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福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです
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福岡のハングル検定準2級建築士『ちゃん』です。ハンドルネームの由来は、自身の本名の韓国語読みです。
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京都~神戸 4都の旅【3】芦屋・神戸 山の手散歩
■旅と鉄道
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2016年06月19日
窓の外にはモノレール。週末旅行の最終日、日曜日の朝を門真市で迎えました。
名物「健康朝食」をお腹一杯に詰め込んで、1日が始まりました。梅雨が嘘のようだった昨日と対照的に、今日はどんよりした雨模様。折り畳み傘が活躍します。
京阪電車の5扉車で、京橋へ。今日は休日なので、2つの扉を閉め切って3扉車として走っていました。締め切った扉の前には、ちゃんと収納式の座席があるのが素晴らしい。すわり心地も、「常設席」と遜色ありませんでした。
JR大阪環状線に乗り換え。環状線は車両、駅とも大リニューアルの途上にあり、京橋駅も駅名版が変わっています。
各駅ごとに異なる、発車メロディも楽しみです。大阪駅の「やっぱ好きやねん」には、なんだかじんときてしまいました。
大阪・梅田で阪急神戸線に乗り換え。新旧問わず、景色が映りこむほどつややかに維持された阪急の電車は、いつみても気持ちがいいものです。デザインには凝っているくせに ほこりまみれの、某九州の鉄道会社も見習ってほしいもの。
そして梅田駅からの京都、宝塚、神戸線の3線同時発車は、毎度のことながら心が躍る光景です。
西宮北口で普通に乗り換え、芦屋川駅で下車。その名の通り、ホームは芦屋川の上に位置します。
芦屋川は六甲山系から一気に下ってくる、短い川。住宅排水で汚染される間もなく流れてくるので、市街地とは思えない清らかがあります。
山手に上がったところにあるのが、ヨドコウ迎賓館です。フランク・ロイド・ライト設計の邸宅で、もともとは灘の造り酒屋、山邑家の別邸だったもの。
今はヨドコウの施設として、一般公開されています。ヨドコウの物置とは対照的な重厚さが面白い。入場料は600円。
重厚、かつ繊細。天井換気口からの光の取り入れた方や、投げかける光の細やかさは、シャンデリアを凌駕します。
施主の強い要望で実現したという、和室。建物全体の雰囲気からは異質な感じもある和の空間ですが、欄間の銅版のデザインを一貫させています。
周囲の自然環境の取り入れ方は、さすがライト建築というべきもの。圧倒的な眼下の平野と海の眺望に対し開くだけではなく、山の緑に対しても、自然と目が向いていきます。
寄せ書き帳を見ると、近隣の大学の建築学科で課題レポートの対象になっているらしく、学生さんの書き込みが目立ちました。「すごいけど、レポートをどう書こう」という悩みの吐露もいくつか(笑)。僕も学生だったら、たいそう重荷な課題だったろうと思います。
身近に名建築があるというのは、とても恵まれた環境ではあるのですが。
周囲は芦屋の高級住宅街。デザインにもこだわった豪邸が並んでいますが、別格の存在感を放つ名建築でした。
では現代の邸宅街の中でも、ハイレベルな街はどんな様子なのか。阪急バスに乗って、豪邸街として有名な六麓荘町(ろくろくそうちょう)へと上ってきました。
緑豊かな、ゆったりとした邸宅街。電線は早くから地中化され、電信柱はありません。ほとんどがRC造の、立派な邸宅ばかり。
高級マンションか、富裕層向けの福祉施設か何かと思ってしまう建物も、すべて個人の住宅です。
駅からは遠く、街の玄関となるのは阪急バス・朝日橋バス停。バス停前には看板があり、街の理念や、通称「豪邸条例」とも呼ばれる地区計画と建築協定について、詳しく解説されていました。
街の見取り図。個人情報に対してナーバスな時代ですが、全邸宅の姓が掲出されています。1軒1軒が街区公園の一つくらいできるのではないかという広さなのに、街の奥にはその何区画分もあるような邸宅も。一体、どんな家なんでしょう…
ため息まじりの、六麓荘町訪問でした。
あまりに豪勢だったので、バスで町内を抜ければ普通の住宅地に…と錯覚しそうになりますが、周囲も閑静で、比較的高級な住宅地が広がります。
その証ともいえるのが、バスの終点でもある甲陽園口駅のホーム。駅ホーム上にスーパーがあるというだけでも充分珍しいのに、そのスーパーは高級志向で知られる、成城石井です。甲陽線への乗り換え時間に、マダムたちがショッピングして帰るのでしょう…
