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福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです
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柳川観光列車「水都」プレミアム試乗会
■旅と鉄道
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2015年09月27日
10月4日、西鉄に新たな観光列車「水都」がデビューすることになりました。太宰府観光列車「旅人」に続く、8000系改造の観光列車第2弾です。
これに先立つこと1週間前、試乗会を兼ねたプレミアムツアーが実施されることになりました。久しく足を向けていない柳川観光がてら、休日の日帰り小トリップへ出発です。
ツアーの出発地は西鉄福岡駅なので、一旦西鉄電車で「出迎え」に。大橋から乗った急行電車は、たまたま太宰府観光列車「旅人」の送り込み運用でした。
朝の天神方面の電車なので、乗客はもちろん太宰府観光とは無縁な人ばかり。「水都」にも、一部で普通電車の間合い運用が予定されています。
集合時刻の9時40分前には、ツアー参加者の人だかりができていました。今回、一般参加の枠となったのは1~4号車。200人近い乗客になるはずで、まとめる方も大変です。
号車ごとに受け付け、整列して中央改札口からホームへ。エスカレーターがないので、高齢の参加者は大変だろうなと思っていたら、おばあちゃんがホイホイ階段を上がっていきました。
10時の特急電車が出て行った後に、水都が入線。ラッピング電車とはいえ、赤い先頭部分が目を引きます。
車両ごとに内装だけではなく、外装のカラーリングもがらりと変えていますが、不思議とチグハグ感はありません。485系で運行されていた当時の、ハウステンボス号を思い出しました。
大牟田側の先頭車は、「木蘭色」と名付けられたメタリックカラー。従来の8000系とは、イメージががらりと変わっています。
写真撮影もそこそこに、発車時刻を迎えました。柳川まで特急が通常48分のところを、1時間以上かけたゆったり旅のスタートです。
外観とちがって、車内はほぼ原型のまま。枕カバーにはテーマカラーのラインが入れられ、それだけでも雰囲気が違って見えます。
車内に広告はなく、広告枠は車両や柳川観光の案内で埋まっています。日本語だけでなく英・中・韓も入っていて、インバウンド観光客にも対応しています。
1回だけの特別ツアーということで、ゲストも多彩。熊本城おもてなし武将隊の立花宗茂が、きちんと?「ござる」口調で一人ひとりに武将カードを配っていました。
ちなみに乗車記念カードは各号車に置いてあり、6両巡れば6種類のカードを集められます。
観光柳川キャンペーンレディ「水の精」のお二人は、気さくな感じ。観光協会からは、案内パンフとお土産をどさっと頂きました。
スペシャルゲストは、福岡吉本の地元芸人、コンバット満。九州では安定した人気のある芸人で、トークやジャンケン大会の盛り上げ方もさすがはプロ!でした。写真OKとは言われましたが、Blogにアップしてしまうと吉本から怒られそうなので自粛します…。
沿線の注目度も高く、通過する駅ではカメラを向ける人が多数。たまたま出くわした普通の乗客の中にも、スマホを向ける人が多く見られました。
そして出発から1時間、久留米を過ぎたところで、車両間の移動OKのお許しが出ました。車内もカラーリングが分けてあり、扉や枕カバーの色が変わるだけでずいぶん違って見えるものです。
3号車には、柳川の特産品の展示コーナーが。6両の改造費が数千万円の「お手軽観光列車」ではありますが、このコーナーは気合が入っています。
その向かいには、観光列車らしくスタンプコーナーも。車内散策の時間も短かったので、行列ができていました。
4号車のカウンターには、柳川の観光パンフレットコーナーが並んでいました。柳川まで通常48分のうちに、しっかりと予習できます。
在福マスコミ各社へのお披露目会も兼ねた、今回の試乗会。取材を受ける可能性がある、というのも今回のツアーの条件でしたので、マスコミ側も遠慮なくインタビューにまわっていました。
公式ゲスト以外の関係者の姿も。「水都」の実現に尽力してきた柳川市を代表して、市長自ら名刺を配り、PRに回っていました。
イベンドが盛りだくさんだったので、思っていたよりも早く柳川駅に到着。
柳川駅前では、水都に接続して運行する「水都バス」の展示会も行われていました。実際に運行が始まれば「案内役」はいないわけで、誰でも分かる分かりやすさは、大事ですね。
バス車内に手は加わっていないものの、名物「さげもん」をぶら下げて、柳川らしさを演出していました。
今回のツアーは、まだ終わりではありません。バスで「御花」へと移動します。
御花までは10分そこそこの距離なので、貸し切りバスではなく、路線バスタイプのバスをピストン運行。イベント輸送はお得意の、西鉄ならではの手法です。
「御花前」のバス停で降ろされ、お堀を下る川下り舟を見ながら、徒歩で御花へ。柳川らしい風情に、なごみます。
ただ僕らのバスは手違いだったようで、本来は御花の目の前までバスが行く手はずだったとか。のちほど添乗員さんは平謝りでしたが、言われなければ分かりませんでした。
柳川藩主・立花邸「御花」は、明治時代の伯爵邸。日陰で、1号車が呼ばれるのを待ちます。
通されたのは、結婚披露宴にも使われる大ホール。ご祝儀を出さねばならないような雰囲気です(笑)。
柳川名物・うなぎのせいろ蒸しが、今日の昼食。香ばしく焼き上がったうなぎに、甘いタレが染みたご飯までごちそうです。
一気に押し寄せるツアー客何百人分をもさばくのは、大変そう。ちょっと冷めていたのは残念だったけど、仕方ないかな。
団体行動はここまで。あとは30分毎に走るバスで柳川駅に戻り、好きな電車で目的地まで戻ればOKです。西鉄バスの日帰りバスツアー「バスハイク」の1コースという位置づけですが、今回は異色の行程。添乗員さんたちが、一番疲れたのでは?
きれいに手入れされた、御花の庭園を2階から見下ろします。
横を流れる水路には、行き交う川下り舟が。同じ西鉄沿線なのに、天神とは時の流れが違う感じです。
御花の洋館は、明治43年築。天井が高く、特に当時の日本人にとっては広々と映ったことと思います。
シャンデリア回りの装飾も見事です。
お堀をのんびりと川下り舟が行き交う、柳川の町。9月としては気温が上がったこの日、水面の上とはいえ、ちょっと暑そうではありました。
冬場にはこたつ舟も出るようで、営業運転に就いた「水都」でまた訪ねたいものです。
川下り舟の合間には、水面の水草を収集するモーターボートも巡っていました。目立たない地道な努力で、きれいな景観は守られています。
さらに上ると、地元の高校生たちが川下りの「操舵」を練習していました。部活なのか、体験学習なのか。いずれにせよ、地域の伝統を継承していこうという若者たちの存在は頼もしいです。
そんな高校生を見ながら、足湯でゆったり。公園の足湯は観光客よりも、地元の方の散歩やサイクリングの休憩場所として重宝されているようです。豊かな日常です。
シャトルバスで、柳川駅へ。西鉄柳川駅は、今年3月に改築されたばかりです。軒裏には木材が多用され、現代的ながらも温もりを感じる駅舎に仕上がっています。
質実剛健がモットー?の西鉄にあって、柳川駅のシンボル性の高さは、出色の出来と言ってよいでしょう。
橋上駅を上がった切符売り場の真横には、michi9sa(ミチクサ)なるカフェコーナーが。御花がプロデュースした、気軽に立ち寄れるカフェです。
店内も明るくて、いい感じ。昨日開店ということで、コーヒーを特別価格で提供していました。
西鉄電車といえども、県南では特急・普通とも30分ごとの運行。電車と時間が合わなかった時のスペースは必要とされていたはずで、観光客の「待ちぼうけ」の時間もゆったり過ごせそうです。
結局僕らはゆっくりしてしまい、さらに30分後の特急で天神方面へ。これまでは急行用だった3000形も、最近では特急に入ることが珍しくなくなってきました。現在、主力で活躍している8000形も、あと数年で引退なのだとか。
転換クロスの清潔・快適な車両ですが、スマートすぎて旅気分が盛り上がる電車ではありません。観光なら、「旅人」「水都」がオススメで、数年後に登場と発表されているグルメ観光列車にも期待したいところです。
48分で西鉄福岡駅へ。改札口の上やコンコースは、水都「押し」になっていました。
屋台骨の通勤輸送が先細りしていく人口減少社会において、西鉄の新たなるチャレンジは続いていきます。
西鉄福岡駅で降りた僕は、地下鉄天神駅へ。福岡空港行の電車は、はじめて乗る305系でした。
オールロングシート・4扉の通勤仕様ながら、1号車の床はフローリング張りで、唐津への観光客にも対応したものとされます。観光列車花盛りのJR九州においても、都市圏での観光輸送は試行錯誤の状態です。
福岡空港に来たのは、夏の名物のビアガーデン「ビアエア」に来るため。年々人気は高まっていて、幹事さんは6月に抑えてくれていました。感謝!
