Chang! Blog
福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです




 週末のお気軽釜山旅行。2日目の5月25日(日)は、観光地周遊バス「釜山シティツアー」に乗って、海を望む観光スポット・月見の丘に行って来ました。


 女性陣は、南浦にできた新しいホテル「アベンツリー」泊まりでしたが、お金のない男子は、チャガルチの安宿に宿泊。ホルモン焼き屋の並ぶ一角にある旅館です。
 飾り気もない商人宿のような旅館でしたが、性に合っているのか、ぐっすり眠れました。


 一同、昨夜のホルモンがまだ胃に残っており、朝はコーヒーだけで済ますことに。ならばここへ!ということで、釜山駅構内の鉄道テーマカフェ「デル・トレイン」へ入りました。
 昨年までは鉄道模型が並び、天井には豆汽車が走り回る「鉄道カフェ」らしい雰囲気でしたが、今は模型もなく、豆汽車も停止中。だんだん「普通のカフェ」になりつつあるような気が…


 釜山駅からは、観光地を巡る周遊バス「釜山シティツアー」の海雲台(ヘウンデ)コースに乗り込みます。30分毎に運行され、自由に乗り降りして観光を楽しめるバスです。太宗台コースと共通利用できる1日券が、1万ウォンなり。
 9時20分頃に乗り場に行って見れば、9時半発は既に満席。10時発を待ったところ、運よく2台しかないオープンタイプのバスでした。このバスも乗りきれず、シティツアーは大人気です。




 頭のすぐ上を、信号機や看板が飛んでいくオープンバスは迫力満点。普通の韓国の街並みも、アトラクションのようです。
 街路樹も、2階席に容赦なく飛び込んできます。これも面白さの一つ!?


 今日の午前中は広安里大橋でマラソンイベントが行われるとのことで、午前中のシティツアーバスは、海岸道路や橋を経由しないことに。「本当にいい景色ですので、途中で観光して午後のバスで橋を渡られること」を強くオススメされていました。
 橋の上には、ずらりとオレンジのユニフォームを着た人が列を成していました。海を渡るマラソン、気持ちいいだろうな。


 海岸リゾート海雲台の玄関口、海雲台駅に到着。今は地下鉄の駅しかありませんが、昨年までは長距離列車の駅がありました。大規模な線路の経路変更により、海雲台駅も移転。地下鉄と列車の乗り継ぎもできなくなっています。
 立派な旧駅舎もさみしい様子にと思いきや…


 この4月、市民ギャラリーとして再生されたばかりのようで、駅の雰囲気を残しつつきれいに飾られていました。
 ただ開館時間のはずなのに、なぜかオープンしておらず残念! 窓越しに写真を収めました。


 タクシーを飛ばし、月見の丘へ。海雲台の海を高台から望み、おしゃれなカフェが並ぶスポットという予備知識から、小さなカフェが並ぶ糸島海岸のようなものかなと思っていました。
 実際は、立ち並ぶカフェは大きなものばかり。海沿いには松林が並んでおり、海の眺望を楽しむには、いきおい建物が高くならざるを得ないようです。


 海を見ながらのティータイム(僕はビール)。曇っていた空が急に晴れてきて、海も輝き始めました。カフェはガラガラで、貸切でリゾート気分を満喫です。
 それにしても客が僕らだけだなんて、今は流行っていないのかなと思っていたら、12時を境に急に客がなだれ込んできました。混む直前に来れて、ラッキー。


 気持ちのいい遊歩道を下ります。
 なお線路移設前の東海南部線は、韓国では希少な海を望む絶景路線として知られた存在。現在は遊歩道として開放されているとのことです。今回は時間がなくパスしたけど、次回はぜひ線路上を歩いてみたいものだと思います。


 海雲台のビーチは5月というのに、早くも初夏を楽しむ観光客で賑わっていました。後続のシティツアーバスも、運よく2階オープンタイプ。ほぼ定刻にやって来ましたが、満席状態です。
 本来は立席乗車できないバスですが、「自由に乗り降りして楽しめるバスなので」ということで、特別に立席乗車が認められました。とはいえ立っていては、せっかくのオープンバスの楽しみも半減…と思っていたら、運転士の案内放送が入ってきました。

 「本来ならば立席できないバスなのですが、同意頂いたお客様のみ、1階に立席でお乗り頂いています。少々きついとは思いますが、ご理解下さい。
 腰が痛いとか、膝が痛いとか、大変とは思いますが、座っているお客さんも大変なんですよ。右の人は左が見えない、左の人は右が見えない。反対を見るのは大変です。
 立ってる方、両方よく見えるでしょう?(低い声で)楽しんでください…」

 お、なかなかウイットのある語り。満員バスと、マラソンの影響による渋滞のイライラもどこへやら。渋谷のDJポリスならぬ、「DJ運転士」のオンステージが始まりました。


 「新世界百貨店がなぜ観光名所なのか?ただの百貨店ではありません、スパや屋上庭園も備えた、韓国最大なだけではない、世界最大の百貨店です。とても大きいでしょう。
 ただ中に入ってみると、そんなに大きな感じはしません。なぜか?個人的な考えなんですが…壁が厚いのでしょう」


 「このシティツアーバス海雲台コースのハイライト、いや釜山のシティツアー全路線の中でもハイライトと言えるのが、この広安里大橋でしょう。それでは間もなく、広安里大橋です!」
 (パチパチパチ…)
 「どうされっちゃたんですか…。もう一度チャンスを与えます、最大のハイライト、広安里大橋です!」
 (2階席の乗客:ヒュー!!!)


