Chang! Blog
福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです




 もう15年来の付き合いになる韓国の友人が、今年めでたくゴールイン!国境を越えて、ソウルまでお祝いに駆け付けることにしました。ついでに取得した遅い夏休みを利用し、秋の香りが漂い始めたソウル近郊を巡った、4日間の旅のハイライトです。




SRTは、陸のLCC?
釜山~ソウル・江南間の移動には、昨年12月にできた新しい高速列車「SRT」を利用しました。KTXよりも新しくて清潔で、席も広くて、乗務員さんもフレンドリー。一回でファンになってしまいました。
STRは、KTXを走らせているKORAIL(鉄道公社)と別会社ですが、ほとんどの区間はKTXと同じ線路を走ります。東海道新幹線で例えれば、小田原から町田経由で新宿に至る新線ができて、新大阪~新宿間の列車はJR東海と別会社が運行しているようなものです。
政府としては完全別会社にして競争させたかったらしいけど、KORAILの猛反発を受けて、最終的には子会社が走らせることで決着。「名ばかり別会社」なのかと思っていましたが、だいぶ違いました。代わりに車内サービスは簡素。まるでANAとピーチの関係みたい!
海外からの予約ができず、パスも使えないのはSRTの弱点。独自の乗り放題パスでも出してくれればと思います。親会社を見返してやれ、SRT!




足湯でゆったり、西海金光列車!
全国各地に、地方自治体と連携した観光列車が走るようになった韓国。ソウル・龍山から西海岸を下る、2015年1月デビューの「西海金光列車」は、ラウンジで足湯を楽しめる観光列車です。
8,000ウォンを乗務員さんに払うと、一人用の足湯浴槽にドボドボとお湯を注いでくれて、20分の足湯を楽しめます。服を着たまま温まる足湯そのものも不思議な感覚なのに、目の前に映るのは電車を待つ人々溢れるホーム。優越感を感じるような、気恥ずかしいような、プライスレスな体験でした!
韓国式お座敷「オンドル」の半個室もあって、水入らずの時間を過ごすファミリーあり、酒盛りするグループありと、これまた楽しい旅ができそう。ソウルや釜山もいいけど、地方への列車の旅もいいもんですよ!




南怡島・しっとりとした時、流るる…

冬ソナの舞台として日本でも知られる、韓国・春川の川に浮かぶ島・南怡島(ナミソム)。そのイメージから「ヨン様テーマパーク」なんじゃないかとの先入観があり、今まで訪れたことがありませんでした。
今回、意を決して(?)南怡島へ。バスで船着き場へ行くと、島へ渡るジップラインがあるわ、ケバケバしいタッカルビ屋が並んでいるわで、やっぱり騒々しい観光地の雰囲気がありました。
しかし渡し舟で島に渡ってみれば、「ブーム」に浮かれた雰囲気は微塵も感じません。看板は控えめ、暴走運転の車もなく、秋の自然を感じられるたたずまいに心落ち着きます。島は1つの会社が所有しており、商売っ気丸出しの競争とは無縁。レストランもちょい高かったけど、素材を生かした自然な味がうまかった~
島にはホテルやコテージもあり、1万円くらいで泊まれるんだとか。昼間はどうしても観光客の喧騒に巻き込まれてしまうけど、静かな夜や早朝には、島本来のたたずまいをより感じられそうです。次回は是非、泊まってみよう。




チメクは韓国料理だ、いや韓国文化だ!
チキン+メクチュ(ビール)の組み合わせは、韓国ではポピュラーな酒の飲み方の一つ。ライトな韓国ビールと、サクサクのチキンは相性バツグン、韓国に行ったら必ず1回は食べたいもんです。
ソウルで訪れたのが、清渓川沿いの「bbq P-café」。オリーブ油で揚げたカラッとしたチキンは、もたれずいくらでも食べられちゃいそうです。近年は海外ビール人気とあって、韓国産のMaxだけではなく、イギリスやドイツの「生」も充実。韓国ビールが合うと言いつつ、450ml650円で飲めてしまう英国産IPAを2杯も開けちゃいました。
それにしても10年前までは、高架道路が覆いかぶさり排気ガスが充満していた清渓川。道路は撤去、川も公園状に再整備され見違えたおかげで、こんなオサレな店もできたわけで。日本橋再生計画にも期待を寄せたいもんです。




ソウルタワーを肴に味わうクラフトビール!
今回のソウル行きで唯一行こうと決めていた「店」が、梨泰院・経理団通りの南山ケミストリーでした。クラフトビールと、それによくあう料理が味わえるビアバーです。
ソウルはそれこそ何度も訪れているのに、梨泰院界隈は今回初探訪。欧米系の人が多く、こじゃれた飲食店が並びます。雰囲気、好きです。
南山ケミストリーは1階がバー、2階は系列のレストランで、屋上も飲食スペースになっています。目の前にはソウルタワーがそびえる、素晴らしきソウルの夜景。ただし1階のカウンターからの持ち運びはセルフサービスで、階段の上り下りは、どのカップルも男の仕事になっていました(笑)。
ビールはなんと30種類。ほとんどが韓国製です。以前飲んだ済州島のクラフトビールはライトな味わいが印象的でしたが、こちらにはガツンと濃いものもあり、日本のクラフトビールにも負けない味わいでした。手づくりソーセージもウマイ!付け合わせのポテトの、外カリ中フワ感もたまりません。
味よし、雰囲気よし、お値段そこそこ。ビールは5種類しか飲めなかったので、残り25種類を飲みにまた通わなあきまへんな!


その他、4日間を通しての旅の記録は、4travelにて公開中です。
応援、よろしくお願いいたします。

1日目(前)陸のLCC? 新しい高速列車「SRT」に乗る
1日目(後)列車の中で楽しむ足湯
2日目(前)京春線「itx青春」で行く南怡島
2日目(後)レールバイクで走る追憶の旧京春線と、ソウルタワーを肴にクラフトビール
3日目(前)DDP・都市建築ビエンナーレを探訪
3日目(後)韓国人鉄っちゃんのハレの日
4日目・SRTに乗りたくて

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 JR九州高速船「ビートル」は、JR九州の株主に送付される「JR九州グループ株主優待券」を利用すると、往復1万円に割引になります。定価は24,000円なので、約6割引!
 この9月に韓国に行くことになったので、さっそく株優割引で予約してみました。ネットで検索してみても、実際に予約してみた人の体験談が見当たらなかったので、ご紹介したいと思います。

● 「JR九州グループ株主優待券」とは?
 毎年3月31日現在の株主に送られる優待券。列車の運賃・料金が半額になる「鉄道株主優待券」とは別に、保有株数に関係なく一律5枚が送られます。
 ネットオークションでも結構売りに出ているので、株主でなくとも利用できます。

● 利用方法
 「株主優待券のご案内」で紹介されている利用方法を抜粋すると、以下の通り。
○ 普通席が往復1万円で利用可能(ただし燃油サーチャージは別途)
○ 予約は電話(092-281-2315)で。予約時に優待券利用の旨を伝える
○ 福岡発の往復限定、乗船券の購入は博多港のビートルカウンターのみ
○ 繁忙期には適用除外日あり(今期は2017.12.29~2018.1.3/2018.4.29~5.7)
○ 有効期限内で乗船前なら変更OK
○ 払い戻し手数料は500円
○ 復路も優待券の有効期限(今期は2018年5月31日)までに利用のこと

● 実際に電話予約してみました
〇 予約の際に聞かれた情報は、名前と代表者の電話番号のみ。
〇 チケットの購入は、当日カウンターでOK。クレジットの番号を聞かれることもありませんでした。
〇 株優で販売できる「枠」に限りはあるのか尋ねたところ、特段席数の定めはないとのこと。空席さえあれば、売ってくれるようです。