阪急神戸線で、神戸三宮駅へ。震災後の仮復旧で建てられた駅舎は、20年以上を経てようやく本格的な駅ビル建設へと進んでいます。
昭和のターミナルは、震災で過去のものに…と思い込んでいましたが、駅の西側改札付近のコンコースは高いアーチで支えられており、歴史を感じさせるものでした。梅田ターミナルがすっかり建て変わった今となっては、貴重なものと思います。
三宮に来たからには、生田神社にも挨拶をせねば。
神社を通り抜け、坂道を異人館街へと上がってきました。雨模様ながら、新緑の並木道を歩く気分はよいものです。
歴史ありげで上品な喫茶店もあまた並んでいますが、あえてスタバに来てみました。
といっても、ただのスタバではありません。震災で損壊を受けた明治の住宅を復元・移築した、登録有形文化財の洋館スタバです。
天井が高く、ゆったりした1階の喫茶室。傾けているのはスタバの紙コップなのですが、髭のマスターでも出てきそうなカフェ、もとい喫茶店です。
木サッシの窓の外の紫陽花も、梅雨ならではのもの。
木の階段を上がった2階は、部屋が分かれていて落ち着いた雰囲気。
観光客やスタバ好きにはもちろん、インバウンドな皆さんも自撮りに勤しむ、大人気スポットになっていました。
以前、男同士で来た時にはほとんどをパスした異人館でしたが、せっかく素敵な女性と共に来たので、異人館を巡ってみることに。
風見鶏の館は、異人館を代表するスポットの一つです。
外国人でもゆったり暮らせる広さの邸宅はもちろん、窓から見える港神戸の風景も美しいものです。主は出入りする船を眺めながら、遠き故郷に思いを馳せていたのでしょう。
隣あう萌黄の館は、共通入館券で入れます。長崎の西洋人住宅でも見られるような、広いテラスと緑色の柱・壁が印象的です。
同じように開放感のある作りだった熊本市のジェームズ邸は、今年の熊本地震で全壊しましたが、こちらは阪神大震災を耐え抜いています。
それでも無傷とはいかず、庭には倒壊したレンガ煙突が残されていました。震災後、見学者を受け入れられるようになるまでには数年の歳月を要したそうです。
異人館は1977年の朝ドラ「風見鶏」で取り上げられたことで注目を集め、「異人館めぐり」が一種のブームになった時期があったとのこと。
朝ドラのブームは冷めやすいのが常で、裏道に入ると空き家や空き店舗も目立ちました。
一方で美術館やレストランなど、神戸の雰囲気に合わせて頑張っている洋館も多くあります。坂道が多くて、巡るには決してラクではないけど、また時間を取ってゆっくり訪れたいものです。
10月からの連ドラでは萌黄の館が登場するとかで、ブーム再燃もあるかも!?
異人館街から歩いて、新神戸駅へ。六甲山系の麓にある、緑の山々を背景にした新幹線駅です。
駅の下には渓流が流れ、BBQを楽しむ家族連れの姿も。「のぞみ」「みずほ」が全列車停車する駅とは思えない光景が、ホームの真下にありました。景勝地、布引の滝も徒歩圏内にあります。
新幹線「さくら」で博多へ。インターネットのスーパー早特(10,290円)が取れなかったので、通常のネット割引「eきっぷ」(12,920円)になりました。船の個室をかなり上回る値段と思うと、少し複雑な気分でもあります。
しかし夕方まで神戸観光しても、夜の博多の飲み会に間に合うのは新幹線の恩恵です。4列シートに身を埋め、2時間半の休息タイム。
ほとんどを夢の中ですごして、博多駅到着。熊本地震の影響による特別ダイヤは今も続き、新大阪からの「さくら」はほどんどが熊本止まりです。
7月には通常ダイヤへの復帰が予告されていて、九州観光復興のはずみになってくれればと思います。
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京都~神戸 4都の旅【2】鉄博・伏見・枚方を巡る
■旅と鉄道
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2016年06月18日
名門大洋フェリーで大阪南港に降り立った僕らは、ニュートラムと地下鉄を乗り継いで梅田まで出てきました。
御堂筋線の名物ともいえるのが、旧市内の駅のドーム型天井ホーム。地下鉄改革の一環で、美しくリニューアルされていました。
もとより昭和のよき時代を感じさせるデザインだっただけに、リニューアルの必要はないと思っていましたが、より空間の豊かさを引き立てたように感じられます。
梅田の地下街で金券ショップを見つけ出し、JRの京都までの土日用回数券のばら売りを買いました。一手間かかりますが、これで200円以上安くなります。
回数券のばら売り文化のお陰で、関西ではICカードの普及が進まないとも聞きますが、さもありなんです。
新快速電車に乗って、京都へ。12両もあるのに、ぎゅう詰めの満員状態でした。先頭の「かぶり付き」区画は鉄っちゃんでいっぱいで、ヨメさん、居心地悪そう。ごめんなさい。
