sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

映画:春画先生

2023-10-31 | 映画


10年以上前に春画研究のとても興味深い本を読んでから、結構春画について読んだり
美術館での展示を見たり講義を聞いたりしてきたので、この映画は楽しみでした。

春画は日本画の美大生をやっていた40歳くらいの頃に、浮世絵が好きになってから
春画とテキスタイルに関する本を読んだらそれがすごく面白かったのが興味を持ったきっかけです。
その本は春画における布の表現についていろいろな考察がされてて、春画を見る目が変わりました。
2016年に京都の細見美術館での春画展は日曜美術館に出たのだったか、大混雑でしたが
まとまって見やすい展示になってて、とても面白かったし、図録もいい紙で、いい印刷だった。
2019年にはKYOTOGRAPHIEで春画を使った大きな作品を見たり、
2020年には日本で春画展を実現するまでのドキュメンタリー映画「春画と日本」を見たし
この映画もフィクションでも春画に関わった人たちの物語かなぁと思ってたら、
思ったよりずっと恋愛映画だった。笑

春画研究の先生の弟子になったヒロイン、お互い気持ちは通じるものの
中々結ばれることなく、先生の弟子の編集者や、元妻の姉などが入り乱れ・・・という話。

春画はここで描かれる恋愛の大きなモチーフだし、
春画への愛は主人公二人によって台詞でとてもよく語られているけど、
春画についての映画というよりやはり恋愛映画かな。
でも前半はリアルさがない話の進行についていけるか心配だったけど、
後半はいいテンポで中々グイグイ見せてくれて、恋愛映画だとしても面白かったです。
あと、たとえば、薄いモーブ色のワンピースのヒロインが黒塗りの車に乗るところで、
後ろを開いた淡いピンクの傘が風で左から右へ転がっていくシーンなどに感心しました。
細かい演出してるなぁ、と思ってちょっとうれしくなる。
あと、上に貼った予告編にもあるシーンで鼻から下をハンカチで隠したまま目だけの演技をするシーン、
安達祐実が大きな目だけでにやりとする演出も演技もいいですね。

ヒロインは時々すごくきれいなのに時々おへちゃに見えて、そこがいい女優さんだと思ったし
柄本佑は楽しそうに演じてたなぁ。
クライマックスの、元妻の姉役の安達祐実のシーンは、
これはそうくるだろうと思いはしたけどやや強引な筋運びで
でも陳腐な失敗、とはならずに、その設定の中で映画としては健闘したと思う。(偉そう(^_^;)

あと、パク・シネチャヌクの「お嬢さん」を思い出すシーンがあって
春画愛好家のイメージってこうなるんだなと思ったりした。

ただ、こういう映画を見るときいつも感じる観客問題は、やはりありました。
平日の午後だけど、いつになくひとり客の男性が多くて、わたしの前の列なんて
席を一つずつ開けながら座ってた人みんな男性だった。珍しい。
そしてエンドロールが始まった途端にそういう人たちはすぐに立ってさっさと映画館を出て行かれたわ。
普段から映画を見に来てる感じではなく、かといって多分春画研究者や愛好者でもなく
何か別のこと(エロ期待か?)を期待して見に来てる人たちなのかなと、ちょっと思ってしまう…
違ったらごめんなさい。でもそういうこと結構あるので。。。

映画:春に散る

2023-10-28 | 映画


2015年春から16年半ばすぎまで、わたしは毎日数分ずつ
この沢木耕太郎の原作を新聞小説で読んだのです。
ボクシングに興味がなかったのに小説はだんだん面白くなって行って
最後は深い感慨を持って読み終わったのを覚えています。

このとき、新聞小説のことをSNSで呟いたら、自分も読んでたと言う人と話ができて、
ラストはもう少しこうであって欲しかったからちょっと悲しいねえとか、
具体的な感想を話せて、インターネットって楽しいなぁと、しみじみ思ったものです。
見たり読んだりしたものの話を、ちょびっと共有できるだけで、なんかうれしいよねぇ。
それ以来新聞小説がますます楽しく、好きになってしまって、ずっと楽しく読み続けている。
(10年で1作くらい、自分に合わなくて読むのをやめるものもありますが)

