Chang! Blog
福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです




LCCの就航は、格安旅行派にとって大歓迎。少しでも安く旅できるのは、嬉しいことです。

しかし、安く旅する方法はLCCだけじゃない。新幹線は対抗割引を打ち出す一方、船という昔ながらの格安交通機関もネット割引を導入しています。
そこで今回の関西旅行では、往路は新幹線、復路はフェリーと使い分けてみました。


往路に乗ったのは、鹿児島~大阪を政令指定都市のみに停車して直通する、新幹線「みずほ」。
停車駅は「のぞみ」より少なく、博多~新大阪を2時間25分で結びます。しかも「のぞみ」と違って、指定席も4列のゆったりシート。山陽新幹線内の利用でも、選択したくなる列車です。

今回は、LCC対抗商品として発売中の「スーパー早特きっぷ」を利用しました。14日前までインターネットで購入すれば、1万円ポッキリ。3割引を超える大幅割引です。他の格安きっぷと違って、JR系のクレカでなくても使えるのもポイント。


博多から新神戸までは、わずか2時間11分。快適、快速な旅路でした。


帰路に利用したのは、名門大洋フェリー。大阪南港は、ニュートラムの駅から徒歩5分という立地のよさで、徒歩の乗船も便利です。大阪と京都方面への、格安直行バスもあります。


今回は、同行の友人が格安で1等室を抑えてくれました。関釜フェリーの1等室には乗ったことがあるけど、国内航路での1等室は初めて。どんな部屋なのか、ワクワクです。


1等の4人室。2段ベッドが2つずつに、小上がりが付いています。
テレビ完備。お茶用のポットや浴衣もあり、旅館に泊まっているようです。


チェックインの際に、タオルと歯ブラシセットももらえました。


船内には大浴場もあって、夜景を見ながらのお風呂はオツなものです。
船内レストランは、カレー500円、カツオのたたき600円などなど、場所を考えれば良心的なお値段。自販機の清涼飲料水も、市中と同じ価格です。持ち込まず、船内で購入した方が冷えてていいですよ!


食堂には生ビールサーバーもあり、冷蔵庫で冷やしたジョッキにセルフでそそぐ方式です。こちらも500円と、市中と変わらない値段。窓の外に揺れる夜景を見ながら、いい気分でぐいぐい飲みました。


大阪発便では、阪神地域から明石海峡にかけての夜景も楽しみの一つ。新幹線やLCCでは味わえないひとときが流れます。

1等だと、ネット予約でも1人当たり11,300円になりますが、カーテンで仕切れるベッドの2等洋室なら6,500円と格安。今なら同額で、テレビ付きの特2等にランクアップもできます。同室の人との語らいも楽しい雑魚寝の2等だと5,300円です。

また船会社のパックも格安。USJ入場料付き1等往復で19,800円、2等往復に1,000円分の電車チケットが付いて8,500円なんてプランもあります。詳しくはCLTのホームページで。

グッスリ眠って、目覚めれば九州へ。改めて船旅の良さを感じた一夜でした。


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神戸・大阪の旅2日目は、大阪の街を巡りました。


宿泊先の六甲アイランドから六甲ライナーで魚崎まで出て、梅田までは阪神電車の直通特急で。魚崎~梅田間は280円ですが、アイランドセンター駅のチケットショップ自販機で土休日回数券を買ったので、240円で済みました。
関西ではICカードより、チケットショップの方がトクだ!と言っていた、元関西在住者の友人の言葉を思い出します。

梅田の地下鉄定期券売り場で「大阪周遊パス」2千円也を購入。これで大阪市周辺の地下鉄・私鉄・市バス乗り放題。さらに大阪の主要観光施設の入場券が、どっさり付いてきます。
市営の観光施設はもちろん、温泉施設や遊覧船まで多彩なラインナップ。フル活用すればいくらトクできることやら?と思うほどの大盤振る舞いです。

今回は天気もよいので、展望スポットを中心に巡ることにしました。名付けて「大阪お上りさんツアー」!


まずは梅田駅の北側・通称「うめきた」へ。ヨドバシカメラにも賑わっていましたが、今注目なのがココ、グランフロント大阪!先月26日にオープンしたばかりの複合施設です。
巨大なタワービル3棟に、商業施設もぎっしり。オープン間もないということで、来訪者も大挙押し寄せていました。


一方、新梅田シティとの間にあった梅田貨物駅は廃駅となり、ガランとした空間が広がるばかり。こちらもやがて、開発の波に呑まれていくのでしょう。


地下道をくぐり、新梅田シティへ。大阪の代表的展望スポットとして不動の地位を誇る空中庭園も、周遊パスで入ることができます。こちらの見学者も、外国人観光客が半分以上を占めているようでした。


屋上からの展望。大阪駅や阪急電車を見下ろす眺めは、鉄道模型のようで楽しめます。特に、3線同時発車で淀川を渡っていく阪急電車は圧巻。鉄橋で奏でる3重奏は、地上170mにまで響いてきます。