 本来、走行中の2階席は着席が必須なのですが、橋の上には低い看板も電線もないということで、1階席に閉じ込められていた人も、特別にオープンデッキでの「スタンディング」が認められました。
 ただでさえスリルのある2階席ですが、立席ともなればかなりスリリング。運転士さんは可能な限りの徐行運転を行い、安全運転につとめます。吹き抜ける風、広がる景色に、気分は爽快!


 「最大のハイライト、広安里大橋も間もなく終わりです。日頃のストレスも、さぁっと消えて行ったのではないでしょうか?ストレス解消には大きな声で叫ぶこと、最後にもう一度叫びましょう。3、2、1―」
 (乗客:ヒュー!!!)
 「はい、では街路樹がたくさんあって渋滞もしている、ストレスだらけの都心へ戻りましょう」


 DJ運転士の名調子に、乗客も「いや~おもしろい」「ぶっ飛んでる」と、すっかり楽しんだ様子。釜山駅の到着は30分遅れになりましたが、降りて行く乗客はみな笑顔でした。


 バスの遅れで、遅いランチに参鶏湯を食べる計画はおじゃんに。代わりに、DJ運転士もイチオシの釜山名物、テジクッパ(豚のクッパ)をお昼ごはんにしました。
 豚で煮出した汁は豚骨ラーメンのスープのようで、海を挟んで福岡と似たような食文化が根付いているのは、興味深いことです。


 釜山駅。セウォル号犠牲者への釜山市民焼香所は今も続いていましたが、3週間前のような行列は見られなくなっていました。追悼ムードも、少し解けてきたようです。
 15時45分の船で、一路博多へとバック。普通の土日でも、すっかりリフレッシュできました。

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 GWの4日間は韓国で楽しんできましたが、まだまだ行きたい場所はいっぱい。月末に釜山旅行に誘われ、二つ返事でOKしていました。
 「釜山女子旅」にくっついて行った男子の、2日間の顛末。1日目は、「釜山のマチュピチュ」とも呼ばれる文化の街・甘川(カムチョン)文化村を訪ねます。


 釜山までの往復は、お馴染みビートルに乗りました。円安、韓国離れのダブルパンチで、乗客減の続くビートル。土曜日の朝便というのに半分も乗っておらず、ちょっと心配になってきます。
 海は凪ぎで、船酔いとは無縁だったのはありがたいことです。


 2日前に開通したばかりの釜山港大橋をくぐり、釜山港着。南浦のホテルへ寄った後は、富平の食堂街でランチにしました。ポッサム、おいしかったです。


 食後の甘味は、BIFF広場の屋台のホットクを。有名な屋台のようで、大行列をつくって買い求めました。


 今日の目的地・甘川洞へは、チャガルチ駅7番出口・フェニックスホテル前のバス停から、頻発運行の17番バスに乗り込みます。
 2週間後に統一地方選挙を控えた韓国。市・区それぞれの長、議員、教育長、教育委員を選ぶ「1人8票」選挙のため、候補者の数も膨大です。街のビルや交差点は、候補者の横断幕がこれでもかと言うほど並んでいました。


 長崎のような風景を見つつ、荒い運転のバスに揺られること20分弱、終点で下車。


 文化村へは路上でマウルバス(コミュニティバス的なミニバス)の1、1-1、2系統に乗り換え。甘川小学校前(文化村入口)バス停まではものの数分ですが、急坂なので歩いたら大変そうでした。
 文化村入口の観光案内所で、ガイドマップ(2,000ウォン)を購入。各施設でスタンプを押すと、絵葉書を貰えます。


 村の入口から数分のハヌルマル(空の床)の展望台から見下ろした、文化村の風景。びっしりと家々が並び、まるで島の集落のようです。
 反対側は、釜山港大橋の雄姿を望むことができます。


 壁が彩られた家が続き、近くで見ても楽しめます。


 思わず迷い込みたくなるような、階段の路地。


 星の王子様と共に。


 路地の階段は、積み重ねた本のよう。


 建物だけではなく、干された洗濯物も集落に彩りを与えます。


 路地裏に並ぶ家々の一部は、アートスペースに生まれ変わっています。
 「現代人の部屋」に入ると、部屋の中に置かれた手という手が、一斉にキーボードを打ち始めました。面白いけど、日常を思い出し少し憂鬱な気分に…。


 まっすぐに続く階段は、通称「星を見に行く階段」と呼ばれます。何てロマンチックな名前かと思いきや、星の幻覚が見えるほど疲れる、急な上り階段という意味だとか。
 地方選の運動員に、「前の選挙で支持したけど、何もしてくれなかったじゃない!」と苦情を申し立てるおばちゃんの声が響いていました。