 というわけで株優チケットでも、非常に自由度が高いことが分かりました。特割運賃の「うみ旅」はなにかと制限が多いだけに、株優の使いやすさが際立ちます。
 最近はLCCに流れがちだったけど、ビートルで気軽に渡韓の機会が増えそうです。

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 昨日の歩き疲れ(飲み疲れ?)もあるので、朝はホテル出発の9時半まで自由時間ということにしました。
 しかしせっかくの旅先の時間、1分も無駄にできぬとばかりに、男2人は6時半に起床。済州の旧市街を一巡りしてみました。


 ホテルの目の前は海。ただ砂浜や並木は見当たらず、リゾートといった感じではありません。


 その代わりに?防波堤にからまる生物たちが、海辺の景色のアクセントです。


 夜はネオンがまたたいていた、海辺の建物群。正体は、刺身屋の列でした。
 いけすに「ぎっしり」詰め込まれた魚が、韓国らしいです。


 防波堤は突端まで歩けるようになっていて、最後まで歩いてみたら結構な距離に。朝から、いい運動になりました。


 落ちるの簡単、上がるの大変。だからテトラポットに乗るな!の掲示物。
 テトラポットとは何か?の解説から危険性まで、目を引くように、分かりやすくデザインされてます。掲示物、読んでもらってナンボです。


 市街地の間近に漁港が。というか、漁港を中心に発達した街なんでしょうね。


 漁協の前には、市が立っていました。釜山のチャガルチのような大規模な常設市場ではなく、地元の人が路上に並べているだけの素朴なものです。
 ピチピチの魚、どれもうまそうでした。


 市街地では公園が整備されている途上で、川沿いにはかつての洗濯場が再現されていました。都市化の進んだ今では、とても洗濯できるような水ではないのが残念。


 焼き肉屋さんが集結した、その名も黒豚横丁!ホテルからもほど近い場所で、昨夜はここに来ればよかったかな。


 黒豚横丁に朝から開いている店はなかったけど、近くの食堂が開いていたので、朝ごはんを食べに入りました。
 ズバリ「定食」は魚の干物がメイン。7,000ウォン≒720円で、朝からお腹いっぱいになりました。


 ホテルに戻って準備を整えれば、もう出発の時間。予約していた大型タクシーは数分遅れで現れ、少しやきもきしました。
 空港までは、呼び出し料金を合わせて15,000ウォン。高いなあ、普通のタクシーを2台つかまえればよかったと思ったけど、邦貨に直せば1,550円なんだから、細かいことは言いますまい。


 「特別自治道」の済州ではビザの規定が異なることから、済州から国内の移動でもパスポートのチェックが入ります。
 この行列、昨年はえらく長かったのですが、今年はあっという間に順番が回ってきました。中国人観光客の激減ぶりが分かります。


 釜山までの空路は夢の中。乗り継ぎ時間もあまりないので、空港内のレストランで昼食を済ませました。缶ビール4,000ウォン≒420円には恐れ入りますが、背に腹は代えられません。
 余裕を持って出国手続きを終え、搭乗までは自由時間。ゲート内のセブンは、福岡より釜山が先輩格です。


 ドリップコーヒーのマシン、日本でおなじみのスタイルでした。


 興味を持って買い求めたのがコレ、ドイツ製の缶ビール。500mlで2,100ウォン≒220円と、国産ビールよりお買い得です。味も悪くありません。
 輸入ビールの急拡大には、廉価版商品も一役買っているわけですね。


 国際線の出発ロビーは、拡張工事がほぼ完成。ベンチやカフェが増えて、ゆっくり待てるようになったのは、ありがたい変化です。


 飛行機と高速バスを乗り継げば、夕方5時前には久留米へ。20kmも歩いたのにまったく痩せない、不思議な旅でした。

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 コンベンションセンターからは、リムジンバスに乗り、済州市へと戻ります。
 リムジンらしく、中文の高級リゾートホテルをこまめに回っていくけど、乗客ゼロ。豪華なホテルに泊まる人は、路線バスなんて乗らないのかしら。


 今日の泊まり先は、済州市の旧市街。リムジンは経由しない街なので、どこかでバスを乗り換えねばなりません。
 一計を案じ、そのまま終点の空港まで乗車。大型タクシーに乗り換えて、泊まり先のホテルへと直行しました。6人で11,000ウォン≒1,200円の投資で、ラクできました。


 宿は、オーシャンスイート済州にとりました。海辺のリゾートホテル群の一角を成すホテルです。
 海沿いながら、空港までタクシーで10分、街中までも歩いて10分の好立地。周辺にはカフェやコンビニも多く、裏には新世界系のショッピングセンター「Eマート」もあります。


 ツインルームですが、ベッドの1つはダブルサイズで、家族旅行でもこれで充分。玄関があり、靴を脱いで過ごせるのは、日本人にとっても嬉しいです。


 そして、床まで広がるガラス窓からは、穏やかな海を望めます。


 窓ガラスが汚れているのは残念だったけど、明日から清掃に入る旨の告知があり、つまりは一番汚れている状態だったってことですね(泣)。
 ツイン1泊で88,000ウォン≒9,200円。こちらも、なかなかお値打ちです。


 Eマートで、日用品のお土産(我が家は缶入りお粥)を買い出した後は、夕食タイム。ウォーキング後の足で歩き回るのは大変なので、えり好みせず、近くの店に入ってみました。


 お値段は観光地価格だったけど、いろんなメニューが揃っていたのはありがたい。済州名物の黒豚焼肉に、海鮮パジョン、ナクチポックム(タコ炒め)などなど、いろいろ味わいました。
 もちろん、韓国ビールも!


 食後は、済州の旧市街を散策。昨年泊まった新済州も繁華街でしたが、それより大きな規模の繁華街がもう一つあるのだから、済州市は大きな街です。
 韓国では明日は平日というのに、夜9時前でも買い物客で賑わっていました。


 地下街も、思っていたよりずっと大規模。照明がこうこうと明るくて、昼間に戻ったかのようです。


 韓国の在来市場ではよく見かけるようになったアーケードですが、日本のような商店街のアーケードは初めて見ました。


 旧市街に泊まりましたが、どうしても行きたい店があったので、わざわざタクシーを分乗して新市街へ。お目当てはこちら、済州地ビールの店・ジェスピです。
 近年は大型マートで外国産ビールの売り上げが国産を上回る等、ビールの裾野が広がりつつある韓国。輸入のクラフトビールを扱う店も増えてますが、国産地ビールはまだまだ珍しい存在です。


 店内は、あか抜けた空間。広々としてます。


 サーバーから提供される地ビールは、ぜんぶで5種類。300mlで5,000ウォン≒520円、500mlで7,000ウォン≒720円と、韓国のビールの相場からすればややお高めです。


 おまちかねのビール登場!韓国人の好みに合わせてか、だいぶ軽めな口当たりです。日本のクラフトビールを想像して飲むと物足りないかもだけど、逆にこちらが好みという人もいるかもしれません。


 フードも充実。済州産ポークのソーセージ盛り合わせ、甘くておいしかったです。
 済州の空気と、済州の水で仕込まれたビールと、済州が育んだ肉で、すっかり全身済州に染まってしまいました。


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 適度な硬さのベッドでぐっすり眠り、目覚めれば窓の外には済州の海が広がっていました。
 インスタントコーヒーも、オーシャンビューのテラスで飲めば、優雅な気分です。


 朝食は少し遅めの8時からなので、朝の散歩へ出かけることに。


 大浦(テポ)の港に出ると、人なつこい白いワンコが付いてきました。日本まで付いて来るかい?


