Chang! Blog
福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです




 3ヶ月目、ついに利用額が購入額を上回りました。

【31番】ご近所のカレーの名店へ

 暑い夏の盛りは、5分も歩きたくないもの。普通なら自転車で行きそうな短距離でも、パスがあれば気軽にバスに乗れてしまいます。
 特に複数系統が走る区間では、待たずに乗れて便利です。


 とある日曜日のお昼。西鉄久留米から31番(または3番)でバス停3つ目の、諏訪野町5丁目へ。
 バス停の目の前にあるのが、洋食屋・キッチン「SUWA」です。


 僕が頼んだのは、マトンマサラカレー。羊肉は大好きなので、独特の匂いもむしろ歓迎。サラサラしたカレーは、野菜のうまみもたっぷり溶け込んでいました。
 12時過ぎに入店した時は僕らだけだったのに、続々とお客さんが入ってきて、ほぼ満席状態に。人気店なんですね。


 西鉄久留米に戻り、1時間に1本の10番・鳥栖方面を捕まえ、通町6丁目へ。先月に続き、今月もLEONの月イチ企画「立ち飲み500円キャッシュオン」に寄り道しました。夏の盛りのクラフトビール、うまい!
 レンタルビデオ屋に立ち寄りもしたので、運賃総額は599円相当になりました。


【3番&31番】ボリュームたっぷり台湾料理

 とある日曜日の夜は、3番・青峰団地方面に乗って野田へ。国分町のエリアになります。


 野田のバス停から歩いて3分、大きな台湾料理屋さん・勝つ山へやって来ました。
 通りには面しているのに、駐車場の奥にあるので、これまでまったく気づかなかったお店です。


 定食は税込み880円。トントロ定食を頼んだのに、山盛りご飯に巨大なからあげ2個まで付いてきました。
 値段も量も2/3だとありがたいんだけど、さすがに自衛隊のおひざ元は違います(笑)。


 台湾瓶ビールも税込み450円とお手頃。飲みに来ても、お安く済みそうです。


 帰路は3番の間隔が開いていたので、国道3号線まで5分ほど歩いて、苅原から31番のバスを捕まえました。
 乗り継ぎ割引の適用にはならないパターンなので、運賃は334円相当。


【田篭浮羽支線】奇跡のローカルバスで訪ねるスモークレストラン


 九州では厳しい暑さとなった夏。豪雨災害の関係で暑い思いもたくさんしたので、最後に涼みに行こうと、浮羽「調音の滝」への小さな旅を企画しました。
 朝9時、西鉄久留米バスセンターのミスドで、ホットドックを朝食に。せわしく行き交うバスや人を眺めながらの、のんびり。悪い気はしません。


 旅仲間と待ち合わせ、まずは9時52分発・20系統の、浮羽発着場行きで出発。JR久大本線の方が早くて安いものの、一部区間不通の影響で本数が減っており、バスが頼りの状況です。
 しかし今日に限って、天候に恵まれません。朝から降っていた雨はやまず、むしろ「豪雨」といえる雨脚になってきました。


 とても滝には行けそうもなく、バス車中で「B案」への変更を決議。しかしB案の目的地へ乗り継ぐバスの接続時間は10分しかないのに、バスは7~9分の遅れで進行中です。
 追い上げ、遅れを繰り返し、西鉄久留米から約1時間、浮羽発着所には7分遅れで到着しました。もうヒヤヒヤです。


 久留米方面からの20番バスの最果て・浮羽発着所は、ローソンの店舗が入っています。というか、通常のローソンに待合所機能を持たせた感じ。
 人がいて安心だし、nimocaのチャージもできるし、実用的ではあります。


 11時02分発、田篭浮羽支線のマイクロバスが入ってきました。杷木・浮羽からうきは市南部の山中に分け入り、県境を越え日田市前津江まで走るローカルバスです。
 土休日は1日にわずか5往復。次のバスは2時間半後なので、乗り逃すわけにはいきませんでした。


 宝珠山・小石原方面と同様の、マイクロタイプのバスです。運賃箱の設置場所に、苦心の跡がうかがえます。


 乗客は我々4人のみ。浮羽の町中を抜け、車窓はのどかな山村風景になってきました。


 立派な浮羽大橋を超えれば、合所ダムが姿を現しました。


 ダム湖を抜ければ道幅も狭くなり、運転士さんの腕が光ります。車窓に映るのは段々畑に、古民家。ニッポンの里山の原風景です。
 朽ち果てたような家は少なく、カフェやギャラリーに再生された家もあちこちにあります。「過疎の村」という表現は当てはまりません。


 雨模様とあって濁っている、隈上川沿いを登っていきます。5年前の九州北部豪雨の時に比べれば、はるかに穏やかだろうとは思いますが。


 田篭浮羽支線は「フリーバス」と称する、バス停以外でも乗降可能な路線です。というわけで注連原バス停を通過して数百メートルの場所にある、イビサの前で降ろしてもらいました。
 浮羽発着所から、約30分のみちのりでした。








 イビサスモークレストランは、1988年創業のスペイン料理レストラン。地方の町の、さらに山奥で30年近く営業してこられたのだから、味は折り紙付きです。
 建物も、いい雰囲気。4年前に訪れた時は、九州北部豪雨で建物の一部が損壊した状態でしたが、すっかり復旧されていました。


 バスで来たので、前回は諦めるしかなかったアルコールにも、遠慮なく手を出せます。というわけで、まずはスペインビールで乾杯。




 燻されたソーセージやベーコン。地元産の野菜もおいしいです。


 自家製ピザは、ソーセージや地元野菜がたっぷり載って1,500円。


 コーヒーにデザートまで食べて、大満足。アルコールまで含めて1人あたり3,000円と少しだったけど、福岡市内だったらこの値段では済まないよね、きっと。
 大雨もいつしか上がり、店内に吹き抜けていくのは、山間の渓谷の風。お店には、そもそもエアコンがありません。滝の涼風には当たれなかったけど、夏の火照りは充分クールダウンされました。




 バスまで時間が残ったので、注連原(しめばる)の集落を歩いてみました。
 5年前の九州北部豪雨では、大きな被害を受けた集落の一つ。河川の護岸もほぼ終わり、今は斜面をグラウトで固める工事が進んでいます。


 川べりの、茅葺き屋根の家屋も立派に修復中。


 林道を少し上がると、もとは茅葺き屋根だったであろう古民家が並んでいました。いい風景です。
 5年後の今年、今度は筑後川を挟んで北側の地域が水害に見舞われてしまいましたが、いつかは注連原のように、のどかな風景を取り戻せると信じてます。


 うきは市内とは反対方向の、下り(標高を基準にすれば登り)のバスがやってきました。時間もあるし、全員パスを持っているので、バスの終点を訪ねてみることにしました。


 県境を越え大分県日田市・旧前津江村に入ると、より道が細く、渓谷も険しさを増してきました。
 谷には集落が形成されているものの、家の数はわずか。よくぞ、西鉄の定期路線バスが生き残っているものと思います。


 どん詰りの終点、コミュニティセンター前に到着。コミセン前の駐車場が、バスの転回場です。


 深い山間の集落、前津江・柚木(ゆうき)。大分県にありながら、メインの道路は浮羽側に通じていて、生活圏としては福岡側に属するんだそうです。
 行政上の手続きに行くのも、大変そう。合併で、前津江村役場ではなく日田市役所で済むようになった分、まだ近くなったのかもしれません。


 炭焼き小屋?の先には、家もないようです。


 家々の手入れは行き届いていて、人影は見えないながらも暮らしがあることが分かります。
 帰路のバスも出発時は僕らだけでしたが、途中から5人の乗車があって、地域の足として頼られていることが分かりました。運転が苦手だとドライブにも厳しい道なので、ぜひバスでの訪問を!


 浮羽発着所に戻ってきました。ローソンにはしっかり「Nishitetsu」のロゴが入り、単なるコンビニではないことを主張しています。ぱっと見ただけじゃ、気付かなさそうだけど。


 イートインスペースは待合所として利用可能。トイレも使えるので、下手な無人のバスセンターよりよほどキレイで、安全です。
 店員さんに「いらっしゃいませ」と言われてしまうので、何も買わないと申し訳ない感じになってしまいますが。


 吉井営業所まで出てきました。浮羽まではおおむね1時間に1本というペースですが、吉井からは本数が倍増します。
 パスの強みで、途中下車。


 吉井の街を小一時間、ぶらぶら歩き。








 吹き抜けが見事な「居蔵の館」や…




 観光案内所も兼ねている観光会館「土蔵」を見物。




 2月に訪れたMINOU BOOKS CAFEは、カフェスペースが満席状態。本屋のコーナーも人が絶えず、まずは成功を収めているようでなによりです。
 吉井からまた1時間近く揺られ、久留米へ。所定のバス代は2,697円にも達して、ホリデーアクトパス冥利に尽きる1日でした。福岡からの2人も、「Fukuoka 1day Pass」の2千円のモトは充分に取れて、ホクホク顔です。

 この他、
●双方の実家にお盆の帰省:2,559円
東峰村でのボランティア活動:902円
8月26日の西鉄ダイヤ改正の現場へ:2,136円
 などなど、パスの利用相当額は総額で9,222円にもなりました。3ヶ月の累計では19,805円に達し、購入額の12,000円を軽く超えるレベルに。
 あとの3ヶ月、焦らずに済みそうです(笑)。

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 8月26日の西鉄ダイヤ改定では、バス路線の大きな改変も行われました。一方、西鉄電車では今後も、さまざまな動きが予定されています。
 ダイヤ改定の翌日と翌々日、変わったところ、変わるところも訪ね歩いてみました。


連接バス郊外延伸、通勤の強い味方に?


