Chang! Blog

福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです

リピーターになります【2】硫黄岳にこんにちは。

2013年11月28日 | ■旅と鉄道
 鹿児島県の離島、薩摩硫黄島を目指す旅の2日目。11月23日(土・祝)は、鹿児島中央駅前の東横インで朝を迎えました。チェーンのホテルならではの、ハズレがない快適な一夜でした。
 同じ東横でも、地方に行くほど充実しているというサービスの朝食を食べて、元気な一日の始まりです。


 鹿児島中央駅は見慣れた大階段が消え、駅ビルの建設工事が進んでいました。
 いいシンボルだった大階段が消えたのは寂しいですが、当初計画通りの規模の駅になるのは喜ばしいことです。同じ九州新幹線のJR久留米駅も、早く当初構想の規模の駅ビルになってくれたらなあ…と思います。


 バスで鹿児島本港高速船ターミナルへ。三島(みしま)、十島(としま)への離島航路は、少し離れた船着き場から発着します。
 高速船乗り場付近から見た、8時49分頃の穏やかな桜島は…


 三島方面への船着き場に着いた9時05分頃には、噴火を起こしていました。
 まさに活火山。自然の驚異と、それを承知で隣り合わせて暮らす鹿児島市という土地の気概に、改めて感じ入る光景でした。


 三島方面の村営フェリー「みしま」に乗り込みます。通常は週に2~3便が出る航路なのですが、この11月末は十島方面の「としま」がドック入りのため、助っ人に十島航路へ「みしま」が就航しています。
 そのため三島航路は週一回の運航。しかも黒島への宗教団体さんの乗船のため、2等船室はかなりの混雑になりました。


 前回と同じくテープで結ばれたまま、定刻に出航。


 テープが切れた後も、大きな手で見送ってくれました。
 前回は離島への転校プログラム「しおかぜ留学」へ出発する子どもの見送りで、多くの親御さんが集まっていましたが、今回はそういうわけでもなさそう。毎回見られる、見送り風景なのでしょうか。


 鹿児島から南へ向かう離島航路はまず、波穏やかな錦江湾を1時間強、航行します。段々と小さくなっていく桜島や、大隅半島の風力発電、開聞岳など、見どころは多いエリアです。
 種子島航路の高速船「トッピー」が、勢いよく追い抜いて行きました。


 円錐型の開聞岳は、船が進んで見る角度が変わっても、同じ形です。
 移り変わる風景が楽しくて、少し肌寒い天気でしたが、結局ずっとデッキで過ごしました。


 外洋に出ると、遠く水平線上に島影が見えてきました。高い山影から最初は屋久島かと思っていましたが、地図と照らし合わせると、どうやら目的地の硫黄島のようです。
 前回は曇りの天気だったので、外洋に出ると見るべき景色もなかったのですが、晴れだと本土と三島村は有視界圏内でした。


 鹿児島本港出航から3時間、12時30分に竹島へ寄港。その名の通り、台地上は竹で覆われた島です。
 晴れだと海の色も、より鮮やかに。港の深い底まで見通せるほどの透明感です。


 1週間ぶりの船に、出迎えの光景があちこちで見られます。
 そして降ろされたコンテナからは、ごっそり生活物資が取り出され、島の人々の車に乗せられていきました。


 フォークリフトを使って、続々と降ろされるプレカットされた木材。家一軒を新築するようです。


 竹島を出航すると、硫黄岳はもうすぐそこ。噴煙を上げる、勇壮な姿で出迎えてくれます。
 フェリーみしまはシーズンによって枕崎から乗ることもできますが、硫黄岳が正面から出迎えてくれるのは鹿児島発のみ。せめて往路だけは、鹿児島から乗りたいものです。


 前回訪問時は雲天で、麓しか姿を見せてくれなかった硫黄岳。
 絶海に浮かぶ雄姿を見られただけでも、はるばる来た甲斐がありました。


 茶色に染まる硫黄島の波止場に入ります。土石流が流れ込んだわけではなく、海底から湧き出る硫黄によって、こんな海の色になっているのです。
 硫黄分は海面に固まっているので、スクリューでかき回された船の軌跡は、普通の海の色になっています。