 街の中心部にあった銭湯「健康湯」は、コミュニティスペースになっています。浴室も銭湯だった時代の姿そのままに、アートスペースになっていました。




 健康湯は「谷」に位置するため、屋上の展望台に上がると、迫りくるような家々の景観が広がります。
 健康湯の4階はゲストハウスになっていて、ここに泊まって夕方~夜~朝と移り変わる風景を眺めてみたいものだなと思いました。


 「星を見に行く階段」をヒイヒイ言いながら登る人々を、高見の見物(笑)。


 集落をぐるりと回り、再び村の入口へ。集落を見下ろすフォトゾーン「一つになる」で一枚。目の前の現実なのに、不思議な感覚にとらわれます。
 もともと村にあった色合いやスケール感を逸脱することなく、アートが溶け込むように「たたずむ」甘川文化村は、経済論理で計れない豊かさを得ているように見えました。


 帰路は地元のおばちゃんに教えられ、2番バスで地下鉄土城駅に抜けました。駅までは10分もかからず、17番バスのルートよりずっとスムーズ。ただ2番バスは1時間に2本程度の運行で、17番ルートの方が待たずに移動できます。
 夕ご飯は、富平市場の飲み屋街へ。道路へ席を出している店が多く、外で飲むにはいい季節だけあって、外の席から埋まっていました。


 混んでいたホルモン焼きの店の、最後の1席に入り込んでみたら大当たり! おいしいホルモンに、ビールが進みました。


 食後は「女子旅」らしく、南浦の商店街のコスメ店を巡りつつロッテ百貨店へ。
 9時過ぎというのに、屋上のカフェと動物園スペースがオープンしていました。


 海側には開通したばかりの釜山港大橋が、いろんな色に姿を変えながら輝いていました。


 「シメ」は、米・ミラービールのビアホールへ。GWにソウルで呑んだ時の写真を見た、同行者のリクエストです。
 ノッポなジョッキは、飲んでいるだけで楽しい気分に。街の風を浴びながら、いい気分で夜は更けて行きました。

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 4月29日の「昭和の日」は、JR九州旅行の「駅長おすすめの日帰りグルメきっぷ」を使っての、天草グルメ旅に出かけました。日帰りグルメきっぷは、往復のJR券と目的地での食事がセットで、大幅割引になったパック商品。きままに電車の時間を選べるのも、嬉しいところです。
 今回の松島観光ホテル岬亭のプランは久留米発9,570円ですが、熊本から乗るメンバーもいたので、熊本発(4,730円)と「ビックリつばめ2枚きっぷ」を組み合わせました。


 新幹線でわずか30分、熊本へ。特急「A列車で行こう!」に乗って天草の玄関口・三角を目指します。なお指定席特急券は別払いのオプションです。


 今回は6人グループでしたが、ボックスシートが2組確保されていたのは嬉しい配慮。テーブルが広く、顔を突き合わせてのワイワイ旅行です。


 A列車の楽しみは、1号車に設けられたA-TRAIN BAR。大人のための観光列車にふさわしい、アルコールが中心のビュッフェです。
 ただ熊本~三角間はわずか40分間とあって、どうしても混雑してしまうのは泣き所。出遅れると、「Aハイボール」を手にするのはコース中盤ということになってしまいます。博多延長運行の時だと、ゆったり楽しめそうですが…。


 残念ながら曇り空ですが、デコポン入りのAハイボールを傾けながらの旅は、気分格別です。飲み干す頃には、三角到着の放送が流れていました。


 宿から三角駅までは、送迎と船を選べます(ただし船コースは1,000円強割高になります)。今回は船に弱いメンバーがいたので送迎を頼んだのですが、船にも乗ってみたいので、片道だけ船賃(900円)を払って有志で乗ってみました。
 天草宝島ラインは、A列車と同じく水戸岡鋭二氏のデザイン。A列車に接続するダイヤが組まれており、これまでバスに押されていた列車+船の天草アクセスがにわかに脚光を浴びています。


 船室も「水戸岡デザイン」されていますが、やはり2階デッキで風を浴びながらの旅が最高!少し肌寒かったけど、天草の島々と橋が右に左に展開します。
 デッキの柵は案外低くて、ちょっとスリリングでした。


 前島まではわずか17分、ジェットスキーの出迎えを受けました。
 海をショートカットするルートだけに、陸路よりだいぶ早いだろうと思っていたのですが、港には送迎班が待っていました(笑)。


 岬亭に入れば12時で、ちょうどお昼時。パンフレットではレストラン食と書かれていましたが、部屋に通してもらえました。
 さっそく「お母さんのおかげです。」コースの始まり。エビは天ぷら、焼き、踊り食いと3匹も出てきました。


 鯛もどどんと姿造り!
 海の幸がてんこ盛りの食事は豪勢で、これだけで4,730円の価値は充分にありそう。日帰りグルメ、お得感はかなり高いです。


 さらに温泉入浴もセットで、家族風呂もサービスで使えます。家族風呂サービスは女性陣に使ってもらい、男性陣は大浴場へ。海が見えないのは残念だったけど、ガラガラの風呂でのんびりくつろぎました。
 ただ帰路の送迎は14時出発で、2時間ではちょっとバタバタな感じで残念! もう少し長く滞在できればと思うのですが、A列車の時間に合わせるにはこの時間が限界で、難しい面はありそうです。