 昨年から市内中心部で運行されている、“都心循環BRT”こと連接バス。今回のダイヤ改定で、郊外の車庫から都心循環に送り込むまでの回送運行が「特快」となり、乗客が乗れるようになりました!
 朝の郊外から都心方向、夕刻の都心から郊外方向が中心だけに、通勤客の強い味方になりそうです。


 早朝の特急電車を大橋で降り、一般バスで那珂川営業所へ。福岡市内を運行するバスの多くが在籍する一大ターミナル、ずらりと並ぶバスは壮観の一言です。


 黄色い流線形の車体が目を引く連接バスも、「回送」ではなく「W特快」の表示を出して待機中。
 「W系統」は本来、大橋~天神間のバス路線の系統名。那珂川まで入る便には振られない系統のはずだけど、まあいいか。1日に上り4本、下り3本の特別運行です。


 車庫から長い車体をくねらせ、8:00発の連接バスが乗り場に姿を現しました。営業開始2日目だけに、
 「あ、長いやつだ」
 と、お連れさんに話す人もいますが、他の乗客は当たり前のように乗っていきます。いつも見てた車両に乗れるようになった、という感覚なのかな。


 バス停には目立つ黄色で「W特快停車バス停」の表示がされています。


 大柄な車体だけに、車内はゆったり。座席も多く、通勤には強い味方になるんじゃないでしょうか。朝4本、20分毎のバスを狙う人が増えそうな気がします。
 途中バス停からは、初乗り目当ての母子連れも乗車。連接バスの注目度は、なかなか高いものがあります。


 大橋駅のロータリーに、長い車体が入っていきます。回送区間の営業運転化というと簡単そうだけど、バス停のチェックや警察との協議など、苦労は多かったんじゃないかと思います。
 連接バスの購入には、都心循環用バスとして福岡市からの補助も入っているはずで、「目的外使用」に対する整理も大変だったんじゃないかな。


 2両目のドアは那珂川、大橋駅のみで乗降可能。しかし渡辺通りから“BRT”の区間に入ると、突如ドア扱いが始まります。降車時はICカード専用で、慣れない人は戸惑うはず。
 しかし天神ソラリアステージ前には案内員が出ていて、降車客にガイドしていました。ダイヤ改定のフォローは抜かりなしです。


 渡辺通りから先は、すっかり連節バスが日常となった区間に。一旦は混んだ車内も、再び空きました。
 おおむね20分間隔の運行なので、連接バス同士がすれちがうシーンも多くあります。


 博多港国際ターミナルに到着。独特の「まっ黄色のお尻」を振りながら(笑)、転回場へと帰っていきました。


 ターミナルをぶらぶら見物して、今度は博多駅方面の“BRT”に乗車。


 蔵本バス停で下車しました。
 ワシントニアパームを背景にした連接バス、どこか異国な雰囲気すら感じます。


西鉄香椎駅前バスロータリ完成、立派なターミナルに変貌


 蔵本からは、都市高経由のバスで香椎へと向かいます。
 以前なら地下鉄箱崎線と西鉄貝塚線を乗り継いだんだろうけど、「ホリデーアクトパス」を手にして以来、バス利用が増えました。


 JR香椎駅前で下車。区画整理事業もいよいよ佳境、駅前広場の外形が見えてきました。


 そして、もう一つの香椎駅こと西鉄香椎駅にも、立派な駅前広場とバス乗り場が完成。昨日から、路線バスの乗り入れが始まりました。


 駅前広場の屋根は、どこか南欧風。


 駅と広場の間にある木、確か地上時代の西鉄香椎駅にもあったように記憶しています。
 立派なバス乗り場ながら、乗り入れるのは西鉄香椎折り返しの便のみで、経由便は従来通りの路上バス停へと分かれてしまったのは惜しいところ。経由便を広場に乗り入れると余計な時間がかかってしまうという事情は分かるのですが…
 西鉄とJRの駅を相対させて、間に駅前広場とバス乗り場を配置するような計画にはできなかったものかと、いまさら言っても遅い戯言も出てしまいます。


 2006年の高架化から9年、高架下の店舗もだいぶ充実してきました。乗降客数は3,500人と、久留米の西鉄花畑駅の半分以下ながらずっと店が多いのも、香椎という街そのものの大きさゆえでしょう。




 せっかく香椎まで来たので、10年ぶりくらいにアイランドシティにも足を伸ばしてみました。


 天を衝くような、2つのタワーマンション。


 広大な人工の自然に映る、新しい住居たち。街びらきの頃に生まれた子どもも、もう小学校の中学年です。
 香椎、千早、六本松、九大学研都市…同時進行で開発が進行する福岡は、どこまで大きくなってしまうのでしょうか。


 そしてこの巨大な新都市の公共交通を、西鉄バスが一手に担うというのも、福岡らしい一面です。
 地下鉄乗り入れの案は立ち消えになり、都市高速の延伸は決定。西鉄バスが、より速達性を増して都心とを結ぶことになるんでしょう。


福岡空港国際線ターミナルへの新ルートを試す


 大橋駅に戻ってきました。西鉄大橋駅への特急停車は、福岡市南部での拠点性を高める施策の一環。そのもう一つの取り組みである、大橋駅~福岡空港国際線のバスに試し乗りしてみました。
 特急停車を前に、今年の3月25日から走り始めた新路線です。


 国際線ターミナル行きは、系統番号なしの無番。那珂川営業所から大橋駅を経由するものと、大橋駅始発の便があります。
 出発時刻は分かりやすく、毎時00分、30分に統一。18分、48分に到着する上り特急から、ゆとりを持って乗り継げるダイヤです。


 空港までは直行ではなく、主要バス停に止まる快速運行。日赤通りでは各バス停に停車し、大橋駅周辺の細かな需要を拾います。
 きよみ通りに入れば、停車するバス停は山王一丁目のみ。昼間は渋滞も少なく、比較的スムーズなルートです。ラッシュ時はどうなのかな。


 福岡空港国際線ターミナルでは、2階の出発ロビーまで乗り入れてくれるのはラクですね。


 出発ロビー目の前に停車する西鉄バス。ちょっとミスマッチな感も(笑)。


 日曜日の午後、出国者で賑わう時間帯です。


 せっかく空港まで来たので、空港内シャトルバス(無料)で国内線にもお邪魔してみました。


 大改良工事が進む国内線。営業しながらの改築に苦労が伴うのは、鉄道駅と同じです。新しいビルを少しずつ建て、古いビルを少しずつ壊す、の繰り返し。


 1月にオープンした国内線の目玉施設、「the foodtimes」へ初訪問!福岡の名店が揃ったフードコートです。


 福岡勤務時代は天神でたまに食べていた、風月のビーフバター焼きとひさびさに再会です。ガッツリ系なサラリーマンの味方は、旅行者にもきっとウケるはず。


 いっぱいのお腹を抱え、シャトルバスで国際線へバック。国際線ターミナル1階から出発するバスも、ずいぶん多彩になってきました。特に別府行き、太宰府行きは、インバウンドの皆さまで大混雑です。
 別府、黒川など名だたる観光地に並んで、「大橋」の行き先も加わりました。


 大橋駅行きに乗り込んだのは、僕の他に2名。インバウンドとは無縁です。


 今のところ、あまり乗客は多くないと聞く路線ですが、特急停車後のこれからが本領発揮する路線のはず。
 天神地下街や地下鉄の混雑に巻き込まれないのはラクで、天神大牟田線沿線からの、メインルートに育ってほしいものと思います。


雑餉隈~下大利で進む高架化、昭和の駅の香りもあとわずか

 2020年度の完成に向けて工事が進む、天神大牟田線の高架化事業。高架柱が立ち上がり、高架化後の姿が少しずつ描けるようになってきました。
 一方、旧来からの駅舎が残っていた雑餉隈・春日原の仮駅舎化も、迫りつつあります。


