Chang! Blog
福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです




 8月最初の週末、鹿児島県・東シナ海に浮かぶ甑島の島旅に誘われました。この記事のタイトルは、主催者命名の企画名そのままです。
 せっかくなので薩摩川内までの往路は、お馴染み肥薩おれんじ食堂「おれんじバー」の新プログラムを楽しみながら下ることにしました。


 久留米までは快速に乗って節約、800系「さくら」に乗り換えて新八代まで駆け抜けました。
 途中、熊本の前後では「九州をどこまでも」の音楽に乗せて、ドリカムの車内放送が。ちょっと音量が大きすぎる気はしたけど、楽しい旅が始まる気分が盛り上がりました。


 新八代駅の在来線ホームに移り、「おれんじ食堂」をお出迎え。川内からの「クルージングディナー」は、平日にも関わらず、団体さんを中心にかなりの人数が降りてきました。
 フルコースで楽しめば2万円を超える高値ですが、各地で続々登場しているレストラン列車の先駆者は、今も変わらぬ人気を保ってます。


 一方、水俣へと下るおれんじバーの乗客は、僕らを除けば1人だけ。以前のダイヤではディナーコースとして川内まで行っていましたが、その時から昼便より閑散としている印象はありました。
 さっそく「ワンプレートおつまみ」と、料金に含まれるワンドリンクが運ばれてきました。車窓を眺めながらの冷え冷えビールは文句なくおいしいものの、おつまみはスナック菓子を皿に盛っただけというのは…。


 料理とは言わずとも、せめて日奈久ちくわか薩摩あげでも付いていれば…「おれんじ食堂」に期待するクオリティに ほど遠いおつまみは残念だ…乗車+ワンドリンク+おつまみで3,800円というのは、ちょっと高いんじゃ…
 などと不平も浮かんできますが、充実したドリンクメニューを見ていると、テンションも戻ってきます。特に、きちんとグラスに注がれて出てくる焼酎は、1杯300円と割安です。


 夕暮れに乾杯!豊富な銘柄を前に、あれもこれもと手が出てしまい、ついつい飲みすぎてしまいました。


 東シナ海沿岸に出る頃には、ちょうど日没の時間を迎えていました。これは最高な車窓!と喜んでいたものの、列車は全速力で海岸線を走り抜けてしまいます。
 これまでは、夜便であっても徐行運転を行っていた区間。客室乗務員の車窓案内の放送もなく、どうしてしまったんでしょう。


 車端部に準備されている沿線銘菓は、食べ放題。特に案内がありませんでしたので、取り逃しませぬように!
 沿線の果物の味が詰まったクッキーやマドレーヌは、毎度のことながら美味です。


 運転席の後ろにピアノが準備されているものの、演者は2号車で休憩中。生演奏は昼便向けのサービスで、「おれんじバー」での演奏はありませんでした。


 「おれんじバー」は、本来回送となる区間を、金曜限定で営業している形。でも決して安くはないお金を取って乗せるのだから、手は抜いてほしくないというのが、偽らざる感想です。
 とはいえ、これまでの「おれんじ食堂」のクオリティが高すぎたからこそ出てくる感想なのは確か。本格的な焼酎を心行くまで楽み、ごきげんで下車したのでした。


 出水から川内までの1駅間は、新幹線で移動。「おれんじ食堂」を挟むと新幹線が細切れの乗車になってしまい、どうしても高くなってしまうのはネックの一つです。
 福岡から川内や鹿児島まで、おれんじ鉄道の区間を中抜きにした割引きっぷがあればと思います。


 川内で下車。本日の泊りは、川内駅前のスーパーホテルです。2割のプレミアが付く「ふるさと旅行券」を活用して、実質4千円台で泊まれました。
 広めのベッドや大浴場もあって、至極快適なビジネスホテルです。


