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福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです
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福岡のハングル検定準2級建築士『ちゃん』です。ハンドルネームの由来は、自身の本名の韓国語読みです。
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さよならダイエー&田主丸花火大会2015
□久留米なう
/
2015年08月23日
8月後半の楽しみといえば、久留米市田主丸の花火大会! 吹く風もだいぶ涼しくなってきた、筑後川の川原へと足を運びました。
その前に、ダイエーグルメシティJR久留米駅前店へ寄り道。今日の18時をもって、40年以上に渡る歴史に幕を下ろします。
久留米には旧ショッパーズ、ユニードだった店舗を合わせて4店もあったダイエー。小型店で、比較的地味な存在だったJR久留米駅前店が唯一続いていましたが、それも今日までになりました。
僕にとっては地味な存在ですが、開店当初は3~4階に「ユニードボウル」なるボウリング場を備えていたのだとか。ボウリングブームの中、レーンで汗を流してた世代にとっては、感慨もひとしおのことと思います。
現在時刻、17時28分。あと30分で完全閉店の時間です。いつもは店員さんの姿も少なかった店内ですが、今日は応援の店員さんも大勢かけつけ、デパートみたいな様相になっていました。
郊外型のショッピングセンターなんて存在しなかった子どもの頃、週末の買い物といえば市内のダイエーでした。最後の思い出の場所も、あとわずかです。
生鮮品や食料品の棚は、すでにがらんどう。セールのコンセプト通り、「売り尽くし」てしまった状態です。
ただ惣菜コーナーだけは、最後の最後まで大奉仕。値引きシールを貼ったお惣菜の前には、買い物客が群がっていました。
さみしいという個人的な感傷はさておき、グルメシティなき後、JR久留米駅の最寄りスーパーは六ツ門のマミーズになります。バスで行く距離になり、中央町、京町界隈では、日々の生活が不便になる人も多そうです。
気を取り直して、西鉄久留米から甘木線に乗り込みます。田主丸花火大会は駐車場完備なので車でも行けるし、JR田主丸駅からのシャトルバスも出ますが、電車で行くなら西鉄金島駅が便利です。
花火大会だからといって増発も増結もないけど、電車は多少混んでるかな?という程度でした。天神大牟田線の急行接続を受ける宮の陣から乗り込む人が多く、電車で来るのは市外の人がメインのようです。
金島駅から歩いて10分もかからない河原へ。打ち上げ会場の対岸側という特等席ですが、30分前でも余裕で場所を取れました。路上が埋まってきたのは10分前くらいで、ギリギリで来ても大丈夫。
少し離れたところではバーベキューをしながら過ごす家族連れも多く、ゆったり楽しめる花火大会です。
7時30分、打ち上げ開始。打ち上げ発数は4千発と「そこそこ」の規模ではあるけど、1時間で上げてしまうので、なかなかの迫力でした。
金島側からだと仕掛け花火が「裏文字」になってしまいますが、それを気にしなければ大迫力の花火を楽しめます。
ちょっと疲れがたまっていたので、電車の混雑を避けて早めに帰ることに。8時40分の電車に乗るため、打ち上げ中に会場を引き上げてきました。
クライマックスは、金島駅から観賞。轟音は、駅のホームにまで響いてきていました。
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平尾台・ゾンビnightに参戦!