歩いて阪急淡路駅へ。梅田から一駅で、神戸線と宝塚線の普通電車が頻繁に発着する駅なのに、改札の前は時代を超えた空気が漂っていました。


マルーンの電車に1駅揺られ、梅田駅へ。レトロな雰囲気にあふれていた阪急百貨店の通路は、建て替えで過去のものになってしまいましたが、壮大な空間は新しいビルにも受け継がれています。


地下鉄東梅田駅へ。地下鉄の売店は、「橋下改革」の一環でコンビニに変貌。ファミマとともに運営権を手にしたのは、中国・九州ではお馴染みのポプラです。
九州でも勢力が衰えてきている印象のあるポプラ、しかも関西での知名度はいま一つだったとのことですが、地下鉄への出店は認知度向上に貢献したことでしょう。まさに、社運を賭けた出店だったのではと思います。


谷町4丁目で降りて、空堀商店街へ。小説「プリンセストヨトミ」の舞台で、一度訪ねてみたかったのです。
小説の中そのままの、庶民的な雰囲気ただようアーケード街。お好み焼き「太閤」はありませんでしたが、代わりに お洒落でちょっとお高めのお好み焼き屋で昼食にしました。


天満橋で降りて、大阪府庁へ。玄関で「我々は断じて、大阪国を認めない!」と叫んでみたい衝動を抑えつつ、並木道を歩きました。


大阪城の雄姿。ライトアップの照明に赤いセロファンをかぶせたい衝動を抑えつつ、関西弁の外人大道芸人のパフォーマンスに爆笑しました。


皇居周りに負けない、都心の緑。お堀を周回するランナーの姿も、多く見かけました。


森ノ宮から天王寺まで、JRなら1本ですが、パスを有効利用するため地下鉄乗り継ぎで移動。
天王寺では、日本一の高さとなった建設中の超高層ビル「あべのハルカス」を見上げます。こちらも展望台がオープンの暁には、周遊パスに名を連ねてほしいものです。


御堂筋線を1駅乗り、ジャンジャン街に潜入。夕方4時過ぎというのに、立ち飲み屋も囲碁センターも、おっちゃんでいっぱいです。
ディープな大阪に思わずたじろいだ我々は、観光客向けの串カツ屋でおやつにしました。まわりの店に比べればちょっと高めだったけど、それでもお手頃です。


通天閣に行ってみましたが、45分待ちの行列。翌々日の朝日新聞「天声人語」にも、ここ最近入場客が増えているとの記事がありました。船の時間も迫っていたので、1階のお土産屋で買い物をしただけで退散することに。
ただ通天閣は、外から見ても楽しい建物。たとえば足元は公道になっていたり…


通天閣本通は、キン肉マンの街として売出し中だったりします。


堺筋線、中央線、ニュートラムを乗り継いでトレードセンター前へ。


最後の「お上りさん」は、大阪府咲洲(さきしま)庁舎。かつてのワールドトレードセンターです。


巨大な超高層ビルなのに、人が少なくガランとした内部は寂しいの一言。空きテナントも目立ちます。
ただ府庁舎ですから、休日に人が少ないのは、当然といえば当然かも。


細かいことを考えなければ、現時点で西日本最高峰のビル展望台からの眺望は、素晴らしいの一言。夕暮れの大阪湾を背景に、広大な平野に広がる大阪の街並みが一望のもとです。

というわけで、3つの展望スポットに登った今回の大阪周遊。パスで使った運賃、入場料は3,050円となり、都合1.5倍分も活用しました。
遊覧船や温泉施設の入場に使えば、まだまだトクができそう。また使ってみたいチケットでした。

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5月17日、神戸で開かれるシガーロスの公演に行きたいが、一人で行くのはちょっと…という職場の同僚の誘いで、5月17日~19日の2泊3日で神戸・大阪に行くことになりました。
せっかく関西まで行くのだから、観光もめいっぱい楽しもうということに。

関西といえば、私鉄各社の「スルッとKANSAIネットワーク」で使える割引きっぷが多彩な地域。関西広域の私鉄・バス・ケーブルカー乗り放題の「3dayチケット」は何度も使っていますが、地域ごとにも激安の乗り放題きっぷがあります。
そこで今回は神戸と大阪のフリーパスを手に、めいっぱい「2都」を楽しんできました。

まずは1日目、早くて快適な「みずほ」号で一路、関西へ。11時半、新神戸駅到着です。
さっそく地下鉄の駅に向かい、「神戸街めぐり1dayクーポン」を購入しました。市営地下鉄、神戸高速鉄道、ポートライナーが乗り放題で900円…というと、さして値ごろ感はありませんが、観光スポットで使える「神戸街遊券」650円分が付いているのがミソです。
観光施設で650円以上使えば、250円で電車乗り放題という按配です。


新神戸駅内の売店は、これまでの外郭団体による営業から大手コンビニに変わっていました。大阪では「橋下改革」の一環で話題になった売店のコンビニ化ですが、大阪より半年早く去年の1月に切り替わった模様。以前は年末年始に休業していて面喰いましたが、コンビニになった今は年中無休とのことです。