 「バー」でだいぶ飲んでしまいましたが、改めて近所の飲み屋さんへ。


 20時までのサービスタイムに入れば、生中が305円というのは納得の範囲。しかし同じ時間帯なら、焼酎飲み放題325円というのは衝撃プライスで、さすがは鹿児島です。


 料理もおいしければ、店の子も元気元気!旅の本番を前に、日付が変わるまですっかり楽しんだ0日目でした。

コメント ( 0 )
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする




 7月下旬、京都方面に所用ができた私。せっかくなので、未乗線区の「のりつぶし」を兼ねて、あちこち寄り道しながら行ってみることにしました。


 まずは新幹線に乗り込んで、岡山へ。時間の都合でN700系の「のぞみ」にしました。
 足元こそ広いものの、4列シートの「さくら」に比べると、どうしても窮屈に感じてしまう5列シート。ゆったりサルーンシートの旅は、帰路に楽しみました。


 岡山駅で荷物を預け、普通電車で倉敷へ。新型電車227系はまだ岡山まで入っておらず、国鉄形の「黄色い電車」の牙城です。
 ただ車内は関西の新快速電車並みにグレードアップされており、なかなか快適でした。


 倉敷からは、まだ乗ったことがなかった私鉄・水島臨海鉄道を乗り潰します。
 駅名はJR倉敷駅とは別の「倉敷市」になっていて、駅舎も立体駐車場の1階に自前で構えています。


 駐車場の下に入ってきた列車は、全国のローカル私鉄で見られるタイプのワンマン気動車・1両編成。到着した列車はほぼ満員で、下りも下校の高校生でいっぱいになりました。


 単行ワンマンの列車が行き交う路線となると、純朴なローカル線を想像しますが、そうでないのがこの路線の面白さ。
 単線ながらも立派な高架橋が続き、駅もほとんどが高架駅です。


 ホームも長く、駅の有効長はそれ以上に長くとられています。
 臨海鉄道の名が示す通り、主たる役割は貨物輸送。立派な施設は、重量級の貨物列車を支えるためのものなのです。


 旧水島市の中心、水島までは昼でも1時間に2本程度の列車がありますが、最後の一駅・三菱自工前までの本数はガクンと減ります。
 満員近かった車内も、最終コースではわずか3人に。片面ホームだけの地上駅は、どの駅よりも質素なものでした。


 駅前にはその名が示す通り、三菱自動車の工場が。工員の通勤輸送も一定量はあるのでしょうが、工場地帯とあって周辺の人口は少ないようです。昼間の本数が減ってしまうのも、その表れでしょう。


 折り返しの列車は2時間後ですが、本数の増える水島駅まで歩いて15分もかからないので、とぼとぼ戻りました。
 旧市の玄関口の水島駅前には、だだっぴろい空き地が広がっていました。再開発用地かと思えば、なんと芝生広場(!)とのこと。芝生はいずこへ…


 駅前バス乗り場も、かなりのバスをさばけるスペックがあるのですが、使われている乗り場は2つだけでした。
 高架から見る街も元気はないように見えたけど、夜は賑わうのかな。


 シンプルな車内の列車で、倉敷市へと戻りました。


 せっかく倉敷に来たので、市駅のレンタルサイクルを借りて、1時間の駆け足サイクリングへ。
 観光川舟が行き交い、歴史ある建物が並ぶ美観地区は、外国人観光客にも人気のスポット。日本語よりも、中国語の方が耳に入ってきます。


 裏通りに入ると、思わず引き込まれそうになる路地や階段が。歩いて楽しい街であることには、間違いありません。
 7月下旬とあってうだるような暑さだったけど、今度はいい季節にヨメさんと来たいものです。


 美観地区に隣接する倉敷アイビースクエアは、倉敷紡績旧本社工場を再生した複合施設。レンガ造の建物には、びっしりとツタが絡みます。
 NHK朝の連ドラ「マッサン」の、スコットランドでのワンシーンも、実はここで撮られたものだとか。