新聞小説は毎日挿絵がついて、挿絵の主人公は高倉健のようなイメージだと思って読んでいましたが、
映画の佐藤浩一もすごく良かった。苦笑いや笑泣きのような微妙な表情がすごく上手いですね。
途中からは頭の中の健さんは消えて、佐藤浩一がすっかり主人公に代わってました。
他のキャスティングも山口智子以外は良かったかな。
(山口智子は優しくかわいい顔立ちなのに、キリッとした女の役を
真っ直ぐなアイメイクなどで演じてるけど、どうもチグハグな造られた印象が拭えず)
若いボクサー役の横浜流星くんは、思いの強い(悪くいえば馬鹿っぽい)役なんだけど、
それにはぴったりだし、映画公開前にボクシングのプロテストに合格したそうで、
試合のシーンの迫力は、友達男子はみんなすごく褒めていた。
ただラストの演出だけは、わたしならもう少し、見せずに婉曲に表現する演出をとるかな。。。

とはいえ毎日数分ずつ淡々と進む新聞小説とは違い、映画はもっと大きな物語や世界のかたまりが
盛り上がりと共に目にも気持ちにも訴えてくるので、それでなくすものも得るものもあるけど、
この映画はうまくできていると思います。

お話は、ボクサー引退後、アメリカに渡ってビジネスに成功し日本に戻ってきた老主人公が
昔のボクシング仲間と一緒に住み始め、ひょんなことで出会った若いボクサーを育てる、
という、わりとシンプルな話ですが、老人男性の共同生活なども興味深いです。
主人公の作るカレーが美味しそうだった。

そして、連載の5年ほど前に読んでいた沢木耕太郎の「天涯」というエッセイの中の
ボクサーについての話を、改めて思い出しました。
「春に散る」はあまり「旅」には関係のないお話ですが、
やはりどこかで旅に結びつくのが沢木耕太郎だなと思います。
→旅

猫は掃除機が嫌い

2023-10-27 | うさぎとねこ
クロちゃんは掃除機が嫌いなので、掃除機かけるとピューッと隠れる。
その隠れる感じがまさにピューッ!って感じでかわいい。

でも掃除機が終わって片付けるとすぐ出てきて、すごい盛大にミャーミャー抗議する。
嫌やのにー!なんでまたやるねんー!めちゃ嫌ー!もうやめてって言うてるやんー!
嫌やったねんー!ミャーミャーミャー!
まさにそんな感じで猛抗議。それもかわいい。笑
ごめんねー、嫌だったよねー、でも仕方ないのよーといいながら撫でてしばらくしたら落ち着きます。

でもふと考えた。家猫は太りやすいのでほとんどおやつはあげてないけど
猫だって美味しい楽しみは幸せの元だからたまにはあげたい。
でも普段あげると癖になって毎日クレクレと騒いだり
もっとほしくてストレスになったりするかもしれないので、滅多にあげないできたのだけど、
掃除機の後にあげたらいいのでは!?と気づいたのです。
掃除機は週に2度くらいかけるので、週に2度くらいおやつを食べるのは大丈夫だし
掃除機の後にだけもらえると、猫はすぐ学ぶだろうから、普段からもっともっとと期待して
ストレスになることもないだろうし、嫌な掃除機もその後に楽しみがあると思うと
我慢しやすくなるだろうし、いいことだらけでは!
それで小袋のおやつを用意してて、すかさずあげたらカリカリ食べてる間に
掃除機のことは忘れたらしくいつもの盛大な抗議は一瞬でおさまった。
これからこれで行こう。

ちなみに掃除機自体は、子猫時代のようにすごく怖いわけではないみたいで、
結構近くに行くまでじっと見て観察してたりするので、ただ嫌いなだけと思います。

9月のつぶやき:後半

2023-10-24 | つぶやき
どうも、猫が後ろ足で頭を引っ掻くのが激しすぎるのか、しょっちゅうハゲと傷を作ってる。
まだ若いから驚く速さで治るんだけど、今日のはすごいハゲ方と傷も大きかったので
随分ひどく引っ掻いたのね。ストレスなのかなぁ。もっと遊んであげなくては。
2泊旅行のあと、1、2週間たってから猫の具合が悪くなることが多いなぁ。