 日の出から30分以上経つけど、まだまだ朝陽。


 陽の光に照らされると、海は透明度を増します。これだけきれいな海なら、海鮮もおいしいわけです。


 大浦港には漁船だけでなく、ヨットや遊覧船も発着します。一昨年、船上でワインを傾けつつ乗ってみたヨットクルーズ、優雅だったなあ…。


 朝食は、洋食が中心。みかんジュース(たぶん済州産)や、新鮮な野菜サラダがおいしかったです。宿のおかみさんが「よくお休みになられました?」と席を回られ、なんだか旅館みたいな温かさがありました。
 ファミリアホテル、これだけの内容で、ツイン1泊95,200ウォン≒9,800円。ちょっと街中から外れるだけで、ずいぶん安くなるものです。


 空港リムジンで、ウォーキング出発会場のコンベンションセンターへ。乗車の際に「どちらまで?」と聞かれるので、行き先を告げて、カードをかざすか、現金を渡します。現金は、お釣りも出ます。
 リムジンとはいえ短区間の乗車もOK(しかも初乗りは1,300ウォン≒135円と市内バス並み)。運転士さんも外国人には慣れているので、割と安心して乗れるバスです。
 

 出発式会場に行けば、この数年で知り合った懐かしい顔があちこちに。遠き異国の地に、大勢の知り合いがいるというのも、心強いものです。
 一番右の「外国人受付」に英語表記がないことも、気軽に突っ込み。「韓国語が分かる外国人しか来ないヨ~」。確かに(笑)。


 子ども達による太鼓の演奏。ドラムが混じっているのが面白い。


 大会関係者の太鼓の合図で、まずは20kmウォーキング組からスタートです。


 昨年はスタートするやいなやトイレに駆け込んでしまったので、歩き始める頃には人っこ一人いませんでした。
 今年は「波」に乗れたので、いかにもウォーキング大会といった雰囲気の中で歩き始められます。


 コースは昨年と同様、中文の観光団地から東側の大浦方面を巡る、周回コース。回り方が昨年とは逆で、細かなコースにはマイナーチェンジが加えられています。
 済州島らしい景観の一つが、火山岩を積み上げた、パッタムと呼ばれる石垣。家々だけでなく、畑の境界にも積まれてます。済州島じゅうのパッタムの総延長は、万里の長城をも超えるという説も。


 アパートとアパートの間の駐車場も、ウォーキングコースに。これ、どう見ても個人地ですよね…?


 大浦の集落内の懸垂幕。「ようこそ菜の花ウォークへ」とでも書いてあるのかと思えば、
 「慶祝 故キム・チャンウォン、ジン・ソンジャの長女 キム・ハヌル 光州地裁判事任命」
 地元からの名士誕生を祝うものでした。


 「リサイクル品は、曜日別に出さねばなりません」
 なかなか、細かな分別。1日も気を抜けません。


 済州の石垣は、高い擁壁状に作られているものもあります。畑の境界の石垣は、手で簡単に外れてしまうようなものなのですが、強度は大丈夫なのか心配。
 だいぶ古そうなので、これまで大丈夫だったってことなんでしょうね。


 沿道で、あちこちに咲く菜の花。春の訪れが遅く、空気は肌寒い今年でも、目では充分春を感じられます。


 ウォーキングコースは、済州発祥のトレッキングコース「オルレ」と重複している部分も多く、九州でもおなじみの赤青リボンが、あちこちに見られます。
 昨年は見かけなかったオレンジのリボンは、「寺へ続く道」の目印。済州仏教聖地巡礼の道、と称しており、お遍路さんみたいなものなのかな?


 薬泉寺の北側山麓が、第1のチェックポイント。そのまま海岸に下ればショートカットの10kmコース、山麓を進めば20kmコースです。
 運命の分かれ道だけど、まだまだ歩き始めたばかりで疲れているわけもなく。予定通り20kmコースへと進みました。


 菜の花だけでなく、ツバキの花も沿道のあちこちに。華やかな色合いのものも多く、西洋の品種も多く持ち込まれているようです。


 済州島はミカンの名産地。ハウスミカンの栽培も盛んで、年中おいしいみかんが食べられます。
 ハウスの横には、かごに山積みのミカンが「どうぞお持ち下さい」。ハウスの中のお兄さんに「頂きます!」と言って食らいつけば、上品な甘いジュースが口いっぱいに広がりました。これはウマイ!


 昨年と同じ、集落情報センターで一休み。あれだけ大勢いたウォーカーの姿も、めっきり減ってきました。だいぶ遅れを取ってきたのかしら? ちょっと不安になりつつも、携行食をほおばりパワー回復です。


 ハウスをのぞいて見れば、たわわに実るミカンが。「どうぞ持って行って下さい」のカゴがないか見まわしてみたけど、ついにその後見かけませんでした。しまった、もう1個くらい貰っておくんだったかな。


 江汀(カンジョン)の集落へ。今回のコースでもっとも東になるのがこのあたりで、ようやく中盤といったところです。空港バスも経由しており、乗ってしまいたい誘惑にかられます。
 サクラの並木道、もう少し時期が下れば、きれいでしょうね~


 早咲きのサクラがちらほら。今年最初のサクラを、済州島で見ることになるとは!


 集落から海岸へと下る道は、非舗装道路。オルレらしい道になってきました。


 用水路は作業場も兼ねているようで、きれいな水が結構な流量で流れていました。
 名峰・漢撃山を擁す済州島は、伏流水に恵まれ、名水の里でもあります。


 第2のチェックポイント、江汀浦(カンジョンポ)へ。ここも刺身屋が何軒か並び、意志の弱いにわかウォーカーを誘惑します。
 東屋で、キムパプ(のりまき)をほおばりながら、靴を脱いで一休み。英気を養いました。


 コース後半は、済州島らしく大海原を望むルートになります。風はちょっと冷たいものの、天気は回復して気持ちのいいウォーキングコースです。
 農作業用のトラクターが列を成し…


 石造りのベンチが、休んでいきなよと誘惑します。


 それでも、黙々と歩くのだ。


 菜の花と海。そして太古の火山活動を今に伝える、溶岩質の岩場。済州島の自然を、凝縮したかのような風景です。


 月坪(ウォルピョン)の港から脇道に入ると、こんな飛び込み台…もとい、展望台が。


 柵はなく、自己責任で一歩を踏み出せば、遮るもののない景色が広がります。


 赤・青のリボンが、済州オルレのコース。いつか済州島を歩いて一周してみたいと思うものの、何日間かかるんだろうかと考えると、気が遠くなります。


 海岸の空き地に、牛さんが。


 海岸から少し山に入った所にある、段々畑。展望台らしきものが整備されていて、景勝地の一つのようです。
 しかし、畑そのものは荒れた様子。耕作放棄地なのかな。


 昨日泊まった大浦港まで、幹線道路沿いを歩きます。
 海岸を望む高台に、ガラス張りのオシャレな建物ができていて、カフェかと思えば焼き肉屋さん! リタイアの誘惑が、最高潮に達した瞬間でした。


 柱状節理帯の公園まで来れば、ゴールのコンベンションセンターは間もなく。


 と思ったら、ゴールを目前にしてコースは迂回路へ。プヨンホテルの敷地を回り込むように、海岸線をトレースしていきます。うう、もう一息…
 昨年はもっと豪快な迂回コース(しかもアップダウンが半端ない)で、心折れかけたのに比べれば、まだまだマシではありました。


 15時45分、ようやくコンベンションセンターにゴール! 締め切りの16時まで、あとわずかというタイミングでした。
 すでに会場は、2日間の日程を終えたかのような雰囲気で、撤収の真っ最中。完歩証の発行も、あと一歩で間に合わない所でした。


 今年も無事にゲット!お疲れ様でした。
 コンベンションセンターのセブンで、消費したカロリーをビールで充足。体にいいんだか悪いんだか。

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 季節は春、済州島の国際菜の花ウォーキング大会の時期がやって来ました。今年も、日本の3連休に合わせたかのような日程設定。ありがたいことに、有休なしで渡航できます。
 「島旅仲間」とともに、6人組で済州島の春を満喫しに行きました。