 夏の時期は、中庭はビアガーデンになっています。歴史ある工場建築で飲むビール、たまらないだろうな。


 自転車を返し、駅裏に回ると、ショッピングセンターとアウトレットが並ぶ一大ショッピングゾーンになっていました。
 駅前がヨーロッパテイストで整備されているのは、かつてこの場所がテーマパーク・倉敷チボリ公園だった名残り。わずか11年の短命で終わったテーマパークでした。


 変わって登場したショッピングゾーンは、駅前なので学生にも便利。平日なのでガランとしていましたが、週末には賑わうのでしょう…たぶん。


 電車で岡山に戻り、昨年末にできたばかりの駅前ショッピングセンター「イオンモール岡山」へ。
 よくわからずに、汗をかきかき地上を歩いて行きましたが、地下街と直結し、駅から雨に濡れず陽にも当たらずに行ける立地です。


 西日本地区における、イオンのフラッグシップ店を標榜する岡山店。平日昼間にも関わらず、多くの人でごった返していました。
 大駐車場もあるので、車持ちでもそうでなくても便利なモール。同じような立地の倉敷駅前のSCからも、それなりにお客さんは奪っているのかもしれません。


 JRに限らず、路面電車やバスを使って来ると商品券が当たるキャンペーンも実施中。
 岡山市は市民病院も駅前立地で、公共交通をまちづくりの軸に通しています。


 単なるSCに留まらず、ホールやテレビスタジオを備えているのも特徴。
 デパートの「デパ地下」のみがテナントに入っているのも話題ですが、大きすぎて全貌を掴むには半日はかかりそう。細かい観察は、次回に回します!


 岡山からは、未乗だった赤穂線に乗りました。持っている切符は山陽本線経由の往復乗車券ですが、赤穂線を経由してもOK。途中下車もできます。
 快速マリンライナーで活躍した213系が来るのを期待しましたが、例の「黄色い電車」の4両編成でした。


 路線図を見ると海沿いにあるように見える赤穂線も、実際に海岸を走るのはごくわずか。
 日生駅では小豆島行フェリーが連絡し、ふらふらと降りたくなってしまいます。


 播州赤穂駅で下車。同じホームで大阪方面の新快速が接続していましたが、せっかくなので途中下車しました。
 人通りの少ない駅前通りですが、電線は地中化され、街路樹に植えられているのは松。城下町の雰囲気づくりに勤めていました。


 赤穂では、45歳までが若者に定義されるそうです。34歳の僕なんか、まだまだ青春真っただ中ですね(笑)。
 これ、定住促進のPRの一つ。新快速で京阪神に直結する利便性の高い街でも、定住促進には政策を打たねばならないようです。


 赤穂大石神社は、17時をまわり門が閉じられており残念。参道にずらり並ぶ、四十七士の像を拝みました。


 赤穂城址にも立ち入ることができませんでした。
 しかたなく引き返し、駅前通りの寿司屋であなご重を頂いて、この地を訪ねた証としました。


 新快速に乗り、時速130kmの走りを楽しみつつ神戸市内へ。普通に乗り換えて、さくら夙川駅で下車しました。自動改札がピンク色になっており、近所の名物であるさくらのイメージを表現していました。
 並行私鉄の牙城だったエリアに切り込み、2007年に開業した新駅。乗客も年数百人のペースで伸び続けています。ただ街の中心は、まだまだ私鉄の方です。


 阪神西宮からは、阪神電車で尼崎へ。データイムはわりとシンプルになった阪神のダイヤですが、ラッシュ時はさまざまな列車種別が入り乱れ、一見の地方人にはおよそ理解不能です。
 甲子園からは、野球観戦帰りの「寅党」でぎっしり満員になりました。