 送迎バスで三角へ。天草五橋から眺める島々も、船とはまた違った風景で、片道船+片道送迎というコースがあってもいいなと思います。
 送迎バスは三角駅はもちろん、熊本市内や空港まででも行ってくれるという大サービスぶりです。とはいえ市内まで行ってしまっては切符がもったいないので、三角西港まで送ってもらいました。




 九州の近代化遺産として世界遺産入りを目指す西港は、精巧な石積みの岸壁や、港湾施設の洋館が今も残る界隈。規模は違えど、門司港レトロのような雰囲気を楽しめます。


 高台には旧三角簡易裁判所があるというので行って見れば、そこには寺子屋のような木造建築物が…


 しかし内部は、確かに裁判所。中に入っての見学も自由で、裁判ごっこも楽しめます(笑)。
 意外にも最近、平成4年まで現役の裁判所だったとのことです。


 熊本までの帰路は、普通列車で。


 御輿来海岸はちょうど干潮を過ぎており、この時に夕陽が沈む風景は実に素晴らしいとのこと。
 今日は残念ながら曇り空でしたが、絶好の風景は年に何度もあるものではないそうです。


 富合駅近くの九州新幹線熊本総合車両所には、試験運転を始めたばかりのフリーゲージトレインの姿が!
 降りて近くで見たい衝動にかられますが、今日はグループ旅行。じっと我慢です。


 熊本では友人の案内で、塩ラーメンの名店へ。とんこつラーメンが主流の九州では、とんこつではない旨いラーメンには、なかなか出会えないものです。
 あっさりながらもきちっと「味がある」塩ラーメン、うまかった!


 友人宅前から見た、熊本駅新幹線口。ホームからの光が、駅前を照らします。
 夜8時過ぎですが、新幹線で買えれば久留米に着くのも同じ8時台。充実の日帰り旅行でした。

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 早くもGW韓国旅行は最終日の5月6日。ソウルから陸海路で九州を目指しますが、途中でちょっと寄り道してきました。


 昨夜の後半からの記憶は曖昧で、旅館で目覚めて外に出てみれば、そこは鐘路3街であることを初めて知る(笑)。地下鉄でソウル駅へ出て、朝8時50分のKTXに乗りました。
 KTXの座席は狭い、リクライニングしない、進行方向と逆向きの席があると不評ふんぷん。開業2年後にはライセンスが切れるので、その際には改修を…という話でしたが、開業10年を迎えてもその気配はありません。




 わずか40分で、留学先でもあった忠清北道の玄関口・五松駅着。2010年に開業した新駅(正確には休止中の在来線の駅があったので、旅客扱い復活)で、周囲には高層アパート群が立ち始めています。
 高架下から出発するオレンジ色のバスが、世宗市方面のアクセス交通・世宗BRTです。


 世宗市は、ソウルにある行政機関を移転させる「第2首都」ともいえる新都市で、現在は移転の真っただ中。駅からは電車や地下鉄ではなく、BRTが主要アクセス手段になっています。
 駅を出発したバスは、すぐさま6車線の幹線道路に出て時速80kmで走り始めました。真ん中の2車線がバス専用となっており、信号もなく、路線バスとしてはかなり早いスピードで走ります。


 ソウルの「中央バスレーン」とは異なり、主要な交差点では高架や地下で立体交差になるのが大きな特徴。信号に左右されることはほとんどなく、高い定時性を確保しています。


 ほぼノンストップで、世宗政府庁舎バス停に到着。市街地でも専用レーンは確保されており、バス停にはホームドアが設けられていて、「駅」と呼んでいいような体裁が整えられています。


 市内を快走するBRTの背後では、政府庁舎の建設工事が進行中。全3期に渡る移転工事のうち2期まで終わっており、今年に予定されている3期移転に向け、連休中にも関わらず急ピッチで工事が進んでいました。
 バス停前には政府庁舎案内室があったのですが、さすがにこちらはお休み。固い門扉が閉ざされていました。ふわりとした現代的な建築物が並びますが、政府機関だけに、ガードは固くなっています。


 道路をまたいで曲面を描く、ダイナミックな巨大ビル。これらのビルが市内にいくつも立ち、中央省庁が入居しています。それぞれの建物はブリッジで結ばれ、省庁間の連携を図っていますが、端から端まで歩いていたら30分はかかりそう。
 砂利敷きの駐車場は多く見られ、まだ外回りの工事には至っていない場所も多いようです。


 公園のような憩いの場や、菜の花畑やコスモス畑の区画もあり、作られた人工都市ながら自然を感じられる工夫もなされていました。
 ところで国会機能はソウルに残っており、省庁の国会対応ってどうするんだろう…という素朴な疑問が。余計なお世話か。


 地下の専用トンネルに入って行く、BRT。周辺では高層マンションの建設が、びっしりと続いています。
 賛否両論の行政機能移転ですが、10年後にはまったく変わった風景になっていることは、間違いないでしょう。