地下鉄で三宮駅へ。路面電車から受け継がれてきたという、緑色の上品な車両はお気に入りです。


腹が減ってはというわけで、三宮駅近くのステーキハウスで神戸牛のランチ。目の前で焼いてくれるステーキに、目もお腹も大満足でした。


三宮・花時計前から、沿岸部を結ぶミニ地下鉄・海岸線に乗ります。


みなと元町駅で下車。駅舎?はご覧の通り、明治41年築の旧第一銀行神戸支店の外観を残しています。少し痛々しくもありますが、歴史的景観を残していこうという姿勢は素晴らしいです。


神戸港巡り遊覧船に乗船!乗船料は1,000円ですが、街遊券をすべて使って、差額350円を払いました。


この日は初夏を思わせる快晴で、青い空に神戸の街が白く輝いていました。船内販売の生ビールを傾けつつ、ごきげんです。


船を降りて、うみえモザイクへ。木のデッキから眺める神戸港は、神戸に来たなと言う気分にさせてくれる景観です。
平日にも関わらず、観光客でいっぱい。アジアからの人も多くて、同じく平日昼間のキャナルシティを思い出しました。


アンパンマンミュージアムも開館したばかり。子連れが多かったのは、アンパンマン効果ようです。


海岸線を終点まで乗って、新長田着。
阪神大震災では大きな被害を受けた地域ですが、復興のシンボルとしてそびえ立つのが、鉄人28号の雄姿!近くでみると大迫力。無粋な立ち入り禁止柵がないのも、いいとことです。


ただ横の商業施設は、閉店してしまった模様。震災復興で作られた再開発ビルと商店街も、けっして好調ではないと伝え聞きます。


地下鉄西神山手線で三宮に戻り、生田神社へ。


さらに参道を通り抜けて、旧居留地界隈へ。近代建築の「ビルヂング」が立ち並び、それらの雰囲気を生かした店舗が洗練された空気を作っています。街路や街路樹の雰囲気にも気を配られており、歩いて気持ちのいい街です。


そのまま歩いて中華街へ。長崎や横浜と同じ空気感です。
300円のミニ麺と生ビールを出す良心的なお店があり、おやつにはぴったりでした。


神戸駅から元町駅の高架下に連なる商店街、通称「モトコー」に潜入。昭和と平成が交錯する、ディープな空間です。


服屋にダンススタジオ、中古レコード店、爬虫類の専門店の向かい側にはおしゃれカフェ…混沌としていますが、掘り出し物が見つかりそう。チャレンジショップ的な風土も感じられました。


三宮センター街に抜けます。金曜日の夕方、人通りも増えてきました。
屋根から下がる大型ビジョンのカバーは、東日本大震災で被災した鉄工所の力作です。


公演会場はポートアイランドなので、ポートライナーに乗って行きます。
島内まで片道240円という高運賃なので、1dayクーポンもあっという間にモトが取れてしまいます。


時間もあったので、神戸空港まで足を延ばしてみました。飛行機の発着だけではなく、神戸市内の風景や遠く明石海峡大橋を望む展望も楽しめる空港です。
屋上にはレストランや芝生広場もあり、のんびりするのもいいかも。


市民広場駅に戻り、公演会場のワールド記念ホールへ。シガーロスの壮大な世界観に、2時間呑み込まれてきました。

興奮冷めやらぬまま三宮へ。ほぼ半日の利用でしたが、遊覧船の割引分も含めて2,310円分にもなり、2.5倍使ったことになりました。さほど無理せずとも、普通に1日観光していれば充分にモトが取れるチケットと言えそうです。


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 仁川空港へのアクセス鉄道・空港鉄道は2007年の開業以来、批判にさらされてきました。少ない乗客、国による巨額の赤字補てん、華美に過ぎる施設…
 当初は金浦空港から仁川空港間の部分開業で、市内へは乗り換えが必要とあっては利用が少ないのも当然。ソウル駅まで全線開業で、初めて本領発揮できる路線でした。

 苦節3年半が過ぎ2010年末、ついに空港鉄道は全線開業。ソウル駅から仁川空港まで、最速43分で結ばれました。
 今回の旅は船+鉄道だったので仁川空港に用はないのですが、ノンストップ43分を体感したくて、ソウル市内から仁川空港まで往復してみました。


 巨大なソウル駅のコンコース。


 空港鉄道の乗り場は、端の方にあります。ハングルを解さない人は、IBK(企業銀行)の看板を目印にした方が分かりやすいかも。


 コンコースからは長いエスカレーターを乗り継ぎ、下って行きます。同じ駅内とは言っても、列車からの乗り換えには15~20分くらい見ておいた方が良さそうです。
 地下鉄1、4号線からの乗り換えだとさらに遠く、直通の地下通路がないため、ソウル駅のコンコースに一度上がらねばなりません。地下鉄駅からソウル駅の通路はいつも混み合ってて、荷物が多いと辛いかも。市内からなら、路上から乗れるリムジンバスがラクかもしれません。