高槻駅では、外側線の新ホームにロープ式のホームドアが登場。3扉と4扉の車両が混在する路線で、文字通り「幅広く」対応するための工夫です。
それこそあっという間に、京都着。まずは、駅ビルをぐるり一回りしてみました。
屋上庭園には竹が並び、涼やかな雰囲気。外国人観光客にも人気で、自撮り棒も大活躍しています。
ただ梅雨時とは思えない直射日光の餌食になり、暑くてたまりませんでした。
駅舎中央の吹き抜けをまたぐ「空中回廊」は、エアコンが入っていて快適。窓の外には、低い高さのビルが並ぶ、博多を思い出すような都市景観が広がっていました。
東側から見下ろしたコンコース。行き交う人々は豆粒のようで、スケール感がくるってしまいそうです。
中層のテラスでは、オーダー式のビアガーデンもやっているのだとか。開放感はありつつ、雨でもOKというのがイイネ!ぜひ行ってみたいものです。
さて、今回の旅の最大の目的地でもある鉄道博物館へは、駅から歩いて20分。沿道には鉄道にちなんだモニュメントが並び、道しるべになってくれます。
ビル街のうちは影を歩いていればよかったのですが、東海道本線の沿道に出ると日差しをさえぎるものもなく、暑いこと暑いこと。夏は、素直に市バスに頼った方がよさそうです。
しかし梅小路公園に入ると、木陰になり歩きやすくなりました。モミジも多くて、紅葉の時期にはまた美しかろうと想像します。
本格的なドラフト音を響かせて走るのは、博物館から体験乗車できるSL列車「スチーム号」。体験とはいっても本線クラスの大型蒸気機関車であり、迫力は各地で運転されているSL列車と何ら遜色ありません。
汗をかきかき、ようやく鉄博へ。重要文化財の木造駅舎・旧二条駅と、対照的にシャープな博物館ゲートの建物が出迎えてくれました。
入場券売り場は、思いのほか大した行列もなく、すんなり入場。さっそく屋外車両展示場で、歴代の名車と対面です。
大阪・弁天町の交通科学博物館で対面したことのある車両も多いのですが、外部は塗り直され、よりつややかに、美しくなったように感じました。
0系新幹線車内には、登場時の転換クロスシートと、改良版の簡易リクライニングシートが並べてありました。齢35の僕くらいが、ギリギリで現役を知る世代になると思います。
ただ物心付いた頃にはすでに100系が主役だったし、0系にしてもアコモ改善が進んでいました。この座席に座ったのは、博多南線の10分間だったように記憶しています。
交通科学館時代はレストランとして営業していた元祖ブルートレイン・20系の食堂車は、お弁当飲食スペースに格下げされてしまったのは残念。
ただサンドイッチ程度の簡単な料理は作っているらしく、調理室にはコックさんの姿がありました。現役時代を彷彿させてくれる光景です。
屋内展示場はホールのように広々とした、3層吹き抜けの空間。磨きこまれた車両は照明が当てられ、美しく見せるような工夫も考え抜かれています。鉄道美術館とでも呼びたいほどです。
まだまだ現役の500系が博物館入りしているのは、ちょっと複雑な気持ちも。583系寝台電車も、5年前に急行「きたぐに」として乗ったばかりです。
交流電化区間の九州人の鉄っちゃんにとって憧れだった、ブルトレ牽引機・EF66。図鑑の中でしか見たことがなかった実物に対面した時は、胸高鳴ったことを思い出します。
博物館では床下にもぐって、台車周りの様子を見られるようになっています。現役時代には、とてもかなわなかったことです。
屋外には、引退したばかりのトワイライトエクスプレスも。食堂車は食器がセッティングされ、今にもディナータイムが始まろうかという演出が心憎いです。
ただ「あんなに人気のあった、JR西日本のシンボルとも言える列車を、なんで廃止しちゃったのかなあ…」という、納得できない思いの方が先行します。
「博物館」なので、実物車両を見るだけではなく、鉄道の歴史についても詳しく掘り下げることができます。
2階には「鉄道と文化」なるコーナーも。昨日見たばかりの、「点と線」とも再会しました。
鉄道技術のコーナーには、どこか懐かしい形の改札機が。自動改札機は時代の最先端の機械だと思っていましたが、改めて古いものに対面すると、今も進化を続けていることが分かります。
頭上の表示が○と×(ペケ)なのは、さすが関西の博物館です。
座席の変遷は、屋内展示場にも。昭和30年代の花形・151系「こだま」パーラーカーと、700系「ひかりレールスター」の普通車座席が並んでいました。かたや今で言う「グランクラス」レベルの超高値の華、こなた庶民の味方なのに、座席の大きさ自体はさほど変わらなかったんですね。
じっくり見ていれば、時間はすでに午後2時。行列の絶えなかった3階レストランにも、ようやく空席ができてきました。
しかし行き交う列車が見られる窓際席は、ついに空くことはありませんでした。チャンスを見つけて、平日に来なきゃなあ。
