Chang! Blog

福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです

九州の綜合時間表、廃刊

2016年10月30日 | ■旅と鉄道
 JR九州ではダイヤ改定のタイミングで、冊子版の時刻表を窓口で配布しています。今春号も224ページに渡る立派なもので、JR九州や三セク各社の全駅・全列車が掲載され、しかも無料。
 以前は自由に取れる場所に置かれておらず、駅員さんに申し出ないと手にできない「知る人ぞ知る」存在で、それでもすぐ品切れになっていました。
 しかし今春、南福岡駅の窓口で「ご自由にお取り下さい」と山積みにされた時刻表は、4月を過ぎても在庫が。スマホで時刻検索ができる昨今、無料であっても紙の時刻表を手にする人は少数派になってきたのかと、時代の流れを感じました。

 無料の時刻表ですらかつ苦戦、いわんや有料版をおいてをや。
 九州内の時刻表はJTB版が2000年に廃刊になって以降、交通新聞社版「九州時刻表」と、九州旅行案内社の「綜合時間表」が頑張ってきましたが、10月号をもって「綜合時間表」が廃刊になりました。通巻930号、創刊59年の長い歴史を誇る時刻表でした。

 掲載範囲は九州内のみながら、コンパクトなサイズに旅行情報を網羅。他社では割愛されているような民鉄線やローカルバスの時刻も詳しく、綿密な旅行計画を立てる際には愛用していた時刻表です。
 そう、ネットであらゆる交通機関の情報が手に入るようになってから、僕自身もめっきり買う機会が減った時間表ではあったんですよね。
 最終号の巻頭のお知らせある通り、「情報デジタル化のさらなる進展により、現在のコンセプトでは今後の市場に対応できない状況」が、伝統の時間表を苦境に追い込んでいました。

 思えば時刻表の衰退はスマホの普及より早く、ネット社会の浸透ですでに始まっていました。
 全国版で長い伝統を誇った交通案内社「日本時刻表」が2004年で廃刊、八峰出版の東名阪の全電車時刻表も2002年で相次ぎ終わった中、綜合時間表はよくぞ2010年代まで持ちこたえてくれたものと思います。それだけ、愛用者が多い時刻表だったんでしょう。
 長い間、お世話になりました。

「運命の島」3度目の薩摩硫黄島【2】鹿児島アフターツアー

2016年10月30日 | ■旅と鉄道

 絶海の孤島、薩摩硫黄島の朝。帰りの船は10時の出港なので、限られた時間しかありません。
 昨日の「一気登山」の後遺症もさほど出ていないので、朝ごはんを食べて、短い島内散策に出発です。


 恋人岬や牧場に通じる村道は、のり面を保護する大規模な防災工事が続いていました。大きな産業がない島では、公共工事そのものも産業の一つという側面もあります。
 東温泉への村道も復旧してもらえたらと思うけど、沿道に人家もないし、難しいだろうな~!


 そして眼下には、集落と港。切り立った崖と、亜熱帯の植物の原生林が、人工物を圧倒します。


 目指す目的地は、薩摩硫黄島飛行場。かつてヤマハがリゾート開発を仕掛けた際に作られ、今は村に払い下げられた空港です。
 続く村道はさしずめ「空港通り」なんでしょうけど、そんな雰囲気はみじんも感じません(笑)。


 「立ち入り禁止」とありながら、フルオープンの柵。島の人が、ストレス解消に車をぶっとばすこともあるんだとか。
 週2便のみセスナの定期便があるものの、月・水の運航で使いにくいのが玉に傷。いつかチャーター便で来たいというのが、ささやかな夢です。


 硫黄島の特色の一つが、島内西部の至る所を闊歩する孔雀。これもヤマハが持ち込んだもので、すっかり野生化しています。
 久留米市民としては、鳥類センターや昔のJR久留米駅で見慣れた姿と声だけど、集落で出くわすとビビります。


 ガソリンのドラム缶も、島ならではの光景。GSはありません。


 ガジュマルの女将さんと挨拶を交わせば、もう島を立つ時間です。今日も変わらぬジャンべの音色に迎えられ、巨大な船体が近づいてきました。


 横断幕に見送られ、3度目の別れです。
 僕にとっては、人生の転機のきっかけを作ってくれた運命の島。必ずや、また来ます!






