sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

映画:細雪

2013-06-25 | 映画


1983年の市川崑監督のものを見てきました。

マレーシアに住んでいたときの遊びは
友達と集まって誰かの家でバイオリンやピアノやウクレレの合奏をしたり
コンサートをしたりミニコンサートをしたりが楽しかったのですが
日本ではなぜか音楽より、本や映画で遊ぶことが多くなりました。
映画化された文学作品を読んで、ゆかりの場所を尋ねたり
感想をおしゃべりしあったりするのが楽しい遊びです。

谷崎潤一郎の「細雪」に関しては
以前友達と『倚松庵』(いしょうあん)や谷崎記念館を見学に行ったり
専門家のお話を聞きにいったりなどして
なんだかとても馴染みのある作品なのです。
お散歩読書会

今回一緒に行った人は、上記のイベントを計画してくれた人以外も
原作を読んで、講演を聴いたりしたことのある人たちだったので
映画を見たあとのおしゃべりが、すごく充実して楽しかった!

「細雪」は船場の没落した大店の美しい4姉妹の物語です。
主に3女の見合いと、4女の品行問題が中心だけど、
他に、既婚長女と次女の、本家と分家の思惑、
それぞれの婿の立場、など、
豪華絢爛なところと、せこいお金事情のところと
どちらも複雑に絡み合ってる作品です。

この映画は丁度30年前の1983年公開らしく、
どうもその後どこかでわたしは見た記憶があるのですが
今、映画内の長女と同じくらいの年になって見ると
やっぱり昔の何十倍も味わえた気がする。

キャストが、
長女:岸恵子(当時50歳くらい)
次女:佐久間良子(当時45歳くらい)、
3女:吉永小百合(当時35歳くらいで20代の役をしてます)
4女:古手川祐子(ぴちぴち、かわいい)
なのですが、もうそれぞれに美しすぎて声もない。
オープニングで吉野の桜の美しいシーンに続き
室内のシーンで、やたら女優がアップで台詞言う顔が続いて、
なんか芸のないカメラワークに見えるんだけど、
もうこの女優陣だとそうするしかないな、というきれいさで許してしまう。
特に長女の岸恵子と、なによりも佐久間良子がすばらしい。
他のキャスティングも、婿の伊丹十三と石坂浩二、あほぼんの小米朝など
もうこれ以上あり得ないほどのぴったり合いぶりで
このキャスティングならどう撮っても傑作になるでしょうという
絶妙さ。

「細雪」の映画化はこれが3作目だそうで
古いものも見てみたいなぁと思うんだけど
どんなに素晴らしい映画だったとしても
多分このキャスティングには勝てないんじゃないかなと思う。
もう映画自体やストーリーにふれたくないくらい
キャスティングが完璧なんだもんっ!

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