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Chang! Blog
福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです





 ヨメさんと桃園空港で合流したのは、台湾時間で午後2時。ひとまずお腹も空いたので、空港地下のフードコートへと下りました。
 スタバやマクドなどお馴染みの店も多いけど、台湾っぽいものが食べたい!というわけで、牛肉麺のお店へ。ツルツルっと麺をすすって、お腹を満たしました。


 台北駅行きのバスは今日も長蛇の列だったので、往路と同じ高鉄ルートで台北市内へ戻ることに。桃園駅前では、屋外で音楽フェスティバルが開催されていました。
 面白そうだなとちょっと冷やかしてみたのですが、そこはまだまだ真夏の台湾。じりじり照りつける日差しに、10分も歩いただけでグッタリ疲れてしまいました。日本の感覚で動いていたら、痛い目に遭いそうです。


 高鉄で、桃園から台北までトンボ帰り。ちょこちょこ空席はあったものの、2人では座れず、再び立ちんぼうで台北までを過ごしました。
 以前は新下関駅近くに住んでいたヨメさんにとっては、700系新幹線がすなわち、乗りなれた山陽新幹線のイメージ。異国感はゼロだそうです。


 今日の泊まり先である、新北投温泉へ向かいます。台北から捷運を乗り継いで行ける新北投は、身近に楽しめる温泉地です。乗換駅の北投のホームには、歓迎のモニュメントもありました。

 ちなみにこの日、当初は台北郊外の山間の温泉地・烏来に泊まる予定でした。しかし数週間前に「台風のため営業休止になった」旨のメールが。よくよく調べてみると、8月の台風で烏来温泉は壊滅的な被害を受けていました。
 営業しているホテルもあるようなので、応援の意味を込めて行ってみる、という選択もなくはなかったのですが、そこは外国。情報も少ないので大事を取って見合わせ、新北投に転進しました。


 新北投は、駅前から川沿いに温泉街が形成されています。
 公園の中にある図書館分館は、世界一美しい図書館と称されます。背後の高層ビルは、日本から進出してきた加賀屋。日本の温泉地とは、似て非なる情緒がある新北投温泉です。


 入場無料の北投温泉博物館は、1913年の日本統治下当時に作られた温泉施設。
 1階はレンガ造、2階から上は日本建築の意匠になった和洋折衷の建築物ですが、不思議とチグハグな感じはしません。


 2階には、畳の大広間が。縁側の柱は木造ながら、西洋風の意匠です。


 階段部分にも、丁寧な彫刻が見られます。


 台湾映画コーナーにあった、「50~70年代の台湾映画あるある」。イラストと英語があるので、大まかな理解は可能です。ずいぶん単純な図式にまとめた感はありますが(笑)。






 しかし何よりの圧巻は、1階の浴場跡。アーチに囲まれ、ステンドグラスの光が落ちてくる深く広い浴室は、古代ローマの公衆浴場のようです。
 道後や武雄、別府竹瓦など、戦前の温泉浴場には名建築も多いのですが、北投はどこともちがう重厚さが感じられました。


 今日の泊まりは、温泉街の高台にある皇家季節酒店北投館(ロイヤルシーズンズホテル北投)。1泊朝食付き4,150NT(15,840円)と、僕としては大枚を叩いた感じです。


 中には彫刻やらナポレオンの肖像画やらが飾られ、やたらゴージャスな雰囲気。バブリーと言ってもいいかも。


 部屋もベッドも広々。調度品も豪華な感じです。冷蔵庫の中身はフリーで、嬉しいことに台湾ビールも2本置いてありました。
 高台なので眺望にも期待しますが、窓を開けたら隣のアパート(笑)。外壁はかなり年季が入っており、地震の多い台湾だけに心配になります。


 大浴場はありませんが、各部屋には大きな風呂があり、ゆったり温泉を楽しめます。浴槽の大きさの割にはお湯の勢いがないので、お湯張りには30分くらいかかるのでご用心。その間に冷めてもくるので、ちょっと温度高めにしておくとよさそうです。
 さっそく、ほんのりと硫黄が香る温泉で、1日の疲れを癒しました。




 疲れも取れたので、再び街へ。夜の温泉博物館や図書館も、いい雰囲気です。


 北投~新北投間、わずか1駅の新北投支線は、1編成の電車が往復するピストン輸送。複線なのですが、1本の線路は使われていません。
 専用編成は観光仕様になっていて、ディスプレイや情報端末で観光情報を手に入れられる「走る観光案内所」。ものの数分で着いてしまうので、席が少ないのは気になりませんでした。