□福岡発おでかけ日記
/
2015年08月22日
肝試しも運動も苦手な方なのに、2つが組み合わさってしまうと楽しそうに思えてしまうから不思議なもの。
「ゾンビnight! アスレチックリレーマラソンin平尾台」なるイベントに誘われ、夏の夜の涼しくも暑い戦いに参戦してきました。
会場へは路線バスもないので、車を借りて、一路高速道路を飛ばして福岡市から北九州市小倉南区へ。
山肌を削られた石灰岩の山が見えてくれば、まもなく平尾台です。
割と身近な場所にある観光地なのに、平尾台へ来たのは今回が初めて。鍾乳洞まで入られなかったのは残念だけど、のびやかに広がる空と山々を見ていると、久住にでも来たような気分になれます。
気温も平地より低め。日差しは強くとも、木陰に入ると「高原の風」を感じられました。
開会は、薄暗くなってくる午後6時。受付開始の4時過ぎには、人影まばらだった会場も…
開会式の頃には、芝生広場がテントで埋まっていました。ゾンビに対抗して仮装ランナーに変身する人も現れ始め、はやくも異様(!?)な空気をかもし出し始めました。
我々も、持参した血糊をぶちまけて流血のいでたちで参戦です。
午後6時、スタート! 10時までの4時間に2kmのコースをチームでリレーして、何周回れたかを競うというルールです。
途中には2箇所のアップダウンがあり、日ごろの運動不足の身にはとんでもない苦行。周囲のアスリートさんや、小学生にも抜かれる始末でナサケナイのナンノ…
しかしこのイベントは、ただのランではありません。夜も更けてくると…
コース上に何体もいるゾンビが、にわかに活性化。ランナーを襲い、腰につけたタグを狙ってくるのです!
闇に現れるゾンビはかなりコワくて、あちこちから悲鳴が聞こえてきます。しかもタグを取られると、1周がノーカウントになるという悲劇が。必死に走った3周も、タグを取られてしまい公式記録は2週になってしまい、凹みます。
さらに最も多くのゾンビが出没するのは、2kmのコースの終盤。もやは逃げ切れる体力が残っていない中で襲われちゃ、成すすべないって!
と言っているのは運動不足の僕であり、鍛えられたアスリートさんたちは華麗に逃げていきます。素早い身のこなしに、ギャラリーからは拍手喝采! 寒くなってきた平尾台は、熱気に包まれていたのでした。
長かったランも、10時時点のランナーでアンカーに。チーム全員でゴールをくぐれば、さっきまで憎き敵にしか見えなかったゾンビの一団が、ハイタッチで迎えてくれたのでした。
よく分からない達成感です(笑)。
ゾンビたちも、4時間の死闘でリアルにゾンビなはずなのに、ステージイベントで盛り上げてくれました。福岡の劇団員さんたちなのだとか。
表彰式の後も記念撮影に入ってくれて、最後は「ゾンビとの楽しい一夜」として、いい夏の思い出になったのでした。
ちなみに閉会したのは11時過ぎ。大渋滞の駐車場を脱出した頃には0時を回っており、一般道経由で福岡に戻ったのは午前4時でした。翌日午前中に予定を入れておかなくて、ホントよかった…。
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高速船とフェリーで雲仙往復
■旅と鉄道
/
2015年08月14日
やんごとなき事情で、6月に続いて8月にも雲仙へ行くことに。毎回同じ行き方ではつまらないということで、今回は大牟田三池~島原の高速船ルートを使ってみることにしました。
JRの快速で、大牟田駅へ。先週の長崎も、産業近代化遺産の世界遺産登録に沸いていましたが、ここ大牟田も石炭産業遺産を有する街として、横断幕でお祝いしていました。
さすがは帰省ラッシュの時期だけあって、三池港行きの路線バスは2台運行でも満員状態。乗客のうち何人かは、世界遺産の構成要素である三池港の見学が目当てのようでした。