 仁川空港まではノンストップの「直通」と各駅停車の「一般」があり、改札口はフロアで分かれています。早くて快適な直通は、オレンジ色のサインを目印に。
 カウンターの奥には都心空港ターミナルがあり、飛行機への手荷物はここで預けることも可能。旅行の最終日はまずここで荷物を預け、身軽になって最後の観光!がツウの利用法…という記事を見たことがあります。なにせ飛行機をあまり使わないので、このあたり少し疎いです(^^;;


 直通列車の切符もICカード式。入場時はタッチ、出場時は改札口に投入します。裏面に座席番号が記載されていますが、何度も使ううちにすり切れるのか、券面はなんとも見にくかったです。
 直通電車の空港までの運賃は、13,800ウォン。15,000ウォン前後のリムジンバスより早くて安いのですが、利用が低迷しているのか現在は8,000ウォンの特割運賃になっています。


 リクライニングシートが並ぶ直通電車。乗車率は2割といったところでしょうか…土曜日で、日本はGWであることを考えると、少し寂しい気も。一般列車乗り場へのエスカレーターは混み合っていたので、あちらの乗り具合も気になります。


 ソウル市内を地下で駆け抜け、初めて地上に出るのは漢江を渡る時。


 主に国内線が発着する「ソウルの羽田」こと金浦空港も通過して、仁川空港へと急ぎます。車窓にはライバル、空港座席バスの姿も。「直通」と互角のスピードで走ります。


 広大な干潟を眺めながら。雄大な車窓が広がります。シーズンには空港から先の海岸まで「海列車」も走り、レジャー客の獲得にも頑張る空港鉄道です。


 巨大なガラス張りドームの、仁川空港駅着。KTXを迎える計画もあり、ホームの増設工事が進んでいました。


 直通列車の乗客用ラウンジ。会社の応接室みたい。


 仁川空港でも直通と一般の改札は分かれており、ターミナルからなら右手の、オレンジの改札が目印。直通の運行間隔は30分で、先発する一般に乗ってしまった方が早いシーンも多いのですが、せっかくの旅行なら、くつろげる直通がおすすめです。


 空港見物もそこそこに、空港駅に引き返します。


 帰路は一般列車で。青の改札が目印です。


 ソウル駅行きの一般列車に乗り込みます。


 空港から2駅の雲西駅で降りてみました。
 自転車の積み込みは、空港鉄道でもOK。島の海岸サイクリングを楽しめます。


 雲西は永宗島内の街なのですが、さすが鉄道で陸続きになると、「島」らしい風情には乏しくなります。高層ビルが立ち並ぶ、ありふれたソウル郊外の街になっていました。


 雲西からの電車は席が埋まっており、立つことに。ガラガラのイメージがあった空港鉄道ですが、全通効果か!?
 ただ夕方の市内行きの利用者は空港勤務者がメインのようで、身軽な服装の乗客が目立ちます。仁川市内に住む人が多いのか、仁川メトロとの接続駅の桂陽で降りる人が多く、席にもありつけました。


 金浦空港で乗ってくる人も少なく、地下鉄他線に比べて、空席も目立つままソウル市内へ。弘大前駅で下車。土曜日の夕方、繁華街のこの駅で降りる人も多く、普通の電車としての利用も多い様子が見て取れました。

 バスが根付いた中、高速の直通列車をもってしても需要の切り崩しは容易ではないようですが、渋滞に左右されない頼れる足として頑張ってほしいものです。


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 新盆唐線を亭子駅で降り、さらに盆唐線で下ること20分。京畿道の龍仁(ヨンイン)市・器興(キフン)駅にやってきました。始興駅を基点に、韓国最大とも言われるテーマパーク「エバーランド」を結ぶ路線が、龍仁軽電鉄・通称「エバーライン」です。

 エバーラインの施設そのものは2年前に完成、試運転や試乗会も行われ開業まで秒読みという段階でした。ところが、運営会社と自治体の間で紛糾。以来、2年間も放置されてしまうという事態を招くことに。

 韓国初の軽電鉄…日本流に言えば新交通システムになるはずだったエバーラインですが、この間に釜山金海、議政府の2路線が開業。先の読めない展開が続いていましたが、紆余曲折を乗り越え、4月26日に韓国3路線目の新交通として開業しました。

 5月5日、開業9日目の「難産の新交通」に乗ってきました。


 立派な、エバーラインの器興駅。接続する盆唐線も開業間もなく、駅前らしい町並みはありません。幹線道路が走り、駅前の工事も続いていて、雑然とした雰囲気になっています。


 改札口には、少しずんぐりした改札機が並びます。Tマネーなどの交通カードは使えますが、首都圏統合運賃制度には加入していないため、盆唐線から乗り継ぐ場合は初乗り運賃から別払いになります。
 乗り継ぎ割引のあるバスに比べて、ハンデになりそうです。


 エバーラインは新交通ながら鉄軌道、鉄車輪を採用しており、線路の真ん中にはコイルが。大江戸線や七隈線と同じリニアモーター方式で、加減速や登坂性能に優れています。


 1両の丸っこい電車が到着。日本や韓国では珍しい形の電車は、ボンバルディア社の製造です。


 金属製のイスが展開する車内は、釜山金海に比べて広め。1両運行ではありますが、通勤時は3分、休日昼間でも6分という高頻度運行で輸送力を確保しています。器興駅の発車時では、空席をかなり残していました。
 発車時には「手すりにお掴まり下さい」との放送が流れるのはダテではなく、ぐっとGを感じるほどの加速を見せます。


