Chang! Blog
福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです




 JRに遅れること1週間、西鉄天神大牟田線は3月22日(土)にダイヤ改定を行いました。
 今回の目玉は、太宰府観光輸送の強化。ダイヤ面では、1時間に2本が走る小郡行き急行のうち、平日3本、休日5本が太宰府行きに振替えとなりました。

 そして車両面では、8000形特急電車をリニューアルした観光列車「旅人(たびと)」がデビュー。下り1本の直通急行の後の昼間時間帯に、二日市~太宰府間を30分毎に走ることになりました。

 大牟田線系統の乗客減が続く中、観光向けのきっぷを強化してきた西鉄でしたが、ダイヤ・車両にも波及したという点では「転機」ともいえる新ダイヤです。
 そこで運行開始2日目の3月23日、さっそく「旅人」の乗り試しに出かけました。


 外観はピンク地にラッピングされ、すっかりイメージを一新。






 車両ごとに、太宰府の観光名所が描かれています。


 一方で車内はというと、ほぼ原形のまま。JR九州の観光列車のような内装を期待していると、肩透かしを食らうことになります(笑)。
 もっとも、もともとは福岡~大牟田の1時間を快適に過ごせるよう作られた豪華仕様の車両なので、原型のままでも観光気分は盛り上がります。


 座席のモケットは、前後の展望席のみ変わっていました。シックな色に、梅の柄が太宰府らしさを演出。


 車両ごとに内装の色を変えてあり、込められた願いごとの内容が異なるんだそうです。


 その車両に込めた願いは、太宰府の名物キャラクター「千梅ちゃん」が解説してくれます。


 ちなみにnimocaのキャラクター、フェレットもこっそり隠れてます。


 中間付近には、太宰府の名産品展示コーナーと記念スタンプが設置されています。8000形のデビュー時は、公衆電話が設置されていたスペースです。




 デビュー2日目とあって、カメラを構える人の姿は絶えません。
 今や中韓の観光客が押し寄せる太宰府とあって、大勢の外国人観光客も記念写真を撮っていました。




 観光客で賑わう参道。あちこちから、中国語と韓国語が聞こえてきます。
 日中、日韓とも国同士の関係は決して良好ではない昨今ですが、円安効果は大きいのでしょう。


 そんな外国の方々への配慮はというと、「旅人」車内の太宰府観光案内は4ヶ国語表記。新型の案内装置も、日本語の下段に英語、中国語、韓国語が入れ替わりで表示されます。
 これなら外国人でも迷う心配なし!?


 6編成が在籍する8000形電車のうち、1本が「旅人」に変わり、特急用は5編成となりました。5編成でも特急の運用はまかなえるようだけど、余力がなくなったのは確かで、この日も1運用がロングシートの5000形になっていました。
 太宰府観光もいいけれど、島原や柳川観光に出かける時も、やっぱり快適な電車で行きたいもの。大牟田線特急の観光向け車両(できれば指定席も)というのも、検討されていいのではないかなと思った「旅人」初乗車でした。

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 前編からの続きです。

■デザインされた駅を維持する努力・新水俣


 臨時「さくら」で新水俣へ。フリーきっぷの影響もあってか、ここまで乗った列車は「つばめ」でも4割程度の乗車がありましたが、臨時列車とあって目だって空いていました。
 新水俣駅は、大きなルーバーが覆うデザインされた駅舎が特徴。個人的には、九州新幹線の各駅の中でも最も好きな駅舎です。


 傍らでは、屋根の維持補修工事が行われていました。
 開業10年。駅もそろそろ、手を入れる時期に来ています。


 駅正面は国道沿いで、ファミレスがある程度。街外れ、郊外といった趣は変わりませんが、2年前にはなかった駅前コンビニができていました。
 GS跡には格安レンタカーもできており、新幹線としては小さな駅ながら、少しずつ便利になっていきます。


■ツル祭とツル博物館・出水


 出水駅には立派な新幹線の駅舎と共に、在来線時代の時代がかった駅舎も健在。
 駅舎として使われてはいませんが、うっすらと残る「JR」の文字に、在来線特急「つばめ」が行き交った時代を思い出します。


 出水の開業イベントは、駅からレンタサイクルで10分ほど走った出水市陸上競技場での開催。九州新幹線・肥薩おれんじ鉄道10周年と銘打っての、「ツルを送るまつり」でした。
 新幹線関係の催しは見られませんでしたが、おれんじ鉄道のブースはあり、グッズを販売していました。観光列車「おれんじ食堂」で起死回生を図るおれんじ鉄道、PRにも熱が入ります。


 ツルを送るシーズンの出水に来たものの、ツル越冬地は自転車で行くにはかなりの距離。せっかくなので手近な、ツル博物館「クレインパークいずみ」まで足を伸ばしてみました。菜の花が咲き、ひと足早い春のサイクリングです。
 出水=ツルというイメージは強いものですが、博物館では、そこに至るまでの長い歴史を学ぶことができました。


 日本一の大鈴なんてものも見物。12駅に全駅下車の旅とはいえ、ちょっと観光する余裕もあるのですから、やっぱり新幹線は早い!