高速船も、2隻の続行運航。以前GWに乗った時は満席でデッキ乗船になったことを思い出し、真夏の外は避けたいなと思っていましたが、おかげで余裕を持って客室に入ることができました。
3度目になる三池~島原航路だけど、三池港の岸壁をまじまじ見たのは初めて。すすけてはいるけど、なるほど精巧な石積みです。同じく世界遺産の構成要素となった、熊本の三角西港を思い出しました。
ところで三池~島原航路は以前の会社が撤退後、島原鉄道が運航を引き継いでいましたが、今年また別の会社へと移管されました。存続したのは嬉しいけど、西鉄電車とセットの企画商品でお得感の強かった「島原散策グルメきっぷ」や「島原半島フリーきっぷ」が発売中止のままなのは残念なところ。はやく再開にこぎつけてほしいものです。
島原まではわずか70分。湖面のように凪いだ有明海を越えて、あっという間です。雲に隠れた雲仙・普賢岳が見えてきました。
島原港からは、バスに乗り換え雲仙へ。雲仙までは、約3時間の道のりでした。
JR+バスのルートと時間的には大差なく、運賃もちょっと高めだったけど、変化がついて楽しいコースです。
「所用」を終え、周辺をぶらぶら散策。地獄は前回に巡ったので、今回は「旧八幡地獄」を歩いてみました。
荒涼とはしているけど、活発な活動は50年前に収束しているとか。次第に植物が侵食していき普通の山になっていく、その過程が今なのでした。
もう帰らねばならない時間です。ところが諫早市内の渋滞にはまったのか、島原港行きのバスは20分遅れで姿を現しました。
島原までに遅れは縮めてくれたものの、島原港にバスが着く直前に船は出航していき、アウト! 船会社の係員さん、気の毒そうに往復券の片道分を払い戻してくれました。
夜の直行高速バスも満席だし、島鉄+「かもめ」で帰るのも芸がないので、島鉄+有明フェリー+JRを乗り継いで行くことにしました。
島原外港から、急行で多比良町へ。島原外港~加津佐間の廃止の際、ひきかえに大増発された諫早~外港間の急行列車も、今は1日5往復の運行です。
多比良町駅から港までは、歩いて10分程。途中に練り物屋さんを見つけて入ってみたら、「アウトレット品」的な詰め合わせを108円という激安で売っていたので、迷わず買い求めました。
「形が悪くてお嫁に行けないの。誰か、私を買って下さい!」というPOPが、泣かせます。
有明フェリーに乗るのは、8年ぶり。多比良のフェリーターミナルは、吹き抜けのある新しい建物に建て変わっていました。
有明海をショートカットするフェリーは、車の航送がメインで、徒歩客はわずか。切符は自動券売機で購入してそのまま乗船し、下船時に回収という、バスよりも簡単なシステムです。
短距離航路なので桟敷席はないものの、ソファ席やマッサージチェアがあって、車の乗船客にとっては40分間のリフレッシュタイムになります。
徒歩客は先に乗船できるので、早めに来れば席は選び放題です。
船内売店でのお買い物は、高速船にはない楽しみ。航送メインの航路なのでアルコール類に期待はしていなかったのですが、「第3」からビールまで、各種取り揃えてありました。
地元産の、チーズちくわもあります。
デッキに出れば、普賢岳。
そして出航すると、夕陽が追いかけてきました。ビールをプシュっと開ければ、島旅にでも出ているようです。
行きの高速船とはがらりと違う気分。運賃も片道440円と安く、バスの遅れは結果オーライでした。
楽しい船旅を終え、長洲港着。長洲側は駅まで遠く、バス路線も本数が限られるのは泣き所です。
人家も少なく、暗い道をとぼとぼ20分以上歩いて、駅にたどり着きました。
巨大金魚のライトアップが、ちょっと怖い長洲駅着から普通電車で大牟田へ。大牟田から快速の運行もない時間帯だったので、南福岡に着いたのは午後10時と、高速船利用より2時間遅れになりました。