 BRTバスに乗って、今度は大田地下鉄の盤石駅方面へと抜けます。住宅街のバス停では大挙、官僚ではなく普段着の市民が大勢乗り込み、普通の路線バスの雰囲気になりました。大田市内までのスピーディーな足として、人気なようです。
 幹線道路の真ん中には自転車レーンが設けられ、屋根にはずらりと太陽光発電設備が並んでいました。盤石駅で地下鉄に乗り継ぎ、大田駅へと抜けました。


 お昼時ではありますが、食堂に入る時間もなかったので、売店の弁当に初挑戦。駅弁といった風情はありませんが、その場で肉を焼き、たきたてご飯を詰めてくれるので、弁当といえどほぼ食堂の味です。その分7,000ウォンと、値段もちょっといい食堂レベルでした。
 連休最終日の午後とあって、KTXは満席。ただ蔚山で、1/3以上の乗客が下車していきました。2010年末の蔚山駅開業から3年半、すっかり蔚山への主要アクセス交通の地位を確立したようです。


 釜山駅前のカフェでコーヒーを飲めば、もう日本に帰る時間しか残されていません。釜山大橋に見送られ、韓国の地を後にしました。


 博多湾にいたる頃には、空は夕暮れに。つつがなく、GWの旅はフィナーレと相成りました。

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 龍山のスパの廊下で、朝6時に起床。寝たんだか寝てないんだか、よく分からないぼぉっとした頭で、龍山駅へと向かいました。
 今日は、ソウルから38度線を越え、鉄原へと結ぶ京元線の乗車が目的。2003年に当時の終点だった新炭里まで乗ったことがありますが、その後2012年冬に白馬高地まで延伸されました。また議政府までだった電化区間も、さらに北へ伸びています。


 朝8時前の電車で龍山を出発。一旦地下に潜り、地上に出た清涼里から先はベッドタウンを北上します。京元線は70年代に電化開業した、通勤電車のパイオニア。それだけに沿線の高層アパートも、少し古びたものが多いです。
 2006年まで電車とディーゼル列車の乗り換え駅だった議政府で降りる人は少なく、議政府より北にも新しい住宅街が続き、電車が都市圏を拡大させている様子が伺えました。電車・列車の乗り継ぎ駅・東豆川では、ハイカー風の乗客でホームが埋まりました。


 電車区間は地下鉄と共通の運賃体系ですが、その先の列車区間は別の運賃体系になるため、切符は買い直しになります。僕はKR-PASSを持っているので、そのままホームに降りました。白馬高地行きの3両編成9501系・通称CDCです。
 かつては全国あちこちで見られた車両ですが、小駅の整理統合とともに、普通列車そのものが廃止になる路線が続出。今や普通列車に相当する「通勤列車」は、京議線と京元線に残るのみです。京議線の運行区間はごく短く、京元線は最後の鈍行といえます。


 車内はこんな感じ。広々としたシートピッチの転換クロスシートが並び、座れさえすれば実に快適な車両です。
 この写真は後刻、帰路の列車で撮影したもので、実際の白馬高地行きは満員列車でした。ゆったりシートゆえの座席定員の少なさも、原因かも。ハイキングに向かう中高年が多く、人気があるようです。


 京元線には味のある平屋の駅舎が多く、駅員さんもおり、ローカル線風情は満点です。


 途中駅での列車交換。手前の少年はミラーレス一眼で写真を撮り続けている、いわゆる「鉄道少年」。日本ではよく見られる光景ですが、韓国で見たのは初めてかもしれません。


 ハイキングの拠点でもあるのか、途中駅で次第に乗客を降ろしていき、かつての終点・新炭里を出る頃には座ることができました。
 白馬高地までは、朝鮮戦争で休止に追い込まれた区間の「復旧」と捉えられていますが、実際は旧線を放棄して新しい線路を引き直していました。車窓右手には、正真正銘の廃線になった昔の京元線が見えます。


 KTXのような真新しい線路を走ること約10分で、韓国最北の駅・白馬高地着。周辺は田んぼが広がる平和な風景で、38度線を越え、北朝鮮と対峙する街という緊張感は感じられませんでした。
 駅からは、朝鮮戦争の戦跡地や北の展望台へ行ける安保観光のバスが出ており、11,000ウォンで参加できます。僕は2003年に新炭里から参加したことがあるので、今回は満員のマイクロバスを見送りました。


 「鉄道中断点」も、新炭里から北へ移動。「鉄馬は走りたい」という韓国国民の願いも、北へと少し近づきました。
 周囲には何もありませんでしたが、駅舎二階には地元婦人会の運営による食堂があったのは幸い。アツアツのキムチチゲをブランチにしました。




 来た道を引き返し13時半、議政府市内の回龍駅に到着。この駅から接続して議政府市内を走るのが、韓国2番目の新交通・議政府軽電鉄です。1駅隣の始発駅・鉢谷までも800mとさほどの距離ではないので、散歩してみました。
 川の上を新交通の高架がゆるやかにカーブを描き、周囲には新しい高層マンションが並ぶ様子は、未来都市のよう。河川敷にはランニングやサイクリング楽しむ市民の姿が目に付き、魅力的な都市景観に映りました。


 新交通はゴムタイヤを履いた2両編成で、もちろん無人運転。鉢谷駅に入ってきた電車は、30秒もたたないうちに折り返し、無人運転ならではの運用がこなされていました。
 座席は先頭まで設けられ、前面展望は思いのまま。車窓に関心を示す人は、やはり多くはありませんが…


