Chang! Blog

福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです

2019年3月ダイヤ改定、福岡都市圏の動きを追う【前編】

2019年03月17日 | ■旅と鉄道
 2019年3月16日、平成最後のJR全国ダイヤ改定。九州は昨年、徹底した減便・減車が中心で「ダイヤ見直し」と称するほどでしたが、今春は「改正」に戻りました。
 福岡都市圏も小粒ながら、新車導入や新駅開業などの明るい話題が豊富。そこでこれらのポイントを、1日で巡ってみました。

 前編では、
・原田線(筑豊本線・原田~桂川間)復旧
・折尾駅の筑豊本線ホーム高架化
・JR香椎駅駅前広場オープン
・香椎線の全列車を819系蓄電池車に置き換え

 後編では、
・糸島高校前駅ついに開業
・821系電車デビュー
 の様子を記録します。


“原田線”運行再開~不思議と進んだ「すんなり復旧」~


 地元の久留米駅から、まずは朝の快速電車で原田駅へ。前4両は、先週の門司港駅グランドオープンに合わせて走り始めた「わたせせいぞうラッピングトレイン」でした。
 海辺のレトロタウン・門司港へ、海なし都市の久留米市民を誘います。


 原田駅で下車、筑豊本線の発着する0番線へ渡ります。2001年に原田~桂川間には「原田線」の愛称が付けられましたが、跨線橋には昔の名前で出ています。


 0番線には、桂川行きのキハ140系ディーゼルカーが待っていました。1両きりの単行運転、もちろんワンマン列車です。
 原田線は昨年夏の西日本豪雨で被災。以後、地元貸切りバス会社による代行輸送が続いていましたが、ダイヤ改定に先立ち、先週3月9日に復旧しました。


 次第に目にする機会が減って来たボックスシート。暖房がよく効いていて、育児での寝不足もたたって、居眠りが出てきそうです。
 のんびりローカル線の雰囲気も悪くないですが、発車前にはすべてのボックスが埋まり、ロングシートに座る人もいるくらいの乗りにはなりました。ざっと20人といったところでしょうか。不思議とこの路線、ガラガラなことは少ないです。


 豪雨による被災箇所は冷水トンネルの前後に集中しており、復旧したばかりの築堤が何ヶ所も現れます。一部には、25kmの速度制限も。


 被害の程度は違えど、一昨年の九州北部豪雨で被災した日田彦山線の復旧が進まない中、よくぞこれだけの工事をJR単独で実行したものと思います。
 1日8往復(週末は9往復)、平均通過人員534人/日(2017年)という数字は福岡都市圏としては少ないだけで、それなりの実績なのかも。


 原田から28分で桂川着。博多方面の快速電車と接続します。3両編成に立ち客多数の電車は、どこか別世界のような感じでした。


 桂川駅名物、ホームから出らずに利用できるヤマザキショップ。コンビニ大手3社とちがって、さすが自由です。原田線が不通の間はお客さんも減ったはず(?)で、待望の復旧だったろうと思います。


折尾駅・筑豊本線ホーム高架化完成~乗り換え距離は伸びました~


 快速電車で直方まで出て、若松行きの電車に乗り換えました。非電化区間の折尾~若松間にも直通できる、蓄電池式電車819系「DENCHA」です。


 直方駅構内には、昨日の「DENCHA」導入で追われた、香椎線の気動車が集まっていました。老朽車を置き換えるべく、各地へ散っていくとのこと。


 筑豊本線は今回のダイヤ改定に合わせ、折尾駅の高架ホームが完成。鹿児島本線のホームとほぼ平行に並び、立体交差が解消されました。
 とはいえ鹿児島本線と筑豊本線はどこかで交差せねばならず、筑豊本線の線路は折尾駅の前後で大きく変わりました。旧線から離れ、真新しい線路へ。「あれ?トンネルなんてあったっけ?」と声を上げる女子大生2人組も。




 鹿児島本線の北側に回り込み、真新しい6・7番ホームに到着。最新鋭の819系電車がよく似合います。
 古びたホームに煉瓦造の地下通路、そこをディーゼルカーが行き交っていた折尾駅は、過去のものになりました。






 つい一昨日まで列車が行き交っていた地上の線路とホームも、仮設通路が渡され、しんと静かになりました。


 長い長い、仮設の乗り換え通路。筑豊本線と鹿児島本線の乗り換えには、今までより余裕が必要です。
 今後は、筑豊本線と鹿児島本線をショートカットする、通称「短絡線」の高架化工事に入ります。鹿児島本線のホームは、筑豊本線の隣に新設され、現在の鹿児島本線ホームは「短絡線」に転用の予定です。
 完成形では、筑豊本線と鹿児島本線の乗り換え距離はもう少し縮まりますが、今までよりは長くなりそう。