■新幹線の功罪?・川内駅


 「みずほ」を除く全列車が停車する要衝、川内駅に到着。立派な橋上駅舎も、10周年を迎えました。駅前通りも幅が広く、合併前の人口7万人の街としては、かなり整備された街という印象を受けます。
 駅裏にはマンションが林立しており、鹿児島まで無理なく通勤できるエリアになって、定住促進に一定の効果があったようです。


 表口に立体駐車場、裏口には平面の駐車場があり、収容台数は豊富。しかしどちらも満車状態でした。
 今日は、ワンコインきっぷを使えば500円で鹿児島市内に出られるわけで、その影響で利用が多いのかもしれません。


 市街地には立派なアーケードが続きますが、シャッターが閉まったままの店が多く、人通りもまばら。デパートもありましたが、店内は決して賑わっているとは言えない状況でした。
 9万都市ながら充実した市街地に、周辺の中核都市として発展してきた歴史は垣間見えましたが、新幹線で鹿児島市にスプロールされてしまった…のでしょうか??


■沸きました!・鹿児島中央駅


 午後5時、鹿児島中央駅に到着。駅ビルの増床工事が進み、新幹線の終点の先に広がっていた桜島も、ちょっと窮屈な風景になりました。


 西鹿児島駅時代から見慣れてきた大階段は姿を消し、駅ビルが姿を現しつつあります。
 もともと当初から計画されていた駅ビルが10年目にして実現するもので、活況を示す喜ばしい出来事ではあります。


 2段階に分かれた新幹線の開通で、2波に分かれて観光客が押し寄せた鹿児島。開業景気も陰りが見えてきたようですが、JR側は、あの手この手のキャンペーンで盛り上げています。
 温泉キャンペーン「ゆ活」では、おなじみ指宿・霧島だけでなく、鹿児島市内の温泉銭湯も「まち湯」としてPR。その中の一つ、桜島の眺望が楽しめる「新とそ温泉」で温泉を楽しみました。


■サクラサク・博多駅


 久留米人にはあまり縁のない列車、みずほで一気に博多へと上りました。開業2日目に、博多~鹿児島中央を下って以来の乗車です。わずか76分、驚異の早さです。
 みずほこそ、新幹線の速達効果が発揮される列車で、ダイヤ改定の度に増便が進んでいます。あまり久留米を通過されても困るけど、全体の効果を考えれば、もう少し増発されてもよい列車のように思います。


 博多駅ビルも、開業3周年。予想を上回る好調ぶりで、七隈線延伸、郵便局の再開発など、周辺の開発も留まることを知りません。
 この春は初の試みとして、Hakata Hanami~さくらイルミネーションが開催中。駅前広場も駅ビルもピンク色に染まり、冬のイルミとはまた一味違った夜景を演出していました。


 専門店街「AMU」も好調を受け、筑紫口にも進出。これまでのデイトスからAMU ESTへ、3月1日にリニューアルオープンしました。
 居酒屋や立ち飲み屋が並ぶ「ほろよい通り」は、AMUに変わっても健在。お洒落なだけじゃない駅ナカの魅力で、今夜もぎっしりの酔っ払いで盛り上がっていました。


■新ダイヤで飛躍・新鳥栖駅


 「さくら」で下り、最後の一駅、新鳥栖へと向かいます。博多駅で行われるJR西日本からJR九州への引き継ぎも、すっかり見慣れた光景になりました。
 今回の新ダイヤから、すべての「さくら」が新鳥栖、久留米に停車。所要時間は伸びたのは残念ですが、分かりやすいダイヤになりました。新鳥栖にとっては新大阪直通列車が劇的に増え、飛躍のダイヤ改定と言えます。


 大きく翼を広げたようなスタイルの、新鳥栖駅舎。駅舎内の明かりが、周囲に光を投げかけます。
 新鳥栖駅周辺は蔵上と呼ばれる新市街地ながら、開業当初は駅前に何もありませんでした。現在はがんセンターやドラッグストアが進出しており、ホテルの建設も予定されています。マンションこそないものの、ファミリータイプのアパートも増えてきました。


 24時間100円の駐車場は好調。キャパシティが大きく、めったに満車にならないのも安心です。夜10時でも止まっている車は多く、泊まりの旅行にも活用されているようです。
 というわけで九州新幹線全駅をめぐった、怒涛の一日は終了。運賃、ダイヤとも試行錯誤が続いていますが、最適解を目指し、今後もいっそう磨きをかけられんことを願っています。

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 今年3月、九州新幹線は新八代~鹿児島中央の部分開業から10年を迎えました。ホーム対面乗り換えという斬新な方式でデビューしてから10年、3年前には全線開通を果たし、今や九州の基幹交通として大活躍しています。
 この記念すべき春のダイヤ改定の日に合わせ、1万円で博多~鹿児島中央が乗り放題になる「開業10周年感謝・九州新幹線フリーきっぷ」が発売されました。そこで改めて、3年目・10年目の九州新幹線の全駅を巡る旅に出かけました。


■立体駐車場が間もなくオープン!久留米駅


 まずは、地元の久留米駅からスタート。久留米市のゆるキャラ「くるっぱ」生誕1年と、草野の「世界のつばき館」オープンとタイアップして、15日、16日には記念イベントが開催されました。
 朝9時前とあって、駅前はまだ出店の準備中でした。昼は大勢の来場者で賑わったようです。