 まずは雑餉隈駅で途中下車。昨年夏まで住んでいた街なので、馴染みの駅です。それだけに次第に変わりゆく風景は、期待でもあり、寂しくもあります。


 質実剛健、飾り気のない橋上駅舎も、残りわずか。




 来年1月からの仮駅舎化が、すでに予告されています。


 すでに駅の両側は、すっかり工事現場と化しています。高架化後の駅舎の形が見えてくるのは、もうしばらく先になりそうです。


 あいかわらず庶民的な下町情緒漂う銀天町。高架化され踏切の音が聞こえてこなくなると、少し寂しくなりそう…個人の所感ですが。






 一方、春日原駅はすでに高架駅の工事が始まっています。




 2面2線だけに、大きな規模の駅になりそう。花畑のように、様変わりしそうです。


 現在の駅の仮駅化はアナウンスされていないものの、そう遠くはないように思います。


8000形電車、間もなくラストラン…「旅人」車両交代へ

 僕ら世代には寂しいニュースも入っています。現在は二日市~太宰府の観光電車「旅人」で残るのみの、1989年デビューの特急電車・8000形の引退が9月16日に決まりました。
 たぶん最後になるであろう、短い8000形の旅を楽しみます。




 ラッピングだけでも、車両の印象はずいぶん変わるもの。幼い頃から乗って来た8000形とは、別物の電車という感じがします。
 昼間に二日市~太宰府の普通電車として往復する姿も、全盛期の特急運用とはまったく異なるものです。








 しかし赤いクロスシートが並ぶ車内は大きく手が加えられておらず、全盛期の面影を探せます。久留米~福岡間で座れる機会は少なかったけど、座れればゆっくりくつろげて、天国の電車でした。


 平成元年製。もう29歳になるんですね。
 しかし同い年の京阪8000系がリニューアルされ、今年は特別車両のプレミアムカーまで新設されたのを見ると、こっちももっと活躍できたはずの車両だったとも思います。


 最新鋭の設備だったはずのLEDインフォメーションも、フルカラーモニタ全盛の今では、古めかしくも映ります。


 観光PRコーナーになっている一角には、公衆電話が付いていたんだよなあ。JRでも新幹線や最新鋭の特急にしか付いていない設備で、格の違う電車だと感じられました。
 通勤電車でもローカル線でも、めいめいが電話を手にしている時代になってからも、ずいぶん時間が流れました。






 そして鉄道少年としては、最前部の展望席が何よりの魅力でした。側窓も大きく、当時は日本最大と言われたものです。西鉄福岡で行列してもたいてい座れず、大牟田から乗る時こそチャンスでした。
 普通運賃だけで乗れる特等席は、貧乏な小中学生時代、手の届く範囲でできる特別な経験でした。


 6両・2ドアの表示が見られるのも、あとわずか。ラストランまで、無事故で走ってほしいものです。




 太宰府は観光客でいっぱい。博多方面のもう一つの「旅人」にも、大行列ができていました。

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 8月26日、西鉄天神大牟田線では3年ぶりとなるダイヤ改定が行われました。
 一般にも報じられた最も大きなトピックは、やはり特急の大橋停車です。大橋駅そのものの利便性向上だけではなく、交通結節点としての機能強化を狙った西鉄の戦略やいかに。
 さらに従来は急行が速達輸送担っていた通勤時間帯にも、特急が登場。スピード通勤に向けた工夫と、苦心の跡も見えるダイヤを追ってみました。


朝の上り特急登場!県南からの通勤が時間短縮

 今回のダイヤ改定は大橋停車が大きくクローズアップされ、福岡近郊の輸送改善にのみスポットが当たったような印象があります。しかし朝の上り、深夜の下り特急の設定は、まぎれもなく遠距離客向けのダイヤ改善です。
 まずはダイヤ改定の翌日(27日・日曜日)に、朝の上り特急に乗車してみました。


 久留米駅の、新しい休日ダイヤ。従前のダイヤでは朝始発・午前5時56分の特急が上った次は、8時55分まで特急がありませんでした。
 今回の改定では、休日ダイヤで3本(6:57、8:08、8:27)の特急が設定。さすがに7時台の設定は厳しかったようですが、休日の通勤はもちろん、お出かけにも助かる列車です。


 乗り試すのは、大牟田駅を6時26分に発車して、6時57分に久留米を出発する特急。久留米までは改定前の急行のスジをほぼ踏襲しており、停車駅も同じ。久留米から先が、特急運転に変わった格好です。
 これまで大牟田から宮ノ陣や小郡に行っていた人は、花畑で14分後の急行を待つことになります。ちなみに平日ダイヤでは、乗り換え時間がもう少し短くなるよう配慮されています。
 

 停車駅は二日市、大橋、薬院。大橋は、本当に特急停車駅になったんですね。朝の特急増発も、大橋という一定需要のある駅をカバーできるからこそ、実現できたのかもしれません。


 5000形・7両編成の特急電車が入線。今回、通勤時の特急設定にあたって8両編成が復活しないか期待していたのですが、実現しませんでした。
 というのも下大利や春日原駅が7両対応のため、8両運転とするためにこの2駅を通過する「快速急行」なる種別が、2010年まで存在していたのです。特急なら8両運転も可能、ラッシュ時の混雑緩和に一役買うか!と期待していましたが、そこまでの需要はないと判断されてしまいました。


 休日とあって、空席を残して発車。通勤する身としては、座れる電車はありがたいものです。
 ダイヤ改定前、7:01、7:21、7:31と雁行していた急行のうち、7:01が抜け落ちてしまった小郡駅を通過。ホームに乗客の姿はありません。隣のホームに止まっている、7:05の「筑紫より急行」へ乗っているものと思います。


 多くの乗客が待つ、西鉄二日市駅に到着。先週までの急行が特急に変わってしまっても、特に戸惑うことなく乗客たちが乗ってきました。
 二日市以北は、あまりスピードが上がりません。ラッシュ時でダイヤが詰まっているものと勘違いしそうだけど、高架化工事の影響です。二日市~大橋間9分は、昼間の特急と遜色ありません。


 大橋駅に到着。待機していた普通電車から、おおぜいの乗客が乗り継いできました。特急停車からまだ2日目ですが、もともと急行しかない時間帯だったので、乗り換え相手が急行から特急に変わっただけ。特に戸惑われているような様子はありませんでした。
 久留米から大橋まで26分。過去最速の早さで、大橋駅に立つことができました。とりあえず、今日はここまで。


大橋ってどんなトコ?副都心でもあり、交通結節点でもある街


 今回、特急停車駅に昇格した大橋。そもそもどんな街なんでしょう? 近所に3年半住んでいた経験に基づく、個人的なイメージは以下の通りです。




 西口は、カラオケ屋やパチンコ、不動産屋に飲食店が集積しています。
 核となるデパートや大型スーパーがあるわけでもなく、かといって八百屋や魚屋があるような昔ながらの商店街というわけでもありません。ちょっとした繁華街といった雰囲気です。


 繁華街を抜ければ、集合住宅が立ち並ぶ住宅街。膨張を続ける、福岡市の人口の受け皿の街の一つでもあります。


 一方、東口は通称「日赤通り」と呼ばれる幹線道路。道幅は太くて通行量も多く、ロードサイド型の店舗も立地しています。
 南区役所も日赤通り沿い。区役所の上は、市内の各区役所同様、集合住宅が載っています。保健福祉センターや図書館分館も並び、南区の行政の核となる場所です。


 駅南側で筑紫野・鳥栖方面と那珂川方面の道が分岐し、自動車交通上の要衝でもあります。


 このことからバス路線も、大橋駅を発着、あるいは経由する路線が多くあります。新たに開通した外環状線経由で福大方面に向かう「外環1番」や、今年3月には福岡空港行きのバスも新設されました。
 那珂川から天神方面へ直行していたバスも、定時性を増すため、大橋での系統分割が進んでいます。交通の要衝というのも、大橋の一つの顔です。


 九州大学の大橋キャンパスも、大橋駅から徒歩圏内。元は九州芸工大という単科大学だったので、規模はさほど大きいわけではありませんが、学生街としての側面も持っています。


 そんな大橋駅の利用客数は西鉄の中でも、西鉄福岡(天神)、薬院に次ぐ第3位。これが数年前だと西鉄福岡(天神)、西鉄久留米、大橋、薬院の順だったのですが、久留米と薬院が入れ替わってしまいました。
 大橋自体は横ばいから微増。天神大牟田線全体では漸減傾向にある中、利用者数を維持しているのは健闘している方です。毎時2本の速達列車が増えるのは、大橋周辺の人にとってもバスに乗り継ぐ人にも朗報だったと思います。




 大橋駅そのものも、ショッピングゾーンの一つ。スーパーの「にしてつストア」や、「西鉄名店街」などを備えています。


 大橋駅高架化が完成した1978年から大規模なリニューアルは入っておらず、ちょっと昭和な雰囲気も残る高架下。


 特急停車に合わせて改装にも着手されており、2年後には完成の予定です。


大橋以南、二日市までの各駅の利便性も向上

 今回の特急停車は、大橋駅利用者3万5千人のためだけのものではありません。従来、大橋駅を特急が通過する際には普通電車を待たせていましたが、改定以降は特急と普通を乗り継げるようになりました。
 これによって大橋駅以南、二日市までの各駅の利用者にとっても、福岡天神までの実質的な所要時間の短縮につながります。


 大橋駅での上り電車の緩急接続シーン。急行と普通の接続は、従前から1時間に4回行われてきました。
 12時07分に普通電車が到着すると、慣れた様子で乗客が降りて来て、急行が到着すると吸い込まれて行きます。12時11分発の新型9000形の急行、特に福岡天神方面の1両は満員でした。


 次の12時16分着の普通電車は、新たに特急と接続するようになった電車です。予想に反して、あまり乗客が降りてきません。前の普通から9分と間隔が詰まっているので、利用客が少ないのかな…?