 本日の泊りは、尼崎駅前。2万歩以上歩いた疲れもあって、立ち飲み屋でかるく飲んで終わりました。
 いろんな飲み屋が並んで楽しそうな界隈。また泊まってみたいな。


 翌朝も、阪神電車で東へ移動。尼崎駅では、優等列車の退避でホーム中線に止まる普通電車が、両側の扉を開ける珍しい光景が見られます。
 各方面へホームタッチで乗り換えられるだけでなく、普通電車の車内を「通り抜けて」2つ向こうのホームまで乗り継げるように配慮された、ユニークな試みです。


 阪神野田で下車して、隣接するJR東西線の海老江駅まで歩いて乗り換え。放出(はなてん)駅で下車し、おおさか東線の電車に乗り込みました。2008年に、城東貨物線を旅客線化して開業した路線です。
 この路線も未乗だったので、あえて遠回りして乗りに来ました。


 放出からしばらくは、従来の単線高架に線増した様子が見て取れますが、高架ごと作り変えた区間も多いようです。
 ラッシュ時だから当たり前とはいえ、電車はぎっしり満員。旅客線化は、地元が待ち望んだものだったことでしょう。


 大和路線で王寺まで乗り、和歌山線・桜井線を迂回する奈良行きに乗り換えました。和歌山線も全線未乗ですが、ひとまず桜井線を乗りつぶしておこうという狙いです。
 2両の105系電車も単色カラーに変わりましたが、落ち着いていて好感の持てる色合いです。


 運転席後ろに備えられたハシゴは、津波に備えた避難用の非常ハシゴ。和歌山線、桜井線ともに内陸を走りますが、紀勢本線の運用に入ることもあるのでしょう。


 2両編成の電車が田園地帯を走る光景は、ローカル線そのもの。ただ沿線人口は少なくなく、主たる輸送は近鉄が担っているようです。


 JR奈良駅着。高架になってからは、初めてて来ました。前の駅舎は威厳のあるものでしたが、高架の駅は木質系の内装で無機質さを和らげています。


 京都までは、221系の「みやこ路快速」に乗車。京奈間といえば近鉄のイメージですが、6両の快速が30分間隔で行き交うJRにも一定の分があります。
 特にジャパンレールパスだとJRが乗り放題なので、外国人観光客の姿を多く見かけました。


 221系電車は、リニューアル車両でした。新型車両並みの内装になり、座席も減らしてデッキが広くなりました。
 ただ「バブル世代特急」に似た香りのする、以前の内装が好みではあります。


 ゆったりクロスシートで45分、京都着。壮大なスケールの京都駅は、18年の歳月を経てなお新鮮でした。

コメント ( 0 )
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする





 韓国からの帰路は、釜山から博多を結ぶ夜行航路の「カメリア」を利用しました。
 ビートルがお手頃になってからはすっかり縁遠くなり、LCCの登場でさらに乗る機会が減ったフェリーですが、旅らしい「ゆとり」を味わうには一番のチョイスだと思います。


 のびやかな吹き抜けは、船内にいることを忘れます。


 今回利用したのは、特等室ツイン。特等とはいっても、2等桟敷席との差額は通常価格で5,000円です。今回は格安ツアーだったので追加料金は6,500円かかりましたが、それでも許容範囲のお値段でした。
 その室内はご覧の通り。シティホテル並みと言っても、差支えないレベルだと思います。


 韓国のホテルでは、環境保護の観点から有料提供になることが多いアメニティですが、フェリーでは充実。


 専用のシャワーが付いているのも、嬉しいところです。ただ僕は広い湯船でゆったりしたかったので、大浴場を利用しました。韓国の人は朝風呂派が多いので、夜のうちの入浴がおすすめです。
 ちなみにフェリーの乗客は、9割5分で韓国人優勢。もともとフェリーは韓国人の割合が高いのですが、円安と相まってさらに比率は高まっている印象です。