暑かったので、ビールがうまい!鉄博のロゴ入りというのが、また嬉しいところです。
鉄博は、もとの梅小路蒸気機関車館。引き続き、蒸気機関車の動態保存の基地にもなっています。
SLの研修庫は、屋上デッキから内部を見られるようになりました。見学者に見られながらの作業、落ち着かないだろうなとも思います。
ずらり並んだSL群にも美しさを感じますが、重文指定された扇型車庫そのものも見所の一つです。細く、開口部の多い建物はいかにも地震に弱そうですが、しっかりと耐震補強が入れられました。
休憩所として開放されている50系客車も塗り直され、久大本線で何度も乗ったことを思い出しました。展示車両の扱いにはなっていないようですが、原型で残っているのは全国でもこの1両くらいなはず。できれば屋根のある所に入れて欲しいなと、一ファンとしては思います。
3時間以上いても、まだまだ見たりない感じではありますが、せっかくの京都なのでほどほどで切り上げましょう。二条駅舎のミュージアムショップはそれこそ足の踏み場もないほどの混雑で、早々に退散しました。
梅小路公園の案内所は、旧京都市電。見慣れた感じがするのは、広島で活躍する「中古」に乗りなれているからです。車内に残された路線図を見るにつけ、なぜこんなにも充実した電車網をなくしてしまったのだろうと思います。
市バスと地下鉄東西線を乗り継ぎ、東山へ。白川沿いを、岡崎方面へと歩きました。都心の川とは思えないほどの、きれいなせせらぎです。
川を望むテラス席のあるカフェなんかもあって、京都らしい上品さを感じられる、いい雰囲気でした。
目指した目的地は、京都府立図書館。1909年に完成した、歴史ある建物の図書館ということで訪れてみました。
外観はいかにも戦前の公共施設といった、威厳のある姿。しかし2001年に新図書館と共に大改修を受け、内部は最新鋭の図書館と遜色ないものになっています。吹き抜け部分の螺旋階段が、いいアクセントになっていました。
京都市電の姿は、ここにも。梅小路と同じく外観は美しいまま保たれており、親しまれている存在だったことが分かります。
図書館から見える、いかにも戦後モダニズムの公共建築然とした建物が気になりました。役所か公共ホールというのなら合点がいくのですが、スタバや蔦屋書店が入り、ずいぶん洒落た雰囲気なのです。
来訪者も多く、賑わいの拠点になっています。
正体は「ロームシアター京都」。正式名称は京都会館と称する、戦後モダニズムの巨匠・前川國男氏設計の公共施設です。
昭和35年築ながら、今年初めに全面改修され、まったく古さを感じさせません。同時に施設の名称も、ネーミングライツにより今のものになったのだとか。
ピロティ形式の通り抜け通路。
ホワイエの天井は、独特なRC製の梁を照らすようにライティングされていました。もともとの建物の美しさを、より引き立てているように感じられます。
せっかくなので、平安神宮にも参拝。広々とした境内は、王宮のようです。
鴨川沿いにある京阪の神宮丸太町へ出ようと、スマホの地図を見ながら川沿いを歩きました。よくよく橋を見てみれば、「琵琶湖疏水」の文字が。先人たちが築いた、京都近代化のための史跡でした。
さらにレンガ造の建造物が。閘門かなと思っていたら、現役で立派に活躍している、関西電力の水力発電所でした。水力発電所といえば山の中にあるイメージだったので、かなり意外に感じられましたが、ここで作られた電気が京都市電の動力源にもなっていたのだとか。
京阪の駅までは遠そうだし、暑くもあるので市バスに乗ろうかとも思っていましたが、歩けば発見があるものです。
京阪電車に乗り、三条で特急に乗り換え。二階建て車両も連結した京阪のエース、8000系電車です。以前から大好きな電車で、2010年に行われたリニューアル後に乗るのは初めて。内装はよりシックになり居心地が良く、途中の中書島で降りるのが惜しいほどでした。
来年には有料指定席も登場予定とかで、今から楽しみです。
中書島駅から商店街を抜けて、酒蔵のある街並みへ。京都らしいしっとりと落ち着いた佇まいに、酒蔵の建物がよく似合っています。
酒蔵カフェで飲み比べもできるというので入ってみましたが、夕方6時とあってまさに閉めかけるところ。やっぱり、もう少し早めの時間に来なきゃいけなかったです。でも街並みだけは楽しもうと、黄桜酒造を目指すと…
おお、開いている!レストランや土産屋さんはもちろん、5時で閉まるはずの資料館も開いていました。
資料館は黄桜のシンボル・河童についてのもの。我らが久留米についても、詳しく解説してもらっていました。北野町、田主丸町も今は久留米市であることにも言及してもらえると嬉しいのだけど…
そしてお土産屋さんには、嬉しい試飲コーナーも。100円でおちょこ1杯の日本酒を楽しめる他、地ビールも気軽に味わえます。
テラスに出てぐびり。日本酒はもちろん、暑い中歩いた後の地ビールは最高にうまかった!