 淡水線に乗り換え、剣澤駅へ。たまたま台湾に来ていた友人・たかみーと合流して、夜市見物へと繰り出しました。




 射的にエビ釣り、将棋まで、楽しい縁日的なお店もいっぱい。毎日やって、よく人が集まるなあと、毎度感心することしきりです。


 地下1階の「美食街」へ。地下の空間は、人でぎっしりです。あまりに入りすぎると入場制限がかかるようだけど、この状態でも火災が起きたらと想像すると…あまり考えないでおこう。


 290NT(1,107円)なりのヒレステーキと、台湾ビールで乾杯! ヒレステーキにしては硬くて、胡椒もききすぎな感じではありますが、がっつり肉!という満足感はありました。


 賑やかな夜市のど真ん中でも、寺院の一角だけは空気が違います。お香の香りは、アジア人共通の安らぎです。


 夜市の余韻を、クールで清潔な捷運の電車で冷ましつつ、宿へと帰ったのでした。

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 ぐっすり眠り、すっきりと目覚めた九分の朝。朝食は8時半からとのことなので、それまでの時間、九分の街の散策に出かけました。


 東を向いた九分の街。朝日に建物が輝きます。海も青く、展望台から静かな時間を独り占めです。


 昼間は観光客でごった返す「老街」も、ひっそりした時間帯です。シャッターの開いている数少ない建物には、仕込みに精を出す店の人の姿がありました。






 九分の街中を、等高線に沿って貫く細い道は「軽便路」と呼ばれます。その名の通り、かつて鉱山からの物資を運んでいた軽便鉄道の線路跡なのだとか。
 道の細さや、ゆるやかに曲がったカーブに鉄道の名残が感じられました。残っていたら、いい観光資源にもなっていただろうな。


 軽便路沿いにある五番坑公園は、かつての坑道入口がある公園。入り口はレンガ造になっている、がっしりした坑道です。坑道からはパイプが伸びており、飲み水の供給源にでもなっているんでしょうか。
 中をのぞいてみると、鳥たちが羽を休めていました。


 早起きの観光客がちらほらしかいない、メインストリート。8時を過ぎると登ってくるバスは満員状態になっており、人気観光地の1日が始まろうとしていました。


 宿に戻ってベランダで涼んでいたら、スタッフさんが早めに朝食を出してくれました。サンドイッチと梨という質素なものですが、この景色の中で食べればご馳走です。


 早めにご飯を出してくれたおかげで、8時半過ぎにはチェックアウト。台北方面のバスに乗って、山を下りました。
 台湾の旅の必需品、悠々カードはこのバスでも使えます。九分行きをはじめ、距離で運賃が変わる長距離路線では上下車時のタッチが必要。日本と同じですね。


 20分かからずに瑞芳駅着。土曜のまだ9時なのに、駅前の街は休日を楽しむ人で、はやくも賑やかになっていました。


 瑞芳からは、昨年1月にできたばかりの新線・深澳線をのりつぶします。正確には廃止路線の復活で、海洋技術博物館の最寄り駅・海技館駅までわずか1駅の路線です。
 派手にラッピングされたディーゼルカーは、観光地として有名な十分方面と直通運転されています。


 台湾ローカル支線のディーゼルカーの一部には、運転士横にまで座席が延びているのが鉄っちゃんには嬉しいところ。たいてい、「同好の士」に占められていることの多い席ですが、海技館行きはガラガラで、特等席も空いていました。
 台北方面の自強号の接続を受けて、海技館行きも発車です。


 本線格の宜蘭線から分岐して、単線の線路をゆっくり、ゆっくりと進みます。台鉄のローカル線は、日本のJRに比べれるとだいぶスローペースです。PC枕木が敷かれた一見立派な線路も、よく見てみれば線路のくるいが大きく、あまりスピードは上げられないようでした。
 特に車窓に見るべきものもなく、マンション群が近づいてくれば終点・海技館。


 単線1面のホームがあるだけの、無人駅。カードの読み取り機はあり、カードがない人は車内清算という、日本の都市近郊ローカル線のような風景です。待合所やベンチなどは、海技館周辺の施設と共通のデザインがなされていました。
 終点のはずですが、列車は一度、先の線路まで引き上げて行きました。


 海洋技術博物館までは、徒歩5分程度。何かイベントがあっていたようで、朝早くから人が集まっていました。それにしては、さほど列車は混んでいなかったような…バスも頻繁に走っており、1時間に1本の列車を使う人は、多くなさそうです。


 18分間の駅前散策を終え、折り返し列車へ。このまま瑞芳で降りても台北方面の列車までは時間があったので、逆方向に乗り進めてみました。瑞芳からはどっと観光客が乗り込んできて、一気に満員列車に。晴れの土曜、十分観光に繰り出す人々は浮き足立っていました。
 瑞芳から1駅の侯硐で、人々を掻き分けて下車。