それでも結果オーライといえるのは、お盆休みの最中だから。翌日はぐうたら眠って、疲れを癒したのでした。
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7月・8月 2月連続で長崎に通う
■旅と鉄道
/
2015年08月09日
やんごとなき事情により、7月と8月に2月連続で、長崎へと通うことに。
それぞれの用事は2時間もかからなかったので、ついでに街ぶらする余裕も。僕が日本で一番好きな街、長崎を深める時間になりました。
7月6日 かもめ往復・白で行き、銀で帰る
まずは7月6日、平日に休みを頂いての長崎往復です。
白いかもめ号に乗れば、長崎まではあっという間の1時間50分。
折りしも前日、近代日本の産業革命遺産が世界遺産登録決定したばかり。
駅のドーム屋根広場には、はやくも決定を祝う横断幕が掲げられていました。仕事が早い! きっと、事前に準備してあったのでしょう。
路面電車で公会堂まで出て用事を済ませれば、お昼時。中島川を越えて、商店街へと歩きました。
観光通のアーケードの先に続く商店街は、アーケードもなく道幅も狭いのですが、いつ行っても人が多いように感じます。
商店街の年季が入った食堂で、皿うどんを昼食に。細麺の、素朴な味わいのする皿うどんでした。
観光通まで歩いて、再び路面電車に乗車。
富山のような新時代の路面電車も好きだけど、年季の入った古い路面電車には、不思議な安心感があります。
長年続いた100円運賃は120円に値上がりましたが、それでも安い長崎の電車。主要観光地を結び、土地勘のない観光客にとっては強い味方です。
折りしも、天気は雨模様。天候に関係なく楽しめる場所ということで、出島の長崎県美術館を訪ねてみました。
隈研吾氏設計の建物は、9年前の2005年のもの。水路をまたいだ2棟が、一体的に構成されています。
空中に固定されたようなサインがしゃれてます。
水路の上には、カフェが。ガラスのテーブルからは水面が見通せて、浮いているような感覚です。
屋上は緑化されており、地上からも自由に出入りできて、まるで公園のよう。
長崎港の眺めも一望できて、巨大ホテルのようなクルーズ船を望むこともできました。
帰路の「かもめ」は、銀色の787系。平日夕方とあって、諫早までは通勤客で混雑していました。
かつてビュッフェ区画だったゆったりシートや、コンパートメントがある4号車も、通勤対応で自由席になっています。
諫早から先はガラガラになったので、ボックスシートに駅弁を広げました。
テーブルは広く、ビールまで置いても余裕たっぷり。鳥栖まで、食堂車気分で過ごすことができました。
8月9日 高速バスで往復
2回目の8月9日は、節約のために高速バスで往復することに。4枚回数券で8,020円と、JRよりも2割安い値段になっています。
乗車は、天神高速バスターミナルから。予約していたバス座席の「確保券」は、高性能な自動券売機で受け取ることができます。
ターミナルはリニューアルされたばかりで、シックな雰囲気は、併設されているスターバックスの雰囲気に近いように感じます。
高速バスは、ゆったり3列シート。トイレも付いており、安心・快適です。
JRの車窓から見る有明海もきれいだけど、高速バスからの視点は高くてまた新鮮です。有明海とは反対側の、大村湾の車窓もまた違った美しさがあります。
出島道路経由で、長崎駅前のバスセンターに到着。路面電車で、公会堂へと移動しました。
電車を降りて歩いていたところ、街にサイレンが鳴り響きました。11時2分、原爆投下の時刻です。街中の歩道ではあったけど、その場で黙祷を捧げました。
所用を終え、近所の中華料理屋さんへ。今回は、ちょっといい構えの店を選んでみました。
大衆食堂でも名店でも、皿うどんはどれもおいしい!