川沿いに立つ、旅籠・寺田屋さんとは、そう、あの坂本竜馬が襲われた寺田屋さん。建物は明治期に改築されたらしく、ネット上では散々な評判も目にしますが、結構安めでもあるので、泊まってみるのも悪くはないかなと思います。
建て変わっているのなら「事故物件」でもないわけだし。
中書島駅から伸びる商店街は、細い街路に古くからの商店が並び、なかなか味のある通りです。
途中からアーケードになり、雰囲気はごく普通の商店街といった感じ。引き返そうかとも思いましたが、歩いた先には京阪伏見桃山駅もあるので、とりあえず通り抜けてみることにしました。
すると、商店街にある店から呼び込みを受けました。伏見の酒が呑み比べできます、フードコートみたいなもので他の店からも出前できる、大手筋の商店街へ通り抜けるだけでもいいから…誘われるままに、入ってみました。
その名も「伏水酒蔵小路」。店内に入れば、ずらりと並んだ伏見の銘酒が目に飛び込んできました。酒蔵カウンターには、全17蔵の酒蔵の酒が揃っています。
6軒の飲食店は、屋台村風。どの店に入っても、他の店から出前を取ることができるし、酒蔵カウンターから酒の出前もOK。逆に酒蔵カウンターへも、各店に出前してもらえます。
観光客が利き酒を楽しみがてら、お店のご飯をつまみにするもよし。お気に入りのお店のご飯を食べつつ、日本酒を頼んでもよし。来る人、それぞれの楽しみ方ができるスタイルは、ナイスなアイデアです。
17種飲み比べのメニューがまぶしかったけど、1杯飲んできた後だったので、3種飲み比べで「我慢」。甘めのお酒のセレクトです。これでは足りず、にごり3種比べも追加してしまいましたが。
「出前」では京都名物の鯡蕎麦も食べられて、大満足。なんと2階にはゲストハウスもできるとかで、飲んだくれても安心ですね(笑)。伏見の街もまだまだ見足りないし、今度はゆっくり泊まりに来よう。
大手筋商店街を歩き、伏見桃山駅方面へ。特急停車駅である中書島駅周辺よりも、人通りが多くぐっと賑わっています。
アーケードの終点は、京阪の踏切。大柄な2階建て車両が高速で通過していく様子は、なかなかの迫力でした。
伏見桃山駅のホームは、商店街に「接して」います。
ふたたび大阪方面の京阪電車へ。お酒を飲んでいい気分ですが、時間はまだ8時。今日最後の寄り道に、枚方駅で下車しました。
目的地は、駅前に出現した「TSUTAYA百貨店」こと、枚方T-SITEです。
夜の時間、ほぼ全面ガラス張りの建物は、一面が本に囲まれた内部を映し出していました。特に、2ヶ所に飛び出したような吹き抜けのスクエアは、インパクトがあります。
テナントには蔦屋書店はもちろん、雑貨やレストラン、銀行まで入っています。そのどこにも関連する書籍が並び、買うのはもちろん、店内であれば自由に読むことができます。
夜9時を過ぎても、店内は若い人でいっぱい。ターゲットは半径2kmの範囲に設定しているそうですが、京阪沿線から広く集客できているのでは?
百貨店の撤退で空洞化しつつあった駅前に、朝から夜まで開いている明るい一角ができた効果は、計り知れないものがあると思います。
TSUTAYAはもともと、枚方が発祥の地。地場企業からの、大きな恩返しのように感じられました。
長い一日も、門真市へ移動すればようやく終了。駅前の全国チェーンのホテルに投宿しました。
窓を開ければ、モノレールの折り返し線。行きつ戻りつ、モノレールの今日のお勤めは、もう少し続きます。
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京都~神戸 4都の旅【1】名門大洋「フェリーおおさか2」の優雅な一夜
■旅と鉄道
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2016年06月17日
梅雨入り間もない6月第3週の週末は、関西方面へと旅立ってみました。
往路に利用するのは、昨年9月に就航したばかりの名門大洋フェリーの新造船。昨年5月にはライバルの阪九フェリーの新造船を利用したばかりで、比較も楽しみです。
新門司発8時のフェリーを利用するため、まずはお昼過ぎの快速電車で北九州へ上ります。西小倉駅を出ると、梅雨時期とは思えない強烈な陽が差していました。
小倉では、まだ訪れたことがなかった松本清張記念館へ。船までは時間もあったので、2時間かけてゆっくりと昭和の大作家の足跡を辿りました。
特に、東京にあったものをまるごと移築した書斎は、そこだけ時が止まっているかのよう。床のカーペットに点々と残るタバコの焦げ跡を、しばし見入ってしまいました。
『点と線』しか読んだことがなかったけど、他にもいろいろ読んでみようかな。ミュージアムショップで「一九五二年日航機『撃墜』事件」を買って、記念館を後にしました。
隣接する小倉城址を抜けて、リバーウォークへ。復元天主と、派手な商業施設が隣り合う風景は、違和感よりも面白さの方を感じます。だいぶ客足が戻ってきた外国人観光客も、盛んにシャッターを切っていました。