 自由通路でも、イベントの準備が着々と進んでいました。
 ここではいつも、久留米ゆかりの歌手たちのヒットソングが流れています。


 さて3年目の新幹線久留米駅の話題といえば、西口の立体駐車場がオープン間近なこと。
 民間・市営合わせて駐車場は余裕があり、満車になることはあまりありませんでしたが、今回オープンの立体駐車場は屋根付き通路で駅に直結。雨の日でも濡れずに乗れて、ますます快適になります。


■名実ともに公園の中の駅へ・筑後船小屋


 「つばめ」で下り、筑後船小屋駅へ。駅周辺に広がる筑後広域公園の整備が進み、「公園の中の駅」というコンセプトが目に見えてきました。
 公園内を1kmほど歩いていくと、温泉施設や物販店もあります。ちょっと距離がありますが、公園の散策と思えば気持ちいいかも。


 そしてこの3年間でもっとも大きな変化といえば、駅前の九州芸文館のオープン。隈研吾氏設計の3つの特徴的な建物が並ぶ、芸術文化交流施設です。
 その名も「ななつ星」と呼ぶカフェレストランもあり、降りて楽しい駅に変貌しました。


 利用者数低迷の一因でもあったと思われる駐車場不足は、駅裏の砂利敷きの暫定駐車場整備で解消が図られましたが、正式な駐車場の工事も年度内完成に向けて進んでいました。


■イベントで賑わう・新大牟田駅


 筑後船小屋からは一旦新玉名に下り、上り列車で新大牟田へ戻って来ましたが、駅の順番通り新大牟田から先に紹介します。
 新大牟田駅でも、イベントを開催中。ミニSLや鉄道模型、1周年の際にもお見かけした抹茶のサービスもお目見えしており、大勢のギャラリーで賑わっていました。


 東口には民間、西口には市営の駐車場が立地していますが、西口の市営駐車場は拡張が進んでいました。
 筑後船小屋や新大牟田は、利用者数が低迷している駅として上げられることが多かったのですが、いずれも駐車場の増設が進んでいます。それだけ、パーク&ライドの割合が多いということでしょう。


 東口には宅地が造成されましたが、まだ家が立ち並ぶには至りません。一部の区画は、月極駐車場になっていました。


■無料駐車場が功を奏したが・新玉名駅


 新玉名駅は、開業当初から想定通りの乗降客数を記録しており、筑後船小屋や新大牟田に比べ好調ぶりが際立っていました。博多まで遠く速達効果が高いことに加え、駅を乗り換え拠点と割り切り、巨大な無料駐車場を整備したのが功を奏しています。
 ただ無料駐車場は好評すぎるのか、東口の送迎ロータリーには無断駐車の車が何台も停まっていました。


 西口も駐車場不足を解消するため、駅前広場や芝生の公園も、駐車スペースに使われていました。
 暫定的な措置ならば仕方ないのですが、あまり好ましい眺めではありません。中長期的には、きちんとした駐車場整備に進んで行ってほしいと思います。


 駅内のカフェや土産屋を除けば、店らしい店もなかった駅周辺ですが、電気屋さんとホームセンターが進出していました。


■在来線の高架化工事が進む・熊本駅


 熊本駅に入る直前、東側の車窓には工事が進む在来線高架橋が姿を現します。
 駅ではすでに、一部のホーム上屋が立ちあがり始めていました。木造(おそらく熊本県産材でしょう)の上屋は特徴的で、はやくも完成が楽しみです。


 今日は1万円乗り放題に加え、隣接駅間を500円で利用できる「ワンコインきっぷ」も発売。
 子どもと一緒に新幹線体験ということか、新玉名~熊本の1駅間を乗る親子連れの姿が目立ちました。


 ホームを降りると、県内各地のパンフレット詰め合わせを持った女性たちがお出迎え。
 震災翌日でイベントが中止になる中、最小限の歓迎行事が行われた開業の日を思い出しました。


 白川口の広場ではイベント開催中。出張開店中の人吉ラーメンを、お昼ごはんにしました。
 開業1周年の際は、各駅ごとのイベントもダイヤ改定の日に行われましたが、今年は1週間前に行われた駅もいくつかありました。


■駅前の変化よりも駅内の変化が大きい・新八代駅


 暫定開業時から7年間は、新幹線と在来線のホームタッチ乗り継ぎで賑わった新八代。
 かつての在来線ホームは新幹線規格に改軌されていますが、通常列車が乗り入れることはありません。


 新幹線とバスの乗り継ぎで、宮崎までを陸路最速で結ぶ「B&Sみやざき」も3周年。
 これまで10人も乗らない姿ばかり見てきたので、15人ほどが乗り継いだ様子を見て少しほっとしました。


 駅周辺は、東横インやマンションがあるくらいで、あとは田んぼが広がるのどかな風景が広がります。
 見どころといえば、駅から徒歩5分の物産館と、松中信彦スポーツミュージアム。駅のイベントに協賛して、ミュージアムは無料開放されていました。