 硫黄島の温かさは、フェリー到着の際はどんな時でも歓迎の意を表してくれること。
 今回も、横断幕とジャンベのリズムで出迎えてくれました。

 宿は、港の目の前の「島宿ほんだ」さんへ。
 バスもタクシーもない硫黄島にはレンタカーもありませんが、島の宿では車を貸してくれるところがあります。ほんださんでも、ワンボックスカーを5,000円/1泊で貸してくれました。
 前回は徒歩のため、行ける範囲も限られましたが、今回はもう少し島の奥まで行ってみたいと思います。


 島で2軒の商店、そして島では数台しかない自販機。前回は陳列棚そのものがガラガラでしたが、ずいぶん充実していました。
 飲み物を買い込んで、いざ出発!


 まずは体験型宿泊施設、冒険ランドいおうじまを見学しました。よく手入れされた芝、清掃の行き届いた施設。鹿児島郡にありながら、鹿児島市が運営する体験学習施設です。
 管理室の扉に手を掛けてみれば、ガラッ。しかし中は無人でした。まず家に鍵をかけることがないという硫黄島、鹿児島市の施設といえども「島の常識」が通用します。


 峠を越えて、島の北側へ。大谷(うーたん)海岸への入口の目印を見つけました。海岸には大谷温泉があると島のガイドマップに書いてあったので、さっそく駐車して海岸を目指します。


 ダートは途切れ、木の橋を渡り、岩を越えて海岸に出ましたが、ナニモナイ…引き潮の時のみ、海岸に沸く温泉を楽しめる海岸とかで、潮が満ちていればただの海岸なのでした。
 海の向こうには開聞岳がそびえます。


 さらに島の北へと進み、平家城跡へ。見降ろす海岸は、乳白色のグラデーションに染まっていました。
 海底から沸く硫黄分の影響ですが、茶色の港とはまた違った不思議さを感じます。


 歌舞伎の上演記念像。


 帰路には、坂本温泉にも立ち寄りました。前回は港から1時間以上かけ歩いてきた温泉で、フナムシの大群に圧倒されつつ入浴した思い出があります。
 とりあえず足だけ浸かって、次なる目的地へ。


 再び峠を越えて、島の東側へと抜けて行きます。目の前には、硫黄岳がそびえます。
 以前は硫黄岳の近くまで行けたようですが、現在は火山性ガスの影響から、登山道の入口で通行止めになっているのが残念でした。


 東海岸の入口に車を止め、海岸沿いの歩道を歩いていきます。
 夕方4時、岩場はオレンジ色に染まりつつありました。


 たどり着いた海岸の秘湯、東温泉。さっそく服を脱いで、飛び込みました!夕暮れを眺めながらの温泉は、極楽、極楽。2度と言わず、何度でも訪れたい名湯です。
 お湯はびっくりするほどの酸性で、傷やひげそり跡がヒリヒリします。しかし肌への効果はテキメンです。


 東温泉にも、日没が訪れようとしていました。でも、まだ間に合う!
 車を、島の西海岸の牧場へと走らせると…


 まさに、今日の陽よサヨウナラの瞬間。
 思っていたよりずっと早いスピードで、大海原へ太陽は沈んでいきました。


 恋人岬への橋から、島の集落を見下ろします。

 宿に戻れば夕ご飯の時間。離島の宿は、食材調達のむずかしさから食事が質素な所も多いのですが、島宿ほんだのご飯はとにかくウマイ!ご飯が何杯もいけちゃいます。

 硫黄島を目指す旅人はタダものではなく、宿の人みんなが顔を合わせる食事の時間は、その素性を知る貴重な機会でもあります。
 今回も、国内の全空港を制覇した飛行機大好き関西夫婦(ホントに漫才のようなやり取りでした!)や、悪石島と硫黄島を目指して来られた盛岡の方(世界72ヶ国に訪れた経験の持ち主!)などのツワモノ揃い。旅人を魅了する島です。