 と思っていたら、特急が入って来るとかなりの乗客が降りて来て、乗り継いで行きました。「特急に乗り換えられる」という感覚が、まだなかったということでしょうか。
 特急3000形・観光列車「水都」の混雑度は、8分前の急行と似たような程度でした。


 恩恵を受ける駅の一つ、大橋駅の1つ南の井尻駅。普通電車しか停車しない地上駅ながら、平成27年度の1日の利用客数は21,520人を誇ります。
 これは天神大牟田線でも、福岡、薬院、大橋、久留米、二日市に次ぐ堂々6位の数字。春日原や下大利といった急行停車駅はおろか、特急停車の大牟田、柳川をも大きく上回ります。




 駅周辺は昔ながらの商店街。スーパーも2店舗があり、歩いて数分で住宅街に抜けてしまうコンパクトな街です。JRの笹原駅も徒歩圏内。幹線道路や都市高速も近くて、車での動きやすさもあります。
 僕自身も3年半住んだことがあり、住み心地のいい街でした。


 ダイヤ改定前、井尻駅から西鉄福岡へ行こうとした場合、例えば11時台前半はこんなダイヤになっていました。

井尻11:04(大橋で急行に乗り換え)11:16西鉄福岡…所要時間12分
井尻11:13(大橋で特急退避)11:28西鉄福岡…所要時間15分
井尻11:23(大橋で急行に乗り換え)11:37西鉄福岡…所要時間14分

 30分サイクルのダイヤなので、この繰り返しになります。
 改定後は大橋で特急に乗り継げるようになったことから、以下のようなパターンの繰り返しに。

井尻11:05(大橋で急行に乗り換え)11:17西鉄福岡…所要時間12分
井尻11:14(大橋で特急に乗り換え)11:25西鉄福岡…所要時間11分
井尻11:24(大橋で急行に乗り換え)11:38西鉄福岡…所要時間14分

 平均時間にすれば、1分と少しの短縮。単に特急に抜かれるだけの停車がなくなった分、心理的な時間短縮効果はさらに大きいように感じられそうです。
 もし今も井尻住まいだったら、特急の大橋停車にはもろ手を挙げて喜んだろうと思います。


特急増発で生まれた珍風景・特急が急行を追い抜く!


 これまで西鉄天神大牟田線では、特急が急行に追いつかないようなダイヤが組まれていました。
 今回のダイヤ改定では平日朝の1回のみ、小郡駅で特急が急行を追い抜くダイヤに。初めて実現する「世紀の瞬間」に、ダイヤ改定後初の平日となる8月28日に立ち会ってきました(←大げさ?)。


 朝8時前の西鉄久留米駅。福岡方面への始業時間に間に合うには少し遅めの時間なので、ラッシュが過ぎ去ってひと段落といった空気の漂う時間帯です。


 新しい久留米駅の上り平日ダイヤ。6時56分発、8時06分発が、今回設定された特急です。
 6時56分発の特急には、続行で6時58分の急行が追走し、従来久留米以南から急行停車駅に通勤していた乗客にも配慮されています。8時01分発の急行と、06分の特急か注目のペアです。


 急行が特急に追い越されるダイヤになったはずですが、案内板には、特にそのような表示は見当たりません。


 案内放送では、「8月24日のダイヤ改正で、福岡へは後の特急が先着」と繰り返し放送されていました。しかしホームで待っていた乗客の8割くらいは、8時01分発の急行電車に乗車。目的地が特急通過駅なのか、スマホで音楽聞いてて気付かないだけなのか!?
 久留米、宮ノ陣と停車しても空席があり、ゆとりの着席通勤は理想的な姿です。


 小郡では、5分停車がアナウンスされました(時刻表上は4分)。4番ホームに停車するなかなか発車しない電車に、外へ出て来て「ホントに急行?」と方向幕を確認するサラリーマンの姿も。
 朝の時間に想定外の5分の浪費は、なかなかきついものがあります。


 といっている間に、久留米側から特急が追い上げて来て、あっという間に追い越していきました。
 「世紀の瞬間」だけに何人かギャラリーがいるだろうと思ってましたが、撮影していたのは僕一人。貴重なシーンになりました(笑)。


 なお特急の7分後には花畑発の急行が追尾していて、従来の大牟田からの急行利用者にも配慮されています。


 二日市には8時29分に到着。久留米からの所要時間は28分で、昼間の急行の22分よりかなり遅めでした。
 続く二日市発8時45分の特急は、従前から設定されていたものです。「水都」の間合い運用の普通電車からの接続を受け、二日市を発車しました。


 さすがに大橋~福岡間では満員電車になりましたが、一番混む福岡方の先頭車でも「ぎっしり混雑」という程ではありませんでした。
 西鉄福岡ではすぐに折り返し作業にかかり、方向幕がクルクルまわる間に撮れたのがこの写真。さすがに、大橋発着の急行までは今回、設定されていません。


 今日も元気に、行ってらっしゃい!

 というわけで、天神大牟田線の特急の変化を、2日に渡って見てみました。改善点はいろいろありますが、久留米人としては、福岡まで32分もかかるようになったのはやはり痛い!時速110km運転が始まった2008年ダイヤ改定の28分に比べ、わずか10年足らずでずいぶん遅くなったように感じます。
 減速運転の原因となっている高架化工事の終了後には、せめて30分には戻してほしいと、願わずにはいられません。

 大牟田~久留米間では特急増発の恩恵も受けられましたが、宮ノ陣や小郡にとっては、通勤時の急行が減らされた影響も小さくないはず。悲喜こもごもがつきものの、ダイヤ改定ではありました。


ダイヤ改定こぼれ話


 各駅に掲示された「ダイヤ改正」のポスター。新型9000形車両が主役、色合いも「西鉄レッド」が基調です。
 「今回のダイヤ改正より冊子版時刻表の販売は行いません」は、ファンとしては残念なところ。おかげで新ダイヤの分析にも苦労しました。しかし駅窓口でのダイヤグラムの配布は、今回も健在。毎度思いますが、一体誰向けなんだろう?


 今回、大橋駅特急停車記念nimocaが発売されましたが、枚数はわずか500枚!50枚の割り当てしかなかった久留米駅でも、早々に売り切れてしまいました。
 当の大橋駅で発売されなかったことが、今回のダイヤ改定で最大の謎として終わりました。

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 瓦町駅に戻りました。


 ことでんで2駅、高松築港駅へ。高松の旅はこれにて終了。午後1時、帰路につきます。
 しかし普通に帰ったのでは面白くないと、サンポート高松のフェリーターミナルへやってきました。


 小豆島や直島など、瀬戸内の離島の切符売り場が並ぶ中、本州の「宇野」行き窓口できっぷを求めました。
 国鉄連絡船、本四フェリー、国道フェリーとなくなっていく中、唯一最後まで残った四国フェリーの宇高航路です。


 運賃は690円。国道フェリーは390円だったので、倍近い運賃です。一社独占だから値上げも自由…と見られてしまいそうですが、本四架橋の値下げの影響で、この値段でも赤字経営が続いているとか。


 乗客用のブリッジはなく、車両のブリッジの端を歩いて乗船します。


 船内は桟敷席が少なく、ゆったりしたリクライニングシートが中心。先頭にまで座席が並んでいるのは、珍しいですね。


 13時05分、旗をなびかせ出航です。


 高層ビルが並び、結構な都会に見える高松の街が離れていきます。ありがとう、四国!
 瀬戸大橋世代の僕には新鮮な体験だけど、連絡船時代の四国から本州への移動は、これが当たり前だったんですね。


