Chang! Blog

福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです

平成27年3月14日JR九州ダイヤ改定…無人化の3駅に降りる

2015年03月16日 | ■旅と鉄道
 北陸新幹線金沢延伸、上野東京ライン開業など、本州では華やかな話題が多かった春の新ダイヤ。一方の九州では小幅なダイヤの修正に留まり、むしろ駅の無人化や車内販売の廃止など、明るくはない取り組みの方が目立ちました。
 駅員さんの消えた駅はどのような姿に変化したのか? 15日に香椎線の2駅、16日に鹿児島本線の肥前旭駅に乗り降りしてみました。


香椎線土井駅…構内踏切のある無人駅に

 香椎線は、福岡市近郊を走る非電化単線。しかしローカル線ではなく、20分の等間隔で各駅停車が走り、どの列車もさらりと座席が埋まる、生活密着型の都市近郊路線です。
 沿線には観光地の海ノ中道があることもあって、観光列車の運行や博多直通化など、かなりのテコ入れも図られていた時期もありました。しかしいつしか新型車両は他線に召し上げられ、国鉄型車両ばかりが往復する地味な路線に。そしてこの春、接続駅以外全駅の無人化という、思い切った合理化が図られました。


 香椎駅から、2両編成のキハ47系に乗り込みます。香椎線の車両は近年、「アクアライナー」カラーへの塗り替えが進みイメージアップが図られているものの、内装は古めかしいボックスシートのままです。
 一時期走っていた新型のキハ200系列が地方の勾配路線に転出したのは、平坦な香椎線にはオーバースペックだったため。適度なスペックに落とした、新型車両の登場が待たれるところです。


 土井駅に下車。コンクリート打ち放しの、小ぶりながらもデザインされた駅舎です。西戸崎駅や須恵駅でもコンクリートとガラスの意匠が取り入れてられており、おしゃれな雰囲気になっています。


 しかし、窓口の閉ざされた駅は寂しいもの。磁気券の改集札にあたっていた簡易型自動改札機も、無人化を前に1月に撤去されたそうです。
 今後は入場記録のない磁気券でも出場できることになり、特に定期券のキセルが増えないか心配。西鉄電車のような、定期券は原則ICカードというやり方も一案かも。


 香椎線では無人化に伴い、ANSWERなる遠隔案内システムを導入しました。単なるインターホンによる案内に留まらず、精算機も連動しており、案内を受けながら精算できます。
 始発から終列車まで対応できる分、これまでより案内できる時間が拡大!と広報されてはいましたが、やはり対面サービスに勝る安心感はありません。


 列車の交換駅である土井駅は、駅本屋向かい側のホームとは構内踏切で結ばれています。
 国鉄時代のローカル線無人化にあたっては、こ線橋を整備して安全を確保するケースが多くありました。香椎線では快速列車もなく、構内踏切でも安全と判断されたのでしょう。バリアフリーの面からは、構内踏切がベターとも言えます。


香椎線須恵中央駅…もったいないフルスペックの自動改札機

 福北ゆたか線との乗換え駅、長者原を越えて、須恵中央駅で下車しました。平成元年開業の比較的新しい駅で、須恵駅よりも須恵町の中心部に当たります。




 香椎線のほとんどの駅は、簡易型ICカードリーダでSUGOCA対応を行っていますが、和白、宇美と須恵中央駅には、フルスペック型の自動改札機が導入されていました。この3駅でも今回の無人化にあたり、磁気券の改札を廃止しています。
 その結果がこの姿。磁気券の投入口が塞がれ、ICカードのみ改札を行うようになっています。高価な「フルスペック型改札機」なのに簡易型と同じ機能しか生かされず、なんとももったいない感じ。ラッシュ時に改札機が不足している、久留米駅に1台分けてほしいなんて思ってしまいます。


 無人化は3月14日付けで行われましたが、香椎線の各駅では今月いっぱい、元の駅員さんが常駐して案内に当たるとのこと。改札機で戸惑う切符利用者が多く見られ、その都度案内されていました。
 日常の利用者は慣れていくのでしょうが、来訪者は戸惑うこと必至の改札機でした。


鹿児島本線肥前旭駅…フォローのない無人化

 鹿児島本線の肥前旭駅は、鳥栖駅から1駅下った旧旭村の中心駅。無人化直前の先週水曜日にも、様子を記録に来た駅です。




 無人化から2日、最初の平日を迎えた肥前旭駅でしたが、香椎線のような案内員は見当たらず、正真正銘の無人駅になっていました。2日前まで動いていた簡易改札機にはカバーが掛けられ、使用停止状態になっています。


 自動券売機の入れ替えはなく、従来どおりのSUGOCA非対応型。SUGOCAチャージをしたければ、歩いて5分のファミマまで行かねばなりません。そのような案内もありませんが…
 遠隔案内システムも導入されず、単なる無人化に留まっていました。


 駅員さんが受け付けていた終日220円の一時利用駐車場は、送迎用に。30分以上の駐車は禁止になってしまいました。
送迎用というには広すぎで、長時間利用ができなくなって困る人もいるはず。コインパーキングの導入が待たれるところです。

 JR九州では今後 上場に向けて、さらなる無人化や「みどりの窓口」廃止を進める計画とのこと。上場会社の先輩・JR東日本だと、首都圏ですら思い切った合理化を進めており、「純民間企業」としては仕方のない一面もあるのかもしれません。
 ただ一利用者、一ファンとしては、どこか寂しさを感じた、3駅の様子でした。

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3 コメント

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Unknown (一般客)
2015-03-26 09:15:37
舞松原と千早を時々利用する者ですが、舞松原駅のシャッターに閉ざされた窓口は見てて悲しくなりました。この駅には階段がありますが、エレベーターが設置されていません。突発的な利用の場合、支援なしではベビーカーのお母さん方もさぞ不便でしょう。新聞によると、篠栗線以外は全て赤字路線との事で仕方がないのかもしれませんが、改悪には本当にガッカリしています。
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どきどき利用客 (senochan)
2015-07-26 13:42:17
香椎線など駅の無人化は他件も含め、JR九州の殿様経営には腹立たしい限りです。

香椎駅ですら「駅員」は、子会社の旅行代理店員が収札精算をやっていました。他の駅でも直雇用者おらず、嘱託や派遣雇用の駅員です。

子連れやお年寄り身障者への「サービス放棄」とも取れ、これが問題化し上場に水を刺せば良いのですが…。

なお、須惠中央駅は町役場・高校の最寄りです。高価な改札機が必要なら、朝夕など駅員(依託者)でも居ないと意味ありませんね。例、西鉄甘木線みたいに。以上。

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Unknown (Unknown)
2015-09-19 18:07:52
香椎線の無人化は恐らく失敗すると思います。利用者層や周辺の治安状況もあり有人時代も夜間は券売機や改札機を荒らされることが多かったのです。かつて土井駅や酒殿駅が夜間に放火で全焼しているのでその二の舞が危惧されます。須恵中央駅の待合室も何か燃やした跡があるのを目にしたことがあります
(そういう点も踏まえての社会実験的な導入かもしれませんが)
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