 食事の合間には、村内限定の焼酎「みしま村」を楽しみ、2次会は波止場でお湯割りをチビチビ。
 頭の上には、見たこともないような星と青雲で埋まった空が広がっていました。

リピーターになります【1】おれんじ食堂サンセットディナー

2013年11月27日 | ■旅と鉄道
 日本も世界も、まだまだ未知の土地だらけ。でも本当に気に入った場所であれば、何度でも行きたくなるのが人情ってものです。
 11月、鹿児島県の薩摩硫黄島への旅のお誘いを受けました。6月に行ったばかりではあるけれど、いいトコなのは確かだし、6月には見られなかった景色や場所もたくさんあります。二つ返事で、参加を決めました。

 さて硫黄島に渡るとなれば、まず鹿児島まで下らねばなりません。
 早い新幹線で行くか、安いバスで行くか迷うところですが、せっかくなので鹿児島までの往路には「おれんじ食堂」の夜便に乗ることにしました。4月に乗ってまた乗りたいと思っていたの列車で、これまたリピーターの旅と相成ることに。

 11月23日、「旅名人の九州満喫きっぷ」を手に、久留米駅から出発です。


 久留米から八代行きの普通電車に乗り継ぎ、815系のセパレートロングシートに耐えること約2時間半で、新八代着。クロスシートの817系なら、まだラクだったのですが…
 短い冬の陽、午後5時を前にして既に夕暮れの風情です。夕焼けに、八代の製紙工場の煙突が映えます。


 17時08分、川内から上ってきた「おれんじ食堂2号」が新八代に到着しました。下り3号の発車までは6分しかなく、なかなかタイトなダイヤです。
 5月に乗った際には下り線ホームから乗ったので、こちらに転線してくるのかと思いきや、その気配はなし。上りホームから乗るのだと気付き、いそいそと階段を上がりました。


 「おれんじ食堂」は、食事&お土産がパッケージの1号車と、座席指定のみで食事はオプションとなる2号車の2両連結。
 1号車の夜コースは14,600円という高値なので、1,600円の指定券と4,500円の食事オプションで乗れる2号車にしました。出てくる食事は同じなので、お得感があります。

 2号車は、海側は向い合せ、山側はソファの座席が展開。山側の席が指定されていましたが、この日、僕ら以外の乗客は3人だけでガラガラなので、海側の席に移りました。
 この日のFacebookでは「3号に若干の空席があり」と出ていたのですが、ガラガラやないかい!とツッコミを入れたくもなりました。

 ただ旅行会社による団体の直前キャンセルが、それもアジア圏からのツアーでは多いとのことで、図らずともガラガラになってしまう日があるようです。
 鉄道側の損害も小さくないと思われますが、団体さんは「いいお客様」だけに、痛し痒しでしょう。


 おれんじ食堂では、デコポンのフレッシュジュースとコーヒーがフリードリンク。さっそく客室乗務員…というかウエイターさんが、ウェルカムドリンクとして持ってきてくれました。
 4月に乗った時には、このあたりの段取りが不慣れな感じでしたが、運行開始から半年、だいぶスムーズになりました。接客も、フレンドリーさに磨きがかかったように感じます。

 飲み物とともに、有料ドリンクのメニューも置かれました。ソフトドリンク200円、グラスの焼酎300円と、なかなか良心的な値段に好感です。


 1号車のカウンターの前には、ズラリと酒瓶が並びます。居酒屋ではなく、揺れる列車内でのラインナップ。「呑み鉄」にはたまらない光景です。


 しかしこの日は、日頃見られないスペシャルメニューがありました。昨日「解禁」を迎えたばかりの、ボージョレ・ヌーボーが樽ごと積み込まれていたのです。
 1杯1,200円となかなかの高値ですが、せっかくなので1杯ずつオーダーしました。