 車内の様子。車体幅はかなりスリムなため、座席は片側にしか設けられていません。
 しかし側面の窓は思いきり大きく取られており、解放感は抜群。景色の中を飛んでいるような感覚が味わえます。


 ゴムタイヤだけに加速・減速は鋭く、駅での停車時間も最小限なので、なかなかスピーディー。駅前の繁華街から市役所周辺の官公庁街、住宅街を結び、約20分で終点・塔石駅に着きました。
 駅に有人改札はなく、事務所には駅員さんが一人だけ詰めていました。


 塔石駅周辺も、河川敷は公園のようになっています。気持ちよくて、2駅先の漁龍駅まで歩いてしまいました。


 市の中心駅、KORAILの議政府駅へ新交通は直結していませんが、新交通の議政府駅から歩いても、5分とかからない距離です。
 KORAIL議政府駅は新世界百貨店を擁する駅ビルになっており、以前訪れた駅をまったく思い出せなくなっていました。駅のコンコースが暗いのは、他の駅も同じ。照明のほとんどが消されており、電力不足を物語っていました。


 京元線の電車に乗り、そのままソウル市内のソウル市役所へ。戦前、日本占領下で建てられた市庁舎がリニューアルされてから行ってなかったので、生まれ変わった姿を見てみたかったのです。
 旧庁舎は図書館に生まれ変わり、背後にはガラス張りの新庁舎が完成。庁舎前のロータリーは車を締め出し、人工芝の広場になっていました。しかし今はセウォル号事故の焼香所となっており、哀悼の意を示すべく、数百人の市民が列を作っていました。


 行方不明者の帰還を願う、黄色い紙船。背後の少年・少女たちの絵は、修学旅行の学生たちが無事に帰ってきた姿を、童話作家が描いたものです。
 焼香を終えた市民の多くが静かに涙を流しており、韓国の負った傷の深さを物語っていました。


 地下鉄で、東大門歴史文化公園へ。3月にオープンしたばかりの複合文化施設、DDPへ行ってみました。
 超高層のファッションビルが立ち並ぶ中に突如、捉えどころのない曲面の外観が現れます。


 コンクリート打ち放しのブリッジからは、地下レベルを行き交う人々の姿が俯瞰できます。遺跡がそのままの姿で残されており、古代、現代、未来が同居する不思議な光景が広がっていました。


 元は東大門運動場があった場所で、残された野球場の照明塔が、その歴史を伝えています。
 運動場の記念館もあり、高度成長期のプロ野球の風景は、日本人にも懐かしさを感じさせるものでした。


 前庭には、ちびっこバス「タヨ」と「ラニ」が展示されていました。子ども向けキャラクターとして大人気のタヨは、子どもへの人気No.1だった「ポロロ」すら脅かす存在。人気に応えこの春、モデルとなったソウルの市内バスに「タヨ」デザインの車両が走っているのです。
 人気に応え首都圏では台数が増え、今や地方都市にまで拡散している「タヨ」は子ども達に囲まれていました。タヨに親しんだ子ども達は、公共交通がより身近なものになっていくのだろうな。


 鐘路で、留学時代の先輩と合流。10年ぶりの再会でしたが、お互い、思ったより変わりありませんでした。
 鐘路のビアホールで、ミラービールを1杯!


 さらに海鮮焼きで1杯!10年ぶりの酒はおいしくて、ついつい飲みすぎてしまいました。

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 韓国旅行の2日目・5月4日は、昨年9月から韓国南部で走り始めた観光列車・S-TRAINに乗って、順天観光に出かけました。
 韓国鉄道・KORAILが送り出した定期観光列車は、O-TRAIN、V-TRAINに続き3番目。この5月には非武装地帯観光向けのDMZ-TRAINも走り始めており、なんだか九州のような状態になってきています。


 釜山駅9:19発、麗水EXPO行きのS-TRAIN。ユニークなデザインの機関車が、先頭を飾ります。


 座席は、一般的なムグンファ(急行格)の普通車と同じ。座席の柄と、全席にモバイル用コンセントが設けられていることが違いです。
 観光列車の料金はセマウル(特急格)の特室(グリーン車)扱いになっており、割高にも感じられますが、さまざまなサービス料金という考え方なのでしょう。S-TRAINも人気の列車で、3日前に出たキャンセルをどうにか押えることができました。

 なお、韓国鉄道乗り放題のKRパスは持っていましたが、S-TRAINは適用外とのこと。せめて特室料金の追加ででも、乗れるようになってほしいものです。


 三浪津までは、KTX開業まで二大都市間のメインルートだった、京釜線を上ります。左手に広がる広大な洛東江を、1号車の展望スペースから眺めました。KTXの全線開業までお馴染みだった車窓だけに、懐かしく感じます。
 洛東江沿いにはサイクリングロードが整備され、多くのサイクリストが休日のサイクリングを楽しんでいました。聞きしに勝る、自転車人口の急増ぶりです。