 今日も活発に続く、硫黄岳の活動。波の方は穏やかで、大助かりです。


 手書きの安全重点施策。字うまいなぁ…


 開聞岳が近づいてくれば、九州本土は間もなく。まだまだ鹿児島、久留米から遠く離れた地なのですが、帰って来たような気になってしまいます。


 民宿ガジュマルでは、帰路の船内で食べられるよう、500円でお弁当を作ってもらえます。それも笹の葉に包まれた、素朴なパッケージ。
 ビニール袋を買うより安く済むというのが真相らしいのですが(笑)、葉を取りに行くのも一日仕事になってきたので、そのうち袋になっちゃうかもとのことでした。


 甲板で潮風に吹かれながらパクつくおにぎり、何よりのごちそうです。




 4時間の航海を終え、鹿児島港へ。お疲れ様でした。


 せっかくの鹿児島。新幹線も夕方の便を指定しているので、4時間余りのフリータイムです。
 タクシーで城山に登り、まずは市街地と桜島を俯瞰。


 メンバーの一人が西郷隆盛ファンだというので、ついでに史跡を巡ることに。
 城山の中腹にある西郷洞窟や…


 麓の西郷隆盛終焉之地史跡を歩きました。
 いずれもお隣に温泉があるのは、さすが鹿児島だなぁ…と、別次元の感想も。


 日豊本線の線路を渡って、電車通り方面に歩くと、公務員宿舎が並ぶ一角に。石垣は立派で、昔から重要な場所だったのではないかと匂わせます。


 新幹線までのひと時は、鹿児島中央駅ビルのハンズカフェへ。実はアルコールのメニューもあって、旅の余韻を肴に一献傾けるのにも最適な場所です。
 鉄っちゃんにとって嬉しいのは窓からの風景。新函館から伸びてくる、新幹線の南端を見ながらの一杯、たまりませんでした。




 久留米までの帰路は「つばめ」で。「さくら」の早割が残っていなかったので、多少遅いのは承知で各駅停車を選びました。
 鹿児島から800系新幹線に乗るのは、2011年の全通後初めてじゃないかな。どこか懐かしい気分にもなったのでした。

「運命の島」3度目の薩摩硫黄島【1】荒れる海越え絶海の孤島へ

2016年10月29日 | ■旅と鉄道
 10月の最終週は、鹿児島県・十島村の島々を縦断する「トカラ島めぐりマラソン」に応募していましたが、定員超過! 残念ながら抽選で外れてしまいました。
 十島がだめなら三島だ!というわけで、三島村・硫黄島への旅をB案として準備。結局トカラマラソンの補欠当選通知は来ず、3度目の硫黄島旅行が決定しました。


 金曜日、ちょっとだけ残業を片付けてから、そのまま久留米駅へ。新幹線に乗ってしまえば、8時過ぎには鹿児島に着いてしまうのだから、新幹線はやっぱり便利です。
 新幹線の接続を受け、大混雑の路面電車に乗り換えて、天文館へ出ました。


 本日のお泊りは、繁華街のど真ん中にあるこのビジネスホテル。昭和レトロな空気満点です。
 ロビーには漫画本がずらり並び、無料のマッサージチェアまで。出張で滞在するには、うってつけですね。


 部屋も、地デジのテレビが似合わない昭和な雰囲気。チェーンロックがなかったのがちょっと不安だった以外は、満足のホテルでした。


 夜も9時を回りましたが、街に出て居酒屋で薩摩の味を堪能。深夜営業の地元スーパーで買い出しをして、部屋に戻った時はてっぺんを回っていました。おやすみなさい!


 朝は、これまた昭和の喫茶店な雰囲気の朝食会場で、朝ごはん。昼ごはんはまともに食べられないはずなので、しっかりお腹に詰め込んでおきました。


 タクシーで約5分、鹿児島港南ふ頭の三島ターミナルへ。奄美や種子島方面の立派なターミナルに比べると、売店もない質素な建物です。
 硫黄島まで往復7,200円の切符を買って、さっそく乗船。


 三島航路は国の支援を受け、この10月から、週3便から週4便へと増便されました。平日でも行きやすくなり、観光客の増加も期待されているところ。


 デッキに上がると、遠く霧島を望めました。3度目にして初めてのことで、今回は特に天候に恵まれそうです。




 硫黄島といえばジャンべ!
 硫黄島への入出港時はギニアの伝統打楽器「ジャンべ」のリズムで出迎えてくれるのが「恒例」なのですが、今回はイベントのため鹿児島港にもジャンべ隊が集結していて、鹿児島出港でも見送りがありました。


 9時半、定刻に出航。テープでの見送りと、「手形」を振っての行ってらっしゃいコールもあり、いつにも増して盛大な見送りに。3度目でも、胸が熱くなります。


 今日は鹿児島市から「ハカセと遊ぶ硫黄島2日間 花火師に教わる線香花火作り」なるツアーが組まれていて、鹿児島市職員のガイドさん引率の団体さんが乗船していました。
 よい旅になられんことを!