 後編に続きます。

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 西鉄電車では4月6日までの毎週末に、「くらの細道きっぷ」を発売中。各駅から甘木線・大堰駅までの往復乗車券(北野、大城では途中下車可)に、「おちょこ購入補助券」が付く企画乗車券です。
 この補助券と200円で特製おちょこを購入すると、沿線の酒蔵で2杯ずつ試飲ができるという酒蔵めぐりの特別企画。5つの蔵を廻れば、10杯も試飲ができてしまうという、左党にはたまらないチケットです。

 今年で3年目になる切符ですが、発売第1週の日曜日となる3月9日に、初めて参加してみました。


 甘木線の電車は、2両編成。午前中の甘木線は、沿線から天神へ向かう流動が強いのですが、逆方向の電車もさらりと座席が埋まっていました。見たところ、うち半分近くは「くらの細道きっぷ」を持っているようです。
 乗客は減少傾向にあり、3月22日の新ダイヤでは学校前、大堰、本郷の3駅が無人駅になる甘木線。くらの細道きっぷは、沿線活性化策の一つでもあります。


 北野駅で下車。駅前商店街から北野天満宮の参道へと、ぶらぶら歩いて行きます。北野町は仕事でよく行く場所ではありますが、電車に乗って訪ねると、また違った風景を感じられて新鮮でした。
 1つめの蔵は、北野駅から歩いて6分の「千年乃松(ちとせのまつ)酒造」です。


 千年乃松酒造は、この週末が蔵開き。おちょこで試飲できる2杯だけではなく、その他の銘柄の試飲や、非売品のマッコリの試飲まで楽しめました。
 おでんや地鶏焼き、粕汁などの出店も充実。思わず、1日ゆっくりして行きたくなってしまいます。


 お隣の、駅からだと徒歩5分の山口酒造場へ。参道沿いにあり、蔵の風情を感じらる外観です。


 中も和風モダンな雰囲気。


 試飲は席に案内され、軽いおつまみと共に楽しめます。試飲なのに、「おもてなし」を感じられるのが嬉しいところです。
 一杯目は、発泡性のある濁り酒。二杯目は4つの銘柄から選べたので、同行者と別々のものを選んで飲み比べてみました。


 北野駅から電車で一駅、大城駅へと移動します。と書くと簡単そうですが、甘木線の電車は30分おき。寒い中駅で待たずに済むよう、パンフレットの時刻表を見つつ移動するのが得策です。
 ひさしぶりに降りた大城駅は、駅前スーパーがさら地になり、寂しくなっていました。「よう北野・大城に~Welcom Thank You~」と洒落を効かせていた看板も、今は昔です。


 駅から徒歩1分という好立地にあるのが、3蔵目の山の壽酒造。


 試飲コーナーのお酒は、デキャンタに入れられていました。
 山の壽酒造は酒瓶のデザインのセンスが良く、贈答品にも最適なのですが、逆にラベルが先入観を与えないようにという配慮です。


 別途、燻製セット(500円)や紅茶の試飲(100円)を追加すると、お座敷に上がってくつろげます。
 紅茶試飲は、みやま市のデリバリー紅茶屋さんの出張で、星野村紅茶など珍しい銘柄も楽しむことができました。酒の間の「和み水」の効果もあるようで、ちょっと酔ってきた胃と体を休めるには最適でした。


 さらに2駅乗って、大堰駅で下車。無人化予定の駅ですが、現在も昼間の時間帯は無人駅となっています。
 しかし「くらの細道」期間中は案内のため、いつものパートのおばちゃん駅員ではなく、男性駅員が出張してきていました。ワンマン電車にも案内係が添乗しており、初めての観光客でも安心です。


 大堰駅の酒蔵2つは、徒歩14分と少し距離があるのですが、途中の土手には菜の花が咲き乱れています。
 この日は少し肌寒かったのですが、これから先は春を感じられる風景になりそうです。


 残念ながら、井上合名会社はお休み。もう一軒の、博多焼酎研醸へお邪魔しました。
 この界隈では珍しい焼酎専門の蔵。試飲は2杯のはずですが、気前よく一通りの銘柄数種類を飲ませてくれました。長期熟成の焼酎には、木樽の色と香りが移り、ウイスキーのような味わいでした。


 こんなお洒落な梅酒もあります。ストレートの焼酎を飲みながら、蔵のおじさんと語らっているといい気分になり、ついついお土産にと、酒瓶に手が伸びてしまいます。
 帰路は車で駅まで送って頂き、恐縮しきり。楽しいふれあいの時間でした。

 お祭り的な雰囲気を楽しめる「城島酒蔵びらき」とは、また違った魅力のある「くらの細道」。ふらりと一杯、楽しみに来てはいかがでしょうか。

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 週末の韓国旅行は、3日目の3月2日(日)で早くも最終日。帰路の仁川~佐賀便は、14:50の出発です。
 もう少し出航が遅ければと思いますが、韓国側の航空会社ゆえ、韓国から便利なダイヤになっているのは致し方ないこと。空港での手続きの時間を考えれば、フリータイムは午前中いっぱいです。


