sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

月記:2022年10月

2022-11-12 | 月記
丸5年を過ぎて仕事の昇給を言われた時に、昇給はいらないので給料そのままで休みを増やしてと
水曜休みで土日と合わせて週休三日にしたら、遊ぶのも仕事も忙しくなった今日この頃。
10月は歌舞伎で始まりオペラで終わりました。
すごい楽しいホームパーティもしたし楽しい月だったなぁ。

。先月末から息子が帰省
・明石の向こう江井島の友達の個人ギャラリーに遊びに行って海岸沿いを歩く
・伊丹郷町屋台村
・日本怪談歌舞伎 貞子x皿屋敷
・友達の家のホームパーティ
・ブルゴーニュワイン会。エシェゾーのグランクリュとか。。
・名店シチニア食堂のケータリングでホームパーティ
・大山崎山荘美術館:こわくて楽しいスイスの絵本展
・初めての名古屋、輪行旅
・名古屋博市物館 兵馬俑と古代中国展
・友達のパギやんの一人芝居舞台:水滴
・鍋マラソン再び
・ハンガリー国立歌劇場のオペラ「魔笛」

映画館で観た映画:「四畳半タイムマシンブルース」「RRR]「デリシュ」

配信などで観た映画」「気狂いピエロ」「イーディ83歳初めての山登り」

ゴッホの絵を汚す人たち

2022-11-09 | Weblog
→「人新世」の斉藤幸平さんの記事を読んだ。
そのうちリンクが切れた時用に書いおくと、環境活動家が気候変動対策が進まないことへの抗議活動として、
120億円以上するゴッホの名画にトマトスープをかけたことに対しての記事でした。
そこで斉藤さんは
>「礼節のない人たちですねえ。主張があるなら訴える方法はいくらでもあるのに、
>すぐ直接行動に出る。精神の「浅さ」を感じさせます」
という批判に対して異議を唱えている。
マジョリティー側が耳を傾けないといけないし、学ぶべきであると言ってる。
一方で、環境や気候正義を唱えるなら人権問題を無視してはいけない、連携するべきとも言ってる。
いちいちもっともだ。

スポーツに全く興味のないわたしは、プッシー・ライオットがワールドカップに乱入した時
彼女らを擁護する側に立った。
スポーツ選手は命をかけてるのにと言い張る友達とは意見が食い違ったし、
才能があって努力もしてきた世界的スポーツ選手が試合に命をかけるのと、
プッシー・ライオットの反体制の人たちが社会のために命をかけるのとどちらが上かと
比べたくはないけど、結局わたしはプッシー・ライオットを支持した。
目的が手段を正当化するとは言えないと思ってるし暴力にもテロにも反対だけど、
こういう活動家の人たちのおかげで女性は参政権を持つことができて、
差別を差別だということができるようになってきたのだし
(いや、いろいろと道半ばですけど、と在日で女性のわたしは言っておく)、
わたしにはこの人たちを完全に否定することはできない。
その時点では他に方法がなかったのだ。十分に他の方法も試した後なのだったのよね。

だからこれ、どんなに美術を愛するわたしでも、ゴッホの絵が汚されるのに耐えられないと思うわたしでも
このリンクの斉藤さんの意見に賛同したいと思ってます。
少なくとも「良識」「穏健」「善良」な市民というきれいで安全なところから
活動家を非難したり馬鹿にして見下したりする側にはいたくない。
それは自分だけなんの痛みも引き受けずに守られたところから発する言葉だから。

切実さという点で、ゴッホに近いのは、一円も手にすることなく死んだゴッホの絵の
今のすごい値段にひれ伏す人たちより、ゴッホの絵にスープをかけた人たちの方だろうから。
ゴッホにはごめんよと思うけど、ゴッホにしたら今の自分の絵の評価自体びっくりだろうから、
絵を汚されて怒っても、ただ次の絵を描くだろうと思う。
そうじゃない?ゴッホよ。

映画:RRR

2022-11-07 | 映画


3時間楽しんだけど、「バーフバリ」の方が好きかも。
でも特にラストの戦いはなんかずっと笑えて良かった。
二人で一人になって戦うのがおかしくて、二人羽織か!と突っ込みました。
その肩車シーン↓
映画は男の友情の物語なんだけど、男同士のコミュニケーションのできてなさにも
ツッコみたくて仕方なかったです。
そんだけ認め合って信じ合ってるならちゃんと話しあいなさいよね。
話し合いさえすれば遠回りせずに最初から共闘できたのに、ほんと、コミュニケーションして・・・

吐き気のするような残虐で冷酷な支配階級の白人たちの中に、
唯一いい人に描かれている白人女性がいて、ちょっとロマンス要素もあるんだけど、
自分の立場に疑問を抱かず冷酷な差別主義者たちと一緒に優雅な支配階級を享受してるのに
あんないい人扱いはおかしい。
あれ、女性を一人前の大人としてでなくおバカで無邪気な子供扱いしてるからできるいい人扱いなのよね。
そう思うとこの女性の描き方はなってないし、ロマンス要素はない方が良かったと思う。