 錦江湾内は物流の大動脈。南西諸島への大型貨物船や、半島の対岸を結ぶカーフェリーとひっきりなしにすれ違います。
 屋久島行きの水中翼船が、勢いよく追い抜いて行きました。


 太陽キラリ。雲一つない晴天が続きます。


 きれいな円錐形の開聞岳に見送られれば、外洋への船出です。


 白波立つ海面。晴天とは裏腹に、波は高めです。断続的な縦揺れに加えて横揺れも始まり、カメラのアングルも斜めになりがち。乗り物酔いに弱くないはずの僕でも、少しへばってきました。
 沖合に姿を見せた硫黄島の影が、なかなか近付いてこないことに、ちょっと恨めしくもあります。


 鹿児島出港から約3時間、ようやく最初の寄港地・竹島が見えてきました。しばらく揺れから逃れられることに、少しほっとします。


 その名の通り、島全体が竹林に覆われた島です。島の集落は、港とは反対側にあります。
 週4回だけの鹿児島からの入港。出迎えと物資の受け取りに、島中の人が集まってきます。船に装備されたクレーンが、せわしなく荷捌き。離島の生活が垣間見えるひと時です。


 竹島を出港すれば、硫黄島まではあと一息。波も落ち着き、元気が戻ってきました。
 水蒸気を噴き上げる硫黄岳が、ずんずんと迫ってきます。


 山腹からも上がる噴煙。人を寄せ付けない荒々しさは、健在です。


 硫黄岳を南から回り込み、島西部の港へ。海底から湧き上がる硫黄分で、港内の海は茶色に染まっています。


 そしてここでも、ジャンべのリズムがお出迎え。ジャンべを叩いているのは2人だけでしたが、港に鳴り響く調べは高らかです。
 ジャンべの音を聞くと、硫黄島に来た感を強くします。


 タラップを渡って上陸。空は青く、亜熱帯の植物が並び、南国の雰囲気です。


 「定宿」の島宿ほんだは満室だったので、港から集落に入ったところにある民宿ガジュマルに宿を取りました。おばあちゃんが一人で仕切る、素朴な宿です。


 部屋には、古いお札がずらり。結構な価値がありそうですが、鍵もかけない部屋に飾れるのは、さすが離島ですね。


 さて島の滞在は、明日の朝10時までの短い時間。さっそく島の探検に出発です。
 島の真ん中にある「冒険ランドいおうじま」。市外ですが鹿児島市の施設です。ツアー参加者はここが宿のようで、バーベキューの準備が進んでいました。ダイナミックな山を見ながらのキャンプも、楽しいだろうな。


 僕らが目指したのは、冒険ランドからさらに分け入ったところにある、稲村岳への登山道。島宿ほんだのおかみさん達が、手作りで整備した道です。
 前回は船の時間が迫っていて途中で断念しており、今回再チャレンジになります。




 麓の登山口から標高236mまでを、一気に450mで登り切る、超急こう配の登山道。階段があるのは序盤だけで、あとは竹に結ばれたロープが頼りです。


 一気に登っていくので、すぐに息が上がってしまいます。50mごとに小休止。


 25分で登頂成功!島の中でも高い位置にある牧場も、眼下に見えます。


 硫黄岳の威容も、真横から。
 硫黄岳にも登山道があるのを確認できますが、活発な活動が続いていて一般登山者の立ち入りは長らく禁止されています。あちこちから水蒸気が上がる様子を見ていたら、とても登る気なんてしませんが。


 下山して、さらに歩くこと30分、島の東海岸に出てきました。夕方5時前、日没が迫る時間になり、海もオレンジに色づきつつありました。


 海は、硫黄分で薄い青色に染まります。


 海岸の岩場を歩いて行った先にあるのが、東温泉。海を臨む、野趣満点の露天風呂です。
 先客に挨拶して、ドボン!自然と一体になったかのような、爽快な気分。僕が硫黄島に何度でも訪れたくなるのは、この気分をまた味わいたくなるからです。


 島影に陽が落ち、海も色味を増してきます。自然の中にいることを実感するひとときでした。


 硫黄島の集落までは、海岸沿いの道が30分で行けて近道…だったのですが、ロープが張られ荒れた様子。どうやらがけ崩れで通行止めになっているようです。仕方なく山越えルートを戻りました。
 初めて来た時には朝食後、船の出港までにひと風呂浴びに行ったものです。車があればさほど困らないんだろうけど、歩きで行くにはちょっと遠くなってしまいました。


 冒険ランドからは、賑やかな声が。例のツアー、夕食の時間のようです。天気も良好、いい宴になるといいですね。


 僕らも夕食を終えて、波止場で一杯。肴は、天の川が見えるほどの、満天の星空です。
 団体さんの歓迎なのか、花火も打ち上がりトクした気分。離島の夜は、満ち足りた気分で更けて行きました。

JR九州の株主優待活用法!