 天安から仁川空港まではリムジンバスが便利ですが、鉄道を使いたくて、KTXの天安牙山駅まで友人に送ってもらいました。
 天安市と牙山市の境界に位置する天安牙山駅は、10年前のKTX開業当時こそ周辺に何もありませんでしたが、その後は来る度に開発が進んでいます。超高層ビルまで姿を現しており、天安の新都心として発展していました。


 KTXの短距離利用も、すっかり定着。前の列車から15分後の発車にも関わらず、数十人の乗客がソウル行きの列車を待っていました。
 天安からソウルまで急行電車で1時間半、特急でも1時間10分の距離を、KTXなら35分。運賃は邦貨で1,300円を超えますが、時間を買う人は着実に増えているようです。


 自動券売機で指定券を買ったところ「ビジネス席」のみ残席があり、どんな席かと思えば、カフェコーナー隣りのボックス席。同じボックス席でも、観光列車なら家族席、KTXではビジネス席となるのが面白い所です。走る会議室という設定意図なのでしょう。
 僕のボックスでは、兵役中の若者2人と、英語圏の大学教授が相席になりました。流暢な英語での世間話を聞きながら、時速300kmでソウルへと向かいました。


 光明駅に停車、トンネルをくぐれば在来線と合流です。
 漢江を渡れば、首都ソウルの玄関口・ソウル駅に到着。カフェコーナーで、車掌さんが客室乗務員に「もうすっかり春だよ」と話していましたが、その言葉に違わぬ青空でした。


 ソウル駅のロッテマートで、お土産を買い出し。CDコーナーは棚一つ分にまで縮小されており、音楽市場の縮小を物語っていました。K-POPファンには、安くCDを買うならショッピングセンターへと勧めてきましたが、もう過去の話になりつつあります。
 複合文化施設に再生された旧ソウル駅舎を眺めて、首都ソウルに来た実感を噛みしめ、地下の空港鉄道の駅に降りて行きました。


 一般列車(各駅停車)で、仁川空港を目指します。ソウル駅は地下深く、他線との乗り換えにも不便なためか、途中駅からの乗客の方が目立ちました。
 各駅停車とはいっても駅間距離は長く、よく整備された線路をすべるように快走。永宗島に渡る際には、どこまでも続く干潟が車窓に映り、なかなか風光明媚な路線でもあります。


 終点・仁川空港駅に到着しましたが、週末のみ1時間に1本、車両基地のある龍游臨時駅まで延長運行されます。通称「西海・海列車」。この週末臨時列車に乗るべく、余裕を持って出てきました。
 仁川空港でほとんどの乗客が降りてしまいましたが、各車両にはレジャースタイルの乗客が10人ずつくらい残りました。思ったより盛況。今シーズンの運行は昨日から始まっており、メディアへの露出が多かった影響があるのかもしれません。


 快速を誇る空港鉄道ですが、通常は乗客を載せない車庫への引き込み線とあって、最徐行で走行。高速性能を押し殺し、20km以下のスピードでポイントを通過していきます。
 日頃は見られない車庫の風景を見られるのも、鉄っちゃんにとっては楽しい風景です。


 仁川空港から10分弱で、龍游臨時駅に到着。先頭車両のドア2つぶんだけのホーム…というか、階段が備わるだけ。臨時駅らしいたたずまいです。


 車両基地の中を歩き、正門まで行くと小さな駅舎があります。小さいながら、自動改札や自動券売機、飲み物の自販機も備わっていました。トイレは、検修庫のものを借用できます。
 ちなみに背後の立派な駅舎は、試運転中の都市型リニアモーターカーのもの。8月には開業予定らしく、その暁には臨時駅もお役御免になるのでしょう。ただ各地の新交通は開業が遅れがちで、しばらくは今の状況が続くかも。


 立派な高架の軌道が続く、リニアモーターカー。早く乗ってみたいものです。


 駅から歩いて10分で、島に渡る砂州に出てきました。映画でお馴染みの実尾島や、天国の階段ロケ地の舞衣島へも、渡し船ですぐそこです。
 今回は時間がなく途中で引き返しましたが、飛行機に乗る前に島歩きなんてのも面白いかもしれません。


 駅近くには海産物のお店も並んでいて、新鮮な魚介類の刺身や鍋を楽しめるようです。仁川空港でのトランジットの間、海を見ながらの海鮮ランチというのもオツかも。


 帰路の列車で、仁川空港駅に戻りました。なお仁川空港から龍游臨時駅への列車は、8時~18時の毎時32分発。龍游臨時駅からは、9時から19時の毎時27分に出発します。
 仁川空港では、開いたドアの目の前のホームドアが閉まっており、びっくり。直通(指定席の空港特急)の乗車口となる後部2両からは降りられないらしいのですが、そのような案内は一切なかったので、面喰いました。


 KTXは今年中に空港鉄道へ乗り入れることが決まっており、空港駅の改札口には早くも「KTX」の案内が姿を現していました。
 ソウル駅での地上から地下への乗り換えが解消される効果は大きく、地方へのアクセスは飛躍的に改善されそうです。


 手続き開始の2時間前にT-Wayのカウンターに到着しましたが、佐賀空港の行列が嘘のような閑散ぶり。3分で搭乗手続きが終わってしまいました。
 おかげでランチの時間もゆっくり取れて、ありがたかったです。


