TOTOの歴史が分かる博物館で、2年前の2015年8月にオープンしたばかりです。




 ゆるやかな白と曲線が基調になった外観は、内部でもそのまま感じることができます。TOTOのイメージへ、素直にリンクする造形です。


 「水回り」の進化はそのまま、日本人の生活が豊かになってきた足跡と重なります。「水回り」という言葉そのものも、技術の進歩で水を使う場が、生活空間の中に進出してきた過程で生まれたものなんだとか。
 数々の挑戦の歴史と、デザインの変遷史は見ているだけで興味深いもので、1時間弱の時間では足りないほどでした。また来なければ。


【西鉄バス北九州「ゆのくに」】三萩野⇒大分フォーラス前


 帰路のバスでは小倉まで乗らず、貴船町から数分の三萩野で降りました。モノレールの駅があり、大型スーパーも並ぶ、ちょっとした副都心です。
 日常の買い物では三萩野を目的地とする人が多いことも、バスに乗っているとよく分かります。


 交差点を斜め横断すると、高速バスの乗り場があります。福岡方面を始め、古くから高速バスの発着地となってきた三萩野。屋外の待合スペースも、かなり広く取られています。
 一昨年、東九州道の「ほぼ」全線開通に伴い新登場した北九州~大分間の高速バスも、もちろん停車地になりました。


 公募で決まったバスの愛称は「ゆのくに」。1日9往復のうち6往復が各停便で、一旦小倉南インターまで回って、沿道からの乗客を拾います。3往復のノンストップ便にしても、三萩野までは一般道経由です。
 この日も乗客の総数15人のうち、半数以上は三萩野以南からの乗客。ライバルのJRではカバーできない範囲から、こまめに集客しています。高速バスの利用が、以前から根付いている地域というのも強みです。


 「ゆのくに」は、ネット割や回数券などではなく、基本運賃そのものが割安に設定されていることも特徴。1,500円~2,500円の間で曜日毎に運賃が異なり、今日は東九州道全通記念割引運賃の1,800円でした。
 基本運賃が安いだけに、予約なしで乗る人も多く、しかも現金払いばかり。所要時間は2時間を超える中距離路線ながら、近距離高速バスのようです。所要時間1時間半、30分毎のJRも回数券では2,520円まで下がりますが、バスには気軽さがあります。


 座席は中距離路線タイプの4列配置。少し窮屈だけど、運賃が割安なので仕方ないかな。1日2~4往復には3列シートの便もあり、うまく時間があえば乗りドク感を味わえそうです。
 小倉の南部・中谷から、別府までの間は、行橋今川以外ノンストップ。中津や宇佐といった主要都市でも、高速道路上のバス停すら設けられていません。


 出発から30分弱、ようやく小倉南から九州自動車道に乗りました。
 わずかに上り、北九州ジャンクションで東九州道へと進路を変えます。午前中は椎田付近で渋滞があったようだけど、今の時間はよく流れていてほっとしました。


 北九州空港までは4車線だったものが、以南は暫定2車線になります。GWとあって、交通量はかなり多い感じ。今日の様子だけ見ていれば、充分に4車線化を目指せるだけの需要があるのではないかと思えますが、さて。


 10年以上前の学生時代には自動料金所で運用されていた旧「椎田道路」や、ミカン畑の強制代執行でもっとも最後の開通となった椎田南~豊前間は、うとうとと夢の中。目を覚ませば、中津ICに差し掛かっていました。


 有料道路「宇佐別府道路」として、学生時代には何度も乗った区間も、今は東九州道の一部。「暫定2車線」の状態が、もう20年以上も続いています。


 日出JCTで大分自動車道に合流。


 眼下には、別府湾の風景が見えてきました。福岡や久留米から来た時に見慣れてきた風景であり、北九州から来た目で見ると、なんとも不思議な感じがします。


 各停便は、鉄輪口、別府、高崎山、大分フォーラス前、大分新川と、こちら側でもこまめに停車。特にインターに近く、温泉街のど真ん中に着く鉄輪口は便利で、福岡方面の僕も何度か利用したことがあります。


 ここまでスムーズに来たけど、別府市内ではさすがに渋滞。


 別府市街地を抜け、3車線の通称「別大国道」まで出れば流れはスムーズになりました。


 10分程度の遅れで、大分フォーラス前着。駅前のバスロータリーには入らず、路上のバス停が事実上の大分側のターミナルになります。
 バス停名の由来となったフォーラスは、現在建て替えのため休館中です。


 時間も7時を過ぎ、お店を探す気力もなかったので、まず間違いのない中央町の居酒屋「かみ風船」へ。行列ができていて30分待ちを告げられたけど、実際は10分くらいでカウンターに通してもらえました。
 さすがは連休、早い時間から飲み始めた人も多かったみたい。