夕方のラッシュを迎え、各地から飛んでくる飛行機を見ながらのビールは、毎年のことながら格別の味でした。
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白銀週間台湾漫遊【5】最終日は帰るだけ
■旅と鉄道
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2015年09月22日
台湾の最終日は、今回も寝不足。エバー航空の福岡行きは1日1便、8時40分発だけなので、空港までの時間を考えれば4時台に起きねばなりません。昼間の喧騒はどこへやら、コンビニの店明りだけが明るい、台北駅前の道をトボトボとバスターミナルへ向かいます。
ちなみにヨメさんの乗るエアープサン釜山行きは午後の便なので、ゆっくりできるのがうらやましいです。
同じように早朝便を目指す人で、4時50分の空港行きバス乗り場には、列ができていました。
明けやらぬ台北の街を抜け出し、ガラガラの高速道路を飛ばすこと約40分で、桃園空港着。昼間は所要1時間と言われますが、やはり早朝はスムーズです。
どことなくアメリカの高速バスを連想させる、国光客運の旧型バス車両。車内はリニューアルされ新型車両にも見劣りしませんが、老朽化が激しく、間もなく退役の予定とか。
早く着いた上に、搭乗手続きも20分くらいで終わったものだから、結果的に時間をもてあます事に。せっかくなので、台湾を代表する巨大空港・桃園空港の第2ターミナルを探索してみました。
地下2階のフードコート前には、開業を待つ捷運の機場駅が。出入国ゾーンからほぼ垂直移動だけでたどり着ける位置で、これは便利になりそうです。帰国の日も、もう少し遅くまで眠れるようになるでしょう。
出国階・入国階の間の「中2階」的な位置には、人気のパイナップルケーキ屋さん「微熱山丘」のテナントができていました。前回はわざわざ松山空港の近所まで買いに行ったので、これも便利。
ただ早朝なので、まだ店は開いていませんでした。
開いていないといえば飲食店もそうで、6時台とあってファーストフードがちらほらやっているくらい。マックでモーニングを頼もうとしたら、提供時間の6時半の前なのでと、マニュアル通りに断られてしまいました。
やはり朝が早すぎです。やることもないので、さっさと出国してしまいましょう。
スムーズな出国審査を終えれば、すぐさま免税ゾーン。ほとんどの店が開いていて、早朝の桃園ではさっさと出国手続きを終えてしまうのが吉です。
僕はタバコを吸いませんが、「お使い」を頼まれていたので何店舗が物色。目当てのセブンスターがないので、陽気な女性店員さんに聞いてみれば、「台湾では扱ってません!」という明快な答えが返ってきました。
本屋や足つぼマッサージなどもあり、免税ショッピングだけではない充実した時間が過ごせます。国の森林局や郵政局などのPRコーナーもあって、トランジットの客にも台湾をPR。時間を持て余すことはありません。
スナックコーナーでは、台湾国内でもあまり見かけない台湾ビールの「生」を発見!おつまみ盛り合わせと合わせて、確か300NT(1,100円)くらいになりましたが、飛びつきました。
最後に出会えた感謝を込めながら、早朝ビールをゴクリ。おつまみは2~3人でも充分な量で、お腹いっぱいになってしまいました。
福岡行きの便は、ほぼ満席。帰路もおなじみ、キティちゃんジェットでした。機内食はスクランブルエッグを交えた、モーニング仕様だったのは嬉しかったです。さっきの「おつまみ」が響いて、かなり残してしまいましたが。
機内エンタテイメントの映画は好きな場面から再生できるので、往路の続きを楽しんでいたら、いつしか九州が近づいてきました。
九州へは、長崎市上空から進入していきます。眼下には、大村湾に浮かぶ長崎空港と、諫早湾の潮受け堤防。遠くには佐賀空港も望めました。
さらに厳木から糸島の上空を通過し、博多湾から箱崎を抜けて福岡空港へと着陸していきます。
着陸直前には山陽新幹線の姿も見えて、桃園上空から俯瞰した高鉄の姿を重ねました。
午前11時20分、福岡空港着。5日間の充実した旅は、一応無事にフィナーレを迎えました。
家に帰り、ためこんだ洗濯物を処理していれば夕方5時。路線バスに乗って、再び空港に向かいました。
夜7時過ぎ、釜山からのエアープサンが無事に到着。台北発、釜山経由、福岡までの長い旅を終えたヨメさんを迎えて、本当のフィナーレとなりました。
なお釜山での乗り継ぎ時間は1時間半しかないのに、トランジットという概念がなく、一旦韓国へ入国しての再手続きを求められたとか。大きな荷物は僕が預かっていたからよかったものの、手荷物を預けていたり、少しでも遅れが出たりしていれば、かなりきわどい乗り継ぎでした。
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白銀週間台湾漫遊【4-2】標高1,200mから「首都」へ下る
■旅と鉄道
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2015年09月21日
阿里山森林鉄路の現在の終点、奮起湖は、阿里山までの中継拠点として発展してきた街。湖があるわけではなく、盆地に溜まる霧を比喩的に表現したものと言われます。
せまい路地に店が立ち並ぶ「老街」は、台湾南部の九分との異名も。食堂やお土産屋さんが連なり、登山列車でやって来た観光客を激しく呼び込んでいました。
茶やわざびなど、台湾の他の街ではあまり見ない特産品もずらり。
小さな規模の老街とはいえ、賑やかな街を見ていると、あれだけの険しい山道を乗り越えてきたことを忘れてしまいそうです。
老街からは直接、駅までの路地が抜けています。ギリギリまでお買い物をしてても、大丈夫!?