 出国手続きも、行列なしでスムーズ。免税ショッピングも楽しんだ後は、シャトルで搭乗棟へと向かいました。こちらにも土産物屋や飲食店が軒を連ねており、ターミナルよりずっと空いてて、穴場といえるかも。
 出航を待つT-Way機の後ろでは、同じくLCCの済州航空が着陸してきました。


 帰路の佐賀行きは4割程度しか席が埋まっておらず、窓側席でも出入りに不自由せずありがたかったです。ご覧の通りのシートピッチなので、満席だと通路に出るのも一苦労なのです。
 ただあまり空きすぎていると今後も続いてくれるか不安で、ほどほどに乗っていてほしいとは思います。


 LCCにありがちな遅れもなく、逆に12分の早着で佐賀空港に到着。所定の着陸時刻の10分後には、空港の外に出ることができました。帰路には大川の温泉に立ち寄り、旅の疲れを落としました。
 かなり気軽に行ってきた割には、久々に会った友人らとも語らえて、気分はすっかりリフレッシュ。さすがに2,000円で乗れるのは今回だけだろうけど、機会を見つけてまた充実の週末を過ごしたいと思いました。

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 週末韓国の旅・2日目の3月1日(土)は、韓国内陸部を走る観光列車の旅を楽しみました。
 一晩を御厄介になった、平澤市の友人夫婦の家からスタートです。


 真新しいマンションの友人宅ですが、慢性的な駐車場不足は今も昔も変わりません。地下駐車場は、白線外にもたくさんの車が停まっていました。
 他の車の進路を塞ぐ時には、サイドブレーキをかけずに停めて、塞がれた方が押して(!)どかすという習慣も、健在です。


 駅で友人夫婦と別れ、電車で大田方面へ下ること30分、天安で下車しました。ここで別の友人と合流。このblogがきっかけで10年前に知り合った、韓国人の鉄道仲間です。
 5年ぶりの再会になりますが、取る物も取りあえず、中部内陸循環列車「O-Train」に乗り込みました。


 O-Trainはソウルと水原から、中部地方を循環して起点へと帰って行く観光循環列車です。車両は、日本・日立製のヌリロ型特急電車の改造で生まれました。
 僕らの指定された4号車は、最も原型を留める「エコ室」。何がエコなのかはよく分かりませんが、木目調の内装や緑色のシートが、自然の中に向かう列車を表現しています。


 カフェコーナーはステンドグラス風の天井で飾られ、息抜きにはもってこい。軽食類はなく、菓子と飲料の販売が中心でした。
 台湾の観光列車と違って酒類があるのは嬉しく、さっそく午前中からビールで乾杯です。


 半個室風の、「カップル室」や「ファミリー室」もあります。日本製の電車だけに、ヌリロ号では日本の特急電車的な雰囲気を感じられたものですが、O-Trainはすっかり韓国テイストに生まれ変わりました。
 多彩な車内設備に加え、駅や車窓のよい所では乗務員の案内放送も入り、JR九州の観光列車に乗っている気分です。


 京釜線を下っていた電車は、鳥致院を前に三角線経由で忠北線へ。10年前の留学先である忠州を経由する路線なので、すっかり通い慣れた道ですが、観光列車から車窓を見ると違う風景にも感じられます。
 車窓から見える母校・忠州大学も、鉄道大学との合併で「韓国交通大学」へ変身。巨大な学び舎が完成していました。ただ忠州駅は、全速力で通過。70万都市の清州すら通過で、観光列車ならではのダイヤです。


 堤川では、ソウルからやってきたもう一つのO-Trainに乗り換え。ホームを挟み同型の特急が並ぶ姿は、福知山駅のようです。
 O-Trainは、堤川~太白~栄州~堤川を一周する形態から付けられた列車名。ソウル発は時計回り、水原発は反時計回りに循環し、相互が堤川で接続することで、様々な旅行コースを実現しています。

 なおO-Trainの指定券は、パッケージ商品としてではなく、一般の列車として発売。デラックスな車内設備であることから、セマウル号の特室(グリーン車相当)の運賃が適用されます。
 O-TrainとV-Traiを組み合わせて旅するなら、O-Trainパスがお得。1日券54,700ウォン(5,500円)、2日券66,100ウォン(6,600円)で、O・V-Trainを含め、ソウルや釜山からのアクセス路線まで乗り放題になります。
 

 今度の列車は、1号車のエコ室が指定されていました。水原発より混んでいて、ソウル発の時点では満席だったようです。僕らの席の主は水原発に乗り換えたようで、うまく席も融通されています。
 車内のテレビモニタでは前面展望が生中継されており、電車でGO!な気分。ただオリジナルのヌリロでは、運転席と客席の間仕切りを透明ガラスにできたはず。わざわざ曇りガラスのスイッチを入れるよりは、生の風景を見せてほしいと思います。


 韓国最高峰を走る山岳路線、太白線に入ると、さすがの最新型電車もモーター音を唸らせ走るようになります。狭い谷に、身を寄せ合うように固まる集落の風景も魅力。韓国でも大好きな路線の一つです。
 石項駅には、廃車になったセマウル号客車が積み上がっており(!?)、目を見張りました。階段がくっついており、中に入れるようになっているようです。宿泊施設にでも活用されているのでしょうか…?