 朝6時半に早起きして、エアポートバスで久留米から空港へ。さすが3連休の初日とあって、ほぼ満席です。
 途中、文化センター前から1人、十三部から2人の乗客もありました。空港バスのルートが変わって半年、定着してきたようでなにより。


 今回も済州島までは、エアプサンの釜山乗り継ぎを利用。釜山までのエアプサンは4往復にまで成長しており、ビートルを脅かす存在になりつつあります。
 もっとも済州島までの直行便があれば、1時間もかからずに行ける上に安くて、一番ありがたいのだけど…。数年前に休止されて以来、復活の兆しはありません。


 スムーズに出国手続き場を通過。今まで売店くらいしかなかった国際線の待合室には、セブンイレブンとスタバができていました。
 セブンは1月末、スタバは2日前にできたばかりだとか。


 免税じゃないのは残念だけど、何かと物価の高いゲート内にあって、定価でモノが買えるのはありがたいこと。出国前の儀式(乾杯のことです)も、昨年までよりだいぶお安く済みました。
 おにぎり100円セールも、「国内」と変わらずやってます。


 毎度遅延に悩まされるエアプサンも、今回はほぼ定時運航。福岡市内を抜けて、ドリンクを1杯貰い、入国書類を記入していれば…


 あっという間に釜山上空です。


 ボーディングブリッジに横付けしてくれたので、降機もスムーズ。11時には、ゲートを出ることができました。
 韓国は初めてというメンバーもいるので、今回は釜山での乗り継ぎ時間に少し余裕を持たせてみました。インターバルを楽しむべく、まずは釜山金海軽電鉄の空港駅へ。


 2両編成の無人電車で10分弱、釜山側の終点・沙上(ササン)へ出てきました。
 ホームからは、線路の終端で、無人の電車が折り返していく様子を見て取れます。手品を見ているような、気味が悪いような、なんとも妙な気分です。


 沙上は地下鉄2号線と軽電鉄が接続する他、長距離路線バスのターミナルもある交通結節点。ショッピングモールや電気屋街もあって、賑やかな界隈です。
 駅前をウロウロ歩き、結局は駅前に戻って、お客さんの多いテジクッパのお店に入ってみました。




 釜山名物・テジクッパに、マンドゥでお昼ごはん。庶民の昼飯、うまーい。


 時間は余裕たっぷり。食後の珈琲を飲もうと、隣のカフェをのぞいてみたところ、満員でした。


 しかし裏通りを挟んだ反対側に、同じ名前の店が。どうやら同じ店の本館、別館みないなもののようです。ガラス越しに見た店内はガラガラだったので、喜んで入ってみると…


 がらーん。レジには、こんな文字が。
 「誰もいなくて、戸惑われました?そんな時は…
 『前の売り場で注文する』
 『座ってそのまま待つ』
 選択は自由です💛」
 後者を選択したら、ほどなくして店員さんが現れました。


 韓国で初めて、舌代にハンドドリップコーヒーを見つけ、喜んで頼んでみたら、今はできないとのこと。マスターじゃなきゃ、出せないのかな?こだわりの珈琲、飲んでみたかった!
 代わりにアメリカーノ(2,500ウォン≒258円)を頼んでみたら、かわいいカップで出てきました。味も、ひと昔前の喫茶珈琲とは、比べ物にならない美味です。






 内装も、レトロな風合いでくつろげます。書棚には「路地裏喫茶の作り方」なんて本があり、頑張って一念発起で立ち上げた店なんでしょうね。


 沙上の街をぶらぶら。大通りを渡ると、軽電鉄の高架下は街路公園になりました。散策路調になっていて、歩いていて気持ちが良いです。


 14時50分発のエアプサンで、今度は済州へと飛びます。待合室は、済州へ渡る人でぎっしり。本土内の都市間がKTXで高速移動できるようになっても、済州島は空路に頼らざるを得ません。
 釜山から済州島までの距離は、福岡までより少し長めです。なのに運賃は、半額以下の5千円。その分なのか、同じような機体に見えても少し座席が狭めでした。


 途中でわずかに揺れを感じる場所がありましたが、その都度ベルト着用サインがまめに光るので、逆に安心できました。エアプサンは安全性で定評のある、アシアナ航空の子会社LCCです。
 雲天でも青く見える海を眼下にすれば、間もなく済州空港へ到着です。


 この日の夕食は、昨年日本で知り合ったヒョンさんからお招き頂いていました。場所は、島の反対側の西帰浦市の郊外。
 バスでは不便な場所ということで、6人乗りの大型タクシーをチャーターしました。黒塗りのワゴンは、ゆったりシート。たまにゃ贅沢な感じで、悪くありません。


 空港バスは西帰浦に抜ける際、島中央部にそびえる韓国最高峰・漢撃山(ハルラサン)の西側を回りますが、今回はじめて、東側の1131号線を抜けるルートを取りました。
 標高数百メーターの峠を越え、木々は落葉樹ばかり。秋には紅葉が見事なんだそうです。今度は、木々が色付く頃に来るのも悪くないなあ。


 約束のお店までは約1時間、45kmの道のりでした。タクシー代は61,000ウォン≒6,300円。人数で割れば、さほどの金額ではありません。


 済州のおいしい刺身が食べたい!というリクエストに応えてくれて、ヒョンさんが予約してくれたのは、真新しいビルの2階に構える日本料理屋「ごえん」。
 韓国に来てまで日本料理~?と思うことなかれ。済州の魚の実力を確かめるには、食べなれた食べ方が一番!?






 ヒョンさんが頼んでくれたコース料理。刺身に煮つけ、てんぷらと、次々に魚が出てくるわ出てくるわ。刺身は新鮮でぷりぷり、さすがは島です。海産物だけで、こんなにもお腹を満たしたのは、大分の保戸島以来かも。
 写真には取り忘れたけど、合間に出たカレーコロッケも思わぬ伏兵で美味でした。


 板さんは、ソウル市内のホテルの日本料理屋で修行を積まれたのだとか。日本で修行したわけでもないのに、よくカレーコロッケが作れたものだと妙な所で感心しました。
 西帰浦の街からは少し離れていますが、韓国料理に食べ疲れた時にもいいかも。おごちそう様でした!


 一般タクシーに分乗して、今宵の宿へ。西帰浦市のリゾート地・中文の少し東にある大浦(テポ)にある「ホテルファミリア」です。
 街からは離れているものの、空港バスの停留所が目の前なのでアクセスは良好。周辺には魚介や黒豚料理の店も立ち並び、コンビニもあるので、何かと便利です。


 ツインルームにはキッチンも備わり、長期滞在にも対応。


 窓を開ければ、隣り合うリゾートホテルやペンションの窓明かりが瞬きます。オーシャンビューは、明日の朝の楽しみにしておきましょう。


 大浦港までも、歩いてすぐです。コンビニで買い出した韓国ビールで、ちょっとだけ波止場飲み。人口60万以上の大きな済州島だけど、ぐっと島旅気分が沸いたのでした。

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 せっかくの温泉泊まりなので、朝イチに露天大温泉へ。韓国の温泉ホテルは大浴場の日帰り利用歓迎の一方、宿泊客でも半額程度のお金がかかるのが一般的です。
 山を見渡す露天風呂が自慢の温泉ですが、なぜか湯温が激熱。温度計は50度を指していて、韓国ナンバーワンの源泉温度そのままです。唯一のお客さんだったおじちゃんも、
 「水安堡はいい湯なんだが、これじゃあいかん」
 と困り顔でした。


 せっかくリゾートホテルに泊まったんだからレストランで朝食を、と思っていたらオープンは7時半からとのこと。予定していたバスに間に合わなくなるので、そのままチェックアウトしました。
 タクシーを呼んでもよかったのだけど、山の空気が気持ちいいので、麓までの道を15分、カートをごろごろ転がしながら下りました。