奮起湖の中でも大きな宿、奮起湖大飯店にやってきました。セブンイレブンも入っていて、山奥ながら都会並みの品揃えを提供しています。
この宿、そして奮起湖の名物と言われるのが、奮起湖弁当です。阿里山までの長い道中では、奮起湖駅のホームでこのお弁当を買うのが慣わしだったとか。持ち帰り100NT(382円)、中で食べればスープ付きで120NT(458円)です。
山菜がたっぷりで味付けもやさしく、今まで台湾で食べたお弁当の中では一番おいしかったです。
もうひとつの阿里山名物、阿里山コーヒーで一服。180NT(687円)だから、お弁当よりもずっと値が張る高級品です。
砂糖を入れずとも、自然に広がる甘みが何ともいえず美味でした。
2時間余りの奮起湖散策を終えて、折り返しの阿里山号で山を下ります。
車体や枕カバーには、姉妹鉄道として静岡の大井川鉄道が紹介されています。台湾では最近、日本との姉妹路線締結が一種のブームになっていますが、こちらは1986年からと歴史のあるものです。
木履寮駅では、スイッチバックの線路をスルーして、勾配上の線路の停車します。ディーゼル機関車は、勾配にも強いということでしょうか。
下界に降りれば、夕方のラッシュが始まろうとする時間。小学校の下校時刻にも当たり、男の子も女の子も、笑顔で森林鉄道に視線を送っていました。
鉄道が好かれている様子を見ると、なんだかほっとします。
往復約5時間の旅を追え、嘉義駅着。蒸気機関車の時代に使われていた給水塔の、レトロなタイル文字が出迎えてくれました。
駅裏に「嘉義鉄道芸術村」の看板が見えたので、足を伸ばしてみました。
鉄道施設を再生した芸術文化の展示スペースですが、月曜休館だったのは残念。
広場では露天カラオケ大会が開かれていて、老人たちが日がな1日をすごす場になっているようです。日本の歌も聞こえてきて、拍手を送りたくなりました。
嘉義駅の裏口駅舎は、バスターミナルと一体化。長距離高速バスや高鉄駅行きのBRTが発着し、乗り換えも便利にできています。
これは、日本の地方の駅でも見習ってほしいです。
たかみーと別れ、高鉄嘉義駅行きのBRT(バス高速輸送システム)のバスに乗り込みました。高鉄とお揃いの色なので分かりやすく、スマホでバスの接近情報も手に入れられます。
高鉄駅まで乗る際には、運転士さんに「高鉄(カオティー)」と言うと、こんなカードを渡されます。下車時にカードを運転士さんに返せば、運賃は無料です。
一緒にバスを持っていた方から、親切に教えて頂いたこそ分かった「技」です。
BRTとは言っても、大通りの中央にバス専用レーンと停留所がある、名古屋の基幹バスやソウルの中央バスレーンに近いシステム。専用の立体交差はなく、車の交通信号に従います。
速達性としては車同等ですが、渋滞に巻き込まれない分 定時性は高く、時間の定まった鉄道利用者には安心できるシステムです。
そんな市街地を抜けると、さとうきび畑のど真ん中へ。バスは直線道路をノンストップで飛ばし、所要時間から感じる距離以上の距離がありました。
高鉄の嘉義駅は、空港のような立派なターミナルを構えていてビックリ。しかも大きな施設にふさわしいだけの利用者で賑わっています。モスやスタバなどの大手チェーンが入っているのも、安定した利用者がいる裏付けです。
嘉義の人口は27万人。台南駅からさして距離はなく、広域から利用客を集めるわけでもないのに、1日の乗降客が1万人を超えるのだから大した実績です。
コンコースには、嘉義での就業を勧めるこんなポスターも。台湾でも、「地方創生」は欠かせぬ取り組みになっているのかな。
17時36分発の高鉄で、台北へと戻ります。
帰路は商務車(グリーン車相当)を奮発しました。日本の700系新幹線のグリーン車とほぼ同じで、座席も柔らかい作りです。足置きは、靴を脱いでくつろげるタイプになってます。
台北~嘉義間では普通車運賃から415NT(1,584円)増しですが、日本の東海道新幹線で同じ距離をグリーン車に乗れば3,590円増しですから、お得とも言えます。
安いのに新幹線に勝る点といえば、飲み物とお茶請けのサービス。乗車するとほどなく、専属の客室乗務員がサービスに回ってくれます。
新幹線のグリーン車だって決して安くはないのだから、この程度のサービスはあってもいいのにと思います。
台中では主要駅らしく、乗客がどっと乗り込んできて、商務車も満席近くなりました。この切符もお昼頃にネットで予約していたのですが、直前でだいぶ売れたようです。
夕暮れ時、台中のビル街が、摩天楼のように輝き始めていました。
ゆったりした乗り心地をもっと味わっていたかったのですが、わずか1時間半で台北着。明日の空港行きバス乗り場を確認してから、ホテルにチェックインしました。
華華大飯店(フラワーホテル)は、日本からの予約で1泊7,500円。清潔感、設備とも値段相応といったところです。ただ台北駅から徒歩10分圏内という立地を考えれば、値ごろと言えるかも。
明日は早朝の飛行機で立ってしまうので、台湾の食を楽しめるのは今夜が最後です。とはいえ捷運に乗って繁華街まで乗り込む気力もなく、宿からほど近い點水樓を訪ねてみました。
比較的お手ごろな値段だった2人用セットをオーダー。小籠包、大根もち、牛肉麺、どれもウマイ!
満腹にはなったものの、小籠包の味が忘れがたく、お代わりを頼んでしまいました。
実は台湾のまともなお店で小籠包を食べたのは、前回も通じて初めて。中からじわっとあふれ出るスープが、たまりません。これ目当てに台湾を訪れる人がいるのにも納得! 満足至極のグルメな夜は更けていきました。
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白銀週間台湾漫遊【4-1】あこがれの登山列車
■旅と鉄道
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2015年09月21日
旅の4日目はちょっと早起き。6時に床を抜け出して、高雄駅に向かいました。
ラッシュにはまだ早そうだけど、早起きの通勤客で駅前は都会らしい風景に。今日は月曜日。日本人にとっては気楽な連休中日でも、台湾は1週間の始まりです。
高架化工事真っ只中の高雄駅。長い長い、仮設の こ線橋を渡ってホームへ行きます。
外を覗き込めば大きな穴が。新しい地下駅が、開削工法で作られているところでした。
7時ちょうどの自強号(特急相当)に乗って、北上します。昨日の夜に指定券を買えたので空いているのかと思っていたけど、車内は立つ人も出る満員ぶり。台鉄の優等列車は基本的に全車指定ですが、悠々カード利用で立席ならば区間車運賃で乗れるので、通勤で乗る人も多いようです。
僕らの席にも先客がいましたが、券を見せる前に、立ち去って行きました。
先頭の車両には派手なラッピングが施されていたので、のぞきに行ってみたら、自転車の固定スペースになっていました。
台湾では区間車や捷運への自転車の持ち込みも認められており、サイクリストにとっては便利な国です。ただ日本で同じことをやれば、収拾が付かなくなることは目に見えています。
約1時間半、嘉義駅で下車。阿里山に向かうナローゲージの登山電車、阿里山森林鉄路の始発駅です。
森林鉄路の窓口には、出発1時間前にして行列が。その傍らではおばちゃん達が、森林鉄路の切符と宿泊をセットにして、激しく売り込んできます。
が、僕らは たまたま前日から嘉義の知り合いを訪ねていたたかみーに、朝イチで切符を抑えてもらっていました。感謝感謝。
阿里山森林鉄路は台風災害のため、途中の奮起湖までの運行です。昨年の情報を信じるなら、もう再開されていてもよい頃ではあるのですが、そこは台湾ペース。次にいつ台湾に来られるかも分からないし、ひとまず今回は奮起湖まで往復することにしました。
途中駅止まりでも、登山列車は人気者。列車が入線してくると、機関車のつながれた最後尾には人垣ができました。