 旅の楽しみは食事から。夕食は、食券による定食スタイルです。
 弁当を持ち込む人が多いようで、ほぼ満席の乗り具合ながら、レストランは余裕がありました。


 焼肉定食(1,000円)に、生ビール(400円)をチョイス。生ビールは「グラス」と書かれていますが、ジョッキで出てくるのでご安心を。免税の割には、あまり安くありません。
 ただ釜山港の夜景を眺めながらの夕ご飯は、なかなかな贅沢感があります。


 船内にはカラオケボックスがあり、韓国では一般的な室料制。小ルームなら1,000円/1時間なので、人数が増えるほど割安です。
 小は埋まっていたので、1,500円の中ルームへ。テーブルの上には、日本のDAMと、韓国のKMのリモコンが仲良く並んでいました。


 テレビの後ろにあるスイッチで、日韓のカラオケを使い分けることができるのが嬉しいところ。相方はDAM、僕は滅多に歌えないKMを中心に、切り替えながら歌いました。
 こんなカラオケボックスが、日本にもあったらと思います。
 

 ただ僕の好きなペッパートーンズは、韓国のKMですら収録曲はこの6曲だけなんだよな~!
 最新曲はもう一つの大手、TJメディアの方に多く収録されていて、いろいろ歌いたければ韓国本土のカラオケに乗り込む他ないようです。


 乗船締め切り時刻は20時ですが、出航は22時。カラオケを歌い終わっても、まだ停泊中です。釜山港大橋のライトアップは、雲にまで反射していました。
 出航後、釜山港大橋をくぐるところを見たくてデッキに出ようとしたら、デッキが施錠されていて出られず残念!


 心配していた揺れはさほどではなく、ぐっすり眠って目覚めれば博多港。実際の所用時間は6時間程度ですが、税関の「営業時間」の関係で、港の停泊時間が長くなっています。


 朝食はバイキング式。昼便になる博多→釜山間の昼食も同じ方式です。


 港を見ながら、いただきまーす!旅も終わりですが、1日の英気を養うべくしっかりと食べました。


 施錠されていたデッキも、再び解放されていました。デッキの手すりには「恋人の聖地」よろしく、願いの錠をぶらさげるコーナーが。
 潮風を受けて錠はすっかり錆びついていましたが、これくらい錆びれば簡単に外れることはない…かも。


 バスに乗り博多駅に戻れば、工事中の博多マルイのカーテンウォールが姿を現していました。
 旅は終わりですが、朝日を浴びた真新しいビルの輝きは、同時に祝日の1日の始まりも告げていたのでした。

コメント ( 0 )
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする




 釜山・南浦で迎えた朝。ホテルを出て、前夜の喧騒がうそのような飲み屋街を抜け、駅へと向かいました。


 相方は韓国の汽車旅初体験ということで、大邱までの往復は往路を在来線、復路をKTX(韓国高速鉄道)と使い分けてみました。
 往路は急行格の「ムグンファ」を利用。日本では風前の灯火となりつつある、機関車牽引の客車列車です。近年、韓国でも電車列車が増えつつあり、近いうちに懐かしむ時代が来そうな気がします。


 KTXは釜山を出るとほどなくトンネルに突入してしまいますが、在来線は雑然とした街並みから郊外、洛東江(ナットンガン)の河原へと移り変わる車窓を楽しめます。
 洛東江沿いのサイクリングロードには、すっかりスポーツとして市民権を得たサイクリングを楽しむ人が、ずらり連なっていました。


 急速に数を減らしつつある、特急格「セマウル」の客車列車。電車の「itxセマウル」に押され用済みとなり、休車状態の車両が留置されている姿を、あちこちの駅で見ました。
 itxセマウルにはまだ乗ったことがなく興味はあるのですが、いずれ嫌でも乗る機会は増えそうなので、あえて今は避けています。


 大邱市内の中心駅、大邱で下車。KTXの列車は東大邱にしか止まらず、便利な大邱駅を使えるのは在来線列車の強みです。
 タクシーを飛ばし、電子関連の工場が並ぶ工業団地の中心にある「電子館」へ。