また猫がガリガリやってるところを、とうとう目撃した。止めたらすぐにやめたけど。
傷が深くなっちゃう。。。治って行かないようなら病院だなぁ。


干しいちじくが、ずいぶん小さくなって場所ができたのでキウイも干した。
週末もめっちゃ暑いっぽいから、いいドライフルーツができるでしょう。もう少ししたら柿も干したい。
吊るす干し柿じゃなく、スライスして干すドライフルーツの干し柿。
クリームチーズと挟んで食べると二日酔い予防にも良いはず。


電車の中の女性の香水の匂いに反応して鼻水ドバドバ…
アレルゲンでなくても、刺激に反応してアレルギースイッチ入るから、香水は天敵…
自分のつけるイソップのやつは人が気が付かないくらいしか香らないので平気なんだけど、
10メートル先から濃厚な甘い香りはつらい。


「伊丹」のイントネーションは最初の一文字が高くて、オルカを思いついたけど、オルカって知らん?
あとは、被害、加害、科学、サファリ、大和とかか。


話題の映画を批判する人ほめる人、いろいろいるけど、見ないのにあれこれ言う人はたまに見かける。
見てないのにひとのレビューをボロカス言う人を見た。二重におかしいでしょ・・・
見てもいないことについて自論を広げまくり、そういうことするのは高齢男性に多いと思ってたけど、
女性だった。高齢には変わりない。高齢者あるあるなのか。。。
そんなふうにならんよう気をつけよう・・・


洋食のランチ一回で半日寝込むほど胃がダメで、これからもっと、
ホントに少しずつしか食べられない年になってくんだなぁとため息。
料理や食材の買い物を控えめにするよう、習慣を変えていかなくては。
お酒はだいぶ減らしてるけどね。


ドライイチヂクができて嬉しいんだけど食べ方はクリームチーズと合わせて
生ハムで巻くのがワインのアテに最高なのに、休肝日で飲めない…


どんな国で何やってても、ネット接続がある限り、今時の子は、地理的距離はあんまり関係ないみたい。
午後台北で誰かと会ってて、夜は京都で誰かと会う。距離を考えず、移動時間だけ予定に組んで、
特に慌ただしいとも思わず、すいすいと動くのね。と学生時代の息子を見て思ったけど、
会社員になった今も同じような感じで、海外出張と副業での国内出張でスケジュールがびっしり。
でもリモート仕事の様子を見るとどこにいても同じような気もするけどね。
英語ができると言葉の壁がないし、ネットがあると距離の壁がないし、気持ちの壁もない。


蕎麦は品種改良されてないから広い耕作地がいる。と美味しい蕎麦屋で聞いた。


映画がすごく良くて好きだったので同じ監督と主演の前作「パピチャ」を見たけど
そっちの方がハードでしんどかった。「裸足になって」はもう少し明るく光がきれいな映画。
「パピチャ」の方は、もう息苦しくて息苦しくて、逆流性食道炎が悪くなったわ。
90年頃のアルジェリアで原理主義者の女性弾圧が酷くなっていく描写が、もうしんどくて。
父権的なものに抑圧される話は、わたしにはトラウマすぎてほんまにしんどい。


全ての映画を見ることも全ての本を読むこともできないわけで、実際に見たものについてしか書けないけど、
せめて見た人にしかわからないことを1行でも書きたいと思って感想を書いてる。
それって個人的なことになる。


バゲットをバケットと連呼する投稿を見て、ケージとゲージくらい気持ち悪い…


「やっと広告のないゲーム見つけました!」と言う広告がしょっちゅう出てきて、イラっとする。
お前が言うな!笑


素晴らしいアルジェリア映画を見たので、その両隣のモロッコとリビアの災害に寄付をしたいと思って、
前にもレバノン映画を見て少額ながら募金をした話をしたら、
フードバンク活動をしている友達が「わたしはダニエル・ブレイク」を見たのが原点でしたと聞いて、
映画の力よ。

地理と歴史が特に弱く無知なわたしだけど、映画のおかげで少し世界のことを知ったと思う。
行くこともないだろう土地の会うこともないだろう人たちの暮らしや人生を、
少しでも想像できるのは映画のおかげだなぁ。