100円バスで小倉駅まで出て、駅前商業施設「I'm/コレット」へ。かつて小倉そごうだった頃に上がったことのある屋上へ、十数年ぶりに上がってみました。
徹底して「そごう」の文字は消された建物にあって、屋上のお社の説明書きにだけは残っていました。その後、玉屋や伊勢丹など核店舗がめまぐるしく変わったことなど、知らぬげに佇んでいます。
さて、ぼちぼち旅の本番です。19時50分発・名門大洋フェリー大阪南港行き「2便」に接続する連絡バスは、小倉駅北口を18時40分に発車します。阪九フェリーのバスも同じ時間帯に発車。ライバル同士は、バスでも火花を散らします。
連絡バスは門司駅に立ち寄るはずだったのに、そのままスルーして港へ。2台運行のバスのうち1台だけを門司に向かわせ、時間短縮を図ったようです。
山を越えた門司区の周防灘側に位置する新門司港は遠く、小倉駅から40分かけてようやく到着です。
長距離フェリーでは、事前予約していても乗船名簿の記入など、手続きが煩雑というイメージがあります。しかし名門大洋はHPで予約表をプリントしておけば、乗船口でバーコードを読み取ってもらってそのまま乗船OK。窓口の長蛇の列を横目に、スムーズに乗船できました。
名門大洋フェリーが、満を持して送り込んだ新造船。昨年乗った阪九フェリーの新造船と比較しながら、観察したいと思います。
広々としたエントランスは、最近のフェリーのトレンド。3層吹き抜け・シースルーエレベーターというショッピングセンターばりの阪九には度肝を抜かれましたが、名門は平面に広々とソファを並べた、ロビーのような空間でした。
今回予約したのは、2~3人用和洋室のファーストB。比較の意味を込めて、阪九と同じクラスにしてみました。扉がずらりと並ぶ長い廊下は、巨大ホテルのようです。
新造船は個室や寝台の割合が高く、従来型の雑魚寝の桟敷席は2部屋、40人分しかありません。桟敷席で見知らぬ人とワイワイやるのも楽しいけど、これも時代の流れかな。
扉を開けて いきなり部屋ではなく、玄関と洗面所があります。きちんと下駄箱も備え付けてあるし、厚手のスリッパも準備してありました。部屋とは引き戸で仕切られていて、旅館のようです。
そしてこちらが室内。手前が琉球畳の間で、奥にツインベッドが並び、まさに和洋室です。阪九フェリーだと「和」の部分がカーペット敷になっていて、好みは分かれそうですが、僕らは断然、名門が気に入りました。
同じレイアウトのビジネスホテルが欲しいです。
お菓子こそないものの、テーブルの上にはお茶とポットも用意されていて、ホントに旅館みたい。ごろごろとくつろぐには最高で、部屋から出るのが億劫になりそうです。
風呂、トイレは共用なので、完全に閉じこもりたければ、もう1クラス上の部屋がおすすめ。
お腹も空いたので、出航を待たずにレストランへ。カフェテリア方式の阪九とは対照的に、名門は食べ放題のバイキング方式です。夕食1,550円、朝食750円ですが、セットなら2,100円と、場所を考えればなかなか良心的なお値段と思います。
メニューは豊富。和洋の料理が並び、地上のバイキングレストランにもひけをとりません。遠征の学生さんは大喜びで、お茶碗を山盛りいっぱいにしていました。
なんとお刺身まで。
生ビールはセルフで500円。中ジョッキでも大きめのサイズで、地上の居酒屋より安いといえるかも。
売店で買った酒類なら持込みも可。焼酎派のための氷セットも置いてあります。食欲旺盛な若者も、酒呑みなおっちゃん世代も、ぜひ利用したい船内レストランです。
というわけで、いただきまーす!
デザートコーナーにはチョコレートフォンデュもあって、お子様も大喜びでした。
展望大浴場は、一番下のデッキにあります。船の規模を考えれば、それほど広くもありません。この点は、広々として露天風呂もある阪九に軍配を上げたいです。
シャワーの水圧は、贅沢なほどに強力でした。
湯上りの時間が、のんびり過ぎて行きます。テレビコーナーでテレビを楽しむのも、またよし。2段ベッドのツーリストクラス以下では個人テレビがないので、自然と人が集まっていました。
展望ラウンジは豪華な雰囲気。ここで、売店で買ったワインか洋酒でも傾けるのも良さそうです。
ちなみに船内にはwi-fiも飛んでいますが、安定度はイマイチ。携帯の電波も、沖に出ればあまり入りません。
キッズルームから人影が消えれば、消灯時刻の10時です。以後の船内ではお静かに…
明けて18日(土)の朝。今日も梅雨時とは思えない快晴っぷりです。
外部デッキには腰掛もあって、のんびり流れる瀬戸内の風景を楽しめます。
時間の遅い2便だと、本四3架橋のうち起きている時間に通過するのは、明石海峡大橋のみ。7時頃の通過です。
単体の橋梁としては、今もって日本最大規模。多くのギャラリーが、デッキからその雄姿を見守りました。
朝ご飯は洋風にセレクト。パンは軽く焼くこともできます。
大小さまざまな船に出迎えられ、朝8時半、大阪南港に入港。約12時間の、快適な船旅でした。