 吹き抜けのある立派なビルの中には、小規模な専門店がずらり入居。最新の韓国家電も興味深く、ついつい見入ってしまいます。
 それはいいとして、ここに結婚式場といわれても、いまいちピンとこない感じですが…


 エレベーターで5階まで上がると、立派なウエディングホールになっていました。
 周辺の電気工場は日曜休業なので駐車場に余裕があり、日曜中心のウエディングホールを併設するのは合理的なのかも。


 韓国の結婚式なんて、派手にやりそうだな!というイメージを持っている方も多いかもしれませんが、実は日本よりずっとあっさりしています。今回の挙式も、なんと25分!韓国では、ごく一般的な時間設定です。
 それでも、恩師からの言葉にシャンパンタワー、記念撮影、ブーケトスと続く、メモリアルな式であることに間違いありません。おめでとうございます!


 その後は、受付の時に渡された「食券」を手に…


 ワンフロア下の食堂で、自由にご飯を食べてお開きです。同じ時間帯に複数の式があった時なんかは、違う式の出席者と入り乱れることもあります^^;;
 ビールや焼酎は冷蔵庫から自由に取って飲むことができ、韓国での「飲み放題」ってこの時くらいなもの。さぞかし暴飲暴食するんだろうと思いきや、あまり派手に飲み食いしないのも、なぜだかセオリーです。僕らも新郎新婦にあいさつして、ほどほどでおいとましました。




 大邱では4月に韓国初のモノレールが開業したばかりなので、ついでに乗りに行くことに。タクシーに乗り込み、
 「一番近い3号線の駅まで」
 「最終目的地はどちら?」
 「いやあ、3号線に乗ってみたいだけなんですが…」
 「分かりました」
 鉄道趣味が一般的ではなかった韓国で、こんな会話が成立するとは。話題を集めた新路線だったのかもしれません。10分ほど走り、万坪(マンピョン)駅に着きました。


 韓国初のモノレールとなった3号線は、日本の日立製。日本人にとっては違和感のない走りで、北九州モノレールにでも乗っている気分になります。
 日曜の昼下がりということを差し引いても乗客は多く、沿線では待望の新路線だったようです。


 地下鉄1号線との接続駅、明徳駅で下車。乗り換え客でごった返しました。


 ホームから北側を望むと、大邱タワーの下を行き交うモノレールが見えました。開業3ヶ月とあって物珍しさはあるようで、道路からは手を振る人の姿も。
 鉄道は迷惑施設という考え方が日本より強い韓国では、やたらと地下鉄が多いという傾向にありました。しかし近年では高架を走る「軽電鉄」が増えてきており、モノレールも受け入れられるようになってきたのかもしれません。


 地下鉄1号線に乗り、中心街の中央路で下車しました。大邱いちばんの繁華街の最寄駅でもあるここは、2003年の地下鉄放火事件で、192名もの犠牲者を出した悲劇の現場でもあります。
 あれ以来、防炎マスクは韓国の地下鉄ホームに備えられるようになりました。ただ見る限り慰霊碑などが見当たらず、風化していないか心配にもなります。もっとも韓国では重大事件の現場に碑を立てても、あまり管理されないとニュースで問題提起されていました。


 地上に出ると、短い休日を楽しむ人で歩行者天国はごった返していました。地方とはいえ、さすがは韓国第3の都市。
 僕らも、雑貨屋や服屋をひやかし、異国の休日を楽しみました。


 帰路はKTXで、釜山へひとっとび。駅の裏手に出ると、海岸に斬新な建物ができていました。後で調べてみるとこれ、釜山港の国際ターミナルだとか。7月完成の予定が遅れているようですが、完成の暁には便利になりそうです。
 重い荷物を手に地下鉄に乗って、駅から10分のフェリーターミナルまで歩きましたが、これも最後になるのかもしれません。