 ミンドゥン山駅(旧甑山駅)手前では、谷底を走る旌善線の列車が見えました。機関車に客車2両、電源車を連ねた編成で、半分は乗客が乗れない車両です。
 本数の少ない太白線から分岐する、さらに本数の少ない路線だけに、韓国鉄道歴の長い僕でもなかなか踏破できない路線の一つです。


 杻田駅では10分停車。列車の交換待ちではない、純粋な「観光停車」で、多くの乗客が山間の駅でのひとときを楽しむために降りてきました。


 杻田駅は標高855mで、韓国で一番高い場所にある駅。野辺山駅ほどの標高ではありませんが、残雪があり、吹きつける風は冷たいです。
 テントでは地元の特産品を売っており、地域にとっても絶好のPRと商売の機会になっているようでした。


 太白線と嶺東線をショートカットする、太白三角線を通過。日本では近鉄の伊勢中川にある三角線ですが、韓国では各地に見られ、線籍も持っていることから、鉄道完乗タイトル獲得にはこれらの路線への乗車も欠かせません。
 1日1往復しか旅客列車が通過しない。京釜線と忠北線を短絡する五松線も経由するので、O-Trainは2つの短絡線を効率よく「乗りつぶせる」列車でもあります。


 鉄岩駅に到着。3階建ての立派な駅舎ですが、駅前通りは道路拡張のため、片側の商店街が取り壊されてしまっていました。
 残っている建物にしても、開いている店は駅周辺に数軒のみ。昼ごはんを食べに食堂に入ってみましたが、ゴムのような食感の肉のサムギョプサルが9,000ウォン(900円)とは恐れ入りました。


 開いている店が一軒もない商店街。実は豊後高田のように、ちょっと昔の街並みとして売り出す動きがあるらしく、あえて昔の看板を掲げたまま残してあるようです。
 ただ、まだまだ整備途上のようで、荒れた雰囲気の方を強く感じてしまいました。


 山側の炭鉱住宅?の街並みも、散策コースとして紹介してありました。
 崩れた空き家の横では、生活が続く家もあり、観光コースとされていることをどう感じておられるのか、気にかかります。


 住宅街から見た、鉄岩の市街地の街並み。見えている建物の多くが、空き家状態になっているようです。
 しかし炭鉱を背景に、川まで張り出してまで建てられたビル街に、産業で栄えた栄華の名残りが伺えました。
 

 寂しい雰囲気ではありましたが、韓国の経済を支えてきた自負も垣間見えた鉄岩。ここを起点に走る新時代の観光列車が、白頭大幹渓谷列車「V-Train」です。
 無骨な機関車に連なる客車は…


 赤い3両編成の客車。窓が大きく取られており、冷房装置はなく、暖房は石炭ストーブです。トロッコ列車でこそありませんが、自然を体感できる列車で、北海道のオホーツク流氷ノロッコ号を思い出しました。
 この列車もセマウル特室扱いになっていますが、何かと人手のかかる観光列車だけに、サービス料金と捉えれば納得です。


 走り出した列車からは、洛東江の渓谷美を楽しめます。石炭ストーブの冬場も雰囲気があるけど、窓を開け放して走る夏場も爽快だろうなと思いました。
 乗ることが目的で、乗ることが楽しい列車。鉄道はあくまで移動手段でしかなかった韓国で、このような列車が走り始めたことに、感慨深いものがあります。


 歩いてしかたどりつけない、いわゆる「秘境駅」の承富駅で、7分間の観光停車。ほとんどの乗客が降りて、山間の駅でのひと時を楽しんでいました。
 地元のおばさん方が、ドンドン酒(濁り酒の一種)を1杯1,000ウォン(100円)で即売しており、「おつまみタダです~」の呼び込みに惹かれてグビっと一杯。山間の駅で楽しむ地酒、おいしかったです。


 続く両元駅でも、10分停車。川沿いに位置しており、列車と組み合わせてのトレッキングも楽しめます。


 地元の歓迎屋台は一層熱が入っており、テントでは軽くご飯も食べられるようになっていました。
 観光列車の停車時間が、地域の元気につながる…日本でも見られる現象は、ここ韓国でも起きていました。


 渓谷を何度も鉄橋で渡っていきます。
 嶺東線は13年前にも乗ったことがあり、景色のいい所だったという記憶はありますが、時速30kmの速度で改めてゆっくりと楽しむことができました。


 終点、汾川駅に到着。ソウル行きのO-Trainが待っており、そのまま折り返していく人の姿も見られました。
 整備された駅周辺は公園のようで、V・O-Trainの運行を期に整備されたようです。


 駅周辺にも新しいカフェや食堂ができていて、活気づいてきた模様。街の規模としてはずっと大きい鉄岩よりも、賑わっているように見えました。
 帰路は4時間以上を列車で過ごすので、カフェでお弁当、食堂でパジョン、商店でお酒を買い込み、長旅に備えました。


 帰路のO-Trainがやって来ました。堤川を出発、太白、栄州、堤川へと一周してから、水原へと抜ける列車です。
 ソウル発着の列車に比べて、水原発着の列車は余裕があるようです。