 宇高航路と瀬戸大橋は離れており、島々の奥のその影を追うことになります。


 中央のサロンコーナーでは、売店で買ったうどんを食べることもできます。船で食べるうどんは、宇高連絡船でも名物だったそうです。
 船のうどんは、個人的には桜島フェリーや垂水フェリーでの方が馴染み深いもの。船とうどん、切っても切れないのはなんでだろう。


 宇高航路の上りは、荒神島と直島の狭い海峡をすり抜けていきます。港もすぐそこ。かぼちゃのオブジェに群がる人波も、手に取るように分かります。
 海から見ただけだけど、直島の人気、聞きしに勝るものでした。


 宇野側から見ると、直島、ずいぶん荒々しい様相です。


 高松出航から約1時間、宇野港に到着です。高松と同様、宇野にも宇高国道フェリーの遺構がそのまま残っています。


 そして瀬戸内の離島に向かう拠点としての性格が強くなっているのも、高松と同様です。


 やはり乗客用のタラップはなく、徒歩乗船客は遠慮気味に下船しました。


 駅前のビルに大きく掲げられた、宇高連絡船の写真。今の静かな町からは想像もできないけど、賑わったんでしょうね。


 港と駅の間には、玉野市の観光案内所。


 仮設っぽい作りながら、ガラス張りで明るい空間。玉野市内のみならず、離島の情報も得られます。


 海に突き出す線路は断たれ、連絡船との乗り継ぎ駅だった頃の面影は薄い、宇野駅に出てきました。
 駅舎も小さなものですが、南欧っぽい瀟洒な雰囲気。


 ホームは行き止まりの頭端式で、終着駅の風情はあります。
 改札の上には、「岡山方面にはバスも運転しています。およそ毎時2本運転しております」なる、敵に塩を贈るまさかの案内が。バスは30分おき、電車は1時間おきとはいえ、スピード・運賃ではJRに分があるのですが。


 観光電車「ラ・マルせとうち」の運行に合わせて、改札内には今風の「顔出し」があります。さすがはアートな島々への乗り継ぎ駅、顔出しもフォトジェニックです。


 ごみ箱も、ラ・マルせとうち仕様。連絡船の廃止以来、枝線のローカル線に甘んじてきた宇野線も、息を吹き返してきているように感じられます。


 宇野止まりの電車が到着すると、観光客がどっと降りてきました。欧米系のインバウンド観光客が1/3くらいを占めていて、アートな島々はすっかり国際観光地になっているようです。


 電車は、2003年までマリンライナーで活躍していた、213系。2扉で落ち着いた雰囲気があり、座席もゆとりがあって、お気に入りの電車の一つです。
 リニューアルで座席は交換されてしまいましたが、まだまだ使い続ける意志のはずなので、喜んでおくべきでしょう。


 線路は単線。ロングレール化もされておらず、スッタタンスッタタンとリズムを刻み走る様は、まさにローカル線です。唯一駅の長いホームだけが、かつてメインルートだったことを伝えています。


 茶屋町駅で、瀬戸大橋線の普通電車に乗り換え。宇野方面の電車は両側の扉を開け、四国方面、岡山方面ともにホーム上で乗り換えられるようになっています。
 岡山到着は、フェリーの1時間40分後に高松を出たマリンライナーとほぼ同着。でも運賃はマリンライナーの1,510円に対し、1,270円といくぶん安く済みました。景色も楽しめたし、また乗ってみたい昔ながらのルートです。


 あとは福岡へ帰るだけ、でもその前に、駅前のイオンモール岡山を訪ねてみました。入口までは地下街経由で5分ほどです。
 九州人なのに、今回3度目の来訪。どんだけ好きやねん。


 今回の目的地は、4階のフードコート。お盆に開催された久留米の地ビールフェスタで、このフードコート内にクラフトビールの店があることを知ったのです。
 1995年の「地ビール」創世期からの歴史を誇る、宮下酒造「独歩」のビアショップです。


 醸造所が近いだけあって、新鮮な味わい。しかもレギュラーカップ400mlが500円、ビッグカップ650mlでも750円と、居酒屋の「生」並みの値段です。
 ついつい特別価格メニューの「インぺリアエール」のビッグカップ(900円)を頼んでしまいました。苦みと香りのバランスがGood!フードコート内という手軽さも嬉しく、また岡山乗り換えの時には寄り道しよう。


 帰路の岡山16時22分発「こだま749号」は、500系新幹線での運行でした。
 「エヴァ新幹線」で話題の500系ですが、オリジナルでも充分しびれるほどかっこいいです。


 指定席は4列シートに改装されていて、700系レールスターと同様、ゆったりした旅を楽しめます。


 でもデザインは、オリジナルのままの自由席が好み。薄紫で統一された内装は、まったく古さを感じさせません。レールスターのような薄汚れた感じもなく、快適です。


 6号車は、ファン垂涎の元グリーン車。可動式の枕や、床のカーペットはなくなったものの、どっしりした座席と広いシートピッチはそのまま。指定席料金で乗れるので、かなりお得です。
 一度乗ってみたいのだけど、こだまの特割きっぷでは指定されないルールになっているようで、6号車は当たったことはありません。


 図書館で借りた本を並べれば、動く書斎。


 キオスクで買った地サワーと地ビールと駅弁を並べれば、走る居酒屋です。こだまの旅を楽しめるかは、準備次第。


 徳山駅では6分停車の間に、改札内のセブンイレブンへ買い出しに。6分もあれば余裕と思っていましたが、夕方の利用客は多く、列に並んでいたらギリギリの時間になりました。あぶないあぶない。


 着陸する飛行機と交錯すれば、間もなく博多到着です。ひまつぶしアイテムに加え、旅疲れで寝ていた時間も長かったので、より短く感じられた岡山~博多各駅停車の旅でした。


 500系新幹線自体は、もうひと働き。こだまから、博多南線・博多南行きに衣替えして、通勤客を飲み込んでいきました。

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 高松駅から西に10分のビジネスホテルで、2日目がスタートです。一応すみっこにオーシャンビュー、海と海の間は巨大な風俗街でした。






 朝9時、チェックアウト。ホテルの出入り口は一旦盛り上がったスロープがあり、高潮対策かな?
 高松駅方向へ歩いて5分、海辺の複合施設「北浜アリー」へと出てきました。古い倉庫を再生した施設はオンボロな感じはせず、古さがおしゃれに感じられます。


 駐車場も巨大な倉庫そのまま。早朝とあって開いているお店はなく、がらんどうの状態でした。PVの撮影か、インスタ映えする画づくりにでも使えそうです。


 裏手には、井上商環境設計株式会社の北浜設計室が入っていました。北浜アリーは、同社が2001年に手掛けた施設。高松の街づくりは、建築家主導で進んでる!?
 雰囲気を見るだけでも楽しめたけど、営業時間内に再訪したい施設でした。


 高松駅方向に歩いていくと、宇高国道フェリーのターミナルに出てきました。瀬戸大橋開業後も安い運賃を武器に善戦、24時間運行で頻発している…
 というのは過去の話で、2012年に廃止されてもう5年になります。市内のあちこちに看板は出たままだし、ホームページにもつながるので、港に来て呆然とする人も少なくないんじゃないでしょうか。


 高松駅前の大衆食堂で、朝のうどんを ぞぞー。さすがは高松、210円という安さです。


 今日もことでんの旅です。持ち時間は午前中だけなので、そんなに乗ることはできませんが、ヨメさんは1日ふりーきっぷを買いました。かわいい図柄の、きっぷそのものが欲しかったようです。
 玉藻城のお堀に面している、珍しい築港駅。お堀をのぞいて見れば、立派な魚が泳いでいました。さすが海に直結したお堀です。


 2番線の長尾線カラーの電車は後発で、高松築港~瓦町の2駅のみという珍しい系統。先発は、琴平線の瓦町FLAG号です。


 つり革には、外して使えるクーポン券が付いていました。ところどころにしか残っていないので、すでに多くが持ち帰られているようです。たくさんの人が訪ねているといいな。


 瓦町駅では、長い長い動く歩道を歩いて、志度線に乗り換え。昔ながらのことでんカラーに近い、ピンクの胴の電車が待っていました。少し細身の車両は、名古屋市営地下鉄の出身です。
 最後尾は、週末限定のサイクルトレイン。平地の多い高松近郊では、うってつけの施策だと思います。今日は平日なので、持ち込みNGです。


 12分揺られて、屋島着。屋島観光の玄関口で、電車交換も行われるような駅でも、今は無人駅です。


 木造平屋建ての、素朴な琴電屋島駅。駅の字、よくみたら「驛」になってます。


 駅舎内も、昔ながらの木造ベンチが並ぶ、映画にでも出てきそうな雰囲気。天井のシャンデリアが しゃれてます。色使いもパステルカラーで、かわいい感じ。


 屋島の山上までケーブルカーが結んでいたのも、今は昔。2005年の廃止以降、ことでんの山上シャトルバスが後を引き継いでいます。
 車両は、ことちゃんファミリーが屋島を楽しむ特別バージョン。