コメント ( 0 )
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする




 ボランティア仲間の友人が、この春に結婚。GWには日本の挙式に出席したのですが、日韓カップルということで、韓国・大邱(テグ)でも挙式を行うとのこと。それなら、日本から盛り上げに行かねば!
 ということで、こちら側も婚約者と2人連れ立って、韓国に渡ることにしました。


 今回は、往路・ビートル、復路・カメリアライン利用のパックツアー利用です。朝10時の便に乗るため、9時前に博多港国際ターミナルにやって来ました。
 2階には、韓国の薬局と見紛うような売店がオープン。ハングル表記ばかりの中で日本の薬が売られるという、珍百景登録できそうな風景です。


 この春はマーズで大騒動になった韓国ですが、7月にはだいぶ落ち着き、南部には終息宣言も出されました。やれやれと思っていたら、今度は台風が来襲。一昨日、昨日と欠航になりやきもきしたものの、本日10時の便から再開となりました。
 新婦家族とも同じ船になり、まずは一同、出発できることに安堵です。ただし悪天候時には引き返すという、条件付き運航。JR九州高速船の力量を信じて、博多港を離れました。


 船内映画は、以前は邦画か洋画が中心だったのですが、今回上映されていたのは韓国の「最強ロマンス」。円安で韓国客が優勢になっていることが、こんなところからも分かります。なかなか面白くて、眠気を忘れ熱中していました。
 前半は多少の揺れがあったものの、後半はむしろ凪いでいたくらいで、快適な航海。酔うこともなく、無事に釜山港に入港しました。


 昼も1時が過ぎて腹ペコということで、地下鉄で1駅移動して、新婦オススメ・釜山駅前のミルミョン店へ。
 お昼時というのに、この行列!そもそも、韓国で行列のできる店自体が稀有な存在です。想像以上の行列に、新婦家族は時間もないということで、諦めて大邱へ向かいました。




 僕らは20分ほど待って、お目当てのミルミョンにありつけました。薬草的な風味が独特で、好みは別れそうな味だけど体には良さそう。
 マンドゥ(餃子)は、日本人でもおいしく食べられる味でした。


 地下鉄に乗って、土城(トソン)駅へ。少し街外れの界隈には、山手側に登ると古い入母屋屋根の家が何軒か見られます。
 おそらくは、日本統治下の建築物の生き残りでしょう。


 日本統治下の建築物でもある「臨時首都記念館」も、この町内。レンガ調の外壁に瓦屋根を載せた、和洋折衷の建築物です。
 日本統治下では道の知事官舎として建てられた建物ですが、朝鮮戦争でソウルが北に攻め込まれ釜山が「臨時首都」になった際、大統領官邸となった歴史を持っています。


 内部には、当時の大統領執務室や会議室が再現されています。
 大統領官舎としては質素なものですが、「臨時」ゆえのものでしょう。ソウルの奪還作戦が練られた、歴史の舞台です。


 近代建築ファンとしては、建物そのものも注目したいところ。トイレの床タイルや便器は、工芸品のようです。


 隣接して資料館も併設され、あまり日本では語られることのない朝鮮戦争の戦時下の苦悩も知ることができます。
 避難民を乗せ、ソウルから釜山に走った列車を再現したコーナー。屋根でも貫通路でも乗れる場所には乗り込み、危険と隣り合わせの状態で人々は釜山へと逃れました。


 臨時首都記念館からもほど近い、東亜大学校へ。真正面に構える美術館はレンガ造で、車寄せを備えた歴史ありげな建築物です。
 背後の近代的な高層ビルの大学施設と、好対照をなしています。


 そんな大学の片隅…ただし通り側からは、交差点のよく目立つ場所に保存されているのが、かつて釜山市内を結んだ釜山市電。
 もう半世紀近く前の1968年に廃止になった路線の電車であり、とても貴重な存在です。