 八代を出て球磨川を渡れば、不知火海の沿岸に飛び出します。陽は没した後でしたが、夕暮れの残る海に向かってカンパイです。
 グラス1杯とはいえかなりのボリュームで、ほろ酔いになってきました。


 18時過ぎ、津奈木を出る頃には、お待ちかねのディナータイムが始まります。
 まずは季節のスープから。カウンターの保温鍋から供されるスープはアツアツ、嬉しくなります。


 前菜プレートには、12品がラインナップ。
 テーブルに敷かれたオレンジ色のランチョンマットは、揺れる車内での すべり止めを兼ねます。


 サラダはバーニャカウダとして登場。地場産の野菜が、ずらりと並びます。
 こんな厚切りの大根…と思いかじってみれば、ほのかな甘みが広がる美味。新鮮な野菜ならではの味わい方です。


 ディナー中に出水着。3分間の停車です。漫然と停車しているわけではなく、1号車では食事の積み込みが行われます。
 おれんじ食堂は「食堂車」ながら調理室がなく、沿線のレストランからのケータリングに頼っています。乗客が優雅に過ごす間に、裏方では重労働が続いているのです。


 お待ちかねのメインディッシュは、この週末3日間限定の「熊本黒毛和牛のすね肉・ボジョレー煮込み」。偶然の喜びを感じられる、期間限定のメニューです。
 ケータリングなのでアツアツとはいきませんが、温かい料理に満足。ボリュームもかなりのものです。


 列車は阿久根到着。1号車では川内まで、ジャズピアノの生演奏が奏でられます。
 本来はリーズナブルな2号車の乗客は蚊帳の外になってしまうのですが、今日は1号車の乗客がいないため、特別に1号車に移ってよいことになりました。広々テーブルで開放的な1号車にはランチョンマットが準備され、なんだか申し訳ないほどです。


 ラストのパエリアは、小さなパンに載せられ何だか嬉しくなってしまいます。
 30代男子の僕でも、すべて平らげればお腹いっぱい。女性にはちょっと量が多い…というのは運行開始当初から指摘されてきましたが、満腹にさせる主義は今も貫かれているようです。


 パエリアに焼酎を傾けながら、ピアノの生演奏を聴ける列車だなんて、とんでもない贅沢。奏者さんもフレンドリーで、楽しい舞台でした。
 願わくば電子ピアノではなく、アップライトピアノだったらと思います。SLニセコ号のカフェカーで、客室乗務員が奏でたピアノの音色を思い出しました。


 デザートのケーキとコーヒーで、満足、満足。乗務員さんとの触れ合いに生演奏、席の移動もあって、3時間も乗っていたことが信じられないほどの充実したコースでした。
 コースの半分は闇の中でしたが、夏場であれば阿久根~川内間の海岸の車窓も楽しめそう。夏場の夕暮れ、冷たいビールもおいしそうだな…季節を変えて、また乗ってみたいものだと思いました。


 名残惜しく川内駅で下車して、乗り換えた鹿児島中央行きの普通電車は415系のロングシート。一気に「庶民」へと戻りました。
 しかしなにが嬉しいって、あれだけ満足した時間を過ごしたのに、まだまだ旅は序章ということ。鹿児島では新幹線で追い抜いた組と合流。0時過ぎまで薩摩焼酎を傾け、明日への期待を高めたのでした。

豪華寝台列車「ななつ星」への羨望

2013年11月17日 | ■旅と鉄道
 いよいよ10月から走り始めた、クルーズトレイン「ななつ星」。
 九州ローカルのテレビで、JR九州の唐池社長が具体的に語ってから3年、本当に実現するのだろうかと思ってきましたが、あれよあれよという間に営業運転にこぎ着けていました。

 僕も関心を寄せてきた列車でしたが、試運転を見ることはかなわず、初列車の出発も平日だったため、立ち会うことはできませんでした。
 運行開始2週目からは、土日の運行になる1泊2日コースがスタート。休みの日に気軽に見られるようになったので、暇を見つけては「ななつ星観測」に出かけています。