 ことちゃんのヨメさん(ことみちゃん)ですら、ペンギンと見分けがつかないんだ。


 四国村を経由したバスは、屋島ドライブウェイへの料金所をノンストップでくぐります。
 630円かかっていた通行料は、この7月21日に無料化されたばかり。ドライブウェイは ことでんの子会社でもあることから、ことでん各駅や車内でも、盛んにアピールされていました。


 バスのエンジンは唸りを上げ、どんどん高度を稼いでいきます。
 バスの運賃は、わずか100円。ケーブルカーは往復1,300円かかっていたらしく、かなりの割安感です。しかもIrucaを使って電車と乗り継げば、乗り継ぎ割引の100円が適用されるので、実質無料になります。




 ずいぶん高度を上がってきた割りには早く、8分で山上に到着。まずは四国八十八ヶ所の札所でもある、屋島寺で手を合わせます。


 展望台に出れば、高松市街地と瀬戸内の島々を一望。夏空の下、海も街も輝いてます。


 山上でのアトラクション!?とも言えるのが、開運厄除けの瓦投げ。素焼きの瓦を、丸い輪目がけて投げます。
 不老不死を願って投げた1投目、失敗。不老長寿を願って2投目、失敗。健康長寿の3投目、失敗。投げたこと自体で開運厄除けにはなるらしいので、健康の願いくらいはかなってくれるでしょう。


 れいがん茶屋で、名物のいい蛸おでんをつまみにビールをごくり。


 瀬戸内を行き交う船を眺め、山頂の涼しい風に吹かれながら呑む生、最高でした。


 各県の県木が植えられた「県木園」の奥に、もう一つの展望台があるというので足を踏み入れてみれば、森の中のあぜ道。


 3分ほど歩くと、市街地側に開けた展望が広がりました。


 山を下り、志度線で瓦町へ。


 アーケード街でお昼を食べようと、商店街へ出てみました。駅に近い常盤町商店街、人通りは比較的少な目です。
 つぶれてしまった商業施設も多いですが、その前では産直市が開かれていて、元気さをアピールされていました。


 むしろ瓦町というターミナル駅から遠い、南北方向の商店街の方が賑わっているのは、不思議な現象です。高松という街の構造を、僕がまだまだ掴めていないということだと思います。


 昼ごはんは、南新町のこのお店で。


 お値段は高め(現地比)。うどんは生からゆでるため10分待ちという、個人的に持っていた讃岐うどん店のイメージとは、ちょっとちがうお店です。
 でも待った分、おいしかったです。


 お昼時、はなまるうどんも善戦してます。


 昨年1月、朝ごはんの時間に来たおかげで余裕で食べられたお店も、サラリーマンの列ができていました。
 つづく。

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 ことでん仏生山周辺の乗り放題を生かし、帰路は瓦町駅で下車しました。駅ビルを擁し、何台もの自動改札が並ぶ改札口は、地方私鉄の駅離れしています。
 コトデン瓦町ビルは1997年に「そごう」としてオープンするも、そごう本体の破綻のあおりで、コトデン(当時。現在は「ことでん」と表記)そのものの経営を揺るがす存在に。2001年には天満屋として再スタートを切るも、2014年に撤退しています。


 2015年10月には直営の複合ビル「瓦町FLAG」として再出発。昨年1月の訪問時は夜で閉店後だったため、今回初訪問です。
 ファッション関係の専門店や、1フロアまるごとのジュンク堂、アカチャンホンポなど、充実したテナントが揃ってます。車なしでも寄り付きやすい、駅ビルならではのラインナップ。それにしては、お客さんの入りが今一つのような…?


 8階は高松市の行政サービスのフロア「IKODE瓦町」。窓口は平日20時まで、土休日も18時30分まで開いており、これは便利!
 市民活動センターや図書館のサテライトもあり、街中、それも駅ナカにあると便利な施設ばかりです。


 9階のレストランフロア、いい感じの店で埋まっているのに、ガラン…平日夕方で食事には早い時間だけど、お茶する人も何人かしか見えません。
 先行きが大丈夫か不安になるFLAGだけど、まだまだテナントを誘致している段階だとか。比較的賑わっていた地下のスーパーも、この6月にできたばかりで、活気が出てくることを祈っています。


 屋上では、ビアガーデンを開催中。9階のイタリアンレストランの運営とあって、メニューはシャレた感じです。夕方6時、会社帰りのサラリーマンがぼちぼち集まってきていました。


 芝生の広場では、地べたで思い思いにくつろぐ若者たちの姿がありました。若者が集まる「拠点」は、地方都市にとって強みの一つ。瓦町ビル3度目の船出、ぜひ成功してほしいです。


 ことでんに乗り一駅、こちらもアーケード街に直結した駅・片原町駅で下車しました。
 瓦町とはうって変わって、下町情緒のある駅。併設のスーパーは、瓦町駅のスーパーと同じくらいの買い物客でごった返していました。ホームにある、昔ながらの長い木製ベンチも、通勤客で埋まっています。


 片原町のアーケードでは、電車が堂々と横切って行きます。
 広い道幅、自転車の乗車や駐車もOK、街路樹あり。15年前の大学生時代、初めて見た時にはアーケード商店街の概念を覆され、衝撃を受けたことを思い出します。


 駅から徒歩10分弱のビジネスホテル「東宝イン」に投宿。じゃらんからの予約で、6,450円でした。
 お安めの割に、浴室の置いてあったシャンプーが「TSUBAKI」だったのは、それだけで好感です。


 旅装を解く間もなく、すぐさま再出発。宿最寄りのバス停「ホテルオークラ高松」(!)から、県立病院方面のことでんバスに乗車し、卸センター前で下車しました。30分~1時間毎の運行なので、時刻表の事前チェックは必須です。
 目的地はここ、宮脇書店の総本店。全国最大の店舗数を誇る書店チェーンの、総本山です。外観は本棚のようでユニーク。


 しかし立地はバス停の名前が示す通り、およそ書店とは無縁の港湾地区です。外観も、書店というより物流センターのよう。逆に卸の中心地だからこそ膨大な本の数が揃う、メガ書店と言っていいでしょう。
 店内撮影禁止なので載せられませんが、本の数、すごいです。圧倒的です。ことちゃんが「本の海」と例えたのも納得です。本好きなら1日といわず、1週間は楽しめるんじゃないでしょうか。


 建物の背後には、観覧車まで。土日のみ、17時まで限定で回っているんだそうです。
 ただ土日は、バスが手前の県立病院で折り返しになってしまいます・・・。


 日が暮れれば、ご覧の通り。宮脇書店以外、ほとんど明かりのない港湾地区なので、日没後に女性がひとりバスで訪れるのは、避けた方がよさそうです。


 帰りのバスは、高松駅まで乗り通しました。夜の高松駅前、いい雰囲気です。


 駅から歩いて5分の、アイリッシュパブ・ザ・クラックを訪ねました。ことでん高松築港駅のホームにある、本邦唯一(?)のホーム上パブの本店です。
 昨年1月、たまたまホーム店に出ていたオーナーとのお話が面白く、寒さも忘れ2時間近く長居してしまいました。いつか、本店を訪ねてみたいと思っていたのです。






 「パブ」の語源は、「パブリックハウス」。酒好きの大人だけでなく、お酒の飲めない人や、子どもにも開かれた本来のパブでありたいというのが、オーナーの願いです。
 平日の夜とあって子どもの姿はなかったけど、ノンアルでゆったりと過ごすグループ客も楽しそうでした。


 1人2,500円の「ビアクルーズ」なら、2人でも席を予約できます。まず予約と思っていたので、ビアクルーズが何たるやは知らないままでした。
 正体は、5種類のビールと、最高に合うおつまみをセットにした、究極の飲み比べセット。左から順に楽しんでいきます。店の看板・ギネスもうまかったけど、香川産うどん小麦使用の「スペシャルエール」、スコットランドの「パンクIPA」がメチャうまでした。


 もちろんこれだけで終われるはずもなく、瀬戸内の海の幸で作った「高松BAYのフィッシュ&チップス」の揚げたてを堪能。組み合わせは、伊勢角屋麦酒。
 築港駅では売っている「ことちゃんIPA」のオリジナルでもある、「ザ・クラック エブリデイIPA」も味わい、満足、満足。次回は、ことでんの車内でパブ気分の「アイリッシュ・パブトレイン」にも乗ってみたいです。


 すっかり飲んでしまい、築港駅に着いた頃には、ビアパブステーションの営業が終わっていました。あぶないあぶない、下手に営業していたら、おかわりしてしまうところでした。