 温泉街は、どこかさびれた雰囲気。昔ながらのホテルは改修費もままならない状態で、廃墟になってしまったホテルもあります。日本のさびれてしまった温泉街と、似たような光景です。
 ただ昨夜見たような、家族湯併設の温泉は新しいものが多く、嗜好の変化も大きそう。中国からの観光客の取り込みだとか、いろいろ活性化の方策もあるように感じるのですが。


 川のせせらぎが清らか。韓国の温泉地は市街地型で「風情」に欠ける所が多い中、水安堡は環境に恵まれています。


 14年前、水安堡には立派なバスターミナルがありました。発車間際のバスを追いかけていたらアイスバーンで転倒、全治半年以上の重症を負った、痛い思い出の地でもあります。
 現在、ターミナルは廃墟となり、市外バスも路上の停留所に発着するようになりました。バスの切符は商店で買えます。ちょっと寂しい気もするけど、14年前からこの形態だったらケガすることもなかったのにとも思います。


 今日も市外バスの時間が合わず、市内バスで忠州市内へ。市外バス停留所に停車する市内バスはわずかなので、50mほど離れた市内バスの水安堡バス停を利用しましょう。
 今日は月曜日。市内へ出勤する人で、車内はぎっしり満員になっていきました。


 市内とバスターミナルで半々くらいの乗客が降りて、駅まで乗ったのは僕ら2人だけ。21万都市の忠州にあって、鉄道は本数も少なく、脇役の存在です。
 きれいな駅前広場が完成、バスやタクシーの乗降場も整備されましたが、市内バスは入ってきません。余計な施設は、旅人を惑わします。


 列車までの時間が30分あり、駅前にCUができていたのは幸い。コンビニ飯で朝ごはんにしました。
 缶詰のレトルト粥が2,600ウォンで、2個買えば1個進呈(2+1と表記されます)だったので3個購入。1個は自分用のお土産にしました。韓国では日本よりもお粥をよく食べ、街にはチェーン店もあります。日本に入ってきてほしい韓国文化の一つです。

 そういえば14年前、韓国のコンビニには必ずあるイートインスペースに対しても、同じことを思っていました。いつの間にか、日本でも当たり前の設備になりましたね。


 ソウル行きの特急「ヌリロ」に乗車。ソウル行きの列車は、1日でこれ1本きりです。それでも高速バスが苦手な人が集まるのか、平日にも関わらず満席近い盛況でした。


 忠州の次の駅は、大学最寄りの達川(タルチョン)駅でしたが、今は廃駅になっています。韓国の鉄道は、近距離輸送をバスに任せ各駅停車の本数はごく少なかったのですが、近年はその傾向により拍車がかかってきました。
 ついに各駅停車が全廃になる路線が続出、小駅は廃止になるケースが増えてきており、達川もその一つです。留学から日本に戻る時、仲間たちに見送ってもらったホームは朽ち果てていっていました。駅舎も、すでに姿がありません。


 車窓には、交通大も映ります。次の訪問は、いつになることでしょうか。


 ヌリロは、日本の日立製の特急電車。デザインは日本の特急電車そのものです。車内のモニタはKORAILのロゴが表示されるだけで、前面が見通せる運転席もスモークガラス化されるなど、車両の持ち味が生かされていないのは残念です。
 忠北線の列車のうち3往復はヌリロになっていて、グレードアップが図られているのは嬉しいこと。ただ列車の総本数は11往復とむしろ減っており、使いやすいダイヤとはとても言えません。本気を出せば、需要は掘り起こせそうな路線なのにと、毎度毎度思ってしまいます。


 小駅廃止の中で、清州空港駅は健在。ほとんど乗降客を見かけない無人駅でしたが、今日はカートを引いた旅行者が5人降りていきました。
 駅の懸垂幕には「空港利用者のための駅なので、駐車場はありません」と大書きされていましたが、駅前には違法駐車の車がひしめき合っていました。


 忠州から1時間、五松(オソン)駅で下車。運賃5,000ウォンなのだから、鉄道運賃もまた割安です。
 14年前は全列車通過の事実上休止状態だった駅も、今やKTX2路線と忠北線の乗り換え駅に躍進。ヌリロの乗降客も多かったです。


 とはいえ下り釜山方面のKTXまでは、1時間以上の待ちぼうけ。1時間に5本停車するような時間帯もあるのに、間隔にムラがあります。
 行政都市の世宗(セジョン)市の玄関口でもあり、通勤重視のダイヤ構成になっているようです。


 駅裏は化学工業団地になっていて、マンションも立ち並び市街化が進行しています。そういえば14年前、清州バイオエキスポなんて博覧会に行ったけど、この辺りだったのかも。
 お土産の買い物でもできればと思っていましたが、雑居ビルのスーパーは撤退した後でした。


 五松駅そのものは乗客も増えてきているようで、前に来た3年前よりも店舗が増えていました。
 一番の変化は、コンコースにウエディングホールができていたこと。3方面からのKTXが集うジャンクションだけに、全国どこからでも出席しやすいのはウリになりそうですね。


 五松駅のKTXホーム。湖南高速線の開業でKTXの分岐駅となり、駅施設の規模も倍になりました。
 せっかく相互の乗り継ぎも便利になったので、湖南~釜山方面の乗り継ぎにももう少し配慮されたダイヤだったらと思います。


 軽食屋で早めの昼ごはんを食べて、11時33分の下りKTXで釜山方面へ。左には、湖南高速線の線路が分岐していきました。


 2時間ばかりうつらうつらしていれば釜山なのだから、ラクなものです。新しい国際ターミナルの威容は、KTXの車内からも見えました。


 釜山駅の構内には、明日からKTX乗車時に荷物検査実施の予告が! 五松駅に何か空港のような機械が置いてあったのですが、このためだったのですね。
 当面はソウル、釜山、五松、益山駅で行うとのこと。検査なしの気軽な乗車は鉄道の持ち味と思ってきたけど、時代が許さなくなってきたということでしょうか。


 釜山でも船の出発まで2時間の余裕があったので、ロッカーに荷物を預けて身軽に。指紋認証式のロッカーで、ハイテクな機器にちょっとびっくりしました。


 駅右手の飲食街で、最後の食事として「鴨ポッサム定食」(9,000ウォン)を頂きました。鴨の甘味がじわっと広がる、いいお味。内容を見れば、なかなかお手頃な値段です。


 4日ぶりに、韓国の玄関口へ戻ってきました。


 帰路にゆっくり見ようと思っていたターミナルだけど、ゆっくり飯を食っていたら、手続き締め切りの出発45分前が迫っていました。広々したターミナルを、駆け足で見て回ります!


 スナックコーナー程度しかなかった旧ターミナルに比べ、飲食店がかなり充実しました。値段はちょっと高めかな? 時間の調整には良さそうですね。


 デッキに出れば、釜山港大橋が一望。1組のカップルがデートしてました。ここからなら、夜景もきれいなんじゃないでしょうか。
 ただフロアには撤退した店舗もあり、移転1年で、思ったほど集客はできていない様子。周辺の再開発も緒に就いたばかりで、建て込んでくれば商業的な価値が上がってくるかもしれません。


 3階の出国フロア。各方面の船会社のカウンターが並び、空港のようです。カウンターにはまだ空きもあり、新規参入、増便にも備えられています。
 仁川空港も当初の需要の数倍規模で作られていますが、おかげで増便にも余裕を持って対応できています。釜山港も、「これでも手狭!」という時代が来てきれればいいな。


 出国審査場をクリアした後のゾーンも充実。免税店は、倍か3倍かとも言える規模になっていました。僕は「頼まれモノ」の煙草を買うくらいなんで小さくてもいいけど、買い物好きにはたまりませんね。


 早めに出国した時には便利だったであろうコーヒー店は、残念ながら休業中。釜山金海空港のようにセブンでも入ってくれればと思いますが、現状では小さな売店があるのみです。