 11月2日土曜日。この日は博多で友人の結婚披露宴があり、最終有明で久留米へ下る途中、鳥栖で下車しました。後続の普通電車が出るまでの間、20分間の観測です。
 午前1時前という深夜にも関わらず、数人のギャラリーが取り囲んでいました。


 豪華列車にも関わらず、クルーはギャラリーにもフレンドリー。「いかがですか」と問われたので ぶったまげました!と答えると、「車内もぶったまげますよ!」と、サロンカーのブラインドを上げてくれました。
 ガラス1枚を隔てた向こう側に広がる飴色の世界に、うっとり羨望の眼差しを向けました。


 11月3日日曜日は、久留米市内の近所の踏切で待ち構えました。
 ありふれた日常の風景に、非日常の輝きが走り抜けて行きます。

 踏み切りの向かい側にはカメラを構える親子がおり、踏切待ちの車のドライバーも雰囲気を察知して、ケータイを取り出して写真を撮っていました。


 最後尾のデラックススイートのブラインドが上がっていたのを見たのは、この時が唯一です。
 
 優美な姿を見送り、家に引き返していたところ、おばあちゃんから声を掛けられました。
 「ななつ星、ついに見れました~テレビで見たよりずっと良かった…いい冥土の土産ができたわ~」
 いやはや、僕の何倍もの羨望の眼差しで見られていたのですね。


 11月10日日曜日は、入場券160円を払って久留米駅へ。
 わずか1分停車にも関わらず、駅内外には30人ほどの人が待ってました。


 「1分停車なので、触ったりしないで下さい~」
 アイドル並みの扱いを受けながら、博多までラストスパートを掛けて行きました。


 そして11月16日土曜日は、神埼駅へ。22時14分から23時06分まで停車し、ライトアップされている吉野ヶ里遺跡を遠望する時間になっています。
 22時30分頃駅に着くと、コンコースではななつ星の乗客向けの解説を行っているところでした。売店も開いており、お土産品を売っています。地元観光協会の頑張りが伝わってきます。


 ホームに降りると、もう見慣れてきた つややかな車体がお出迎え。
 半分くらいの部屋は明りも付いておらず、すでにお休み中のようです。


 ダイニングカーのブラインドが開いていました。
 どんな食事が出されるんでしょう、見てみたいものです。


 ホームには、ちびっ子も含めて40人ほどのギャラリーが見物していました。
 そこに佐賀方面からの普通電車が到着し、降りてきた乗客は「おおっ!」という表情を見せます。


 時ならぬ豪華列車の登場に、改札に向かわず そのまま見物していく人の姿も。
 エンブレムをバックに、ケータイカメラで記念撮影する姿も見られ、知名度もスター性もばつぐんです。


 見物客が多く、その間には特急電車も通過していくことから、ホームには駅員さんと警備員さんも出て安全確保に当たります。
 豪華列車は乗務員だけでなく、多くの地上クルーも支えていることが、深夜の小駅からも分かります。


 DXスイート2室のみの、国内最高級車両・7号車のつややかな車体。

 この日はじめて、車内でくつろぐ乗客も見たのですが、豪華列車の雰囲気にふさわしい方々ばかり。
 僕のような30代は新婚旅行でもない限り、乗れない列車なのかなとも感じました。

 ただ羨望の眼差しが向けられる、簡単には手に届かない「憧れ」の列車が身近に走っているというのも、夢のあることだと思います。
 この列車にふさわしい人間になれたら、いつかはきっと…という思いを抱きながら、これからも「ななつ星観測」を続けていきます。

南阿蘇・高千穂 紅葉ドライブ

2013年11月17日 |  □福岡発おでかけ日記
 夏から冬へ、一気に移り変わるようになってしまった昨今。秋を追い求めるには、一瞬を突くタイミングを読まねばならなくなってきました。
 11月第3週末、四季のある国に生まれた喜びを感じたくて、ドライブへ。仲間とともに、高千穂へと出発です。