 無人運転なので、前後の車窓は思いのまま。物珍しさから前後には人垣ができていました。子どもは大喜び、写真を撮る人も多く、開業から日が浅い雰囲気を感じ取れます。
 市内に近付くにつれて乗客も増えてきて、吊り革がふさがるほどの混雑に。ソウルへと続く足としてよりは、都市内の気軽な街乗り電車として使われている様子が伺えました。このあたり、釜山金海新交通に通じるところがあります。


 30分あまりで終点の前垈・エバーランド駅着。ホームとの段差は最小限で、ベビーカーでも乗り降りはラクラクです。


 エバーランドは、園内にプールやサファリまで擁する一大レジャーランド。正門までは、シャトルバスに乗り継いで行きます。韓国でも子どもの日だったこの日、エバーラインに乗り親子連れで訪れた人も多かったようです。
 ただソウルから乗り継いでくれば2時間以上の道のりとなり、代表的なアクセス路線とはならないでしょう。ディズニーランドに向かう京葉線の混雑とは、天地の差です。


 さて、途中の車窓からは2駅間に渡って連なる「市」が。興味を持ち、金良場(キムニャンジャン)駅で降りてみました。


 常設の市場ではないようで、調べてみれば古くからの歴史を持つ「五日市」とのこと。この日電車が混んでいたのは、五日市に行く人が多かったのも理由だったようです。
 地域の足として、地に足を付けた経営こそ成功の鍵と思えた、庶民的なエバーラインの沿線散歩でした。


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 5月5日、ソウル南部にできた新しい地下鉄路線、新盆唐(シンプンダン)線に乗ってきました。
 新盆唐線は、9号線に続いて民営で開業した高規格路線。従来のKORAIL盆唐線にほぼ平行しながらも、最高時速90kmの高速走行で差別化。代わりに追加運賃がかかるという運賃体系も唯一で、計画中のGTX(首都圏高速度大深度地下鉄)の成否を占う路線とも言えます。


 新盆唐線は、江南(カンナム)駅が始発駅。2号線からは、動く歩道を経由しての乗り継ぎです。
追加運賃徴収のために乗り換え改札口がありますが、自動改札機は他路線で見かけない、スリムでスタイリッシュなタイプ。コンコースも百貨店の地下のような雰囲気で、電飾広告も華を添えます。

 なお追加運賃は700ウォン(約70円)。在来の盆唐線に比べ、区間によっては30分近い時間短縮になることを考えれば、安い「急行料金」と思います。ただ現地では高いという反応が多いようです。


 新盆唐線は赤と黒をイメージカラーとしていますが、ラインカラーを用いた乗り換え案内にはどうしても他の色を使わねばなりません。新盆唐線ではそれらを、パステルカラーにアレンジして展開していました。


 新盆唐線の愛称は、DX Line。地下鉄1号線のラインカラー変更(赤⇒紺)以来封印されてきた赤の帯は、韓国の地下鉄のリーダーシップを担っていくという自負の現れ…かな?


 車内のシート色はうってかわって、青とオレンジ。スタンションポールも目新しいです。なお他線では認められている自転車の持ち込みは禁止されており、政策に「右に倣え」にならないあたり、民鉄らしいと言えるかも。


 車内のテレビモニタには、速度や次駅までの距離が表示されているのが珍しいところ。駅間ではコンスタントに90kmをマークしており、地下鉄としてはかなり早い方です。駅間距離も最長で8kmあり、速達性に主眼を置いています。


 新盆唐線のもう一つの特徴は、無人運転を行っていること。乗客は最前部まで近づけます。
運転士資格を持つ添乗員さんは乗っていますが、なにやらノートパソコンをずっと扱っていて、特に運転らしい操作は行っていませんでした。立ちっぱなしの乗務は、なかなか重労働かも。


 相対速度180kmのすれちがい。


 途中1ヶ所、トンネルの照明が虹色になる区間があります。


 電飾の装飾もあり、なかなかきれい。退屈な地下での無聊をなぐさめてくれます。


 終点・亭子(チョンジャ)に到着した新盆唐線。韓国の地下鉄ではホームドアが普及していて、車両の全容を掴むのは難しくなっています。

 9号線も従来の地下鉄の概念を打ち破る斬新な路線でしたが、新盆唐線はそれ以上に目新しさ満載でした。路線のさらなる延伸も計画されており、メトロやKORAILと競合するシーンも増えそう。新たなるサービス競争が、各地で始まりそうです。


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 10年前に韓国留学経験があるとはいっても、留学先はソウルから2時間離れた地方都市。ソウルには、有名どころでも行ったことがない街があちこちあります。一方、慣れた街も3年経てばがらりと表情を変えるもの。今回初めて訪ねた弘大(弘益大学前の学生街)と、東大門・明洞の街の姿です。