標高2,200mまで上るパワーを持った機関車は、ナローゲージとは思えない迫力です。
先頭は動力を持たない客車ながら、運転台がついています。こちらはやはり、ナローならではのかわいいさを感じます。
あまり「絵」にならないのか、こっちで写真を撮る人はあまり多くありませんでした。
特急格の「阿里山号」なので、冷房完備、3列のリクライニングシートを装備した快適仕様の客車です。窓は一部を除いて開かず、快適ではあるけどワイルドさには乏しい気も。
5両編成の客車は満席で、立席券で乗っている人もいました。休日は2往復走る列車も、平日は1往復になってしまうことも影響していそうです。再度、たかみーに感謝。
10時ジャストに嘉義駅を出発。市街地のど真ん中を、小柄な客車列車が堂々行進していきます。1日1往復の列車だけに、列車を見送る人は物珍しそう。手を振ってくれる人もいました。
1駅目の北門駅には独立した立派な駅舎があり、車両基地もあります。ここから乗る人も多く、大井川鉄道の新金屋駅を思い出しました。
しばらくは市街地を走り続けます。平行する道路を、バイクが軽やかに抜き去っていきました。
青い木造駅舎がかわいい、竹崎駅。嘉義とは別の市街地を構えており、嘉義~竹崎間の需要もありそうですが、区間列車はありません。
あのスピードじゃ、バスと勝負にならないか。
竹崎駅を出ると途端に、勾配がきつくなります。スピードもさらに落ち、直後の機関車からは盛大なエンジン音が。カーブもきつく、車窓には我が列車の先頭部分が見え隠れします。
のどかなナローの近郊列車から、本格的な登山列車へと変貌してきました。
目に見えるレベルの急な勾配が続き、機関車がオーバーヒートしないか心配なほど。下界が、ぐんぐん遠ざかっていきます。
車窓は南国的ですが、それでも平地とはだいぶ様子が変わってきました。気候区分上も、嘉義付近は熱帯、奮起湖では亜熱帯に分かれます。さらに阿里山は、温帯に属するのだとか。
阿里山森林鉄路の一番のハイライトとも言えるのが、樟脳寮から独立山にかけて続くスパイラルループ線。幾重にも幾重にも、まるでとぐろを巻くように山裾を回りながら、高度を稼いで行きます。
眼下に何度も同じ駅が現れるので、ああループなのかなと思えるのですが、スケールが大きすぎて、今自分がどこにいるのかは見当が付きません。せめてループを実感できるよう、コンパスを持ってきてればよかったと思います。
交力坪駅。山中の駅でも、保線作業の人や登山客が乗り降りしていきます。
ホームがなく、ステップがあるだけの駅もいくつか。狭いステップの位置に、ピタリと止める機関士の腕も確かです。
標高1,000mを超えてもなお、急カーブと急勾配が連続します。車窓には茶畑が現れ、姉妹鉄道でもある大井川鉄道の井川線を思い出しました。
さらに標高が上がると、霧の中へ。というか、雲の中に入ってきたといった方が適切かもしれません。
2時間半の乗り応えある旅を終えて、現在の終点・奮起湖着。車外に出ると、肌寒いといっていい気温でした。霧が濃淡をつけながら流れてきて、濃いか薄いかででも、体感温度は変わります。
まわりの人の様子を見ながら、僕も線路の上へ。ナローゲージは、身長176cmの僕の両足で、軽々またげるほどの間隔です。
よくぞこの狭いレールの上に、重い車両が載っているものだと思います。
駅の先には車庫が…と思っていたら、蒸気機関車の展示館になっていました。小さな客車とはいえ、あの急勾配をSLで越えるのに、どれほどの「死闘」が繰り広げられていたのか。今や想像の世界です。
駅構内を出て、阿里山方面の線路を望みます。数年に渡る運休で、線路はすっかりさび付いていましたが、草は刈り取られていて荒れた感じはありません。
全線復旧も間もなくのはず。さらに1,000mの高度を稼いだ先の世界はどんなものか、いつかは乗ってみたいです。
小高い山の展望台に登ると、奮起湖駅が霧の中で模型のようなたたずまいを見せていました。
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白銀週間台湾漫遊【3-2】台湾は路面電車先進国へ
■旅と鉄道
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2015年09月20日
台南から高雄までは、区間車(普通電車)で移動します。
韓国と違って、地方の国鉄在来線でもきちんとローカル輸送が行われている台湾。台南~高雄間でも、昼間は2本/時間以上の列車が走っています。ICカードも通用して、仙台か広島あたりの都市圏輸送を見ているようです。
時間に余裕があったので、台南から2駅目の保安駅で下車。木造平屋建ての、昔ながらの駅のたたずまいにひかれての、気まぐれです。
駅舎は古くとも、ホームへのエレベータはきちんと整備されており、都市圏の駅として利用者が多いことを物語っています。
駅前広場より望んだ駅舎。瓦葺・切妻屋根の建物は、僕の地元の駅の建替え前を思い出します。
看板だけは、「昔ふう」に右書きされた新しいものになっており、古い駅舎の価値を認め、これからも大切に使っていこうという意思を感じられました。
肘掛のない長いベンチに、振り子時計。壁に塗り重ねられたペンキに、味わいがあります。
窓や扉が開け放たれ、開放感があるのは南国らしい雰囲気です。
駅舎内で唯一新しいものといえるのが、悠々カードのカードリーダー。券売機で切符を買う人は少数派で、ほとんどの乗客が、リーダーへタッチ&ゴーしていきます。
再び南下する区間車に乗って、高雄市内の馬頭駅で下車しました。
広いホームの真ん中に置かれたベンチは、区間車に変わる前の客車鈍行「普快車」の座席です。普快車も、残るは南海岸の1往復のみ。昨年、時代離れしたのんびりした時間を楽しんだことを思い出します。
橋頭駅では、高雄の捷運に乗り換えることができます。市内の北部にアクセスするなら、橋頭駅での乗り換えが便利です。
捷運の高架ホームも、防風壁ひとつ見当たらない開放感。台北とも違う気候を物語ります。
台北と同じく、高雄の捷運も飲食は禁止。薬を飲みたい時や暑さで喉が渇いた時は難儀しますが、駅も車内も清潔に保たれています。
台北ではピクトグラムと文字だけだった禁止の告知も、高雄ではこんな「萌え」系ポスターで訴えていました。
1駅の橋頭糖廠駅で下車。駅前の製糖博物館には、さとうきびを運搬していたトロッコが観光用として残っていると聞いており、降りてみました。
製糖博物館は、駅を出て左手に歩いて約5分。サイクリングも楽しめる公園として整備されており、短い日曜日を楽しむ家族連れが押し寄せていました。暑さに弱い日本人としては、よくこんな蒸し暑い中サイクリングできるなあと感心します。
貨物駅の跡。台湾では5分車と呼ばれるトロッコが留め置かれ、さとうきびの運搬で活況を呈した時代を、少し想像することができました。
それはいいとして、体験トロッコの乗り場が見当たりません。警備員さんに聞いてみれば両手を挙げ、まったく反対側だよと苦笑い。もうトロッコの出発時間も迫っているし、どうしようかと思いあぐねていたら、警備員さんがバイクで登場しました。1人ずつ乗せていくよ!と。
なんて親切!でも大丈夫かなと躊躇する間もなく、ヨメさんが連れ去られて行きました(笑)。数分後に戻ってきたバイクで、僕も後部座席の人に。木々の間をすり抜けていくバイクの乗り心地、それはもう爽快の一言でした。
トロッコの駅で降ろされましたが、この駅は、現在は使われていないとのこと。終点、花卉中心駅まではバイクで乗り入れられないとのことで、線路上を歩いて行くよう言われました。
か細いトロッコの線路を歩けば、気分はスタンド・バイ・ミー。
15分ほど歩いていると、終点側の駅に止まっているトロッコが見えてきました。16時00分の発車時刻まで5分、危なかった~!