 車内は、片側ずつで向きの違う木製のシートが並びます。日本の路面電車でも見かけないスタイルは、アメリカ生まれの車両ゆえ。
 屋根が設けられ、大切にされているのは嬉しいことです。路面電車を知る世代も少なくなってきていると思いますが、韓国にも存在した生き証人として、末永く保存してもらえたらと思います。


 地下鉄で一気に北へ上り、2号線の田浦(チョンポ)駅で下車しました。ここから西面にかけては「カフェ通り」として有名な街です。
 通りにも、点々と看板が立てられています。


 カフェが「密集」しているわけではないので、注意して歩かないと通り過ぎてしまいそう。実際、この町には僕も以前来たことがあるのですが、「カフェ通り」であるという認識はありませんでした。
 裏通りに入ると、面白い店があちこちに。夕方ともなればオープンテラスが気持ちよく、外の席から埋まって行く様子が見て取れます。


 こちらのイタリア料理店は、RC造の一般住宅を利用したもの。庭にも席が設けられ、外の雑踏から一歩離れた落ち着いた雰囲気に浸れそう。
 ぜひ食べて行きたかったのですが、さすがに人気で数組待ちと言われあえなく断念。今度は予約して来たいものです。


 いろんな店が入った建物は、屋根を見ると工場を再生したもののようです。
 「カフェ通り」というより、コンセプトのある飲食店が並ぶ界隈といった感じですが、面白いことには間違いありません。また、ぶらぶらしに来よう。


 同じ街中にあるのが、数学科学体験館「クンニマル」。どうやら、都心の廃校になった中学校を再生した教育施設のようです。
 リニューアルは最小限で、なかなか見られない外国の学校建築物に興味が沸きますが、午後7時とあってはさすがに閉館後。また来たい街になりました。


 再び南下し、今夜の寝床・南浦の「アロマホテル」へ。年季の入った内装は、韓国では「モーテル」に位置づけられそうなクラスです。風呂場には、シャワー機能しか使えないミニサウナがどんと据え付けられていました。
 韓国らしく部屋は広く、冷温水器が備えられているのは便利。僕は快適に過ごせましたが、抵抗のある人はいるかもしれません。


 気を取り直して、街へ。ショッピング街の南浦だと、9時も過ぎてぼちぼち店が閉まり始める時間です。
 賑わっていた肉屋に入り、分厚いサムギョプサルをほおばる! スタミナを補給し、明日に備えました。

コメント ( 0 )
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする




 JR九州高速船「ビートル」のサイトにひっそりと、悲しい告知が流されていました。コリアレール&ビートルパスが、7月いっぱいで発売終了・・・なんとも残念なお知らせです。

 「コリアレール&ビートルパス」は、博多~釜山間を結ぶ高速船・ビートルと、韓国鉄道KORAILが乗り放題というチケット。通常のビートル往復が24,000円のところ、4千円をプラスで高速鉄道にも乗れる5日間フリーパスが付いてくるのだから、韓国全土を安く巡るにはぴったりの商品でした。
 繁忙期に使えるのも大きなメリットで、年末年始、GW、夏休みと、年に何度も使った経験もあります。

 余談ではありますが、JRと韓国側の高速船・未来高速の業務提携前は、未来高速でも同様の商品を出していました。価格は同じだったものの、若者向けのユースパスが同じ条件で2万円という破格値で、これも随分お世話になったものです。

 今後もKRパスの販売は継続されますが、ビートルの乗船券とは別々の購入になるため、値段が上がる上に一手間増えてしまいます。どちみちそれなりの金額がかかるなら、LCCで韓国に飛んで、個別にチケットを買った方がいいかも。
 LCCの台頭で赤字が続き、1艘を減らすなど苦境にあるビートル。僕まで離れていってしまいそうです。

コメント ( 0 )
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする


   記事一覧画像一覧読者一覧フォトチャンネル一覧