 土曜の夕方とあって、どっと賑わう弘大の街。路地裏も、ぶらぶらする人でいっぱいです。


 金のとりから! ソウルでよく見かける「なんちゃって日本語看板」ではない、ホンモノの日本のチェーン店です。


 世界各国へ進出する丸亀製麺も。路上パフォーマンスが繰り広げられるメインストリートに面していて、満を持しての出店なのでしょう。
 日本留学経験者や滞在歴がある人も増え、日本にいた頃を懐かしんで日本食を求める人が増えてきているとか。例えばこれまで、韓国では商売にならないと言われてきたとんこつラーメンの店も、弘大あたりだと経営が成り立つようになってきたそうです。


 2層吹き抜けのカラオケボックス! 通りからも丸見えですが、雑踏を見下ろしながらのカラオケってのも面白いかも。


 ハイレベルな路上パフォーマンスを眺めながらの1杯。


 少し離れると、静かな界隈に出ます。イタリアンの店やオープンカフェが並び、ちょっと高級な店が集まる街のようです。


 現地案内人によると、デートでよく使ってた街だとか。


 高級な街の一角に広がる不思議な風景。右:東京焼き、左:居酒屋京都。
 居酒屋京都の刺し盛りや日本酒は日本より高かったけど、醤油やわさびも日本からの輸入品のようで、なかなか本格的でした。


 一方、こちらは東大門。超高層のファッションビルが立ち並ぶ眠らない街にも、見慣れぬ新しいビルがいくつか建ってました。


 ゆるやかなスロープを上がっていくと…。


 野球場跡に完成した、東大門歴史文化公園が広がっていました。雑多な東大門の雰囲気とはガラリと変わり、コンクリートの壁が自在にうねる、見たことのない公園です。


 工事中の区画もあり、またガラッと変わるんだろうな。


 日本人に人気の明洞の街も、午後10時過ぎというのに足の踏み場もない雑踏でした。あちこちから日本語が聞こえ、日本語の呼び込みや客引きも無数。韓国への観光客は大きく減ったという今年のGWでしたが、それでも異国であることを忘れそうでした。


 明洞も、相変わらずあちこちで工事中。見慣れた店がなくなっていたり、動いていたり。最先端の街は、新陳代謝を繰り返しています。

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 麗水(ヨス)という地名は、昨年万博が開かれた街として聞いたことがある方も多いのでは? 万博には行けなかったけど、万博を期に大きく変わったであろう麗水の様子を伺い見たくて、今回4年半ぶりに訪れてみました。


 ゆったりシートが心地よい特急・セマウルに乗って麗水着。


 麗水駅の位置はソウル方に移り、駅舎も新しいものに。駅名も麗水Expoに変わっています。いつまでもこの名前なのかな?


 駅は万博会場第3ゲート前。ゲートを入るとさっそく、デジタルギャラリーが出迎えてくれます。


 天井全体がスクリーン!迫力の映像が流れ続けていました。すごいスケール感です。


 デジタルギャラリーを抜けたところが正門で、旧麗水駅はこのあたりに位置していたそうです。旧麗水駅は街外れの寂しい場所といったイメージでしたが、万博景気を当て込んでか、店がぐっと増えていました。ただそのほとんどは、開いていないようです。


 韓国館、国際館などのパビリオンがありますが、開いている気配なし。


 麗水エキスポ海岸公園開園の垂れ幕。オープンは5月11日とのことで、この日はまだプレオープンの状態だった模様。どうりで、何も開いてないわけだ!プレオープンも4月20日からだったようで、きわどいタイミングだったようです。


 Big-Oも7月にオープンだとか。麗水というだけあり、さすがに海もキレイです。


 「スカイタワー」は、海水淡水化施設を兼ねているとか。


 麗水からは、在来線経由でKTXが走るようになりました。新型KTX「山河」に乗って、ソウル龍山まで3時間半の旅が始まります。


 順天までの間に車窓を飾る海。韓国では意外と海を眺められる路線が少なく、この他には江陵や釜山付近に例があるくらいです。ただ4年半前は、もっと海の近くを走っていました。KTX乗り入れに伴う路線改良とともに、海が遠くなったようで残念。


 順天から先も引き続き在来線を走るのですが、線形改良を行っており高速線と見紛うばかり。4年半前は立派な線路の上を、なんとももどかしい走りをしていましたが、KTXは速度を上げて快走します。


 もったいないなと思うのは、休止駅の数々。近年、韓国鉄道では鈍行列車の大幅削減を行っており、全羅線でも鈍行が全廃されてしまいました。鈍行のみが停車していた駅はご覧の通りの姿に。路線改良とともに完成したばかりの新しい駅なのに、「税金の無駄遣い」との批判は出ないのでしょうか?