阪九と比較して、設備やサービス面だと甲乙付けがたいところです。振動は阪九の方が少ない気がしたけど、場所や天候もあって一概に比較はできないかも。また機会を作って、乗り比べたいものです。
ニュートラムに乗って大阪市内へ。関西の2日間が始まります。
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筑鉄&平筑と宝珠山ほたる祭ウォーキング
□福岡発おでかけ日記
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2016年06月04日
ほぼ平年並みのタイミングで入梅した6月4日(土)、東峰村宝珠山で開催された ほたる祭への「JR九州ウォーキング」に出かけてみることにしました。
ついでに数年間ご無沙汰している間に変化を遂げた筑豊電気鉄道(筑鉄)と、平成筑豊鉄道(平筑)にも立ち寄り。福岡県をぐるり1周の半日トリップです。
旅の出発点は、嫁さんの実家がある宗像・赤間。お昼過ぎ、赤い813系の普通電車に乗って、まずは黒崎へと駒を進めます。
JR黒崎駅は、北口整備に伴う駅舎改良工事の真っ最中。橋上通路部分が完成していました。モノトーンの、落ち着いた雰囲気の橋上通路です。
注目を浴びていたのが、通路上に設置されたおみくじロボット。北九州発の世界的電機メーカー・安川電機のロボット技術の広報塔です。
「迷い」まで再現した精巧な「手」の動きは、子どもならずとも足を止めてしまいます。
駅前の三セク複合ビル「コムシティ」は、紆余曲折の末に2013年にリニューアルオープン。壁面緑化がなされ、爽やかにイメージ一新していました。
内部には八幡西区役所を始め、公共施設が大部分を占めるようになりました。鉄道2社とバスターミナルを併設した交通結節点に役所の窓口があるのは、便利だろうと思います。
駅前デパートを再生した、宮城県の石巻市役所を思い出しました。
駅ビル1階の、筑鉄乗り場へ降りてきました。LRTスタイルの近代的な電車は、昨年デビューの5000形電車で、緑の第2編成はこの3月に走り始めたばかりです。
スマートな電車の登場は、減便ダイヤ改定やワンマン化など、後ろ向き施策ばかりだった筑鉄にとって久々の明るい話題。沿線自治体の支援のお陰です。
雨模様だったこともあって、減便が続いてきた割には満員状態で黒崎駅前を発車。その後の北九州市内でも乗降とも多く、座れたのはコース中盤の筑豊中間でした。
軌道面すれすれにまで下がった窓には、田園地帯の緑が流れます。
低床車の宿命でもある、車輪スペースの「出っ張り」がうまく処理され、すっきりした車内。3車体連接車ですが、車内空間は1両の電車のようです。
マガジンラックも備えられ、木目調のインテリアは落ち着いた雰囲気。座席もふんわりクッションが効いており、座れれば快適な通勤になりそう。
2画面タイプの案内モニタは、電車でもバスでもすっかりお馴染みになったタイプ。筑鉄といえば、ブラウン管テレビによる次駅案内が名物でしたが、目で見えるインフォメーションは健在です。
全列車ツーマン運行だった筑鉄が、ワンマン運行に踏み切ったのはこの春のこと。乗客減の中で止む無しの施策とは思われますが、筑豊直方駅では思わぬ不便に見舞われていました。
終着駅で降り口が右に変わる直方では、左にしかない運転士横の出入り口が使えません。これまでは車掌がいたので中ドアから降りられたのですが、ワンマンでは最後尾の運転台で運賃収受を行うのです。運転士が後ろに移るために15秒程度を要します。たかが15秒、されど…。
ステップ付きの従来車に比べ、乗降口の段差の低さが目立ちます。もっとも筑豊直方駅は高架構造でエレベータもなく、駅のバリアは解消されないままです。
高架駅で折り返しの発車を待つ5000形。
プッツリ高架橋が途切れた、途中駅のような形の筑豊直方駅。戦後、北九州から福岡を結ぶ私鉄路線を画策した名残りです。JR・平筑の直方駅までは、徒歩10分ほどになります。
だんだんと雨足も強くなってきたので、アーケード街を歩きます。蛍は大丈夫かな。
開いている店は少なく、アーケード終端にある大型スーパーは閉店セールの真っ最中。厳しい地方都市の現実は、ここにもあります。
歴史ある木造駅舎だった直方駅は、シックでオシャレな今風の橋上駅舎に建て変わっていました。
ただ運賃を車内で収受する平筑は、改札が要らないので、駅舎を上がらず駅前広場から直接乗り降りできるようになっていました。一番人にやさしい形ですね。
筑鉄も乗客減に悩まされていますが、三セク鉄道の優等生と言われた平筑も、近年は減量ダイヤにシフト。直方から田川伊田、後藤寺方面は、休日ダイヤだと昼間1時間にそれぞれ1本という閑散ダイヤになっています。
枕木オーナー制度や…
つり革オーナー制度も、苦境の中での苦肉の増収策であり、少しでも親しみを持ってほしいという取り組みでもあります。
400形気動車は、各地の非電化ローカル私鉄で見られる標準化車両のひとつ。会社発足時の車両に比べてクロスシートが減っており、わずか2つしかないボックスシートは、全席優先席になっていました。車窓を楽しみたい若者(?)には辛い車両です。