ジョンウィックの復習してるんだけど、やっと3の終盤。
キアヌは愛してるけど、映画は飽きたよー。いちいち戦闘シーン長過ぎないかこれ。
ドラマがいらなくてドラマのシーンは退屈してて、
戦いシーンになると釘付けになるタイプの子供たちがいたけど、そういう人向けかなぁ。
2時間のうちドラマの部分だけならせいぜい20分くらいじゃないか?飽きた。(まだ戦ってはる

キアヌですから、新しいのも見に行きますけどね。


味噌玉を作ろう。


フードプロセッサーを持ってないんだけど、パテ的なものを気軽に作ろうと思ったらいるなぁ。


泣き腫らして眠ったような腫れた目になってる。もちろん泣いてない(^_^;)
両目だからメバチコではなくて、アレルギーか…


ミドルエイジクライシス真っ最中の人と話した。そのようなものが自分にもあったのは確かだし、
それもかなり激しい焦りと共に苦しんだ記憶があるけど、なんかもう何もかも遠いなあ。
クライシスを起こすもなにも、ずっと何もない自分だったので、
ミドルエイジどころかそもそも最初からクライシスで始まった人生だったような…


また膀胱炎である。。。
受診してよく効くお薬もらいました。


久々に手ぶらで出かける。
暑い時は水筒とハンカチ数枚を持つのでポケットに入りきらないけど、夕方の雨で涼しくなったので、
サイフとスマホと鍵とハンカチを両ポケットにつっこんでやんちゃな感じで出かける。


次に行きたい場所を見つけてしまった。新幹線輪行だな。


茄子を炊いてる。
稲田俊輔さんのミニマル料理で行くかと思ったけど、ストウブ鍋を使いたかったので自己流で。
エリンギも入れて蒸し煮してから出汁と味付け。


茄子を炒め煮する時はまず切った茄子をビニールに入れて油をまぶす。
普通に炒めると茄子はすごく油を吸うのでたくさん油がいるしムラもできるので、
茄冷たいまま油を満遍なく塗ってから炒める方式にしてる。
どこかで見たのか、わたしのオリジナルかももうわからないけど。

今日は麺つゆと生姜と唐辛子。全然ミニマルじゃなくなったけど、美味い。
ビールも日本酒もハイボールもOKだな。

ジャンボピーマン、万願寺唐辛子、蓮根、貝割れ大根、が冷蔵庫の野菜室にあるので、
消費の方法を考えながら寝る。しかし本当に食べ物のことしか考えてない。
生ハムとリコッタチーズの残りもあるけど、シャインマスカットが来たので合わせてワインのアテだな。


今の新聞小説が面白すぎる。
南北朝時代の話で楠木正成の息子が主人公なんだけど、そのあたりの歴史に暗いし
興味もないまま読み出したのに段々面白くなって、今月に入ってからの戦いにハラハラドキドキ。
激しい戦いの後、かの人ととうとう名乗りあう…!
毎日の新聞が待ち遠しい。アナログさんで結構。



最近ずっとシャワーで、ゆっくりお風呂に入ってなかったので
久しぶりにうんとゆっくり入ったら、だいぶのぼせた。
そしてお風呂で本が読めない目になってたなぁ。
ほんの2、3ヶ月前は30分くらいなんとか読めたのに、
今は5分で目が疲れて頭痛がする。老眼のスピード怖い。

お風呂で本が読めないと、そうでなくても少ない読書量がさらに半減するので、
お風呂用の老眼鏡を作らないといけない。Kindleで文字を大きくしたら読めるけど、
Kindleって前の部分をパラパラ見て何か探したり、思い出したりするのにすごく不便なので、
読み返さないで進める馬鹿っぽい本しか読めない…
お風呂用の老眼鏡を作るか・・・錆びにくく、曇らないやつ。


フムスを初めて作ってみる。
おいしくできました。


法事の翌日はピビンバになる。
もらってきた法事のおかずでラクチンですが、後ろにあるのはシャンパンです。笑
最近お酒を自分日とても減らしてて、(というか胃も免疫力もグダグダで仕方なく)、
量を半分にしたら質は2倍にして良くない?と気づいたので。
これが気づきと言うものなのか?