 益山で光州方面からのKTXとドッキング。基本編成が短いKTX山河で見られる運用で、地方へのKTX網拡大に寄与しています。大田からは高速線に入り、ソウルまではひとっとびでした。

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 3年ぶりに乗った韓国高速鉄道・KTXは、次なるステージに進んでいました。
 日本でいえば東海道筋に当たるKTX京釜(キョンプ)線では、これまで在来線を活用して走っていた東大邱~釜山間に高速線が開業。「ほぼ」全線開業となりました。
 新線上に新慶州(シンキョンジュ)・蔚山(ウルサン)、さらに既存線上にも五松(オソン)・金泉(キムチョン)の4駅が開業。乗客も伸びてきているというKTXですが、新たに設けられた中間各駅はどのような姿なのか?初日に蔚山、最終日に五松駅をのぞいてきました。


【蔚山駅】完全なる空港スタイルの駅

 蔚山市は、日本の政令指定都市に当たる「広域市」。人口109万人を数え、現代自動車の工場を擁する企業城下町でもあります。在来線の京釜線は経由しておらず、もっぱら航空機や高速バスがアクセスを担っていましたが、KTXは蔚山を経由。一挙、国の主要幹線筋に位置することになりました。
 蔚山駅は、在来線とは別位置に設けられましたが、「新蔚山」ではなく蔚山と命名。在来駅の蔚山は太和江に改称しており、蔚山市のKTXに賭ける期待が伺われるようです。


 釜山駅からKTXに乗れば、わずか20分で到着。以前、地下鉄で30分、さらに市外バスで1時間かけて同じ道をたどったことがあるのですが、それを知る身には瞬間移動の感覚でした。


 ホームの裏は、山の中です。


 駅舎には広告の垂れ幕がかかり、まるで空港のよう。企業城下町らしく、現代自動車の車も展示されています。




 駅を出ると、駅舎と並行してバスとタクシー乗り場があり、これも完全な空港スタイル。しかもバスは「リムジンバス」と称します。ここまで徹底して空港的な駅は、日韓ではじめて見ました。


 駅左手には駐車場も多数用意され、マイカーも主要なアクセス手段を担います。広大な駐車場で利用者を獲得している、九州新幹線の新玉名駅を思い出しました。


 一方の駅舎右手には、広大な開発用地が。開業2年半にして空き地のままとは、分譲に苦戦中なのでしょうか? いっそ中継駅と割り切り、駐車場にしてしまった方が喜ばれるかも。


 そして駅正面には、巨大なクジラのモニュメントが なかなかの存在感を示します。工業都市として有名な蔚山ですが、かつては捕鯨の街として名を馳せました。今もクジラ料理が名物で、海辺にはクジラ博物館もあります。


 このような駅のため、列車が発着する時間を外すと、駅は閑散。列車の時刻が近づくにつれてバスや車で人が集まり始め、ソウル方面の列車が出発する前にはスーツ姿のビジネスマンでホームが埋まりました。平日の夕方とあって、出張帰りの利用が多かったようです。

 KTXの開業以降、ソウル~蔚山間の航空機は大減便となったそうですが、その実力をまざまざと感じた蔚山駅の1時間でした。


【五松駅】世宗市とともに発展を期する


 旅行最終日の5月6日、ソウルから新型KTX山河(左)に乗って、五松駅を目指します。


 釜山まで行かず、途中の東大邱駅で終着となる列車ですが、ほぼ満席の盛況。月曜日朝イチの出張族がメインで、朝の東海道新幹線のような雰囲気が漂っていました。


 約40分で五松駅着。停車する列車は多くないのですが、案外、大勢の人が降り立ちました。


 五松駅は、在来線の忠北線の駅に併設されています。五松駅は僕が10年前に留学していた忠清北道にあり、忠北線もよく利用していました。当時の五松駅は旅客扱いを休止しており、駅周囲も閑散とした雰囲気でしたが、今はビルが立ち並んでいます。
 九州新幹線の筑後船小屋が、普通電車のみの停車から、一気に大阪直通新幹線の停車駅に躍進した駅として話題になりましたが、それをも超える躍進劇を見せる駅です。


 「湖南高速鉄道第1-1工区建設工事」。
 現在、在来線を利用している湖南線KTXも、高速新線の工事が進行中。五松駅は、京釜線と湖南線の分岐駅としても計画されています。全通の暁には、晴れて乗り継ぎターミナルになります。


 駅舎に出てみれば、ガラン…。店舗もほとんどなく、蔚山駅とは比較にならないほど閑散としています。大きな駅舎は道の玄関口としての威信でもあるだろうし、将来的な需要増を見越しての投資でもあるのでしょう。


 数少ない店舗の中には、チェーン展開している鉄道テーマカフェ「DEL TREN」があり、鉄道ファンには見逃せません。


 駅前も、ガラン…。


 高架下には駐車場も設けられていますが、蔚山ほどの利用はなさそうです。


 五松駅は、韓国の行政機能移転先の都市である世宗市の最寄り駅でもあり、アクセス路線としてBRT(専用道を使ったバス高速輸送システム)が4月15日に走りはじめた…と、現地に行ってから知りました。
 帰ってから調べてみれば、ソウル市内や日本の気仙沼・大船渡線のBRTと異なり、クリチバのような立体交差もある本格的なBRTとのこと。事前に知っていれば、乗る時間を確保していたのに!
 現在のところは20分間隔、それもガラガラで走っているような状況でしたが、行政機能移転が進むに従って活況を呈していくのでしょう。