 酔い覚ましに歩こうと、瓦町駅まで出てきました。


 高松市街地の特徴でもある、縦横無尽に伸びるアーケード街を散策。瓦町駅前付近は静かになってきていたけど、再開発マンションがそびえる丸亀町アーケードあたりは、まだまだ人通りがありました。
 高い天井が吹き抜ける、G街区「丸亀町グリーン」と呼ばれるエリア。デザイン性にすぐれるだけでなく、周辺のテナントも大手・一流が揃っていて、商業地としても一級であることが分かります。


 A街区の近未来的なアーケードの中にある、百十四銀行高松支店。新旧のデザインが共存している様は、ヨーロッパの街並みのようです。


 写真には収まり切れないほど大きな、ドーム広場。ここまで来ると片原町駅の方が近く、乗降客が多いのも頷けます。
 15年前に魅了されたアーケード街は、地方都市の冬の時代にあってなお、進化を続けているようでした。

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 高松の電鉄会社「ことでん」のキャラクター・ことちゃんにハマっている、我々夫婦。高松市仏生山の雑貨店で「ことでん展」をやっているというので、遠路はるばる久留米から訪ねてみました。


 8月17日(木曜日)、久留米駅8時16分発の「つばめ」で出発。盆明けとはいえ、まだまだ休みの人も多いようで、家族連れの姿も目立ちました。
 全体的には空いていて、通勤客の動きは鈍いようです。


 博多駅で「こだま736号」岡山行きに乗り換え。3時間半かけて、各駅に停車しながら岡山を目指します。


 今回使ったきっぷは、広島の日本旅行のフリーツアー「バリ得こだま」。九州からでも通販で購入可能、ネットで申し込んでから24時間も経たずに発送されてきたので驚きました。
 値段は7,600円。ネット割の10,970円よりだいぶ安いものの、同じプランの大阪行きより400円高いのは、どこか納得できないところがあります。


 往復で合計800円分付いてきたクーポンを活用し、ブランチ代わりの駅弁を買って700系「レールスター」に乗り込みます。
 4列ゆったりシートの「レールスター」も、2000年のデビューから20年近く経過し、だいぶ年季が…。僕の指定された席は不快な臭いが漂っていて、とても3時間半は耐えられそうもなく、自由席に移動しました。


 「ひかり」を追われ、ほぼ「こだま」専業となったレールスター。目玉だった個室は閉鎖され、「業務用室」になっているのは残念です。
 こだまの割引きっぷは子ども用が安く、ファミリーの利用にはうってつけだと思うんですが。防犯上の問題があるのなら、扉だけ撤去して「セミコンパートメント」にする方法もあるのでは。


 電話室も多くが「業務用室」に。車販準備室ももちろん使われておらず、自販機も全台撤去済みです。
 サイレンスカーも廃止。情報端末「旅指南」も撤去済み。「ひかりレールスター」全盛期を知る者としては、悲しくなってしまう旅路でもあります。


 「こだま」の旅の魅力は、まさの鈍行列車のそれと同じ。焦らず急がず、何本もの「のぞみ」「さくら」に道を譲ります。
 利用者も心得たもの。ホームの自販機で買い物したり、喫煙所で一服したりと、有効に時間を使う人が多く見られました。


 厚狭駅で時間があったので、改札階に降りてみたものの、売店などはなし。改札を出ることはできないので、買い物を楽しめるのは そこそこ大きな駅に限られます。
 ただ大きな駅だからといって停車時間が長いとは限らないので、ご注意を。


 「のぞみ」も停車する、活気ある中核市・福山では・・・


 ホームから城の鑑賞を楽しめました。


 図書館で借りた本を大量に持ち込み、空調の効いた車内でゆったり過ごせば、走る読書室。岡山までの3時間半は、退屈せずに過ぎていきました。
 岡山で、高松行き快速「マリンライナー」に乗り継ぎ。


 たまには贅沢というわけで、2階建てグリーン車を奮発してみました。とはいえ追加料金は980円。「ちょっと贅沢」の範疇です。
 天井にまで回り込んだ窓からは、いつもよりちょっと「上から目線」の車窓を楽しめました。


 瀬戸大橋では、10分間の海上散歩。青い空と、海と、島々。夏らしい風景が広がります。


 先頭には、グリーン車の「展望席」もあります。先客があり今回はかないませんでしたが、一度乗ってみたい特等席です。


 13時20分。博多から5時間で、ようやく高松にたどり着きました。
 ホームでは、新型特急電車8600系と初対面。四国の特急列車の、質素なイメージを覆してくれるデザインです。これも乗ってみたかった!


 JR高松駅から、徒歩3分のことでん・高松築港駅へ。さっそくバス停の「ことちゃん」がお出迎えです。夫婦でカメラをパシャパシャ。


 窓口で「ことでんおんせん乗車入浴券」1,000円を購入。うちわの形の切符…というか、うちわそのものが切符になっています。
 電車と仏生山温泉の入浴(タオル付)は、これ1枚でOK。電車も仏生山までの往復だけではなく、仏生山駅から320円の区間内が1日乗り放題です。


 自動改札はICカード「Iruca」専用なので、有人改札のラッチをくぐって入場です。普通の切符も磁気カードではなく、有人改札で入鋏してもらいます。


 琴平線の、黄色い電車が到着。元京急の電車で、関東の人には懐かしい存在では。
 築港発時点ではガラガラだった電車も、繁華街の片原町、瓦町ですっかり満員に。後は降りる一方で、街への気軽な足になっているのが分かります。


 築港から17分で、仏生山へ。ことでんの車両工場のある駅で、志度線以外の電車が集います。最近、全国メディアでもしばしば露出のある工場でもあります。


 乗降客の多い仏生山駅。駅前の電車は保存車に見えるけど、裏の線路は工場につながっていて、現役の電車であることが分かります。


 反対側から見ると、こんな感じ。路地裏に突然電車が飛び出してきたような、面白い風景です。


 駅前は、昔ながらの商店街といった風情。都会の私鉄沿線ならありふれた物かもしれないけど、地方の街では珍しい風景かもしれません。
 昔はもっと賑わったのかなとも思える一方、最近できたようなカフェもあって、住みよさそうな街に見えます。


 目指す雑貨屋「TOYTOYTOY」も、まさにそんな店の一つでした。古い家を改装、中庭のウッドデッキでつないでいます。
 通りに面した側がギャラリー、奥が雑貨屋です。いつもはオーナーさんの友人の展示が主だそうですが、今回は特別にことでんが協賛し、展覧会をやっているのだとか。


 ことでん公式の展覧会の割には、なかなかシュールな内容です。天井からぶら下がっているのは、ことちゃんの抜け殻(笑)。自立しているのは、パーカーです。


 ことちゃんの化石(爆)。石と化しても、ちゃんと うどん食ってます。
 ツイッターやLINEスタンプでも、相当ぶっ飛んでいることちゃんだけに、許容範囲はだいぶ広いのだなと感じました。


 中庭には、防災グッズとしても有効な「ことめっと」の実物もありました。
 思ったより小さな展覧会でしたが、見学者は絶えず、大人気。LINEスタンプのバッチのガチャは早々に売り切れてしまったとかで、遠方のファンとしては、通販での再販を切望します!


 さらに歩き、駅から徒歩10分の温泉「仏生山温泉」まで来ました。
 一見して温泉と思えない建物は、みかんぐみ出身の建築家・岡 昇平さんの作品。父の堀った温泉の経営を自身でも行う、生い立ちもユニークな温泉です。


 館内も温泉ばなれした雰囲気。でも、たたみでゴロゴロというくつろぎ方が、一番良く似合う空間でもあります。


 一冊200円の古書販売。カウンター?を支えているのは、よく見たら白く塗ったカラーコーンです。買った本は浴室に持ち込みOKで、ぬるめの露天風呂でゆっくり読書する人も見られました。
 掛け流しの温泉もほどよいヌルヌル感で、いい湯でした。中庭を脱衣所、内湯、露天風呂が囲む構成もユニーク。ゆったりする人が多くて、なかなか露天風呂が空かないのも、人気の証でしょう。西鉄沿線にも、こんな温泉があればなあ。


 カフェで、今回の旅1杯目のさぬきうどんを、ぞぞー。ダシが効いてて、うまかった!
 ちなみに仏生山温泉は、入浴料が600円、タオルは150円、うちわも売り物で300円。温泉だけで1,000円超えとるやんけ!