 帰路の列車で指定されたのは、ボックスシートの家族席。日本だと、3人以上ではないと発売しないパターンが多い席ですが、O-Trainではバラ売りされているようです。
 幸い向かい側の2席の乗客は現れず、ボックスを独占しての旅を楽しめました。


 買い込んできた食糧をボックス席に並べれば、セルフの食堂車気分。5年の間の積もる話も交えつつ、楽しい鉄道の旅はフィナーレを迎えたのでした。
 この日は、天安の新市街地にある友人宅に一泊。5年前の学生時代に会った時には、「自炊房」と呼ばれる単身アパートでしたが、今は繁華街の夜景が一望できるワンルームマンションで、何だか時の流れを感じたのでした。

コメント ( 2 )
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 韓国のLCC・t-way航空が、昨年12月に佐賀~仁川線を就航させました。t-wayの前身である韓星航空は韓国LCCのパイオニアで、一時は経営難に陥りもしましたが、現在は新千歳や福岡、台湾松山などへもネットワークを広げています。
 佐賀就航に際しては、就航記念の特別割引運賃が設定され、価格は何と片道1,000円!残念ながら1,000円運賃はあっという間に満席になりましたが、2,000円席はしばらく残っており、2月最終週末の金土日、韓国に旅立つことにしました。

 佐賀便は、昼過ぎに仁川→佐賀を飛び、夕刻に折り返していくダイヤ。運航は水・金・日なので、金曜日の午後に休めれば、手軽に2泊3日の旅を楽しめます。


 僕の住む久留米から佐賀空港へは、車で1時間ほど。福岡空港よりも近く、広大な無料駐車場があるので、車さえあれば福岡空港よりも便利に使えます。
 これまで佐賀空港には何度も行ったことがありますが、実際に飛行機に乗るのは初めて。干拓地帯を縦断する、どこまでも真っ直ぐな道を飛ばしていきました(停車して撮影)。


 4時過ぎにターミナルに入ってみれば、ご覧の通りの大行列。僕が最後の乗客だったようで、列の最後尾になりました。
 搭乗手続きの開始は1時間半前、締め切りは30分前で割とのんびりしており、次回はもうちょっとギリギリに来てもよいかなと思いました。


 出国手続きの窓口は1つしかなく、出航時刻が近付く中、審査官はテキパキと審査。
 ソウル線就航を契機に作られた国際線ターミナルは、事実上のLCC専用ターミナルながら、県産材が使われたぬくもりある空間でした。


 乗客を待つ、ボーイング737-800。189席を有する、中型機です。審査を通過し、最後の乗客が搭乗したのは出航3分前。何とか間に合いました。
 席は団体さんのお陰で8割以上は埋まっており、席が狭いLCCだけに、なかなかのギッシリ感がありました。


 離陸した飛行機は、有明海のノリ養殖場を見降ろしながら旋回して、高度を稼いでいきます。雲の上に頭を出した平成新山が見えてくる頃、一路仁川へと進路を取りました。
 LCCながら、飲み物・菓子のサービスがあるのは立派です。荷物を預けるのも無料で、LCC離れしたLCCと言われるゆえんでもあります。


 LCCにありがちな遅れもなく、定刻前に仁川空港へ着陸。規程の到着時刻の2分後、18時32分には降り立つことができました。
 ただLCCだけにターミナルは遠く、地下を走るシャトル列車で本ターミナルへと移動します。乗ったことがなかったから、これはこれでいいのだ。


 入国手続き場も余裕があり、あっという間に審査が完了。銀行で両替してもなお余裕を持って、19時発のソウル駅行き列車に間に合うことができました。
 ソウル駅までノンストップで結ぶ直通列車は、快速・快適。8,000ウォン(800円)の特別割引運賃も継続中で、乗車率も半分程度とまずまず好調でした。


 ただ空港鉄道のソウル駅は地下深い上に、列車も数分遅れたため、予定していた急行電車(特別快速格の通勤電車の急行)に間に合いませんでした。
 後続の下り急行列車で、ソウル南部の水原を目指します。通勤客に加え、帰省客も多い金曜夜の列車は満席で、立席券を購入しました。


 カフェ車は、立席券の客には格好の「居場所」です。特に夜20時10分発という時間帯から営業休止状態で、遠慮なく床に座り込む人が目立ちました。
 営業していればマッサージチェア席でゆったりしたところですが、カフェ車もいっぱいで場所がなく、デッキに立って水原までの40分を過ごしました。


 水原で、下りの普通電車に乗り換え。結局、目的地の西井里に着いたのは9時半頃で、これならリムジンバスの方が早かったです。
 西井里駅前でタクシーを捕まえて、友人宅へ。いつの間にか初乗り運賃は、3,000ウォン(300円)にまで値上がりしていました。日本よりはまだまだ安いとはいえ、僕が留学していた10年前に比べれば倍以上です。


 10時前、真新しい高層マンション団地のハヌルチェに到着。友人家族の家に、御厄介になりました。
 友人夫婦の結婚式以来、5年ぶりの再会。お互いの環境は激変しつつも気分は青春時代で、話は尽きませんでした。

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