 この街は、野良猫と共生する街として有名で、猫目当てで降り立つ人も多い、ちょっとした観光地になっています。
 駅の待合室では、さっそく我が物顔で鎮座する野良猫君が出迎えてくれました。


 猫村の中心部は、歩道橋を渡った駅裏の高台です。育ちのいい野良猫が、ひがな一日を過ごしてました。


 観光客も、猫の視線を向けてもらうのに必死です。


 侯硐には前回訪台時にも訪れていたのですが、夜も遅くほとんどの店が閉まっていました。せっかく昼間に再訪したので、空いていたカフェに入ろう…としたところ、店の敷居につまづいてしまいました。店員さんの「小心!」という気遣いに、癒されます。


 メニューには珍しく、クラフトビールがありました。その名も「ネコビール」。台北の工場で生産されているとかで、がっつりクラフトな味がしました。
 濃い目のビールは台湾の気候に合わないのか、氷を浮かべてあるのは独特です。


 店主は名前を呼んで、外の猫を招き入れていました。最大3匹になった猫のうち、どの猫が「店猫」で、どの猫が野良猫なのかは分かりません。


 侯硐から台北方面へは、区間車に乗りました。普通電車に当たる区間車の車両にも、古豪のつり掛け駆動車から、とんがりフェイスの「スネ夫」、最新型の「スマイルトレイン」などバリエーションがあるのですが、僕はいつもこの電車です。
 朝ビールを飲んだ身には、トイレ付きというのは心底ありがたかったです。


 近年は自転車の持ち込みが認められているようで、隣の車両にはチャリダーの姿がありました。


 台北駅をスルーして、お隣・新北市の市役所所在駅、板橋で下車しました。捷運や高鉄も接続しており、新横浜的なポジションの駅です。
 捷運だけでなく、台鉄も地下駅になっています。ディーゼルの特急や、機関車牽引の客車列車が発車するときは、騒音でなかなかの迫力があります。




 高鉄も地下駅。こちらはぐっとスマートな雰囲気です。指定席制の台鉄と異なり、高鉄は日本の新幹線と同じく自由席もあります。券売機で桃園までの「自由座」の券を買って、ホームへと降りました。
 ちなみに桃園までの運賃は135NT(515円)。高鉄は距離比例の運賃なので、近距離でも割高にはならず、実際気軽な近距離利用も多く見られます。


 週末の昼間とあって自由座も満席で、デッキに立って過ごしました。地上に出ると、桃園空港に離発着する飛行機が見えてきます。


 再び地下に潜って、桃園着。台北からわずか23キロですが、降りる人も多く見られました。


 桃園駅前にも、空港アクセス鉄道の駅舎ができあがっていました。台北までは捷運で直通、台湾南部へはここで捷運と高鉄を乗り継げばいいわけで、かなり便利になりそう。早く開業してほしいものです。


 捷運のない今は、シャトルバスがその責を担います。高鉄が着くとバス乗り場は大行列になりますが、どんどん続行便を仕立ててくれるので、さほど待たずとも乗車できます。
 チケット制で、行列の途中で切符を買えます。悠々カードも使えますが、下車時のタッチが前ドアでしかできずに面倒。カードを持っている人は多そうなのに、ほとんどの人がチケットを買っているのは、スムーズに降りたいからかも。


 緑色のノンステップバスが、空港シャトルバス。荷物置き場がない代わりに、係員さんが中ドアまわりの空間にトランクを押し込んでくれます。全員着席の定員乗車で、出発です。


 さて、なぜ桃園に戻ってきたかといえば、1日遅れでやってくるヨメさんを出迎えるため。あ、私7月に入籍しましたことを、この場を借りてご報告します(笑)。
 しかしヨメさんの飛行機が第1、第2のどちらのターミナルに着くのかを、迂闊にも調べていませんでした。ひとまず第1で降りたものの、案内所で第2であることを知り、いそいそとシャトルトレインへ。


 無人運転で快走するシャトルトレイン。乗ったことがなかったから、これはこれでいいのだ!なんて言っている場合ではありません。


 昨日くぐってきた第2ターミナルのゲートを探していたら、ヨメさん、すでに入国して両替まで済ませていました。ガックリ、間に合わなかった…
 ちなみに僕は、半年前に抑えたエバー航空の直行便で2万5千円。一方、2週間前に急遽予定変更を余儀なくされたヨメさんは、エアープサンの釜山乗り継ぎで4万5千円でした。乗り継ぎが発生した上に割高になってしまいましたが、エバーで2週間前に取れば10万は下らず、まずまずの買い物だったと思います。

 つづく。

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