明治のアイスがすごく美味しかった!ディアミルク。めっちゃミルクなアイス。
コープさんで買ったけど、生協以外は関東圏でしか売ってないのか?

9月のつぶやき:前半

2023-10-23 | つぶやき
猫がいるので旅行は1泊だけと思ってるけど、数年に一度、2泊くらいします。
ということで、函館に2泊して帰宅。
楽しかったけど暑かったし疲れたのか蕁麻疹勃発でふらふら〜。休まなくては。


コロナが終わって出かけられるようになって、と書いてる人を見かけた。
インフルエンザも終わってはいないのに、コロナは終わってたのか…それは知らなかった。。。
コロナは風邪、の人かなと見にいったら安倍さんありがとうの人だった。
褒め称えてて、それを定期的に繰り返してて、なるほどと。


夕ご飯の後、逆流性食道炎で少し吐く。吐き気があるわけでも胃が痛いわけでもないんだけど、
上がってくるのよねぇ。そして吐くと目の周りの毛細血管が切れて内出血して翌日酷い顔になる。


夜に喉が渇いてて朝起きると喉がヒリヒリする。風邪じゃないといいなー。
前の風邪の後の咳喘息が3週以上かかってやっと治ったところだし。


インスタとかで料理のレシピ系見てると「旦那が悶絶した」「息子が喜ぶ」「彼が何度もリクエストする」
とかが多くて、人に喜んでもらえるのはいいけど、なんかモヤモヤする。
たまに「妻が絶賛」とかもあるので、ジェンダーの話ではなく、別のモヤモヤ。
男女関係なく胃袋をつかむのはいいかもしれないけど、
どっちにしろ他人の評価軸で宣伝する感じがなんだかなぁと思うのだなぁ。
アピールの文言が派手で目を引く言い方になるのは仕方ないでしょうが、
あまりみんながそれだとうんざりする。
たとえばプロの書く良い食べ物エッセイにはそんな言い方は出てこなくて、
自分がいかにその食べ物に魅了されたかを自分自身のちゃんと実感のある文で書いてるのよね。
SNSのショート動画の人たちにそのレベルは求めないけど、あまりにみんな同じで、
それで惹きつけようとか、なんか恥ずかしくないのかなとは思う。


ケージとゲージの間違いと同じくらい、
炊いたご飯を使った洋風雑炊をリゾットと呼ぶのが我慢できないー!
インスタのリゾットのハッシュタグの上位半分以上がご飯を使う洋風雑炊だったのでがっくり。
なぜケージとリゾットに特にこだわるのか、自分でもよくわかりませんが。笑


股関節まわりを傷めて気がつけば3ヶ月くらい自転車に乗ってない。
いや、そうじゃなくてもこの夏は暑すぎて、日傘させない自転車は無理だったけど、腰は良くなったし、
夕方は少し涼しくなったし、今日、仕事の後整形外科行ったら久しぶりに少し乗ってみようかな。
ブロンプトン。
ブロンプトンはたたんだ状態でずっとうちの玄関に置いてあるけど、
ブロンプトンのことを考えるだけで胸がキュッとなるくらい、まだ恋してる。
こんなふうに恋してるのは、あとは猫かな。ストウブの鍋にも少し恋してるかもしれない。笑


会社で新聞を読んでて、ジュンパ・ラヒリの新刊の広告を見たので、
とことこと徒歩40秒くらいの会社と同じビル内の本屋に行って買いました。
この便利さはありがたい。(ちなみに美容院は徒歩8秒くらい)


いい映画見てテンションあがって、人混みが嫌であまり行かないヨドバシに行って、
ホームベーカリーを見に行ったのに、つい冷蔵庫に見入ってた。
気分良すぎる時に買い物したらだめだ!と気づいて何も買わずに帰ったけど、危なかった。


