こういう話だろうと想像してた通りなんだけど、ラストだけ違って、
なんかキョトンとした。
え?って。
全体の物語の流れに落とし所がないだけでなく、
回収されてない伏線的なとことかも結構あって、キョトン・・・と終わった。
1959年のイギリス、海辺の小さな町。戦争で夫を亡くしたフローレンスは、それまで一軒も書店がなかった町に夫との夢だった書店を開こうとする。保守的な町でそれを快く思わない町の有力者ガマート夫人の嫌がらせに遭いながらも何とか開店にこじつける。レイ・ブラッドベリの「華氏451度」など、先進的な作品を精力的に紹介し、書店は物珍しさで多くの住民がつめかける。だがガマート夫人の画策により、次第に経営が立ち行かなくなっていく。フローレンスの味方は40年も邸宅に引きこもっている読書好きの老紳士ブランディッシュ氏だけ――。(公式サイトより)
見終わって時間をおいてあれこれ考えたら、
これって原作をだいぶダメにしてるのかもなぁと、だんだん不満が増えてきた。
丁寧な描写っていうのはおしゃれな画面作ることじゃなく、
人をもう少しちゃんと描くことだと思うけど、おそらく
ブッカー受賞の原作のセリフに頼りながらも、そこができてないんじゃないかな。
エンターテイメントのつくりになっちゃって、ドラマがドラマすぎるせいで
ラストがああいう風になって終わることに説得力が全然ない。
なんというか、無駄がないエンターテイメントなんですよね。
ゆるふわ風エンタメ。
エンターテイメント作品のディテールって、主に物語やその結果のためにあるので
ラストがこれでは、見ている人は置いてけぼりをくらってしまう。
原作はきっと、ドラマでない部分、結果にまっすぐ繋がるわけではない部分を
もっと丁寧に描写してあって、
ディテールをディテールとして味わえる作品なのじゃないかと思う。
少し退屈したり眠くなったりさせながら
静かに染み入るように見せるといいのにな。
テーマが本屋だし、本好きの人が絶賛してそうだけど、
これはわたしは文句言いたいなぁ。
もっと地味に丁寧に作れば、もっといい映画になったはずなのになぁ。
根っからダメな映画より、惜しい映画に、わたしは文句が多いように思う。
監督は「死ぬまでにしたい10のこと』(03)の人、なんか納得。
悪い映画ではないと思うけど、おしゃれハートウォーミング+涙の監督かな。
でも、いいところもたくさんあるといえばある。
俳優はみんないい。ヒロインは美人じゃないけどかわいくて芯が強そうで適役。
加賀まりこを少し思い出させるくりんとした目をしてます。
裕福な謎の紳士ビル・ナイは本当に素敵で憧れる。こういう人とならまた恋に落ちたい。
店の手伝いをする少女は、少し生意気でいきいきとしてかわいいこと!
そして田舎町とこの本屋。海辺の小さな町の古い家の本屋。
それだけでなんでも許せそうです。