 帰国便は、月曜にも関わらず満席でビックリ。LCCに対して惨敗だと思ってたけど、まだまだ根強い需要はあるようです。
 荷物棚のない中央席だったので、船内後方のラゲッジスペースへ。ここには各種雑誌や新聞もあるので、荷物がない時も出港前に立ち寄っておくといいです。目立たないのか、満席でも新聞は余っていました。


 博多までの3時間は毎回、明日からの日常に備えて休息しておこうと思うのですが、前方モニタの映画が面白くてついつい見入ってしまうのがパターンです。おかげで寝不足は解消しないまま、博多港到着。
 高層ビルのような豪華客船が停泊する姿も、もはや日常となりつつあるのでした。

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 留学時代の先輩がハレの日を迎えた翌日、僕は14年前に1年間を過ごした街・忠州を目指しました。
 帰国後の数年間こそ、軍隊から戻った友人たちが大勢在学していたので何度も訪ねた街ですが、みんな卒業してしまうと足が遠のいてしまうもの。大学は9年、忠州の街も8年間のご無沙汰でした。


 何かと変化の激しい韓国、忠州はどう変わっているんだろう…なんて思いつつ、朝の明洞を散歩。
 そういえば、韓国ではどちらかと言うと忌み嫌われていた動物である猫の立場も、ずいぶん変わりました。栄養ドリンクのCMでは学生さんが街の野良猫を可愛がってるし、明洞にはついに猫カフェまでオープンしたそうな。


 祝!福岡の雄、西鉄のソラリアホテル明洞進出!
 お値段はシティホテル水準で、手が出ませんでした。


 韓国銀行本店、韓国スタンダードチャータード銀行、新世界百貨店が取り囲む交差点。それぞれ朝鮮銀行、第一銀行、三越百貨店として竣工した、日本統治下時代の建物です。来るたびに、不思議な気分に陥る一角です。


 セブンが埋まってる(笑)。


 一般の乗車券もIC化された、ソウルの地下鉄。磁気券を扱わないで済む分、改札機を小型化できるメリットがあり、既存駅の自動改札機の一部も新型に入れ替わっています。
 細身でスタイリッシュ。ラインカラーの照明も仕込まれ、分かりやすさも優れています。




 2号線の電車に乗ったところ、途中の聖水駅止まりの電車だったので、ついでに途中下車。靴の街として有名とかで、駅のコンコースはオブジェがディスプレイされていました。
 売店では愛用しているGalaxyS4のケースも3,000ウォンで買えて、実りある気まぐれ下車に。


 ホームドアに鹿児島県の広告が入っている、江辺駅で下車。ソウルの旧都心から20分ほどの駅で、主に韓国の東海岸方面のバスが発着する、東ソウルターミナルの最寄り駅です。
 長距離バスは都心に乗り入れず、郊外にターミナルを構えるのが韓国流。乗り換えの不便はあるものの、都心での渋滞に巻き込まれないのは合理的です。


 古びたターミナルビルは健在。


 飾りっ気のない緑のビニルシートの床も、変わりありません。自動券売機が入ったのは変化の一つで、駅と違って有人窓口よりもよく使われていました。
 100km以上、1時間半かかる忠州までの運賃は、7,800ウォン。14年前は6,000ウォンを切っていたので値上がりした実感はありますが、他の物価の上がり方に比べれば、だいぶ緩やかなものです。


 ずらりと同じ色のバスが並ぶ、発着場の雰囲気も変化なしです。
 韓国でも、どちらかというと発展から取り残されたイメージのある地方へのバスが発着する東ターミナル。懐かしくはあるけれど、均衡ある発展の象徴としても、他のターミナルのようにきれいになってほしいと、毎回のように思います。


 運賃が安い分、トイレもなく、素っ気ない内装のバスで一路忠州へと向かいます。留学時代はこのバスに乗って、月に何度もソウルに遊びに行っていたものです。


 2本の高速道路が平行する、中部高速道路を南下。1本は途中にICがあり、1本はノンストップという緩急分離型です。はじめて見た時は驚きました。
 ただ今日は、ノンストップ側の上り線で事故が発生。途中ICありの方はガラガラなのに、ノンストップ側は逃げ場もなく渋滞していました。


 忠州ICで一般道へ。忠州バスターミナルまでノンストップのところを、途中にある大学前で便宜下車させてくれるサービスは、今も健在でした。ソウル行きでは「便宜乗車」できず原則通りでしたが、これも変わっていないことでしょう。
 バスの乗客の半分以上は下車。僕らも続きます。


 留学先だった、国立忠州大学。2012年には鉄道大学と統合して、韓国交通大学という名前になりました。今回は統合後、初の訪問です。
 当時から今のような形だったら、たぶん鉄道系の学部がある義王 市の方に留学していただろうな。


 真冬でも暖房が弱くて、夜中になればお湯が出ない極寒の寄宿舎「国原生活館」は、全面リニューアルされていました。今の学生は、寒さに悩まされていることもないんでしょう…たぶん。




 大学本部は敷地の高低差を生かした、ガラス張りの超近代的な建物に。


 おしゃれなオープンカフェまでありますよ! 150ウォン(15円)の自販機コーヒーを愛飲していた僕らの時代とは、えらい違いです。自販機コーヒーも200ウォンに値上がりしつつ健在ですが。


 学食も、見晴らしのよい場所になりました。その分(?)、1,200ウォンだった昼食も倍以上の3,000ウォンになっています。
 学費が安いことから貧乏学生が多く、1,200ウォンになった時には反対運動が起きたなんて話も聞いたことがありますが、今はどうなんでしょう。


 学食の隣には、コンビニのCUまで! CUは、一般講義棟や図書館にまで進出しています。


 本部の屋上からは、大学構内と学生街を一望。郊外で田んぼも多く、のんびりした環境です。同じく郊外にあった大分大学から留学した身として、違和感がなかったことを思い出します。


 一方、学内でもっとも長い「居場所」だった学生会館は、学食や郵便局が抜けたくらいであまり変わっていませんでした。お世話になった日本語サークル「えがお」の部室も、そのままです。
 誰かいたらドアをノックしようかとも思っていましたが、夏休み中の日曜日とあって真っ暗でした。


 もう一つ変わっていなかったのは、旧忠州大学時代のモニュメント。大学概要やホームページなんかには必ず登場する、大学のシンボルでした。
 健在ではあるものの御用済みのものでもあり、草生している姿は、「忠州大学」出身者として寂しくもあります。


 車座になってマッコリを酌み交わした芝生広場は、整備されて屋外ステージに。きれいではあるんだけど、遊びの空間も大切だった気がするなあ…
 昨日の先輩も、僕が大学に行ってみると言うと、「いいなあ、芝生でマッコリだね」という言葉がついて出るほどの、思い出の場所でした。


 大学まで市内バスが入ってくるようになったのは、画期的な進歩。川を渡り、学生街を抜けていった先にあるバス停までは、大学の奥からだと徒歩20分近くかかり、雨の日なんかは大変だったんです。


 統合で学生も増えたのか、学生街も目に見えて賑やかに。ファミマ(現CU)1軒しかなかったコンビニは、セブン、GS25も進出して大手3社が揃いました。


 かと思えば、値段が安い個人商店も健在です。


 もっとも近いスーパーと言えた農協も建て替わり、生活用品一式から家電製品まで扱うようになりました。カフェやベーカリーまで入っています。大学の前で一通りの生活は完結できてしまいそうで、今の学生さんがうらやましいです。
 カフェに至っては、学生街にそれこそ「軒を連ねて」いる状態。まともなコーヒーを飲みたくて、ソウルのスタバまで行ってた日々は今や昔です。


 忠州の街中まで、市内バスで向かいます。時刻表などなく、いつ来るか分からなかったバスも、今やバスロケシステムでバスの現在地まで分かるようになりました。全国共通ICカードも、当たり前のように使えるようになっています。