 南阿蘇村に差し掛かる頃には、うっすら山が色付き始め…


 県境のループ橋を回る頃には、山は点々と黄や赤に彩られていました。


 高千穂町中心部へ向かっていると、突如赤い車両が!車を停めてもらい駆けよると、それは旧高千穂鉄道のパノラマカー「たかちほ」号でした。
 保存の話は鉄道雑誌で読んだことはあったのですが、場所まではよく知らず、突然の再会にテンションが上がります。


 車内も現役当時そのまま。高校2年生…もう15年も前に乗った記憶がよみがえります。
 一昨年までは喫茶スペースだったようですが、今は休憩所として利用されるのみ。それでもきれいに清掃されているのは救いで、末永く保存されてほしいものです。


 たかちほ号が保存されているのは、ひむかの黒馬でお馴染み神楽酒造の「トンネルの駅」なる施設です。
 熊本~延岡を結ぶべく工事が進んでいた九州横断線の最後の区間、高森~高千穂間ですが、9割以上が完成したところで、国鉄改革のあおりを受け工事中止の憂き目に。


 高千穂~延岡間も水害で廃止となり、ついに夢途絶えたトンネルは今、酒の貯蔵蔵として活用されています。
 見学自由のトンネルにはぷーんと酒の匂いが漂い、「呑み鉄」にはたまらないスポットでした。


 ほとんど完成していた橋脚は撤去されてしまいましたが、トンネルの駅の横の橋脚は残され、蒸気機関車が「お召列車」の装飾で飾られています。
 時代に恵まれなかった路線でしたが、一度乗ってみたかったと今も思うのでした。


 猪焼肉をがっつり食べて、高千穂峡散策に出発!






 色付く木々は、どこを切り取っても絵になります。


 前に高千穂へ来たのは14年前。あの時は、某旅行会社のバイト添乗員として、仕事で来ました。
 はじめての地の仕事に緊張していて、景色なんてろくに覚えておらず、新鮮に感じられました。


 高千穂といえば渓谷ボート!
 しかしベストシーズンともいえるこの日は、1時間~1時間半待ちということで、泣く泣くパスです。


 帰路は、白川水源に立ち寄り。ゴポゴポと湖底から湧き出す大量の水は、目の前にあるのになんだか不思議な光景です。
 駐車場は離れていて、12リットルの水タンクを運んだらちょっと筋肉痛になりました。


 駐車場横の「とまとロール」のお店。ゆっくり食べて行きたかったけど、夕方4時半のオーダーストップの時間を過ぎていて、お持ち帰りに。
 ほんのりとトマトの香りが広がり、甘いクリームとの相性も案外よかったです。そういえば韓国では、トマトが「果物」に分類されてたっけ。


 夕方に来たからこそ、出会える風景も。
 夕陽に色付く山と、柿の木。正しい日本の秋の風景です。


 つるべ落としの秋の陽。阿蘇ファームランドに着く頃には、お目当てのイルミネーションが始まる時間になっていました。
 きれいはきれいなんだけど、「玉切れ」が多かったのは残念!LEDではないので、玉の交換作業は手間がかかるみたいです。


 むしろ、エントランスの電飾の方が迫力あったかも。


 宿泊棟のファームヴィレッジの「住宅街」を見下ろします。

 九州観光マスターの試験では、九州でもっとも集客力を誇る観光施設は、ハウステンボスでもグリーンランドでもなく、実は阿蘇ファームランドである…という設問があり、それで知っていたファームランドですが、実際に行ったのは今回が初めて。
 ドーム型離れの宿泊は楽しそうだし、温泉は大規模。食事処もよりどりみどりで、今度は仲間内でわいわい泊りに来たいなぁと思いました。韓中からの観光客も多く、九州が初めての韓国の友達と来ても喜ばれるかも。


 最後は熊本市内に立ち寄って、夕ご飯。
 鶴屋百貨店では はやくもクリスマスのイルミネーションが始まっていて、いよいよ冬に向かってまっしぐらの気配を感じました。