駅の窓口で、ここまで歩いてきたと申し出れば、本日2度目の苦笑い。片道乗車は想定されていないようですが、子ども用の切符を出してサービスしてくれました。今日は暑くなくてよかったと労われたけど、十分暑かったです。
ナローゲージとはいえ、重い貨物を引っ張っていた機関車は立派なもの。
トロッコは人が乗れるよう改造されていますが、メッシュの鉄板で囲われただけのワイルドさです。
走り出せば、遊園地の豆汽車のような雰囲気。実際に乗っているのも子ども連ればかりで、製糖工場の一アトラクションのようでした。
見たことがない形の連結器。
サイクリングコースとも併走し、物珍しそうな視線が向けられます。
観光用トロッコながら、大きな道と交差する立派な踏み切りも。カメラを向ける人も見られましたが、鉄っちゃんかな?台湾では、鉄道も立派な趣味として認知されています。
さきほどの休止駅を通過すれば、左に台鉄、右上には捷運の線路が近づいてきました。立派な2つの現役路線に比べ、トロッコの線路はなんと か細いものか。
しかし台湾各地に張り巡らされていた細い鉄路が、砂糖が貴重品だった当時、台湾の経済を支えてきたのです。
トロッコの終点…というか始発駅の「捷運駅」は、まさに捷運の駅に隣接した高架下にありました。真横にある駅のトイレにまで行っていたのに、トロッコの存在にまったく気づかなかった…
最初から見つけていれば労せずに乗ることはできたのだろうけど、人の親切に触れることもできたし、バイクやスタンド・バイ・ミーなんて貴重な経験もできたので、結果だけ見ればオーライでした。
捷運に乗って、高雄の市内を縦断。繁華街を地下で抜けて、凱旋駅で下車しました。地上に上がると、道路をまたぐ遮断機のない踏み切りが。現在試運転が行われている捷運の新路線、環状軽軌です。台湾初の路面電車、そして「世界初」の技術を導入した最新鋭のLRTになります。
数分もたたずに、タイミングよく踏み切りの警報音が鳴り始めました。警備のおじさん達も、交通誘導に当たります。台湾初の路面電車、車の側としても未知の世界のはずで、慣れるまで誘導するのでしょう。
やってきました、5両編成のLRT!低床式の最新鋭LRVです。スマートな流線型は、日本よりもヨーロッパのLRVに近いものを感じます。
無料試乗を行っているとの情報も得ていたのですが、ドアが開くことはなく残念。駅には特に試乗に関する告知はなかったものの、地元の人も車両に近づいては、「乗れないのか」といった表情を見せていました。
しばらく待っていると、終点で折り返してきたLRTがやってきました。
線路は芝生で敷き詰められ、まるで公園のよう。都市景観としてもよいし、ヒートアイランドの緩和効果もあります。もちろん、設置にも維持にもお金がかかるものではありますが。
ただ低床電車や芝生軌道は、鹿児島や熊本でも見られるもの。高雄のLRTが世界に先駆けて導入したのは、バッテリー駆動方式です。
停留所に着くとガチャン!とパンタグラフが上がり、停車時間のものの数十秒の間で、次の停留所までの電気を充電します。
おかげで線路には架線がなく、景観上もスッキリ。日本統治下を通じても路面電車がなかった台湾ですが、一気に世界最先端を走り出そうとしています。
例によって開業は伸び伸びですが、完成したら是非また乗りに来たいものです。
捷運で高雄駅に戻り、今夜の宿にチェックイン。高雄康橋大飯店(高雄カインドネスホテル)高雄駅前店です。2人で1泊2,180NT(8,321円)。日本のビジネスホテルチェーン並みの値段です。
建物自体はそれほど新しくはないようですが、全面リニューアルされていて清潔、快適。
最新鋭のホテルらしいのが、コンセントの数がやたら多いこと。たいていのホテルでは、家から持ってきた「タコ足」でしのぐことが多いのですが、ここでは半分以上を余すほどでした。
窓を開ければ、台鉄の高雄駅構内を見渡せました。これは期待していなかっただけに、嬉しかったです。
高雄駅周辺の台鉄は、地下化の工事の真っ最中。写真の旧高雄駅舎も、駅としての役割を終えて、地下化工事の広報館になっています。「曳き家」で動かされていますが、地下化後には本来の位置に戻されるとのこと。
朝食にウェルカムコーヒー(又はケーキ)が付いているのは嬉しい上に、ロビーではコーヒー、アイス、ソフトクリームが食べ放題です。
満足度はかなり高く、また泊まりたい、日本に進出してほしい!と思うほどのホテルでした。
ちょっと休憩してから、再び街へ。捷運とタクシーを乗り継ぎ、西子湾の打狗英国領事館へやって来ました。前回訪台時に気に入ったものの、一人で寂しい思いをしたので、ヨメさん連れで再訪です(笑)。
レンガ造の洋館は、領事館の公舎だった建物。
洋館のテラスから高雄の港の夜景を見ていると、長崎のグラバー園を思い出しました。
お祭りでもあっていたのか、市街地では花火も上がっており、最高の夜景です。
せっかくなので奮発して、館内の英国料理店でのコース料理をオーダーしました。テラスで食べることもできて、貴族にでもなった気分です(笑)。
リンゴがたくさん浮かんだアイスティーは、英国式?さっぱり甘くて、おいしかったです。
コースの前菜やスープも上品な味わいで、純英国風の雰囲気も相まっていい感じです。
続いて登場、メインディッシュ。僕のポーク(写真)はともかく、ヨメさんのチキンが鶏一匹分あるんじゃないか!?というほどのボリューム。しかも八角がきいた、台湾風味の英国料理でした。
これはこれでおいしく、僕も手伝いながら大量のチキンと格闘。お腹いっぱいになり、それでも少し余すほどでした。
前回は丘の上の公舎を領事館だと思い込んでいて、そのまま帰ってしまっていたのですが、実は麓の建物こそが領事館であると今回判明。9時の閉館時間が迫っていましたが、急いで見学しました。
ライトアップされた領事館もきれいで、異国情緒あふれる港町、高雄の夜を満喫できました。
港からの夜景も眺めて、捷運の連絡バス・橙1系統で駅へ。領事館の入場券の裏側にハンコをもらっておくと、無料で乗車できます。
西子湾駅の側には、貨物駅跡を活用した鉄道博物館があるのですが、今回も時間が遅くて見学はかなわず。代わりにまだ続いていた花火大会を、広い貨物駅跡の背景に眺めることができました。
乗換駅の美麗島駅で、一旦改札を抜けてコンコースへ。ステンドグラス風のドームは、世界一美しい地下鉄駅と呼ばれます。昼間にはピアノの生演奏も行われ、文化が感じられる地下鉄です。
駅の上は六合観光夜市で賑わっているはずですが、明日の朝も早いので宿へ直行。居心地のいいホテルの布団に、くるまったのでした。
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白銀週間台湾漫遊【3-1】レトロ百貨店に憩う
■旅と鉄道
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2015年09月20日
台湾3日目は6時に早起きして、北投温泉の名物、川原の露天風呂へ行って見ました。公営ということで、入湯料は40NT(153円)と激安です。
台湾では一般的な、水着着用の温泉。体を洗うのも脱衣所兼用の水シャワーで、日本の共同湯とはだいぶ様子が違います。
早朝というのに、地元のじい様・ばあ様で満員。棚湯方式で、源泉に近い温泉は45度と、別府のアチチ湯に慣れた身にも結構な熱さです。温泉成分も濃い感じで、よく温まりました。
温泉マナーには厳しいと言われる台湾ですが、湯船で顔をぬぐわない、髪をつけない、足だけ湯につけないといった点以外は、日本のマナーと同じです。逆に脱衣所やシャワーの使い方が分からなくてまごついていたら、地元の方が親切に教えてくれました。
ホテルのコーヒーショップでブレックファーストを食べ、3日目がスタート。予約している新幹線に間に合わせるため、8時過ぎには出発です。
8月の台風の爪あとは、ここ新北投にも残っていました。
今日、明日と台北を離れるので、大きな荷物は台北駅のコインロッカーに。よく分からず捷運の駅に預けたのですが、捷運の駅ロッカーは時間制、台鉄の駅ロッカーは暦日制が多く、長時間の利用なら台鉄の方が安かった!