 五松駅の忠北線ホーム。1日上下各9本の発着しかなく、こちらには人っ子ひとりいませんでした。僕の留学先だった忠州へのアクセスにも一番便利なので、いずれまたこのホームから列車に乗る機会もありそうです。


 KTXの一期開業の際に設けられた光明、天安牙山は、年月とともに発展を続け、停車するKTXの本数も増えてきました。蔚山と五松は明暗を分けているように感じましたが、この先10年で、いずれも大きな変貌をとげることでしょう。
 旅行の際には、折に触れてその経過を見ていきたいと思います。

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 韓国鉄道・京春(キョンチュン)線は、冬ソナの舞台としても有名な街・春川(チュンチョン)とソウルを結ぶ路線です。沿線は自然豊かで、ハイキングやMT(大学のサークルorゼミ旅行)の行き先として人気を集めてきました。

 京春線に大きな変化が訪れたのは、2010年。これまでの単線非電化の線路をほぼ放棄して、複線電化の新しい路線に生まれ変わったのです。ディーゼル機関車の引くのんびりした「汽車」も、地下鉄スタイルの近代的な「電車」へ。本数も3倍以上と、一気に近代的な路線へと飛躍しました。
 日本に比べ、鉄道は単なる「輸送機関」という意識が強い韓国にあって、旧京春線の廃止時には名残惜しむ声が多く聞かれました。それだけ、ソウルの人にとって思い入れの強い路線だったのでしょう。

 僕にとっても、2001年の訪韓時に鈍行列車「統一」号で、ごとりごとりと2時間40分揺られた思い出の路線。生まれ変わった京春線の姿は? 春の陽気に包まれた5月4日土曜日、訪ねてみました。


 始発駅、上鳳駅に新型電車が滑り込んできました。アウトドアスタイルの乗客が目立ち、市内の通勤電車のホームとはちょっと違った趣です。


 最近の韓国の電車は、週末に限り自転車の持ち込みが認められています。日本でやったら大混乱になりそうだけど、自転車が普及していない韓国なら大丈夫…と思っていましたが、サイクリングに押し寄せる人で車内は自転車でいっぱい。早晩、今のやり方では限界になるかも…?


 韓国では珍しい「ママチャリ」の姿も。


 通勤時間帯並の混雑ですが、車内はなごやか。床に座り込む姿も、この路線ならどことなく馴染む気がします。沿線は、緑が濃くなってきました。


 「汽車」の通った旧京春線の鉄橋が、車窓をよぎります。


 北漢江沿いにはサイクリングロードが。自転車人口、確実に増えてきているみたいです。この人たちも、京春線に載せてきたのかな?


 だいぶ車内にも余裕が出てきました。固定台にようやく自転車を留められた親子。


 市内に近い、南春川駅で下車。通勤電車に変わっても、お出かけのウキウキ気分にあふれた列車でした。



 市内でタッカルビを食べた後、帰路に利用したのは「準高速列車」と呼ばれるITX青春。時速180kmを誇る俊足ランナーで、ソウル市内まで1時間を切ります。「汽車時代」の2時間超を知る身にとっては、隔世の感があります。
 週末を中心に予約の取りづらい列車で、午前中往路の列車は軒並み満席。復路も2日前の時点で、この後の電車は満席でした。


 目玉にもなっている二階建て車両。韓国唯一の存在です。


 2階建て車両の車内。なぜか窓は小さく、ワイドなパノラマとはいかないのが残念なところ。


 自転車の固定台は、ITXにも。通勤時には立ち席スペースにもなるようです。
 ちなみにITXは通勤電車とはまったく別の運賃体系になっていて、電車用の切符やカードで乗車した場合には即、不正乗車として扱われます。韓国の長距離列車乗り放題の「KR PASS」も、この列車に関しては適用範囲外です。
 通勤電車と同じホームに発着し、ドアの傍には吊り革やロングシートもあるので、日本人の感覚だと、料金不要の私鉄特急電車のようにも見えますが、ここは韓国。駅に着くたび、警告の放送が流れますが、もちろん韓国語オンリー。通勤電車と誤って乗らないよう、日本人には要注意です。


 途中駅には、MTに出かける大学生たちの姿も。昔も今も、「青春」を乗せて走る京春線です。


 中央線に乗り入れ、龍山駅に到着。快適な1時間あまりの旅路でした。


 ホーム上の機械にむらがる人々。ITXのきっぷを持ったまま地下鉄に乗り継ぐと入場記録が残らないため、ここで一旦カードをかざして、龍山駅から「乗車」扱いにするのです。
 日本式に「運賃」+「料金」方式への転換も必要なんじゃないかな…と思わせるシーンでもありました。

 一気に近代的になってしまった京春線に、さみしさを感じないわけではありませんが、一層身近に、ソウルの人々に愛されているようにも見えました。旧京春線の跡もレジャー施設として活かされているようで、またよい気候の時に訪ねてみたいと思います。

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