 街中のバス停で下車。昔は案内放送がなかったので、バス停の名前なんて意識したことがなかったのですが、よく使っていたバス停が「公設市場」だったことを初めて知りました。
 日本の地方都市だと、中心部が元気をなくしていることが多いのだけど、忠州の街中はそんなに変わっていないようです。ちょっと大きめのダイソーまで進出してました。


 アーケードがかかった公設市場。嫁さんを案内するものの、実は留学当時、一度も来たことがない場所ではあります。
 日曜の夕方だからか、ガランとした雰囲気。ほとんどの店は開いているんですけどね。




 一方、通りを挟んだ「若者の街」は人通りも多く、週末の雰囲気がありました。何度か映画を見に来た、街中のシネコンも健在です。
 市内の大型店はEマート、ロッテマートの2店舗から増えていないようで、中心部の賑わいは健在でした。


 今夜の宿泊先は、忠州市郊外の温泉地・水安堡(スアンボ)。バスターミナルから市外バスに乗ればノンストップで行けるけど、街中からなら市内バスに乗った方が乗り換えもなく便利です。
 バスロケのおかげで、バスの時間いっぱいまで街歩きできました。

 もっともバスロケは、ハングルを解さないとまず使えません。バス停名は上下線で分かれていて(同じ「国民銀行前」でも、「国民銀行前」「国民銀行前(反対側)」 になっている)、目指す方角とバス停の位置関係が分かっていないと使いづらいです。


 郊外へ向かうバスは思いの他、若者で混んでいました。建国大学前でもそんなに降りず、どこへ向かうのかと思っていたら、山の中の警察学校前でほとんど下車。短い休日を、街中で楽しんできたところだったんですね。


 バスは国道3号線を南下。自転車道路が整備されていて、スポーツサイクルでサイクリングする人が目立ちました。山の空気は涼しく、温泉もあるってことで人気なのかな? 自転車のメンテ店や、サイクリスト用のゲストハウスも見かけました。


 温泉街に到着! まずは夕食を食べようと、お客さんが何人かいた食堂に入ってみました。
 名物・キジ料理を食べてみたかったけど、1羽分6万ウォンと2人で食べるには高価です。井戸端会議に来ていた近所のおばちゃんが
 「半分で出してあげられない?」
 と助け船を出してくれたけど、
 「1匹絞めちゃうんだから無理よ」
 と至極まっとうな理由で却下。

 代わりに、同じく名物という自然産キノコ鍋にしてみました。肉や魚介は一切なしの、本当のキノコ鍋。だしがよく出て、おいしかったです。


 食堂を出ると、今夜の宿泊先のパークホテルへ行くタクシーを捕まえようとしている二人がいたので、便乗させてもらいました。温泉街からは距離があるので、助かります。
 しかも着いてから割り勘しようとしたら、
 「いいですよ、どうせ二人で乗るつもりだったので」
 と断られてしまいました。旅先で受ける親切、嬉しいものですね。


 さっそく水安堡 パークホテルにチェックイン。外観こそ「ひと昔前の観光ホテル」といった古びた雰囲気ですが、中は改装されていて居心地は良好です。


 しかも部屋ごとにテラスがあり…


 テラスからは、暮れ行く温泉街を見下ろすことができました。日曜日とはいえ、日本からのネット予約で10,307円はなかなかお値打ちだと思います。




 日が暮れてから、もう一度麓の街へ。人通りが少なくて寂しいですが、イルミネーションはきれいです。


 バス停周辺には「家族湯」の看板を掲げたホテルが多く、どんなものなのかと2軒で尋ねてみました。どちらも貸切り湯ではなく、風呂付きの客室を日帰り利用できるシステムなんだとか。3時間で3万ウォンくらいするらしく、宿泊でも7万ウォンくらいだそうなので、泊まってしまった方がよさそうですね。
 コンビニで買い出しして、タクシーでホテルへと戻りました。秋の夜風に吹かれながら、おやすみなさい。

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 8月20日(土)は、ついに迎えた先輩のハレの日です。
 僕らはホテルのお引越し。快適、リーズナブルだったホテルレックスをチェックアウトして、明洞へと向かいました。


 実は今日のホテル、事情あって昨夜急きょ抑えたものです。週末のソウルとあってなかなか空きがなく、ようやく見つけたのがこちら「K-POPレジデンス明洞」でした。


 こことて4人室のファミリールームしか空きがなく、2人だと10万ウォンオーバーとちょっと割高になりました。2段ベッドが並ぶ部屋は家族旅行より、気の合う仲間とのソウル買い物旅行向きかも。
 立地は明洞の繁華街ど真ん中で、門限もないので、寝に帰るだけなら最高でしょう。


 シャワーは、トイレの中に「ある」と言った感じ。快適に使うには、工夫を要します。


 地下鉄2号線で忠正路駅へ。ソウル駅の裏口からもほど近い複合ビルの中にあるのが、今日の会場・アベンティウムです。
 韓国のウエディングホールは、日本人の感覚だと「え、こんな所に!?」と思うような場所にあることもしばしば。電器屋の中だったこともあります。


 14時、開宴! 韓国の結婚式には宗教色がなく、新郎新婦入場~主礼(恩師からの言葉)~余興(今回は、プロ級の歌唱力のご友人から、お祝いの歌でした)~記念撮影と、流れるように進んでいきます。時間は1時間。これでも少し長い方で、早いと30分くらいでお開きになることもあります。
 ともあれ、どのような形の式であってもおめでたいものです。末永く、お幸せに!




 式の後は、受付で貰った「食券」を手に隣りのビュッフェへ。新郎新婦専用の会場ではなく、この日式を挙げるカップルたちのゲスト同士「相席」です。さすがは都会の式場だけあって、豪華な雰囲気。デザートも充実していました。
 めいめいでご飯を食べている間に、新郎新婦と家族は幣帛(ペベク)と呼ばれる挨拶を交わします。


 お、生ビールまで! ただ酒飲みが多いイメージの韓国にあっても、結婚式ではそうそう飛ばさないのがマナーだと感じてます。特にこの日は混み合っていて、次の式の人たちも待っていたので、早めに退席するよう促されるという具合。
 新郎新婦がまだ登場していなかったので、ちょっとだけ粘らせてもらいました。次の式のゲストが入ってくる頃になって、ようやく韓服に着替えた新郎新婦が入場。いや~めでたい!


 式が終わればそのまま解散というパターンも多いのですが、今夜は披露宴を準備しているということで、式場からすぐ近くの「竹林工場PAB」へ。輸入モノのクラフトビールを揃えたビアパブです。
 竹林を作っているわけではなく、竹林という街のビール工場というニュアンスのようです。


 中も天井が高く、ビアホールのような雰囲気。17時かららしいけど、ぼちぼちといった感じで友人たちが集まってきました。先輩の下宿や地元で会った、十数年ぶりの懐かしい顔も。
 昨日のことのように思い出せる韓国留学から、もうそんなに時間が経ったのかと思うと、感慨深いものもあります。


 さすがはビールがメインの店とあって、飲み比べセットは4種類。どれが好みだと通ぶっていたら、着替えを終えた新郎新婦が登場しました。
 「披露宴」と銘打ってはいたけど、日本の感覚だと3次会のような雰囲気。いつしか言葉の壁も超えて、
時間を忘れて盛り上がっていました。


 締めは、お向かいのカラオケへ。部屋が広い広い。日韓織り交ぜての歌合戦は、日付が変わる頃まで続いたのでした。

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 8月、韓国留学時代の先輩がハレの日を迎えることになりました。僕の式にも遠路はるばる駆けつけてくれた先輩の晴れ舞台となれば、万難を排して行く他ないでしょう!
 2ヶ月前には切符を抑え、その日を心待ちにしました。