もちろん数時間の街歩きであれば捷運の方が手ごろなわけで、状況に合わせて使い分けたいところです。
捷運台北駅名物、シュールなアヒル人の像。前回訪台時はただただ謎だったのですが、「退屈な日常のユーモアとして…」云々の説明書きが設置され、ようやく意図を理解できました。シュール感は変わりませんが…
ところが、数日後に通りがかったたかみーによれば、看板と台座だけを残して撤去されていたとのこと。一体いずこへ!?謎が謎を呼ぶ、アヒル人です。
台鉄駅の大ホールに来ると、台北に来たことを実感できます。週末の朝とあって、大勢の旅姿の人が床に座り込んで、列車までの時間を過ごしていました。
前回訪台時には在来線をメインに使いましたが、今回は時間もないので、高鉄を軸に移動します。まずは台南まで、一気に南下です。
車内の様子は、700系新幹線そのもの。荷物置き場があるのは便利で、使っている人も多くみかけました。ぎっしり詰め込むのが是の東海道新幹線でも、本当は望まれている設備だと思います。
座席もそっくりではありますが、座り心地は、日本よりやや固めでした。
広告枠をはみ出す広告は、高鉄独特といえるかもしれません。
板橋を出れば、指定席もほぼ満席状態に。昨日の昼には余裕で指定券を取れたのですが、直前で売れる傾向にあるようです。
北部ではビル街と穀倉地帯が交互に現れ、車窓も新幹線みたいだと思っていましたが…
南に下るにつれて、車窓に映る植物の植生が変わってきました。在来線よりも視線が高くて見通しがきき、郊外を走る分、より南国感を強く感じます。
旅なら旅情を感じられる在来線!と思っていましたが、「新幹線」から見る、移り変わる台湾の車窓も印象的でした。往復するなら、片道ずつ使い分けたいところですね。
見たいところはたくさんあるので、車内で早めの昼ごはんを食べて時間節約。「高鉄弁当」の車内販売の時間には早かったので、台北駅の売店で台鉄弁当を仕入れておきました。
日本だったらビールを開けたいところですが、台湾ではあまり公共の場では飲まないようなので我慢。八角の匂いがきつく、苦手な人は苦手な台湾の弁当だけど、僕はおいしく頂けました。
高鉄台南駅着。暑い気候を反映してか、ホームはずいぶん開放的で、「新幹線」の駅として見れば違和感があります。
高鉄の駅は台北以外、中心部を避けて作られており、外には広大な農地が広がっていました。
市内へのアクセスは台鉄の新線が担っており、区間車(普通列車)が接続しています。地方都市圏でも、悠々カードが使えて便利です。
ちなみに高鉄の駅名は台南ですが、台鉄の駅名は沙崙。さらに、台鉄の台南駅は別にあります。新竹や台中も同じパターンで、日本や韓国の感覚で行くと戸惑うこと必至です。
2002年・韓国製の「おなじみの電車」ではありますが、新幹線アクセス列車として車内はリニューアルされていました。レザーの座席はモケット張りになり、窓上には2画面の案内装置が。
都会の最新車両に負けない装備になっていました。
台鉄の方の台南駅に到着。台湾の地方に行くと、古い駅舎を大切に使っている都市が多いですが、ここも例外ではありません。白亜の駅舎は、南欧の建築物を見ているようでした。
内部も、改札口付近が吹き抜けていて広々。日本の昔のターミナル駅にも、吹き抜けが多かったなと懐かしくなります。
バスはよく分からなかったので、タクシーに乗って市内へ。85NT(324円)の初乗りの距離は日本より長く、交通機関は割安感が強いです。
降り立ったのは、その名も「林(ハヤシ)百貨」。日本統治下の1932年に建てられた百貨店建築を再生して、昨年オープンしたばかりの新名所です。
台湾の建築物らしく、1階はセットバックされ歩行者の空間になっています。そういえば今はなき久留米の井筒屋も、こんな構造でした。
薄茶色のスクラッチタイルが、いい味出しています。
中は台中の特産品や、地元のクリエイターのデザインによる雑貨品を売っており、レストランやカフェもあります。
古きよき、百貨店建築の雰囲気を伝える館内。もちろんRC造の建築物なのですが、柱を触っても冷たい感じがしません。しっくい塗りかな?
丸窓は、内部と外部に共通する意匠。
階段も、重厚なつくりです。
さすがにエレベータは新調されていましたが、階数表示は創業当時のものを再現した差針式。エレベータガールでもいれば、さらに懐かしい雰囲気になることでしょう。
建築物としての見所も多い林百貨ですが、扱っている商品も見ていて面白いです。工芸品だけに値段は安くないものの、ついつい手が伸びそうになります。
日本統治下だった時代の建築物を示すものの一つが、屋上の神社跡。鳥居や社の復活はなりませでしたが、台湾ドルの硬貨の賽銭がたくさん供えてあります。
日本円は見当たらなかったので、5円玉をひとつ、置いてきました。
屋上の壁面は、部分的にガラスで保護されています。これ、第2次世界大戦当時の空襲を受けた跡。南の地も、戦火に巻き込まれたことを示す生き証人です。
交差点の対面には、同じく歴史的な建築物である台湾土地銀行の建物も。かつての第一勧業銀行台南支店で、この一角は、時が止まったのかのようです。
4階の「林珈琲」で、チーズケーキセット(130NT≒496円)をつまみながら一休み。同じカフェには日本人の家族連れもいました。
台湾は、「リノベーション」として現代の水準に近づけるのではなく、建物のオリジナリティを生かした「リニューアル」レベルでの再生活用が進んでいると前回訪台時に感じましたが、林百貨もまさにその典型例。本家日本でも数少ない戦前の百貨店建築を大切に使っていることに、日本人として感謝の念を感じました。
予定では4~50分ほどで退散する予定だった林百貨ですが、結局2時間近くゆっくりしてしまいました。高雄からでもさほどの距離ではないで、立ち寄りスポットとして一押しします。
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白銀週間台湾漫遊【2-2】異国の温泉でゆったりのびのび
■旅と鉄道
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2015年09月19日
ヨメさんと桃園空港で合流したのは、台湾時間で午後2時。ひとまずお腹も空いたので、空港地下のフードコートへと下りました。
スタバやマクドなどお馴染みの店も多いけど、台湾っぽいものが食べたい!というわけで、牛肉麺のお店へ。ツルツルっと麺をすすって、お腹を満たしました。
台北駅行きのバスは今日も長蛇の列だったので、往路と同じ高鉄ルートで台北市内へ戻ることに。桃園駅前では、屋外で音楽フェスティバルが開催されていました。
面白そうだなとちょっと冷やかしてみたのですが、そこはまだまだ真夏の台湾。じりじり照りつける日差しに、10分も歩いただけでグッタリ疲れてしまいました。日本の感覚で動いていたら、痛い目に遭いそうです。
高鉄で、桃園から台北までトンボ帰り。ちょこちょこ空席はあったものの、2人では座れず、再び立ちんぼうで台北までを過ごしました。
以前は新下関駅近くに住んでいたヨメさんにとっては、700系新幹線がすなわち、乗りなれた山陽新幹線のイメージ。異国感はゼロだそうです。
今日の泊まり先である、新北投温泉へ向かいます。台北から捷運を乗り継いで行ける新北投は、身近に楽しめる温泉地です。乗換駅の北投のホームには、歓迎のモニュメントもありました。
ちなみにこの日、当初は台北郊外の山間の温泉地・烏来に泊まる予定でした。しかし数週間前に「台風のため営業休止になった」旨のメールが。よくよく調べてみると、8月の台風で烏来温泉は壊滅的な被害を受けていました。
営業しているホテルもあるようなので、応援の意味を込めて行ってみる、という選択もなくはなかったのですが、そこは外国。情報も少ないので大事を取って見合わせ、新北投に転進しました。
新北投は、駅前から川沿いに温泉街が形成されています。
公園の中にある図書館分館は、世界一美しい図書館と称されます。背後の高層ビルは、日本から進出してきた加賀屋。日本の温泉地とは、似て非なる情緒がある新北投温泉です。
入場無料の北投温泉博物館は、1913年の日本統治下当時に作られた温泉施設。
1階はレンガ造、2階から上は日本建築の意匠になった和洋折衷の建築物ですが、不思議とチグハグな感じはしません。
2階には、畳の大広間が。縁側の柱は木造ながら、西洋風の意匠です。
階段部分にも、丁寧な彫刻が見られます。
台湾映画コーナーにあった、「50~70年代の台湾映画あるある」。イラストと英語があるので、大まかな理解は可能です。ずいぶん単純な図式にまとめた感はありますが(笑)。
しかし何よりの圧巻は、1階の浴場跡。アーチに囲まれ、ステンドグラスの光が落ちてくる深く広い浴室は、古代ローマの公衆浴場のようです。