 生中380円、チューハイ180円、しかも税込み!というお手軽価格。大分名物もお安く、嬉しくなってついつい頼み過ぎてしまいます。


 りゅうきゅう茶漬けをずずーっとすすって、〆。6千円もかけずに、二人でお腹いっぱい、ほろ酔いになれました。


 まだまだ宵の口なので、2周年を迎えて なお好調の「JRおおいたシティ」へ。
 アーケード街の「センタポルタ中央町」は十数年前と変わらぬ風情なのに、その先に見える駅前界隈は、まったく以前の面影がなくなってしまいました。


 駅前広場では、地ビールフェスタが大盛況。賑わいの場があると、街に出るのが楽しくなりますね。ああ、学生時代にこんな駅だったらなあ…


 駅ビル内の飲み屋街も、人が途切れることがありません。


 大分駅ビルの開業とほぼ時を同じくして、アーケード街の先には大分県美術館もオープンし、人の流れは確実に変わって来たようです。
 在学中は、シャッターが目立っていたガレリア竹町も、目だって店が増えたように感じます。全国大手も認める活況ということか、ローソンまでできていました。


 ドーム広場にあったポルトガル船のモニュメントは、一昨年なくなってしまったのだとか。「船の前」は待ち合わせ場所としても親しんできただけに、ちょっと寂しい気もします。


 歓楽街、都町(みやこまち)には、自立型のLED街灯が登場。えらくしゃれた感じに見えるものです。防犯カメラが仕込まれており、安全な街づくりの一翼も担っています。


 大分での1泊は、ジャングル公園真横の大分クレインホテルに投宿しました。
 歓楽街・都町のど真ん中なので、酔っぱらって迷い込むような小汚いビジネスホテルを想像してました(失礼!)が、実際はナチュラルテイストな内装で、落ち着けます。


 こだわりアメニティプランを選んでみたら、男性用もちゃんと準備されていました。使い慣れない男性化粧品で、旅疲れの肌をお手入れ(笑)。


 300円の朝ごはんも充実。
 GWど真ん中の日程でツイン8,000円は、なかなかお値打ちでした。

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 今年のGWは、僕も嫁さんもカレンダー通りの5連休。嫁さんの休みが決まったのが割と直前だったため、日数が必要、かつ直前でも切符や宿を手配できる旅を考え、東九州縦断バスの旅に出かけてみました。
 昨年、悲願の全通開通を果たした東九州道。新たなバス路線の活躍と、福岡からではなかなか遠い宮崎を、じっくり巡るいい機会になりました。


 今回使用する切符は、SUN Q パス全九州版4日間用。九州内と下関の高速バス、路線バスのほとんどに乗り放題で14,000円と、安くて、使い勝手のよい切符です。
 まずは久留米から天神まで西鉄の急行電車で。久留米~基山~天神と高速バスを乗り継げば、パスを使って出れなくもないものの、時間節約のための投資です。


【西鉄高速バス・ふくふく号】天神9:50⇒下関12:20


 40分で、西鉄福岡(天神)着。天神のターミナルは、2階が西鉄電車、3階が高速バスになっていて、一度1階に下ってエレベータに乗れば、雨に濡れずに乗り換えられます。
 発車案内には、九州内だけではなく、遠く東京や河口湖の字も並び、旅の気分が盛り上がってきました。


 さすがはGW後半の初日。福岡近郊への高速バス乗り場には、早くも長蛇の列ができあがっていました。
 天神は始発地なのに、一部の便には遅れも発生しています。下り便が早くも渋滞にかかっており、折り返し便となる天神発も遅れてしまうのだとか。


 臨時のおみやげ屋さんが出ているのは、シーズンならでは。


 まずは、海峡を渡り下関を目指します。幸い、下関行き「ふくふく号」は、ほぼ定刻にやって来ました。下り便は30分遅れだったそうですが、折り返しに余裕があるようです。
 数席の空席を残して、天神バスターミナルを出発しました。


 街では、博多どんたく港まつりの準備の真っ最中。今年は晴で、パレードにも絶好の天気!との予報が流れており、実際この時もいい天気でした。
 ところが午後、パレードの最中にヒョウ交じりの雨になってしまったとか。そんなことになるとは、夢にも思いませんでした。


 中洲と蔵本で乗客を拾い、補助席まで使った満席状態に。通常は蔵本から都市高速に乗り、福岡ICから九州自動車道へと抜けるルートを取りますが、渋滞が激しいため、古賀まで国道3号を走ることになりました。
 車で通り慣れた以前の職場近くも、高速バスの高い視点から見ると別の街のようです。


 まずまず流れはよく、なるほど渋滞の高速道路よりはスムーズ。しかし下り線の混雑は次第に激しくなり、古賀ICから国道3号への道は大渋滞になっていました。同じく一般道振替えになった下り高速バスも、渋滞にはまっています。
 無線では刻一刻と各地の渋滞状況が入っており、その後「古賀IC出口が混んでいるので、下りは福岡ICまでそのまま高速を下るように」との指令が下っていました。この無線を傍受できたら、マイカーにとっても最強の渋滞回避ツールになるかも。