公会堂では、被爆70年の集会がちょうど終わるところでした。バスで乗り付ける団体も多いのですが、駅方面の路面電車もぎっしり満員です。
長崎駅前をスルーして、銭座町で路面電車を降りました。訪ねたのは、みらい長崎ココウォーク。6階建の、都市型ショッピングセンターです。
1階には、長崎バスのバスセンターが入っていることからも分かるとおり、ココウォークは長崎バスが開発したバス会社のショッピングセンター。高速バスは夜行便のみで、福岡行きなどは入ってきません。
路線バスは各方面から乗り入れており、路面電車ばかり乗っていては分からない、長崎のもう一つの公共交通ネットワークが見えてきます。
プレイランドには、こんなコーナーも。さすがはバス会社が開発主体だけあって、外部、内部ともリアルな造りでした。
6階には観覧車もあって、屋上に上ると、視線の真横に観覧車がある不思議な光景を見られます。
観覧車に乗ってみれば、山の中腹にまでびっしりと住宅が並ぶ、長崎の特徴的な市街地を実感できます。稲佐山から俯瞰するより、迫力があるかも。
ただ冷房はなく、渡されたうちわで扇いでみても熱風をかきまわすばかり。降りてくる頃には、すっかり汗びっしょりでした。
茂里町から松山町へ、再び電車で移動。また何度も長崎に来るだろうと、ICカードの「長崎スマートカード」を求めたので、運賃の支払いはスムーズです。
平和公園に設けられた、平和祈念式典の会場へ。式典そのものは満員で、会場に入られなかった人も多かったようですが、午後3時をまわっていたので中に入ることはできました。
うだるような暑さは午前中も大差なかったはずで、特に高齢の参列者には堪えたことだろうと思います。
小学校の修学旅行で訪れた時と変わらぬ表情の祈念像に、手を合わせました。
とにかく、今日1日は暑かった!ビールが欲しくなるところですが、体にも気を使って、長崎駅AMUの喫茶店で名物・ミルクセーキでクールダウンしました。
夕方前の高速バスで、福岡へ。往路と同じく満席で、8月9日の流動はさすがに大きいようです。
長崎駅前のターミナルは、天神と対照的にぐっとレトロな雰囲気。92年に広島行き高速バスに乗るため利用したことがあるターミナルですが、あの時と変わってはいないようです。地下道で外人さんにトイレの場所を聞かれ、しどろもどろになった小6の頃を思い出しました。
渋滞にはまりながらも、20分程度の遅れで天神着。ちょうど新宿行きの最長距離高速バス「はかた号」が出発するところで、個室席でくつろぐ人の姿が。
高速バスターミナルだけど旅心をくすぐられ、次はどこへ行こうかと思案したのでした。
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カノコユリが咲き、トンボロとラグーンに彩られた、甑島への夏旅【3】
■旅と鉄道
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2015年08月02日
鹿児島・下甑島の西側の集落、瀬々野浦で8月2日の朝を迎えました。
豪華な夕食も嬉しいけど、朝ごはんがしみじみ旨いと、また嬉しくなります。昨夜の残りのアルコールを交えつつ、宿のおかみさんのお話を聞きながら、朝の時間をゆっくりと過ごしました。
瀬々野浦発、9時20分の150円バスに乗って、長浜に戻ります。乗客は僕ら6人だけです。
途中、内川内の集落に立ち寄ると、路上には町内清掃に汗を流す地元の人が集まっていました。バスに乗り込んでくる人は、ゼロです。
東シナ海に浮かぶ甑島は、国防上では重要な拠点。立派な自衛隊の施設があります。
自衛隊前のバス停からは自衛隊員さんなのか、若者が数人乗ってきて、マイクロバスはほぼ満席に。本数は少ないマイクロバスも、必要とされている公共交通です。