 カフェ&食堂車から、コーヒーを飲みながら慶全線の車窓を眺めます。慶全線は2009年に一度乗ったことがありますが、馬山までは大規模な線路改良が行われ、ローカル線というよりKTXにでも乗っている気分になりました。
 食堂車はテーブル席があり、本格的な食事を期待しますが、冷凍食品程度の品揃え。カフェはムグンファ号のカフェ車のような「茶房コーヒー」ではなく、ちゃんと苦いコーヒーを出してくれて満足しました。


 この列車の何よりの名物は、「茶礼室」。沿線名産地の茶を、茶礼体験とともに楽しめます。
 せっかくの機会なので、若芽を使っているという、一番お高い7,000ウォンのお茶をお願いしました。


 韓国の茶礼に細かい作法はないようですが、茶器は本格的。白磁の茶器を白湯で温め、葉を入れ、丁寧に入れてもらえました。
 茶は韓国らしくちょっと薄めでしたが、流れる車窓を眺めながらの茶は格別な気分。馬山を過ぎ、車窓もローカル線らしくなってきました。


 北川駅では、4分停車。列車交換や時間調整ではない、純粋な観光目的の停車時間です。コスモスの里として有名な駅ですが、春のこの日は、無数の風車が回っていました。
 4分間はちょっと短い感じで、10分くらい止まればV-TRAINのように、地元の商機にもなるのでは? S-TRAINでは唯一の観光停車だけに、充実が期待されます。


 約3時間で、4方面からの線路が集う要衝・順天着。離れたホームには、大田からやってきた兄弟列車のS-TRAINが待っていました。
 大田~光州間と釜山~麗水間の2系統のS-TRAINが順天で「接する」ことで、大田~麗水方面や釜山~光州方面への需要に応えます。このあたりのダイヤの巧みさは、O-TRAINに通じるところがあります。


 順天では、たまたまこちらへ旅行中だった友人と合流。Facebookのおかげで、5年ぶりの再会を果たすことができました。とりあえず、S-TRAIN接続の順天エコシティツアーバスに乗り込みます。
 各地で走る観光バスのシティツアーは安いのが魅力で、順天もわずか9,000ウォンです。予約には銀行振り込みが必要で、事実上日本から予約できないのが難点ですが、友人のおかげで席を抑えることができました。




 バスで幹線道路走ること30分、仙岩寺着。ここでお寺の参拝と、自由昼食の時間になります。13時50分までに正門に行けばガイド付きで参拝できるそうですが、40分しかない!
 川沿いに開けた、春風が気持ちのいい食堂で山菜定食。体に良さそうな味でしたが、ドンドン酒を合わせてしまったので、差し引きゼロかな? やはり13時50分には間に合いませんでしたが、満足の昼食でした。


 韓国の寺は美しい自然の山中にある所が多く、森林浴の気分。特に5月は新緑が美しく、山寺を訪ねるにはいい季節です。
 ただ垂れ幕には、「セウォル号犠牲者のご家族の悲しみを分かち合い、行方不明者の無事の帰還をお祈りします」とあり、今の韓国を映してもいました。


 釈迦誕生日を2日後に控え、提灯の飾り付けがなされていました。
 ただ例年であれば「お祭り」のように祝う日ですが、今年は多くが自粛されたとのこと。


 2番目の見学地、楽安邑城へ。シティツアーでは入場料を各地で現地払いになるのですが、観光シーズンとあって大行列!ただでさえ40分しかない見学時間のうち、10分はバスとの往復、10分は行列に費やされてしまいました。
 昔ながらの城郭が残る文化財なのですが、その中に入ると…


 そこに広がるのは、生活が続く昔ながらの家々。城郭の中にある集落、それが邑城なのです。時が止まったかのような風情に、しばし足が止まりました。
 しかし、なんせ時間がない! 場内には民泊も多いようで、次回はぜひ泊まって、夕暮れから朝への時の移ろいを感じてみたいものです。


 バスは最後のハイライト、順天湾自然生態公園に向かいますが、大渋滞で30分遅れ。しかも、こちらの入場券売り場も大行列で、ただでさえ1時間しかない見学時間では完全にアウトです。目の前にして、泣く泣く引き返しました。
 シーズンの半日では無理があるように思えたコースでしたが、それだけ順天は見どころが多い証。今度は必ずや、ゆっくり訪れようと思います。

 S-TRAINにギリギリ間に合う時間まで、見学時間は延長されました。ただ友人を始め、S-TRAINの前の急行に乗る人は間に合わなくなるため、タクシー代1万ウォンを渡され、先に駅へ帰るようフォローしてくれました。残念だったけど、きめ細かいフォローでした。


 順天駅で友人と別れ、僕は西大田行きのS-TRAINに乗車。車体のデザインは違い、茶礼室も運営する自治体が異なるようです。茶礼室にはミニ鉢植えが飾られ、手作り感のあるいい雰囲気でした。
 茶道ではないティーバックの発酵茶を頼んだところ、日本から来て頂いたからと、お茶請けをサービスしてくれました。発酵茶は、紅茶と緑茶の中間のような味。カフェインが豊富で、疲労回復に効果があるのだとか。