 九州自動車道に入っても、ところどころで渋滞が。GWの渋滞予測ではこの時間、上りに目立った混雑はないとのことでしたが、小規模の渋滞はあちこちで発生するもののようです。


 門司港付近でも事故渋滞に巻き込まれ、約30分遅れのペースで関門橋を渡ります。橋上だけはクルマも少なく、快晴の関門海峡の眺めを楽しむ間もなく、あっという間に本州へ。もう、混んでほしい時だけ混まないんだから…


 下関側でも、宝蔵寺、東駅、唐戸と、こまめにバス停が設けられています。宝蔵寺では10人近くが降り、迎えのクルマでバス停を去っていきました。
 東駅とは、駅もないのに不思議なバス停名というか、地名。かつての山陽電気軌道のターミナル・下関東駅があった名残りなんだそうです。今も道路交通の要衝であり、中心部らしい雰囲気が残っています。


 ここで運転士へ、指令から連絡が入りました。唐戸方面への道路は、お祭りの影響で大混雑のため、通常の回送バスのルートを使ってまずは駅に向かうようにとのこと。
 街路樹の茂る「回送ルート」を、下関駅に向かって直行します。時期的には避けられない大渋滞に対し、頑張って定時に近づけようという努力が垣間見えた、GW渋滞ピークの高速バスでした。運転士さんも指令も、お疲れ様です。


 約50分遅れで、下関到着。いつの間にか、バスの発着場も新しくなっていました。上層階には、シネコンも入っています。
 駅まで、少々距離があるのは残念だけど、雨の日でも濡れずに行けるのは便利ですね。


 駅ビルと路線バスのロータリーも完成して、だいぶ分かりやすくなりました。


 駅前の通りには、立派な自転車レーンも登場。車道と歩道とは、分離ブロックで明確に区分されていて安全です。


 ペデストリアンデッキ上にある「釜山門」をくぐりエスカレーターを下ると、グリーンモールなる商店街に出てきます。




 なるほど、ちょっと韓国チックな雰囲気です。下関は古くから、大陸に開かれた街。今も毎日、釜山へのフェリーが出航していきます。
 この街でお昼ごはんを食べてみたいというのが目的だったのですが、飲食店で開いているのは、なぜか中華系の料理店ばかり。


 山陽本線の高架をくぐると、アパート団地兼市場に出てきました。竹崎長門市場というらしく、こちらもどことなく異国感漂う雰囲気。店の中からは、おじちゃん、おばちゃんのしゃべる韓国語が聞こえてきます。


 ようやく開いている、韓国っぽい店を発見!


 豚バラと骨付きカルビを頼んでみたら、予想に反して日本風の焼き肉でした(笑)。おいしかったので、問題なしです。


 サンデン交通のバスで、唐戸へと出てきました。SUN Q パスでは、下関エリアのサンデン交通バスも乗り放題です。下関都心部だけではなく、秋芳洞や川棚温泉もエリア内なので、工夫すれば旅行の幅が広がります。


 唐戸周辺には、古いオフィスビルや郵便局が並び、門司港とセットでレトロ建築めぐりも楽しめます。今回はその中でも未訪だった、旧英国領事館に入ってみました。入場無料、太っ腹。


 領事の部屋。韓国だけでなく、世界に開かれた街だったことを示す遺産です。
 2階には英国風レストランもあり、午後にはアフタヌーンティー、夜はパブとしても楽しめるんだとか。アフタヌーンティーで優雅なひと時を過ごしてみたかったけど、時間が合わずに残念!


 中庭の雰囲気も、異国情緒たっぷり。






 観光地として活気のある唐戸周辺は、下関市の中心部でもあります。再開発ビルが並び、アーケード商店街の交差点はドーム型で広々。市役所は一部が、新庁舎に建て替わっています。
 全国各地の地方都市の中心部同様、苦戦している様子も垣間見えました。


 海岸に出れば、GWの賑わい真っ盛り。海産物目当ての観光客が行き交う中、歓迎イベントの大名行列が闊歩し、平和な休日の風景があります。
 門司港行きの関門汽船も、いったい何時間待ち!?と思うほどの大行列。SUN Q パスで乗れる4航路の一つということで計画に組み込んでいたけど、諦めざるをえませんでした。


【山陽本線普通】下関14:53⇒小倉15:08


 反対方向のサンデン交通バスに乗って、下関駅に戻りました。
 6月運行開始のトワイライトエクスプレス瑞風は、下関が始終点。カウントダウンボードで、雰囲気を盛り上げています。


 昔ながらの415系のセミクロス車は、九州へ行く人で大混雑。国鉄形電車も嫌いじゃないけど、ぼちぼち新車が入らないかなぁ…。

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