2016年10月23日 | ■旅と鉄道
 JR九州がいよいよ上場、来年3月時点で100株以上を保有している株主には、優待券が送られてきます。
 おおむね100株につき1枚が進呈される「鉄道株主優待券」は、よく考えて賢く使いたいもの。1株主当たり5枚発行の「JR九州グループ株主優待券」も、なかなか使い出がありそうです。
 そこで、JR九州の株主優待券の活用法を、僕なりに考えてみました。なおいずれも、通常期の特急指定席利用をベースにした比較です。



■ 鉄道株主優待券、福岡~鹿児島間ではお得に!

 まずは目玉ともなる、運賃や料金が半額になる「鉄道株主優待券」から。先行するJR西日本と同様の内容ですが、西日本よりエリアが狭い九州では、お得になる額も小さくなります。
 なので、九州内でもできる限り遠くに行く際に使うのが吉。例えば博多~鹿児島中央間は割引きっぷの割引額も小さいので、株優の半額運賃は大いに威力を発揮します。

 博多~鹿児島中央間の通常運賃・料金は10,450円。これが株優で半額の5,220円になります。
 この額は列車限定、枚数限定で14日前までの予約が必須となる「列車限定!ネット早得14」7,000円よりも25%割安です。直前購入もできる「九州ネットきっぷ」の9,260円に比べれば43%引きになりますので、予定の決まらない旅では株優の使い勝手は良好です。



■ 熊本、長崎、大分ではネット割が安い場合も

 一方、高速バスと競合する中距離区間では割引きっぷの割引率が大きく、必ずしも株優がお得にならない場合もあります。

 例えば博多~熊本間の株優価格は2,560円。ネットきっぷの3,600円よりは安いですが、1,000円程度の割引のために年に1度の株優を使ってしまうのはもったいない感じです。
 さらに「つばめ限定!ネット早得7」を取れれば2,350円なので、株優より安くなります。

 同様に博多~長崎は株優の2,340円に対して、ネットきっぷ3,090円、ネット早得7は2,300円
 博多~大分も株優の2,770円に対して、ネットきっぷ3,090円、ネット早得3は2,500円と早割の方が安くなります。


■ 九州ならでは!周遊旅行をお得に楽しむ

 気を付けたいのは、株主優待券は片道あたりに1枚必要なこと。往復とも株優を使いたければ、優待券が2枚必要になります。
 そこで一工夫。例えば博多~大分間を利用する際も、片道を小倉経由の日豊本線、片道を由布院経由の久大本線にすれば、博多~小倉~大分~由布院~博多間の片道ルートになるので、優待券は1枚でOKです。
 九州はぐるりと回る環状ルートと、東西を結ぶ横断ルートが複数あるので、他にもいろんなコースが考えられます。そこで株優を活用した九州の観光周遊コースを、いくつか作ってみました。


 まずは博多を出発して、別府で1泊。翌日に由布院を散策して「ゆふいんの森」で博多に戻ってくる週末旅行。
 博多発博多着の乗車券が、半額で3,340円。博多~別府、別府~由布院、由布院~博多の特急券もそれぞれ半額の940円、660円、870円になり、合計5,810円です。
 同じコースをネット早割や「2枚きっぷ」を駆使しても8,950円になるので、35%引きの金額です。


 今は熊本地震の影響で豊肥本線が不通になっていますが、復旧すれば博多~別府~阿蘇~博多という周遊ルートもあります。
 これも乗車券は博多発博多着になり3,990円、博多~別府、別府~阿蘇、阿蘇~熊本、熊本~博多の半額特急券を足して、合計7,860円です。
 株優でなければ、博多~別府や熊本~博多で早得を駆使しても10,960円かかってしまいますので、3割近く安く上がる計算です。


 さらに思い切って、博多から別府、宮崎、鹿児島、熊本を巡る4都周遊の旅なんてのも楽しそう。
 乗車券と各区間の特急券を合わせて11,930円。早得と土日限定の割引きっぷを組み合わせても18,140円になるので、35%近くの割引になる上に、割引額も6,000円以上とかなりお得になります。
 いずれも優待券は1枚でOK。株主優待券で、お得に九州の周遊旅行を楽しもう!



■ 釜山へお安く!JR九州グループ株主優待券

 5枚発行のグループ優待券は、多角経営を進めるJR九州らしく、ホテルだけでなく食堂や八百屋での割引があるのはユニーク。

 しかしもっとも使い出がありそうなのは、高速船ビートルの特別割引運賃1万円!ネットの早割は7,800円~ですが、席数が限られていたり、日曜に釜山から帰ってくると最低でも12,800円になってしまったりするので、直前購入でも1万円というキリのいい運賃はかなりお得感があります。

 韓国には足しげくかよっていますが、最近は安いLCCの利用が主になっていました。往復1万円となれば少々時間がかかっても、ビートルに流れそうです。