道後や武雄、別府竹瓦など、戦前の温泉浴場には名建築も多いのですが、北投はどこともちがう重厚さが感じられました。
今日の泊まりは、温泉街の高台にある皇家季節酒店北投館(ロイヤルシーズンズホテル北投)。1泊朝食付き4,150NT(15,840円)と、僕としては大枚を叩いた感じです。
中には彫刻やらナポレオンの肖像画やらが飾られ、やたらゴージャスな雰囲気。バブリーと言ってもいいかも。
部屋もベッドも広々。調度品も豪華な感じです。冷蔵庫の中身はフリーで、嬉しいことに台湾ビールも2本置いてありました。
高台なので眺望にも期待しますが、窓を開けたら隣のアパート(笑)。外壁はかなり年季が入っており、地震の多い台湾だけに心配になります。
大浴場はありませんが、各部屋には大きな風呂があり、ゆったり温泉を楽しめます。浴槽の大きさの割にはお湯の勢いがないので、お湯張りには30分くらいかかるのでご用心。その間に冷めてもくるので、ちょっと温度高めにしておくとよさそうです。
さっそく、ほんのりと硫黄が香る温泉で、1日の疲れを癒しました。
疲れも取れたので、再び街へ。夜の温泉博物館や図書館も、いい雰囲気です。
北投~新北投間、わずか1駅の新北投支線は、1編成の電車が往復するピストン輸送。複線なのですが、1本の線路は使われていません。
専用編成は観光仕様になっていて、ディスプレイや情報端末で観光情報を手に入れられる「走る観光案内所」。ものの数分で着いてしまうので、席が少ないのは気になりませんでした。
淡水線に乗り換え、剣澤駅へ。たまたま台湾に来ていた友人・たかみーと合流して、夜市見物へと繰り出しました。
射的にエビ釣り、将棋まで、楽しい縁日的なお店もいっぱい。毎日やって、よく人が集まるなあと、毎度感心することしきりです。
地下1階の「美食街」へ。地下の空間は、人でぎっしりです。あまりに入りすぎると入場制限がかかるようだけど、この状態でも火災が起きたらと想像すると…あまり考えないでおこう。
290NT(1,107円)なりのヒレステーキと、台湾ビールで乾杯! ヒレステーキにしては硬くて、胡椒もききすぎな感じではありますが、がっつり肉!という満足感はありました。
賑やかな夜市のど真ん中でも、寺院の一角だけは空気が違います。お香の香りは、アジア人共通の安らぎです。
夜市の余韻を、クールで清潔な捷運の電車で冷ましつつ、宿へと帰ったのでした。
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白銀週間台湾漫遊【2-1】早起きで未乗線を踏破
■旅と鉄道
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2015年09月19日
ぐっすり眠り、すっきりと目覚めた九分の朝。朝食は8時半からとのことなので、それまでの時間、九分の街の散策に出かけました。
東を向いた九分の街。朝日に建物が輝きます。海も青く、展望台から静かな時間を独り占めです。
昼間は観光客でごった返す「老街」も、ひっそりした時間帯です。シャッターの開いている数少ない建物には、仕込みに精を出す店の人の姿がありました。
九分の街中を、等高線に沿って貫く細い道は「軽便路」と呼ばれます。その名の通り、かつて鉱山からの物資を運んでいた軽便鉄道の線路跡なのだとか。
道の細さや、ゆるやかに曲がったカーブに鉄道の名残が感じられました。残っていたら、いい観光資源にもなっていただろうな。
軽便路沿いにある五番坑公園は、かつての坑道入口がある公園。入り口はレンガ造になっている、がっしりした坑道です。坑道からはパイプが伸びており、飲み水の供給源にでもなっているんでしょうか。
中をのぞいてみると、鳥たちが羽を休めていました。
早起きの観光客がちらほらしかいない、メインストリート。8時を過ぎると登ってくるバスは満員状態になっており、人気観光地の1日が始まろうとしていました。
宿に戻ってベランダで涼んでいたら、スタッフさんが早めに朝食を出してくれました。サンドイッチと梨という質素なものですが、この景色の中で食べればご馳走です。
早めにご飯を出してくれたおかげで、8時半過ぎにはチェックアウト。台北方面のバスに乗って、山を下りました。
台湾の旅の必需品、悠々カードはこのバスでも使えます。九分行きをはじめ、距離で運賃が変わる長距離路線では上下車時のタッチが必要。日本と同じですね。
20分かからずに瑞芳駅着。土曜のまだ9時なのに、駅前の街は休日を楽しむ人で、はやくも賑やかになっていました。
瑞芳からは、昨年1月にできたばかりの新線・深澳線をのりつぶします。正確には廃止路線の復活で、海洋技術博物館の最寄り駅・海技館駅までわずか1駅の路線です。
派手にラッピングされたディーゼルカーは、観光地として有名な十分方面と直通運転されています。
台湾ローカル支線のディーゼルカーの一部には、運転士横にまで座席が延びているのが鉄っちゃんには嬉しいところ。たいてい、「同好の士」に占められていることの多い席ですが、海技館行きはガラガラで、特等席も空いていました。
台北方面の自強号の接続を受けて、海技館行きも発車です。
本線格の宜蘭線から分岐して、単線の線路をゆっくり、ゆっくりと進みます。台鉄のローカル線は、日本のJRに比べれるとだいぶスローペースです。PC枕木が敷かれた一見立派な線路も、よく見てみれば線路のくるいが大きく、あまりスピードは上げられないようでした。
特に車窓に見るべきものもなく、マンション群が近づいてくれば終点・海技館。
単線1面のホームがあるだけの、無人駅。カードの読み取り機はあり、カードがない人は車内清算という、日本の都市近郊ローカル線のような風景です。待合所やベンチなどは、海技館周辺の施設と共通のデザインがなされていました。
終点のはずですが、列車は一度、先の線路まで引き上げて行きました。
海洋技術博物館までは、徒歩5分程度。何かイベントがあっていたようで、朝早くから人が集まっていました。それにしては、さほど列車は混んでいなかったような…バスも頻繁に走っており、1時間に1本の列車を使う人は、多くなさそうです。
18分間の駅前散策を終え、折り返し列車へ。このまま瑞芳で降りても台北方面の列車までは時間があったので、逆方向に乗り進めてみました。瑞芳からはどっと観光客が乗り込んできて、一気に満員列車に。晴れの土曜、十分観光に繰り出す人々は浮き足立っていました。
瑞芳から1駅の侯硐で、人々を掻き分けて下車。
この街は、野良猫と共生する街として有名で、猫目当てで降り立つ人も多い、ちょっとした観光地になっています。
駅の待合室では、さっそく我が物顔で鎮座する野良猫君が出迎えてくれました。
猫村の中心部は、歩道橋を渡った駅裏の高台です。育ちのいい野良猫が、ひがな一日を過ごしてました。
観光客も、猫の視線を向けてもらうのに必死です。
侯硐には前回訪台時にも訪れていたのですが、夜も遅くほとんどの店が閉まっていました。せっかく昼間に再訪したので、空いていたカフェに入ろう…としたところ、店の敷居につまづいてしまいました。店員さんの「小心!」という気遣いに、癒されます。
メニューには珍しく、クラフトビールがありました。その名も「ネコビール」。台北の工場で生産されているとかで、がっつりクラフトな味がしました。
濃い目のビールは台湾の気候に合わないのか、氷を浮かべてあるのは独特です。
店主は名前を呼んで、外の猫を招き入れていました。最大3匹になった猫のうち、どの猫が「店猫」で、どの猫が野良猫なのかは分かりません。
侯硐から台北方面へは、区間車に乗りました。普通電車に当たる区間車の車両にも、古豪のつり掛け駆動車から、とんがりフェイスの「スネ夫」、最新型の「スマイルトレイン」などバリエーションがあるのですが、僕はいつもこの電車です。
朝ビールを飲んだ身には、トイレ付きというのは心底ありがたかったです。
近年は自転車の持ち込みが認められているようで、隣の車両にはチャリダーの姿がありました。
台北駅をスルーして、お隣・新北市の市役所所在駅、板橋で下車しました。捷運や高鉄も接続しており、新横浜的なポジションの駅です。
捷運だけでなく、台鉄も地下駅になっています。ディーゼルの特急や、機関車牽引の客車列車が発車するときは、騒音でなかなかの迫力があります。
高鉄も地下駅。こちらはぐっとスマートな雰囲気です。指定席制の台鉄と異なり、高鉄は日本の新幹線と同じく自由席もあります。券売機で桃園までの「自由座」の券を買って、ホームへと降りました。
ちなみに桃園までの運賃は135NT(515円)。高鉄は距離比例の運賃なので、近距離でも割高にはならず、実際気軽な近距離利用も多く見られます。
週末の昼間とあって自由座も満席で、デッキに立って過ごしました。地上に出ると、桃園空港に離発着する飛行機が見えてきます。