 仏生山温泉では、まち全体を宿泊施設に見立てた「まちぐるみ旅館」という取り組みもやっていて、ちょうどチェックインに訪れる人も見かけました
 僕も泊まりたかったけど、夏休みとあって満室で残念!また訪れることになりそうです。


 200円の古本は、仏生山駅のホームでも売っています。


 向かい側のホームには、ことでん100周年記念電車の「ことでんひやく号」が入ってきました。 
 ことちゃんと ことみちゃんがラッピングされた、見ているだけでも楽しくなる電車です。週末には座席の1つ~2つを、ことちゃん&ことみちゃんが占拠します(笑)。


 ラッシュに備え、4両に増結。高松では、ボリュームある通勤輸送が健在です。
 連結後は、ドアを何度も開け閉め。前後に2往復させてブレーキのチェックと、念入りな点検が行われていました。こんなに念入りな連結作業は見たことがなく、ことでんの安全第一の姿勢を感じたのでした。

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東峰村災害ボランティアセンターは9月1日に閉所となり、現在は社会福祉協議会が登録制でボランティアの募集を行われています。
最新の状況は、ホームページ等でご確認下さい。


 お盆のため休止されている東峰村のボランティアセンターは、8月16日(水曜日)に再開されます(詳細は公式FB参照)。
 同日、不通となっている日田彦山線の代行バスが、運行区間を拡大。1日2往復ながら、これまで運行のなかった添田~大行司間を結ぶことが決まりました。

 これにより、北九州から宝珠山サテライトへ、公共交通機関での日帰りボランティアが可能になります。
 JR代行バスの大行司駅は2つのバス停で乗降できるようになっており、東峰村役場前(西鉄バスの宝珠焼前)が最寄りです。



【北九州・筑豊方面から】
往路:小倉7:00⇒(JR)⇒田川後藤寺8:19⇒(JR)⇒8:33添田8:42⇒(代行バス)⇒9:30大行司(東峰村役場前)
復路:大行司15:35⇒(代行バス)⇒16:25添田16:39⇒(JR)⇒16:53田川後藤寺⇒18:16小倉

 引き続き、福岡・久留米方面からのアクセスも可能です。週末であれば、小石原本所(西鉄バス「役場前」が最寄り)まで入ることもできます。

【福岡・久留米方面からの例】
※福岡からの往路は添田経由の方がラクなようなので、追記しました(8/16)
往路0:博多6:59(JR福北ゆたか線)7:56新飯塚8:00(JR快速)8:16田川後藤寺8:19(JR)8:33添田8:42(JR日田彦山線代行バス)9:30大行司(東峰村役場前)

往路1:久留米6:35(JR久大本線)7:29夜明8:17(JR日田彦山線代行バス)8:34宝珠焼前
往路2(土休日のみ):天神高速バスターミナル6:50(高速バスひた号)7:54杷木8:44(西鉄バス)9:19宝珠焼前/9:36役場前
往路3(土休日のみ):博多6:29(JR鹿児島本線)7:33久留米7:40(JR久大本線)8:31夜明8:59(西鉄バス)9:19宝珠焼前/9:36役場前

復路1:宝珠焼前15:20(JR日田彦山線代行バス)15:38夜明15:42(JR久大本線)16:32久留米16:49(JR鹿児島本線快速)17:23博多
復路2:役場前16:26/宝珠焼前16:45(西鉄バス)17:20杷木17:27(高速バスひた号)18:34天神高速バスターミナル
復路3:役場前16:26/宝珠焼前16:45(西鉄バス)17:20杷木17:27(高速バス)17:59高速基山18:25(空港バス)18:53西鉄久留米

 その他の時間について、時刻表調にまとめてみました。PDFデータはこちら






 なお最新の正確な時刻は、各社のホームページでご確認下さい。
●JR九州(トップページに代行バス情報あり)
●にしてつ時刻表(東峰村の路線は通常ダイヤが出てくるので注意)
●西鉄ダイヤ改正情報(臨時ダイヤが掲載されています)

 実際に、久留米から久大本線と西鉄バスを乗り継ぎ宝珠山に行った際の記録も、前回の記事(ページ下にスクロールしてください)に掲載していますので、参考にされて下さい。

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※ 8月16日以降のダイヤは、こちらに掲載しています

 7月5日の九州北部豪雨では、東峰村への道路網、鉄道路線も大きな被害を受けました。
 一時は寸断された公共交通機関も、今は西鉄バスが迂回運行で再開。JR日田彦山線は、日田から大行司間までバス代行輸送を行っています。

 これらを使えば、明日(8月9日)から再開される東峰村の宝珠山・小石原のボランティアセンターへ、公共交通機関でアクセスすることも可能です(小石原は土休日のみ)。
 最寄りのバス停は、宝珠山サテライトが「宝珠焼前」、小石原ボランティアセンターが「役場前」です。

※ ボランティアセンターの活動状況は、公式Facebookでご確認下さい。お盆期間の13~15日は休止されるそうです。



【福岡・久留米方面からの例】

<往路>
1:博多6:10(九州新幹線つばめ)6:29久留米6:35(JR久大本線)7:29夜明8:17(JR日田彦山線代行バス)8:34宝珠焼前
2(土休日のみ):天神高速バスターミナル6:50(高速バスひた号)7:54杷木8:44(西鉄バス)9:19宝珠焼前/9:38役場前
3(土休日のみ):博多6:29(JR鹿児島本線)7:33久留米7:40(JR久大本線)8:31夜明8:59(西鉄バス)9:19宝珠焼前/9:38役場前

<復路>
1:宝珠焼前15:20(JR日田彦山線代行バス)15:38夜明15:42(JR久大本線)16:32久留米16:49(JR鹿児島本線快速)17:23博多
2:役場前16:26/宝珠焼前16:45(西鉄バス)17:20杷木17:27(高速バスひた号)18:34天神高速バスターミナル
3:役場前16:26/宝珠焼前16:45(西鉄バス)17:20杷木17:27(高速バス)17:59高速基山18:25(空港バス)18:53西鉄久留米
※ バスの遅れで、うまく乗り継げないこともあり得ます。


 夜明~宝珠焼間では、西鉄バスの迂回ルートと日田彦山線の代行バスが平行しています。西鉄、JRそれぞれで停車バス停が異なりますので注意。2社の時刻表を合わせたものを作ってみましたので、村内外の移動にお役立て頂ければ幸いです。









 なお最新の正確な時刻は、各社のホームページでご確認下さい。

●JR九州(トップページに代行バス情報あり)
●にしてつ時刻表(東峰村の路線は通常ダイヤが出てくるので注意)
●西鉄ダイヤ改正情報(臨時ダイヤが掲載されています)

 僕自身も8月5日(火)に、公共交通機関を乗り継ぎ、宝珠山を訪ねてみました。往路「1」に、途中の久留米大学前駅から乗ったルートになります。


 久留米大学前駅の時刻表。光岡~日田間がバス代行の久大本線ですが、運行中の区間も車両のやりくりがつかないのか、かなりの間引き運行になっています。
 通勤、通学需要が高い路線だけに、不便に感じている人も多いのでは。


 快適なクロスシートのキハ200系に揺られ、筑紫平野を駆け抜けます。うきはを過ぎると、車窓左手には傷ついた山々が見えてきました。


 県境を越え、約40分で、日田市の夜明駅に到着。


 3番線は、不通になってしまった日田彦山線の線路。この季節、列車の来なくなった線路は、あっという間に草生してしまいます。


 「クルーズトレイン」も「ゆふいんの森」も、夜明駅に帰ってくるのは当分先です。


 駅前の夜明ダム。いつもは静かなエメラルドグリーンの湖面が広がり、ボートの練習風景が見られますが、管理事務所が損壊したため、今はゲートが全開状態。もともとの渓谷が、あらわになっています。
 生まれて何十回も見てきた夜明ダム、こんな姿は初めて見ました。


 JR代行バス、西鉄の迂回運行の路線バスともに、日田バスのバス停に発着します。
 乗り換えには空き時間が発生するパターンも多い夜明駅ですが、駅付近には郵便局くらいしかありませんので、ご注意を。


 東峰村方面の路線バスは、マイクロ仕様。乗客は、僕一人でした。
 のどかな山村も、しだいに水害の爪痕深い風景に変わっていきました。何度か訪れたこともある場所だけに、余計胸が痛みます。


 宝珠焼前で下車し、ボランティアセンターのある東峰学園(村立の小中一貫校)に着いたのは9時半頃。
 9時の受け付け開始からすでにマッチングを終え、現場に向かう車が続々と出ていくところでしたが、受付、オリエンテーションは続いており、すんなり受け付けてもらえました。センターの運営もしっかりしていて、安心して参加できました。

 一般家庭での泥出しの作業も、3時前には終了。帰路は、たまたま参加していた知人の車に同乗させてもらいましたが、バスの便は何本かあるので、公共交通機関でも無理なく帰れそうです。
 来週8月16日(水)以降は日田彦山線の代行バスが添田~日田間に拡大し、本数も大幅に増加する予定。筑豊、北九州方面からのアクセスも改善されそうです。


 2016年夏、宝珠山の田園。


 2008年夏、筑前岩屋駅。
 この美しい里山の風景が、1日も早く帰って来ることを祈念しています。



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