長浜港で約30分待ち合わせて、島の南の集落・手打行きのバスに乗り換えました。
山の上にかがやく白堊のドームは、自衛隊のレーダー基地。地元の方曰く、全国でも2ヶ所しかない高性能レーダーだとか。のどかな島の風景の中にも、厳しい空気が感じられます。
左手に続く、真っ青な海。乗客はみな観光客で、車窓にくぎ付けになっていました。
なお島にはレンタカーもあるのですが、台数は限られる上、週末には休業する店舗もあります。観光客にとっても、島をくまなく巡るコミバスは強い味方です。
大きな集落を直結する幹線の島内道路に対して、コミバスは小さな集落にも小まめに立ち寄ります。
田んぼの中の狭い道も、マイクロバスならなんのそのです。
手打は、市役所の支所もある大きな集落。その家並みを抜け、終点の手打港でバスを降りました。
手打港には以前、フェリーが立ち寄っていたのですが、今は経由しなくなっています。
立派なRC造の待合所も、人影がありませんでした。
港の南側は、透き通った海。はるばる遠くへ来た気分が、いっそう盛り上がってきました。
浜まで遊歩道が続いていた痕跡はありましたが、崩れたまま通行止めになっていたのは残念。
日曜休漁らしく、手打港では漁船が日向ぼっこ。
手打にも武家屋敷通りがあります。カラー舗装やしゃれた照明が施され、雰囲気づくりにつとめていました。
武家屋敷通りの半ばにあるのが、「おふくろさん」の歌碑。なんでも手打は歌手・森進一の母のゆかりの地なのだとか。
碑に近付くとセンサーが作動して、「おふくろさん」をフルコーラスで聞けます。あまりに暑くて、1番だけで退散してしまいましたが。
武家屋敷通りからも、ところどころで青い海を望めます。
武家屋敷沿いの、下甑郷土館へ。入館無料です。
正直なところ入った理由は冷気を求めていたからで、期待通り効いていた冷房にほっと一安心。
ところが、展示品もなかなかおもしろい。下甑ならではのものに限らず、時代も問わずにいろんな家の骨董品を集めた感じで、そのごった煮感がむしろ楽しめました。
今回、海で泳ぐ予定はなかったのですが、白い浜と青い海を眺めてたらたまらなくなり、下着姿で飛び込んでしまいました!
日差しは焼けるように暑くとも、海の水は冷くて気持ちよかった~
日本の絶景バス停100選、なんてあれば選ばれるのでは?
下甑で一番の本数がある手打線とはいえ、1日7往復。時刻表とにらめっこしながら、瀬尾バス停で下車しました。
バス停から、山道を登って10分の場所にあるのが…
瀬尾観音三滝!その名の通り、1段、2段、3段と落ちてくる滝です。水量を見ている限り、離島の滝とは思えません。
滝の周囲は、天然クーラーの冷気に包まれていました。
昨日は暑くてダウンしてしまったので、暑さがピークになる2~3時台、滝のまわりで涼んで過ごしました。
飲み物も、手打の全日食チェーンで仕入れてきたので、事欠きません(笑)。
帰路のバスは港の一つ手前で降りて、長浜の商店街へ。歩行者専用道には寒冷紗がかかり、猫がごろごろしていました。
日曜とあって、開いている商店は一軒。それでも気軽に食糧や飲み物が手に入るのは、離島としては恵まれている方だと思います。
商店街には、こんな店も。島の魚のイタリアン、おいしいそうです。
楽しく過ごした島も、名残惜しく16時25分の高速船で離れます。テーブル席を陣れば、気分はおれんじ食堂?
ただ宿のおばさん曰く、新造船は席がリクライニングしないのが不評だとか。観光客を呼び込むため、ある程度デザイン重視になるのは仕方ないにしても、九州新幹線の座席のようにリクライニングを仕込むことは、難しくはなかったのでは?