半減ダイヤの甲斐あってか、列車はそこそこの混雑でした。
田川後藤寺着。駅のネーミングライツにも積極的に取り組んでおり、九州ではお馴染みのディスカウントストアの名前が冠されています。
ネーミングライツ付きの駅名は車内放送でも連呼されており、サブリミナルな意味での宣伝効果は高そうです。
伊田からはJR日田彦山線の気動車に乗って、ほたるウォークの出発駅、宝珠山を目指します。いつもならガラガラの列車も、ウォーキングスタイルの人たちでなかなかの乗りです。
ウォーキングのゴール、筑前岩屋に車を置いて、宝珠山までの片道を乗る人も目立ちました。2駅間は、立客も出る盛況に。
沿線ウォーキングでの増収効果は馬鹿にできないと聞いたことがありますが、確かに遠路はるばる訪ねてくる人の運賃収入は、そこそこの額になりそうです。
宝珠山駅に到着。JRのスタッフも大勢出ており、いつもなら先頭車の後ろ乗り・前降りとなるワンマン列車の扉も、2両目まで全ての扉が開きました。
マップを受け取り、弱まった雨の中を出発進行! 雨は辛いけれど、100%の予報にしては小雨で済んでラッキーです。
今回のコースのメインともなるほたる祭の会場最寄りは、筑前岩屋駅。あえて2駅遠い宝珠山駅から、宝珠山の自然を楽しみつつ歩くコースになります。
まずは踏切を渡って、線路の西側へ。
沿道にはJR九州ウォーキングの旗が並び、随所に案内看板も出ているので、下手すればマップなしでも迷うことはありません。増収効果はありと書いたものの、これだけの準備を行うのも大変ではあると思います。まして、参加費無料なのに。
沿道はしっとりと雨に濡れ、山は霧が流れて行きます。森を流れてきた風は湿気を帯び、今風に言えばマイナスイオンでいっぱい。キャンプ場で迎えた朝を思い出す、山の空気です。
もちろん豪雨は嫌だけど、今日くらいの雨模様であれば、梅雨時期のウォーキングもオツかもしれません。
宝珠山も、日本のエネルギーを支えた産炭地のひとつ。川には、遺構が残ります。
日田彦山線の2両の気動車が、エンジンを轟かせ急勾配を登って行きました。
公民館で一休み。地元自治会が準備してくれた、冷たい麦茶がおしいかったです。
傾斜地である沿道には、棚田が広がっています。精巧に積まれた石積みが幾重にも重なり、山の風景ともよく調和していました。
山側から見下ろすと、石積みよりも水田の方が存在感があります。
日田彦山線の撮影名所でもある、アーチ橋が現れました。今回のコース中、3ヶ所で見られます。列車が来てくれればいい写真が撮れそうですが、タイミングが合わず残念。
宝珠山に温泉があるなんて、知らなかった。千代川温泉というそうで、川沿いの空気が気持ち良さそうな旅館もありました。
夏場の夜、湯上りに浴衣で蛍を眺めながら過ごす夜なんてのも、いいだろうな。
宝珠山駅から約1時間半で、ほたる祭の会場である棚田親水公園に到着。すでに、多くの見物人でごった返していました。
マイカーで行く際は近くまで乗り入れはできず、宝珠山駅近くの駐車場に止めて、無料のシャトルバスに乗り換えることになります。
焼き鳥や焼き鮎を肴に、生ビールをぐびぐび飲みながら、ステージイベントを眺めました。
雨とあって、屋台のおじちゃんは「今年の売り上げは1/3だよ」なんてぼやいていましたが、それでも文字通りのお祭り騒ぎ。繊細な蛍が逃げ出しはしないか、心配になります。
日暮れの遅い九州の初夏、暗くなるのは8時前頃です。それと同時に、川沿いでチラチラとほのかな光が瞬き始めました。
ウォーキング終点の筑前岩屋駅に行くまでの間も、森や水田の上に無数のホタルが。幻想的な眺めに、しばし うっとりしてしまいました。
雨でもあったので、蛍がいなくても仕方ないかなと思っていましたが、やっぱり見られてよかったです。
ゴールの筑前岩屋駅に到着。8kmの登りコースではあったものの、夕暮れウォークなので日差しもなく、祭り会場での大休止もあって、さほどの疲労は感じませんでした。
参加スタンプは、雨の日ということで倍の2個をゲット。1年間で10個をためれば懸賞に応募できるとかで、いっちょ頑張るかという気になりました。
無人駅の岩屋駅は、消防団車庫を兼ねた村の施設になっています。英彦山トンネルからの豊かな湧水に恵まれた駅で、駅前には給水所ができていました。
駅舎内にも池があり、大きな鯉がゆうゆうと泳いでいます。
9時を過ぎた山間の無人駅で列車を待つなんて、そうそうあることではありません。下りは21時04分、上りも21時20分が終列車です。
日田行きの終列車に乗ります。ワンマン運転の列車だけど、この駅も全ドア扱いでした。
夜明で久大本線へ、さらに久留米で鹿児島本線に乗りかえ、南福岡に着いたのは11時過ぎ。体いっぱいにいい空気を吸い込めた、土曜日の半日トリップでした。
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