会場で一休みして、600番のバスで西帰浦をあとにしました。来年も来るぞ!…きっと。
済州市内に戻り、バスを下車。以前からの市街地に対し、新たに開発された街なので通称「新済州」と呼ばれるエリアです。今日のお泊りは表通りから1歩裏手にある、J2ファミリーホテル。
その名の通り、4人用のファミリールームがあるのが決め手でした。実際はツインの奥に、もう一つツインがあるという構造。扉を鍵で閉め切れば、2人でも利用できるという設計になっています。
水回りはきれい、家具も優しい色合いで居心地良好です。フリーで使えるコンセントは奥の部屋にしかなく(しかもやたら多い)、ツイン利用時だと充電に困りそうではあります。
歩行者天国の繁華街は道路を渡った反対側で、遊びに出るのにもいい立地です。日曜日の夕方だというのに、行き交う人は結構な数。離島の雰囲気は、ここにもありません。
中国人観光客の姿も多く、店の多くも中国語対応。一時は一世風靡したはずの日本語表記は、ずいぶんと隅に追いやられた感があります。
やっぱり島に来たからには、新鮮な魚貝を食べたい!というわけで、歩行者天国沿いのオープンなライブキッチンでお魚を調理している、海鮮モノ屋さんに入ってみました。
ところが渡されたメニューには、外の垂れ幕に出ていた3万ウォンのセットメニューが見当たらない。「あの、外に出てた3万ウォンのセットは…」と言って、初めて別冊のメニューが出てきました。ムム、感じよろしくないぞ。
しかし遠慮なく頼んだ3万ウォンのセットは、お刺身からつけ合わせまで、ずらっと並んだ豪華版! 韓国の刺身にあまりおいしいイメージを持っていなかったけど、さすがは離島、新鮮でプリプリしてました。
2軒目も考えていたので、満腹度を半分に抑えた結果、ビールを含めても一人あたり千円ちょっと。やっぱり飲み食いするなら、韓国サイコーです。
夜の帳も降り、噴水広場のライトアップは7色に変化。人通りも多くて、安心して歩ける夜の繁華街です。
今回のメンバーのうち、2人は韓国初体験。ここは是非、一般的にイメージする韓国の酒文化からちょっと外れたものも味わって頂こうと、「チメク」の店に入ってみました。
チキン&メクチュ(ビール)の略語です。
さっくりジューシーな揚げたてフライドチキンもうまいけど、韓国らしいのは甘辛いタレでからめたヤンニョムチキン。軽めの韓国生ビールとも、よく合います。
ぐいぐい飲み干し、都合4人でビール3リッターを消費。それでも合計5千円なんだから、やっぱり韓国サイコーです。
酔い覚ましに散歩していると、公園に出てきました。ウォーキング疲れの足にムチ打ち、上がってみると…
思わず、あっと声を上げてしまいました。駅も線路もない済州島なのに、列車の姿があったからです。
客車は昼間、子ども向けブックカフェとして開放されているのだとか。
そして機関車は、動力近代化以前の韓国でよく見られた大型蒸機、ミカ型です。日本で言えば、デゴイチ的な存在なんだろうと勝手に思っています。
今のパク・クネ大統領の父、パク・チョンヒ氏が、鉄道のない済州島の子どもたちに本物の列車を見せてあげるため、わざわざ運んできた列車なのだそうです。
公園から見下ろした繁華街。日曜日だというのに夜はまだまだ続きそうですが、僕らはぼちぼち休むとしましょう。
明けて3日目。新市街地の新済州にあって、ホテルの窓からの景色はどこかワイルドでした。
今日は釜山~福岡の最終便が取れなかったため、済州10時半発の便に乗らねばなりません。もっと、ゆっくりしたかったです。
昨夜の蒸気機関車に、改めて陽の下で対面。新幹線並みの標準ゲージの蒸気機関車は、迫力が違います。
朝7時過ぎの公園は、朝の運動に精を出すじいちゃん、ばあちゃんが大勢繰り出していました。
メインストリートにある斬新なデザインの建物は、新しくできた免税店。上客はやはり、大挙押し寄せている中国人観光客でしょう。
済州島全体が中国人観光客を当て込んでの、あるいは中国からの直接投資も活発になっていると聞きます。そういえば、建設途中で放置状態だったコンベンションセンター横のホテルも、いつの間にかオープンしていました。
600番のバスで空港へ。空港まで停留所はないのに、運転士さん、律儀に「どちらまで?」と聞いてきてからカード端末を処理していました。乗り間違い防止策かな。
空港ターミナル着。韓国最高峰の漢撃山(ハルラサン)が、3日目にしてようやく姿を現しました。
搭乗手続きを終え、空港内のロッテリアでブランチ。チメクはもちろん、ロッテリアの韓牛プルコギバーガーも立派な韓国料理だと思います。
もっとも3年前に訪韓した時には友人から、最近はマックが人気だよとも聞いていて、以前のような一人勝ちの様相ではないようです。
空港ターミナルは、平日だというのに人でごった返していました。ビジネス需要も多いタイミングではあるけど、優勢なのは観光客の姿です。
ただ混雑には別の要因も。「特別自治道」の済州は渡航ビザの要件が緩和されており、そのため外国人は済州島外への移動でもパスポートチェックを要するようになったためです。去年と比べれ、大きな変化でした。
混雑してたので、時間に余裕を持ってゲートをくぐりましたが、釜山便は安定の15分遅れ。大手傘下・首都以外を拠点にするLCCなので「韓国版ピーチ」と呼びたいエアプサンなのに、定時性のなさがそれを阻みます(笑)。
トリックアートでひまつぶし。
ゲート内で賑わうのは、内国人向け免税店。那覇空港を思い出しますが、済州のものはずっと規模が大きいです。タバコが免税になるのは喫煙者にとって見逃せない点で、専用カウンターには長蛇の列ができていました。
済州空港は釜山金海を抑え、韓国国内2番目の規模の空港。実際パンク状態に近く、新空港の計画もあるようです。
結局遅れは回復せず、15分遅れで搭乗しました。もはや乗り慣れた感のある、青いシートのエアプサン。座席まわりの設備や座席の厚さなど、微妙な差異はありますが、飛行機は詳しくないのでよく分かりません。
オーディオ装置が付いている機体もあったけど、国内線と福岡便ではサービスを行っていないそうです。
釜山上空では、混雑のためぐるぐる旋回。金海での乗り継ぎには、やはり余裕が必要です。
以前、ヨメさんがエアプサンの金海乗り継ぎで台北から帰ってきた時は、乗り継ぎ時間90分。かなりギリギリで焦ったと聞いています。
金海空港到着、すぐさま国際線ターミナルに移動しました。パスポートさえあれば、ロビーにある自動チェックイン機で、簡単にチェックインできてしまいます。手荷物も優先的に預かってもらえるので、オススメです。
航空会社独自のチェックイン機ならもっと派手に作るのだろうけど、金海のものは空港公社による共通のもので目立たず、利用している人はほとんどいませんでした。もっとも韓国では、鉄道の駅でもガラガラの券売機を横目に、有人窓口には長蛇の列という光景はよく見ます。
福岡便まで2時間少ししかないけど、少しは釜山も楽しみたいということで、「軽電鉄」に乗って沙上の街へ。大型量販店、ホームプラスでお土産を買い出しました。
福岡便に遅れが出れば、もう少し沙上でゆっくりできたのですが、こんな時に限って定時で動いてしまうエアプサン。飛び立ってしまえばあっという間で、我が家の上空を旋回して無事、福岡に帰り着きました。