地元の方には、桟敷席が人気です。
飲みきらなければければお土産にしようかと思っていた、上甑の焼酎。結局、川内港までに全部飲み切ってしまいました。恐るべし、島旅メンバー…。
バスに乗り継ぎ、川内駅へ。バスから新幹線への乗り換え時間はわずか6分で、良好すぎるくらい良好な接続です。
下甑~博多間は、わずか3時間半。大阪までそのまま行くことだってできるし、その気になれば福岡から日帰りだってできちゃいます。
博多駅では、ちょうど向かい側のホームに「ドリカム新幹線」が。
今年の夏も島旅に行くぞ!という夢がかなった、週末旅行でした。
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カノコユリが咲き、トンボロとラグーンに彩られた、甑島への夏旅【2】
■旅と鉄道
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2015年08月01日
スーパーホテルの名物、「健康朝食」をモリっと食べて、旅の実質1日目がスタートです。
甑島への船が出発する川内港へは、専用シャトルバスで約25分。電気式の、最新式低床バスです。
しかもデザインは、JR九州の車両デザインでお馴染みの水戸岡鋭治氏。白基調に青のアクセントが入ったバスは、氏のデザインである岡山のバスを思い出します。
川内港へは、急行運転で25分。結構な距離を走ったにも関わらず、運賃はわずか150円でした。鹿児島県内の共通ICカードも使えます。
木造平屋の川内港ターミナルも、水戸岡デザイン。
中には、どこかで見たような椅子やボールプールがあって、氏の個性が強く打ち出されています。
離島航路とはいえ、甑島航路には最新鋭の予約設備が導入されています。船のチケットはインターネットで予約して、港の発券機で受け取るシステムです。
この航路も、ふるさと旅行券の適用範囲。宿代もまかなえたので、一人当たり数千円は元を取ることができました。もっとも、財源の多くが税金ということは、忘れちゃいけないのですが…
高速船・甑島に乗船。もちろんこの船も水戸岡デザインで、800系新幹線から乗り継げば、博多~甑島を「水戸岡のりもの&たてもの」でリレーすることができます。
船内のデザインも、新幹線や「おれんじ食堂」で花開いたデザインが随所に盛り込まれていました。
さすがは夏の盛り、観光客を中心にほぼ満員の盛況です。
上甑までであれば、所要時間はわずか50分。高速船で風もあるので、デッキに立っていてもさほど苦ではありません。
港のカフェで買った400円の生中を傾けながら、出航です。
再稼働間近の川内原発に見送られ、潮風を浴びていれば、もう東シナ海に浮かぶ島影が見えてきました。
上甑島の中心部である旧里村の、里港で下船です。
石積みの塀が独特な、里町の中心部。歩道の縁石までも石積み調なのは、ユニークです。
里の武家屋敷集落跡へ。武家屋敷が残っていないのは残念ですが、石垣や生垣からは、往時の街並みを思い起こすことができます。
どことなく、出水の武家屋敷群を思わせる家並みでした。
生垣からところどころにのぞくのが、島のシンボルでもあるカノコユリ。ビニールひもで支えが入れてあり、大切にされているのが分かります。
薩摩川内市への合併までは村だった場所で、集落もそれほど大きいわけではありません。通りを1本入れば、田園地帯が広がっていました。
8月1日だというのに、稲穂の首が垂れていたのは驚き。島の食堂や民宿では、今年一番の「新米」を食べることができます。
ただ早場米のアドバンテージも、島からの輸送コストを考えれば厳しいということか。休耕田もあちこちで見られました。
平地は決して広くない島なのに、もったいない…と思うのは、島外の来訪者の勝手な感想でしょうか。
小学校裏の展望台に上がれば、里町の中心部が一望。トンボロの形態も、よく分かりました。
午前中から余裕で30度を超えたこの日、屋根のついた展望台は離れがたいものがありました。
ヒッ。
田んぼの中の一角に、カノコユリが「群生」していました。
休耕田の有効利用か、たまたま生えたのかは分からないけど、夏山を背景に映える花々です。
一方で、離島でありながら薩摩川内市内であることを実感するものも。白い金属製の箱は、空間放射能測定局です。