 折尾駅名物「かしわめし」の売店は、西口改札前でひっそり営業されていました。


 せかせかした行程でも旅気分を味わいたくなり、1つ購入。下り区間快速がクロスシートだったのは幸いだったけど、弁当を食べるには、肩身が狭い雰囲気ではありました。


香椎駅駅前広場完成~なにやら「和」のテイストに~


 JRのダイヤ改定とは直接関係はないけれど、3月12日、ほぼ時を同じくして香椎駅の駅前広場が完成しました。
 1996年完成の駅ビルは、従前はポップなイメージでしたが、今回の工事に合わせて朱塗りの大きな門がお目見え。なにやら和風のテイストにイメチェンしました。


 門は、駅ビルと駅前広場を結ぶ、階段とエスカレーターの屋根になっています。
 以前は駅と駅前広場がフラットだったのですが、駅前の土地が区画整理とともに地盤が切り下げられ、新たに生じた段差です。


 駅前の区画整理は佳境。ごちゃっとした雰囲気が魅力だった街も、ずいぶん様変わりしそうです。
 100m少ししか離れていない西鉄香椎駅にも昨年、大きな駅前広場が完成し、土地利用としてはちょっともったいない感じも。かといって一体の駅前広場にすれば無駄に広くなったろうし、悩ましいところです。


 JR香椎駅は駅員さんの腕がいいのか、掲示物が一工夫されていて面白いです。「暇そうな香椎駅」って(笑)。


 昨日デビューの香椎線新型車「DENCHA」のスマートドアについても、かなりウイットの効いた解説でした。一番右は、福岡人にしか分からないネタだろうな…


 引退したキハ40/47系「アクアライナー」への惜別も、忘れません。


香椎線に蓄電池車「DENCHA」全列車導入!~完全DEN化で電化同等~


 福岡都市圏でもっとも大きな話題は、コレでしょう。筑豊本線に続き、香椎線にも新型蓄電池車「DENCHA」登場! しかも全列車を一気に置き換え、福岡市内にありながらディーゼルカー天国だった香椎線が、一気に近代化しました。
 数分ながらスピードアップも達成。事実上、電化同等の改善であり、個人的には「DEN化」と呼んでいます(笑)。


 香椎駅に充電設備が設けられており、ものの10分で必要な電気を充電します。その技術、オレのスマホにもほしい。


 まずは宇美行きの電車に乗車。加速のよさ、車内の静かさはまさに「電車」のそれです。しかも車内は最新鋭の“水戸岡デザイン”。一昨日までのキハ47系から、一気にあか抜けました。
 座席のクッションは厚く、座り心地は上等です。ロングシートながら背もたれが高く、疲れにくいのもGood。ドア横の座席は、枕まで付いています。


 窓框よりも背もたれが高いので、背もたれと窓の間には空間が。ここにゴミを放置していく不届き者が、ときどきいます。せっかくの新車、お互いキレイに使いましょう。


 スマートドア、という名の半自動ドア。九州といえども、特に西戸崎方面は海風が強いので、車内保温に威力を発揮します。
 乗客としてもっとも戸惑う点でもあり、主要駅と車内には係員が付いて対応にあたっていました。事前の広報のおかげで分かっている人も多いですが、押すタイミングは難しそう。「ボタンが光ったら押す」の説明もほしいところです。


 香椎線は全線単線。反対方向の電車に遅れが出ていて、土井駅で5分遅れに。さらに上りへ遅れを波及させないよう、交換駅が新原から3つ手前の酒殿へ変わりました。遅れを一手に引き受けた我が電車は、14分遅れに。
 昨日から慢性的に遅れが出ていて、翌日からの平日も数分の遅れが常態化している模様。スマートドアに慣れれば解消…となればいいんですが。


 終点・宇美駅に到着。宇美町の中心で、バスとの乗り換え設備も整えられた、立派なターミナルです。


 それだけに、4年前の駅無人化は残念だったはず。窓口のシャッターは閉じ、自動改札機はICカードのみの対応になっています。切符はノーチェックで、キセルを助長していないか心配です。


 上り電車で香椎へ戻り、今度は西戸崎方面の列車に乗り継ぎ。ちょうど鹿児島本線の上り区間快速と同時発車になり、香椎線も電車同等の性能になったことを証明してみせてくれました。
 違うホームからの同時発車は、ギリギリで接続していない表れでもあるんだけどね…香椎線も昨春に減便され、昼間は30分毎。鹿児島本線の20分サイクルと、合わなくなってます。


 西戸崎方面は休日とあって、お出かけの家族連れで満員御礼。土休日くらい、20分間隔に戻せないものかとも思います。
 海の中道でほとんどの乗客が下車。この先、西戸崎までの1駅間は博多湾が車窓を飾ります。819系の超ワイドな窓いっぱいに広がる海、いい眺めだ。


 終着駅、西戸崎着。今日は海浜公園で「はるかぜマラソン」が開催されていたそうで、折り返し列車はランを終えた参加者で満員になりました。
 来週の別のイベントでは20分毎に増発されるらしく、今後もきめ細かな対応が望まれます。せっかくのDEN化、民営化直後の「アクアエクスプレス」のような博多直通の復活にも期待したいです。


 西戸崎駅は交通結節点。香椎線のライバルにもなる市内方面のバスと、香椎線の「その先」の足となる志賀島方面のバスが発着します。
 僕の旅(といえるのか?)も、まだまだ続きます。

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