 西大田では後続のKTXに乗り、龍山へ。今夜は、駅前の「ドラゴンヒルスパ」(12,000ウォン)で夜明かしです。広々した風呂やサウナでくつろぎ、深夜にも関わらず営業中だったアカスリ(15,000ウォン)も受けて、スッキリしました。
 ただ、連休中のスパの混雑はすごかった。仮眠室は満員、毛布や枕も早々に品切れになり、結局タオルを枕に廊下でごろ寝しました。朝起きてみたら、脱衣所や風呂の洗い場にまで人がゴロゴロ。繁忙期のスパには、相応の覚悟が必要でした。

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 GWは暦通りの4日間、恒例の韓国旅行に出かけてきました。
 日本はGWでも海外は平日!というのが韓国旅行のメリットなのですが、今年は5月3、4日が土日。5日の「こどもの日」は韓国も同じ休日の上に、旧暦基準の釈迦誕生日が今年は6日で、日本と韓国のGWが完全に重なる異例の年です。
 しかも5月1日のメーデーも祝日のため、2日に休めば6連休!という空前の暦並び。きっと各地はお祭り騒ぎなんだろうな…と覚悟していたのですが、2週間前の旅客船沈没事故は、韓国に重い影を落としてもいました。


 6時に早起きして、西鉄電車で天神へ。バスを乗り継ぎ、博多港へ出てきました。博多港という名前ではありますが、天神からの方が近く、県南からならば西鉄でのアクセスが便利です。
 GWの朝のビートルは、30分毎に雁行しているにも関わらず、9時の便はほぼ満席。日韓関係の悪化、円安、LCCの登場に加え、『船ばなれ』のトリプルパンチで苦境のビートルですが、さすがに連休初日とあって盛況でした。


 12時に釜山港へ着きました。シャトルバスで釜山駅に出て、明日から使う切符を購入。ランチは駅内のロッテリアで、「韓牛プルコギバーガー」を食べました。韓国ロッテリア、旅行中は一度食べておきたいのです。
 駅前にはセウォル号沈没事故の釜山市民焼香所が設けられ、多くの市民が列を作って花を手向けていました。地下道工事の仮囲いにも、行方不明者の帰還を祈る黄色いリボンがぎっしり。駅前からは旅立ちの高揚感よりも、祈りの空気を強く感じました。




 2011年、釜山北部に開業した4号線に乗りに来ました。1号線は東莱駅手前で地上に出ますが、4号線は地下になるため、東莱駅での乗り換えは高架から地下への大移動になります。
 4号線の特徴は、ゴムタイヤで走る「新交通システム」方式で、ATOによる無人運転を行っていること。日本では「ゆりかもめ」や「ニュートラム」でお馴染みのシステムです。最前部、最後部は客席になっており、迫力ある展望を楽しめます。


 せっかくの前面展望なのに景色を眺める人はおらず、日本との違いに少し寂しい気も…。ところが途中で二組の母子連れが乗り込んできて、最前部へ。「下るよ下るよ~」「すれちがうよ~」と、大喜びでした。
 地上に出れば、そこは郊外というより田舎の風景。新交通システムとはミスマッチな風景ですが、それもまた新鮮な感じです。


 盤松周辺まで来ると、住宅街が見えてきました。びっしりと並ぶ昔からの小さな住宅と、背後の大きな高層マンション群が印象的な風景です。大学も2つが立地しており、若者の乗降も目立ちました。
 終点・安平駅の住所は「機張郡」。ついに都市鉄道は、郡部にまで伸びてきたことになります。ただし機張郡は広大な釜山広域市の管轄なので、市内とも言えます。


 4号線の電車の車内は、こんな雰囲気。成田エクスプレスや富山ポートラムでお馴染み、GKのデザインなので、日本人にも違和感なくクールに思える内装です。
 窓はドア間に1枚とかなり大き目で、流れる車窓を楽しめます。


 帰路は、石坮駅から盤如農産物市場駅の1駅間をプラプラ散歩。石坮川沿いにサイクリングロード&遊歩道が続き、気持ちのいい散歩道です。時々頭上を、音も立てずに4号線の電車が走り去っていきます。
 盤如農産物市場駅は、吹き抜けの大空間が広がる大きな駅舎。田舎なのになぜ?といぶかしみましたが、どうやら保線担当の事務所があるようです。


 夕方4時、東莱駅前で釜山在住の友人らと合流。初めての土地なので、まずは街中をぶらぶらしました。
 駅東側には「そこそこきれいで、そこそこ安い」飲み屋が盛りだくさん。早くも飲み始めている人も多く、南浦洞や西面に飽きた人にはおすすめできるかも。


 僕らも、まずは「男子ホルモン」でカンパイ!韓国的味付けのホルモンは、ビールがすすむすすむ(笑)。
 フェイスブックで店のタグを付けると、焼酎が1本サービスに。おかげで、焼酎もすすみました(笑)。


 地下鉄で釜山大へ移動し、日本ではなかなか口に入らなくなったユッケの専門店へ。学生街の店だけに学生ばかりで、お値段もお手頃でした。


 さらに3軒目では、パジョンに焼き麺を食らう!
 隣の席では、日韓の交流ライブを終えたバンドが打ち上げしていましたが、意思の疎通がままならないということで、僕ら3人が即席通訳に。ノリノリのメンバーと日付が変わるまで盛り上がって、初日の夜は更けて行きました。

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