再稼動に向けて準備が着々と進む川内原発。「万一」の際には、40km圏内にあるこの島も無縁ではいられません。
大きな島なので、きちんと下調べさえすれば、ちゃんとご飯にもありつけます。
予約してもらっていたのは、港から歩いて5分の「時春」さん。
大将お任せで出してもらったのが、きびなご丼。たまりかねて、生も一緒に。
たぶん どんな状況で食べてもうまい地の魚料理だけど、暑い中歩き回っただけに、おいしさもひとしおでした。
数時間の滞在でしたが、上甑を離れ下甑に向います。串木野からのフェリーは、串木野を起点に甑島の港を巡って串木野に戻るダイヤです。
荷物や車の積み下ろしが行われ、高速船にはない離島航路の生活感が感じられます。
観光船仕様だった高速船に比べ、船内は質素な雰囲気。売店があり「燃料補給」できるのは、高速船にない楽しみです。
吹き抜けには、やはり島のシンボル・カノコユリの絵が掲げられていました。
デッキに出れば、抜けるような青空と、どこまでも青い海。上甑島と中甑島を結ぶ橋が見えました。
一方で、中甑島と下甑島を結ぶ橋は、再来年の完成を目指して工事が進んでいます。前後のアプローチ道路を含め、なかなか大規模な工事です。
橋自体の延長はさほどでもないように見えますが、潮流が早く、難工事なのだとか。
下甑の北端・鹿島にも寄航し、長浜港までは1時間半の道のりでした。南へ下り、海の色も変化したように感じます。
串木野へ向ってフェリーが出航していきます。若者たちが、海に飛び込んで見送っていました。
透き通るような海にたまらず足をつけてみたら、意外と泥っぽかったです(笑)。
長浜港では、一人乗り電気自動車のレンタルをやってます。今回はグループ旅行だから見るだけだったけど、一人旅なら使ってみるのも楽しそう。
ロゴには火力、風力、太陽光のイラストが描かれ…あれ?一番の「稼ぎ頭」が描かれていないのは、どういう意図でしょうか…。
今日の泊まりはさらに町外れなので、長浜で夜食の買出し。
コンビニなどもちろんありませんが、おなじみ全日食チェーンのスーパーがありました。
離島にしては、値段もほどほど。お魚類の充実っぷりは、さすが漁業の島です。
甑島には、島内バスのネットワークがあるのは心強いところ。長浜港からは、船の到着に合わせて3方面のバスが同時出発します。
以前は通常の路線バスだったとのことですが、現在は市のコミュニティバスに位置づけられ、150円均一と激安。3月までは100円だったとか。
瀬々野浦行きは、島内バスでありながら40分を超える長距離路線。
どんな風景なのか楽しみだったのですが、たまった疲れから夢の中で過ごしてしまいました(笑)。
今夜は、瀬々野浦泊まり。お年寄りが中心の集落で、小学校も廃校になっています。
その割には子どもの姿が目に付くと思ったら、夏休みの帰省客なのだとか。集落の小学生は1人だけで、学校へはスクールバスで通っているとのこと。
釣り人にとっては聖地の島。民宿も釣り客目当てで、瀬渡し船も持っています。僕らのような観光目的の客には、4人以上だと遊覧で船を出してくれるサービスも。
予約の時は、船が出払っていて難しいとの話でしたが、船が帰ってきたとのことで、夕暮れの遊覧に出てくれました。
左側の岩は、誰が名づけたか「ナポレオン岩」と称します。つんと出た鼻が、ナポレオンにそっくり…かも。
海岸には、地層がくっきり現れた岩が連なります。荒々しいとも勇壮とも形容しがたい、甑ならではの風景です。
少しでも足場のある岩場には、何人もの釣り人が陣取っていました。
港に戻れば、夕暮れの時間。ナポレオンの鼻先を赤く染めて、甑島に夜がやってきました。
島の民宿の楽しみは、ずらりと並ぶ海の幸! 行くのが大変な分、1泊2食6千円とは信じられないほどの料理が並びます。
ご主人が、目の前の海から揚げてきたばかりの魚。あ~幸せです。
酒盛り用の酒を大量に買い出していましたが、暑さ+食べすぎで一同ぐったり。部屋に戻ったら、その場に倒れこんでしまいました。
夜中に起き出してみれば、スーパームーンが集落を照らしていました。
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