再び地下に潜って、桃園着。台北からわずか23キロですが、降りる人も多く見られました。
桃園駅前にも、空港アクセス鉄道の駅舎ができあがっていました。台北までは捷運で直通、台湾南部へはここで捷運と高鉄を乗り継げばいいわけで、かなり便利になりそう。早く開業してほしいものです。
捷運のない今は、シャトルバスがその責を担います。高鉄が着くとバス乗り場は大行列になりますが、どんどん続行便を仕立ててくれるので、さほど待たずとも乗車できます。
チケット制で、行列の途中で切符を買えます。悠々カードも使えますが、下車時のタッチが前ドアでしかできずに面倒。カードを持っている人は多そうなのに、ほとんどの人がチケットを買っているのは、スムーズに降りたいからかも。
緑色のノンステップバスが、空港シャトルバス。荷物置き場がない代わりに、係員さんが中ドアまわりの空間にトランクを押し込んでくれます。全員着席の定員乗車で、出発です。
さて、なぜ桃園に戻ってきたかといえば、1日遅れでやってくるヨメさんを出迎えるため。あ、私7月に入籍しましたことを、この場を借りてご報告します(笑)。
しかしヨメさんの飛行機が第1、第2のどちらのターミナルに着くのかを、迂闊にも調べていませんでした。ひとまず第1で降りたものの、案内所で第2であることを知り、いそいそとシャトルトレインへ。
無人運転で快走するシャトルトレイン。乗ったことがなかったから、これはこれでいいのだ!なんて言っている場合ではありません。
昨日くぐってきた第2ターミナルのゲートを探していたら、ヨメさん、すでに入国して両替まで済ませていました。ガックリ、間に合わなかった…
ちなみに僕は、半年前に抑えたエバー航空の直行便で2万5千円。一方、2週間前に急遽予定変更を余儀なくされたヨメさんは、エアープサンの釜山乗り継ぎで4万5千円でした。乗り継ぎが発生した上に割高になってしまいましたが、エバーで2週間前に取れば10万は下らず、まずまずの買い物だったと思います。
つづく。
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白銀週間台湾漫遊【1】バスを乗り継ぎ夜の九分へ
■旅と鉄道
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2015年09月18日
今年は、待ちに待ったシルバーウイークのある年!この機会を逃すまいと、3月には早々と航空券を抑えていました。
その行き先は、台湾。一昨年~昨年の年越しを迎えて以来、1年半ぶりの訪台になります。異国なのに、どこか懐かしい場所。かの地は晩夏といえる時期、どんな表情を見せてくれるのでしょうか。
SWの1日前、9月18日に遅い夏休みを貰って出発です。台湾・台北までの足に利用するのは、前回と同じくエバー航空の直行便。おっちゃんにはちょっと気恥ずかしくなるような、ハローキティのジェット機です。
台湾人、日本人に関わらず大人気で、滑走路に降り立ってきた時には大勢がカメラを構えていました。
機内もご覧の通りのキティづくし。枕カバーは、ちゃんと秋バージョンになっています。
台湾・桃園空港側の滑走路混雑で往路便が遅れたため、折り返し便の桃園行きも1時間半遅れで離陸。久留米の我が職場を眼下にしながら、高度を稼いで行きます。
エバー航空はLCCではないため、機内食もきっちり1食分出てきます。暖かいパンがおいしいです。おかずは台湾風味で苦手な人も多いようですが、僕は大丈夫。アイスまで食べて、満腹になりました。
全席にテレビモニタがあるのも大手キャリアならでは。青春映画を見ながらくつろいでいたら、いつしか外の空と海の色が変わっていました。
前回は北側から着陸しましたが、今回は南の海側から滑走路に進入していきます。
直前には桃園周辺を走る台鉄(在来線)の電車を見下ろし、さらに遠くには高架橋の上を高鉄(新幹線)が走り抜けて行きました。ジオラマのような風景が、楽しい鉄道の旅が待っていることを予感させます。
定刻より1時間半遅れて、台湾・桃園空港着。前回は年末だったこともあり、入国審査も携帯会社のカウンターも長蛇の列でしたが、今回は空いていて、1時間で空港を脱出できました。
現地での通信手段は、手持ちのスマホ(SIMロック解除済み)に台湾モバイルのSIMカードを挿して確保。5日間300NTで3G通信無制限、50NT分の通話もついているので、ルーターのレンタルよりだいぶ割安感があります。設定も、カウンターのお姉さんがやってくれるので安心です。
台北駅行きのバスには行列ができていたので、東京でいえば羽田に当たる、松山空港行きのバスに乗ってみました。松山空港にも電車が乗り入れているので、目的地によっては早く市内に入れます。
バスの車窓には、すでに完成している空港連絡鉄道の高架橋が。予定ではとっくにできていたはずの鉄道も、台湾らしくずるずる開業延期中です。今年末の開業がアナウンスされていますが、さてどうなることやら。
夕方5時、ようやく松山空港着。羽田から乗ればここまで直接飛んでこられるわけで、うらやましくもあります。
福岡はアジア圏各国に近いことをアドバンテージに掲げているものの、ソウル、台北、上海に関してはシャトル便の存在で東京優位といえる状況であり、なんとも歯がゆいところです。
空港には、捷運(近郊電車)の文湖線が乗り入れています。ゴムタイヤで走る新交通システムで、無人運行です。金曜夕方のラッシュ時とあって、3分間隔で次々電車はやってきますが、乗り切れないほどの満員でした。
捷運の足元を走る幹線道路は、車以上にバイクでいっぱい。騒々しいエンジン音は、日本と変わらない近代的な街並みの中に、台湾を感じさせます。
南京復興駅で下車。歩いて10分のセブンイレブン前には、この8月に「誕生」したばかりの名所があります。その名も「微笑萌ポスト」。緑と赤の双子のポストが、「腰」のあたりから斜めになっている、なんとも「萌」な名所です。
実はこれ、8月の台風の際に猛烈な風で傾いてしまったもの。台風一過の台湾の話題をさらう人気者となり、あまりの加熱ぶりに移設も検討されたとか。今はだいぶ落ち着いたものの、平日夕方でも記念写真を撮る人が数組取り囲んでいました。
台風の遺構が名物になってしまう台湾のノリ、僕は好きです。
台北の市内にはコミュニティサイクルが設置されていて、これが結構利用されています。オレンジの自転車は、街の景観としてもよいアクセントです。
今日の宿泊先は、山間の九分。宜蘭線の瑞芳からバスでアクセスするのが定番ルートですが、南京復興の隣駅、忠孝復興から直行のバスも出ているので、乗ってみることにしました。
バイクの洪水の中を、泳ぐように走っていきますです。車内はガンガンに冷房が効いていて、山で使うつもりでいた上着を羽織って暖を取りました。
台北101の夜景を見ながら、台北の街を離れます。高速が混雑したり、住宅街へ入ったりもするものだから、瑞芳駅まで2時間近くを要しました。
さらにバスも瑞芳駅前止まりの便で、結局は瑞芳からのバスに乗り換えることに。これなら素直に、列車で来た方が早かった…とっぷり日も暮れてしまい、九分名物の夕暮れにも間に合いませんでした。
バスを降り、宿を探したものの、あてにしていたGoogleマップでは大まかな位置しか出てきません。電話をかけてみても、片言の英語では自分の位置を伝えることもままならず。近所の人に聞いてみましたが、他人の家の軒先に迷い込んでしまい、あてもなく歩いていたらたまたま発見しました。ああ、疲れた…
今夜の宿は、小角落民宿(コーナー・イン)。ドミトリー式のゲストハウスで、朝食付き800NTでした。僕の部屋には今日は客はなく、事実上の貸し切り状態。さみしい気はするけど、気楽に過ごせそうです。
夜8時、ご飯も食べていないので、さっそく夜の街歩きに出発です。公式には否定されているものの、千と千尋の神隠しのモデルにもなったと言われる九分の街並み。名物のランタンは残念ながら消えていましたが、人も少なく、ゆったりと歩くことができました。
食堂の類は次々に閉まり始めており、えり好みもできず、眺めのよさそうな食堂兼民宿へ。一人用の「火鍋」があったのはありがたく、汗をかきつつ鍋をつつきました。
大規模なホテルはない九分にも、このようなカフェや食堂を兼業している民宿はあまたあります。宿泊サイトを駆使して探すもよし、今日のような平日の夜なら、飛び込みでも見つかるかもしれません。特に夜は市内行きのバスの本数も減ってしまうので、時間を気にせず散策したいなら泊りがオススメ。
宿で素晴らしかったのは、テラスからの眺め。見下ろす海上には、漁火が揺れています。コンビニで買ってきたビールを一人傾け、海から吹き上げてくる夜風を浴びつつ、異国のヒトリノ夜は過ぎていきました。
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