あと、銃ではなく弓矢で、洋服を脱ぎ捨てて鍛えた上半身を見せて、
長い髪をなびかせる強い男の様子はやっぱりいいな。笑


しかしこういう帝国主義のイギリス人を完璧に悪者に描いた完全懲悪映画って
イギリス人が見たらどう思うんでしょうか?
「イギリスには、大英帝国は植民地にいいことをした!」
「インフラを整えてやったり教育を与えたりして助けてやったのであって、一方的な侵略などしてない!」
とか言う人はいないんですかね?(日本にはネトウヨという人たちがたくさんいるけどね)笑
ヒトラーやナチスをどんなに凶悪に描いても、めくじら立てるドイツ人は少ないかもしれないけど、
イギリスはどうなのかなぁ。
「RRR」のような映画をアジアの人が作って、大日本帝国を悪逆非道に描いたら
日本の歴史改竄主義者たちはうるさいでしょうね。

生活力

2022-11-04 | Weblog
外食はコロナ以降だいぶ減って、代わりにバーによく行くようになった。
たまにちょっと良いお酒も飲むけど、自分のインスタを見ると基本的に食事は家で自炊で
倹しいものを簡単に調理して食べている日がほとんど。
どれも美味しく食べてるし、家計管理力はわりとある方だと思う。
今はそんなに切り詰めなくてもよくなったので、必死の節約とかはしてないけど、
それでも冬には電気代のために暖房せずにたくさんたくさん着込んで、
お風呂で温まって早く寝る、とかは相変わらずやってます。
1200円のセーターと400円の古着のスカートを着てたりする。

いざとなったら切り詰めてもっと節約しながら、それなりに楽しく生きていく生活力があってよかった。
人生の初めから仕事をさせてもらえないまま来たせいで、
結局わたしに甲斐性があったことはなくて、たくさん稼ぐのは今も無理だからね。

簡単でも美味しいものを作って家で飲むのが好きなのは、生活をちゃんとしてる安心感もあるかなと思う。
大丈夫、わたしは大丈夫、と思えるから。
毎日お風呂に入って本を読んで清潔にきちんとしてて、美味しいものを作って美味しいワインを飲んでたら、
酔っ払おうがなんだろうが、全然大丈夫やん、って思えるよね。

たまにあまりにダウナーな時に、もうだめだ、友だちなんて一人もいないしという気持ちになったりするけど
わたしが、友達なんていないとやさぐれそうになると、
なにを言う!と憤慨してくれる友達が、ちゃんといることも忘れてはいけない。

お金はある方がいいけど、あまりなくても楽しく過ごす能力があるし、
その上にあるといいのがお金かなと思うと、恋人というものも同じかなと思う。
いると素敵だけど、いなくてもひとりで楽しく生きられて、だけどその上にいるといいのが恋人かなと。

映画:デリシュ

2022-11-01 | 映画


お料理映画とワイン映画が大好きなので、近くの映画館での最終上映に滑り込んだ。
冒頭、パイを捏ねる手元から虫眼鏡越しの大きな目というシーンのなめらかな導入に期待が高まったけど、
実際これは思ってた以上に良い映画でした。
でっぷり太って無愛想で目つきの悪い主人公がラストにはかわいく見えてくるし、
貴族の館の豪華な食事は豪華だし、それとは対照的にすごく気持ちのいい森の中の旅籠も良い。
そして貴族も農民も誰にでも開かれた初めてのレストランの様子が最高に良かった。

それって今もそんな店のない国があるのよね。
前に見たインドの黄金寺院のドキュメンタリー映画では、
一日に10万食を誰にでも振る舞ってる様子が淡々と映されてたんだけど、確かそのラストに、
インドでこのように階級に関わらず誰もが同席できる食堂は他にはないと書かれてた気がする。

しかし美味しいものの力はすごい。
主人公を首にする高慢な公爵は、すごく嫌なやつなんだけど、
いいシェフに巡り合えず美味しいものを食べられない惨めさを、主人公を前にぼやいたりする。
そのシーンの公爵だけは、ちょっと可愛げがあった。でもそれ以上に嫌なやつなんだけど。

お話は…
時はフランス革命前夜、
創作料理に当時豚の食べ物とされてたじゃがいもを使ったことで首になったシェフが
父親の遺した森の中の旅籠にもどったら、彼の弟子になりたいと言う謎の女性が現れ
いつしかレストランを始めることになり・・・

この謎の女性の正体も面白かったし、これが世界で初めての「レストラン」だというのも
本当かどうかは怪しい気がするけど、めくじら立てることでもなく楽しいアイデアと思う。
所々に挟まれる食卓の上の、まるで美しい静物画のような景色にもうっとり。
主人公と謎の女性が少しずつ相手を理解して信頼していく過程も
主人公の無愛想さで甘くなりすぎなくて良かった。
楽しい映画なので誰にでもおすすめできます。

そして仕事の後に真っ直ぐ映画館行って見たので、映画の後はとてもお腹が空きました。
帰り道はずっと、ワイン飲みたい!映画に出てくるデリシュと名付けられた
トリュフとお芋のパイ包みが食べたい〜!とばかり考えてた。
デリシュというのは、この料理の名前でもあり、レストランの名前にもなってるけど
元々は美味しいというフランス語。英語のデリシャスですね。

コインくらいの厚みのジャガイモとチースとトリュフを段々に重ねて
パイ皮?で包んで焼いたもので、そりゃおいしいよねと味が予想できる。
今では揚げた芋がフレンチフライト呼ばれるのに、この頃はジャガイモが悪魔の食べ物とされてたとはね。
ちなみに公式サイトにデリシュの作り方が載っていますので
映画見て食べたくなった人は是非!トリュフは高いので別のもので代用する方法も書かれてます。
わたしも今度作る!
→公式サイト