 出発日の8月19日(金)は5時台に早起き。平日で混雑している西鉄の急行電車で天神へと上り、バスで博多港へとやって来ました。
 最近の訪韓はLCCばかり利用していたけど、鉄っちゃんたるものこれじゃいかんとばかりに、久々にビートル&KTXの乗り継ぎでソウルまで上京です。2ヶ月前の早割を抑えていたおかげで、釜山までは往復7,900円という安さになりました。


 夏休みシーズンの真っ最中というのに、2階席はガラガラ。最近は福岡~釜山のLCC・エアプサンが1日4便にまで増えてきており、ビートルは減船、減便と価格破壊で「守り」に入っています。実際、一度飛行機のラクさを知ってしまうと、ビートルには戻れないという人の気持ちは分かるところ。
 ただ荷物検査もなく、ペットボトルのお茶を携えたまま乗れるビートルの気軽さは、捨てがたいものがあります。


 睡眠不足の解消と、船内テレビで流れるリオ五輪のハイライトを見ていれば、3時間の航海もあっという間(?)。釜山港大橋を渡り、釜山港へと接岸しました。
 1999年に初訪韓した頃から変わらなかった釜山港の国際ターミナルも、ついに昨年8月、移転オープン。移転後、初の釜山上陸です。


 まるで空港のような入国審査場を経て、ターミナルのコンコースへ。待合室は広くゆったり、テナントも増えて、ずいぶん快適なターミナルになりました。
 帰路に見学するとして、今日のところは先を急ぎましょう。


 移転で、繁華街の南浦からは離れてしまいましたが、鉄道旅行派にとっては釜山駅まで徒歩で行けるようになり便利。ターミナルを出れば、釜山駅の裏口は至近距離です。
 日本と同じく韓国も猛暑、徒歩10分も少々辛くはありましたが…


 切符売り場の行列に並んでいたら昼食の時間もなくなってしまったので、駅3階の「本ビビンバ」でお弁当を買って、ソウル行きの高速列車・KTXに乗り込みました。
 深い容器は、まぜまぜするのもスムーズ。本格的な味で、おいしかったです。隣の席のおばちゃんも、「どこで買ったの?中で買えるの?」と興味津々の様子でした。


 13年目を迎えたKTX、座席のモケットが張り替えられ、ちょっと雰囲気が変わりました。

 そして変化は車内サービスにも。従来の車内販売に加え、コーヒーとスイーツを載せたカフェのカートも回るようになっていました。味も市中のカフェと変わらないレベル、その代わりにコーヒーの値段も4,600ウォンとカフェ水準です。
 デビュー時はUCCの本格的なドリップコーヒーを3,000ウォン(在来線の3倍!)で出していましたが、当時は本格的なドリップコーヒーは受けず、薄い韓国式コーヒーに戻っていたKTX。ようやく時代が追いついてきたと言えそうです。


 韓国を縦断して2時間半、午後4時にソウルへ到着。久留米から9時間半の旅路でした。


 地下鉄4号線で1駅、会賢駅へ。地上に出ると、街には激しい夕立が降っていました。最近の福岡ではあまり見ない、夏らしい夕立です。




 本日の泊まり先は、ホテル・レックス。明洞にも近いということで、日本人観光客にも人気のホテルです。
 1万円を切る値段で予約できましたが、部屋割りの都合で無料アップグレード!定価なら3万円近くするデラックススイートになりました。広すぎて、どう使ったらいいのか分かりません。


 夕方6時をまわり、涼しくなったのを見計らって街歩きに出発。4号線と6号線、5号線を乗り継ぎ、漢江の中洲に当たる汝矣ナル駅にやって来ました。
 漢江の底を走る5号線。その川辺の駅とあって、ホームはかなりの深さにあります。駅にはあちこちに、図解入りの「深いですのでご理解をお願いします」との看板が。苦情が多かったのかな…。




 漢江公園までは、駅から歩いてすぐ。暑いこの時期、川辺の公園は夕涼みの人で大賑わいです。韓国でも今年は猛暑で、ソウルは35度を超える猛暑日続き。夕方でもそんなに涼しくはないけど、習慣なんでしょうか。
 レジャーシートを敷いて、ビールを飲んだりカップラーメンを食べたりしつつ、ただ過ごしている人が多かったです。


 漢江名物の遊覧船に乗船! 乗船場が汝矣ナル駅から近い、漢江アラ号です。昼は遊覧のみで15,000ウォン、夜は公演とビュッフェが付いて50,000ウォン以上となかなか高価。ただ今日は「特別な花火コースです」ということで、食事なしの35,000ウォンでした。
 花火?花火大会でもあるのかな? ワクワクしながら乗船しました。


 船はなかなか豪華な雰囲気で、クルーズ気分が味わえます。


 1階のホールでは女性シンガーの公演があっていましたが、やっぱり夜景を楽しみたいというわけで、屋上のデッキに上がってきました。
 スピーカーで聞こえてくる歌声を聞きながら、63ビルに見送られて上流へと上っていきます。




 広い漢江には、時代も構造も様々な橋がかかります。わりとさっぱりした構造のPC橋でも、ライトアップの仕方次第ではいい景観になるものです。


 京釜線は、長距離列車も通勤電車も走る大動脈。ひっきりなしに列車が行き交います。高さもあまりないので、頭の真上を列車が駆けて行き、なかなかの迫力でした。




 上流の蚕室(チャムシル)付近まで来ると、川幅も広がりぐっと涼しくなってきました。久留米では猛暑日続きで、夜も熱帯夜ばかり。ひさびさに感じる自然の風の涼しさに、ほっとします。


 せっかくなので、公演をやっているホールもチラリ。ホールに入ってしまうと、景色はまったく見えなくなってしまいます。
 蚕室までの往復コースなので、往路は公演、復路は夜景という楽しみ方をしている人が多かったです。


 川を下り、再び63ビルが姿を現しました。川辺では「K-POPフェスティバル」をやっていて、大音響で歌声が響いてきます。
 大都会の川辺は、お祭り騒ぎの場でもありました。


 ほとんど船着き場まで戻ってきました。花火はどうなったの…? と思っていたら、案内放送が。船着き場の真横で、打ち上げ花火が始まりました。このクルーズのための花火だったんですね!
 花火大会ほどの規模はないにしても、5分ほど続く花火の見ごたえはなかなか。船上の特等席から見られたので、贅沢な感じもありました。川辺で夕涼みする人たちにとっては、ラッキーな出来事ですね。


 花火の後は少しだけ下り、国会議事堂の夜景を望めました。川辺には屋台が並び、縁日のような雰囲気。時間は間もなく9時だけど、1000万都市・ソウルの夜は始まったばかりです。




 1時間半のクルーズを終え公園に戻ると、涼しくなってきたこともあって、ぐっと人出が増えてました。大道芸やミュージシャンのパフォーマンスを見たり、セグウェイやサイクリングを楽しんだりと、それぞれが夏の夜を満喫してます。
 これだけの人が家でエアコンを使わずに外で過ごしているんだから、省エネの効果もありそうです。


 僕らは地下鉄で明洞へ。チメク(チキン&メクチュ=ビール)を楽しめる店、チルチルにやって来ました。


 もはや新たな韓国料理と言ってもいいチメクですが、こちらの店はチキンにもアレンジを加えています。
 僕らが頼んだのは、クリームパスタと絡めたチキン。チキンだけで楽しんでもよし、パスタと合わせてもよし。カロリーはすごそうだけど、旅先では気にしてもいられません。




 ビールも、生だけで3種類を準備。飲み比べセットもあります。日本でも今年、クラフトビールがブームになりましたが、韓国では輸入モノのクラフトビールが市民権を得つつあるようです。


 夜11時。宵っ張りのソウルにあって、明洞は10時頃に店が閉まる比較的夜の早い街だったのに、昼間のような人通りです。
 大陸からの観光客が多く、街の空気も少し変わりつつあるように感じました。

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