猫は立ち入り禁止のクロゼットに猫が登った音で目が覚めた。油断してた、ドアが開いてた。


中国に勝とう、って勝つってなんだろな。とりあえずなんでもいつでも勝ちたい病は、
なんとかした方がいいと思う。勝ちとか負けとか言ってる段階でおかしいでしょ。。


最近はシンプルーなお弁当に惹かれる。ウインナーと卵だけとか。
きちんときれいに色の揃ってないお弁当。


>「シンママが生きやすい社会」よりシンママにならない結婚の方が大切という考えは変わりません。
・・・
離婚の自由のない社会ほど怖いものはない離婚経験者としては、ちょっと何を言ってるのかわからない。
シンママにならない結婚って、シンママになろうと思って結婚する人はほとんどいないでしょうに…
子供には父性と母性が必要とか言ってるけど、腐った害悪な父性と母性もあって、
そういうのから自由になれる社会でないと、子供の逃げ場がないよ。


シンクとお風呂と洗面の排水口掃除して、猫の爪とぎ用段ボールの組み立ての立体的なやつ
(2年くらい放置してた)を組み立てた。今日は家のことをどんどんする。


捨てるつもりでいた似合わないワンピースがやっぱり捨てられない。
すごく太って見えるけど、着心地が好きだから寝間着にするか・・・という服が多すぎる。

服をたくさん減らすのはできなかったけど、冬物コートとかを4着くらい捨てたら
ワンピース10着分くらいのスペースができてクロゼット内に少し余裕が。
とりあえずこれでいいか。横のカバン類も整理した。

押入れの奥のよくわからんものをあまり中を確認せずに捨てた。
書類とかはないし、5年10年いらなかったものはそのまま捨てていいでしょう。

本棚の部屋の床もだいぶスッキリしてきた。自分の絵の額やパネルもいくつか捨てて、
本棚を増やしたらリビングに溢れたものが片付いて、どんなにスッキリするだろう。
残りの人生のために、どんどん整理していこう。


雷すごいなー。ゴミ出しに行くのもためらわれる雨だなぁ。


10年以上前に買ったまま、どうやって着ればいいか着こなしがわからなくて一度も着てないスカートをはいてる。
なんでどう着こなすかわからん服を買ったのかというと、結局その服の思想が好きだったんだな。


ベランダでイチヂクと生ハムで一杯。胃の調子が良くないので一杯だけ。
この後消化に良いものを夕ご飯に食べます。
のびのびと、自分のためだけに毎日食べることと飲むことを楽しんでる。


鶏胸肉でサラダチキンを作ります。
カボチャを炊いたし、サラダチキンも作った。サラダチキンはストウブの小さい鍋でやったけど簡単。
もう少し時間短くしてもいいかも。次はそうする。
下味は塩麹だけにしたけど市販のサラダチキンより柔らかくて美味しいし激安。


スープは好きなのに、スープというものをつい後回しにしてたけど、最近料理の思想が変わってきたら、
スープをゆっくり楽しめるようになってきた気がする。引き算の料理で行きます。
今日は炒めて焼き色をつけたキャベツに生姜とお出汁を入れて、しめじとオクラと押し麦と煮て最後に味噌。
おいしいしほっとする。押し麦もいいね。もち麦をよく食べてた時期があったけど押し麦の方が好きかも。
野菜は2-3種類までのルールで、いろんなスープを作ってみよう。

料理で遊び始めると底なしなので、胃が4つないのが残念。

もち麦の方が繊維が多いしオートミールの方がタンパク質が多いしすぐに煮えるし、と押し麦をスルーしてたけど、
スープに入れると(15分くらい煮ます)食感的には一番好きかも。
オートミールよりはふっくらしてて、もち麦よりサラサラしてる。
もち麦はもっちりするので、もち麦だけでリゾット風の雑炊など作ってたけど匂いは結構あるので、
結局無臭に近いオートミールの方が好きになったけど、
押し麦だけで雑炊を作ったらやっぱり匂いはあるのかな。


「ねむっているときとなく、醒めているときとなく、ひたひたと満ちたり干いたりする潮の無限さにくらべると、一日というものが鉋くずのように削られて足元に溜った。(「苦海浄土」 第五章:潮の日録より)

水俣病被害者たちが大きく強く狡猾な加害者であるチッソ工場の前に座り込みしたときの、
被害者たちの心情を書いた文章だけど、海恋しさと不誠実な会社への不信感をこんなに美しく描く。
「海の時間に区切りはなかった」「玄関というものがあればよかねえ」



午後は今日やることの目処がついてほっとしたので、日が暮れるまでベランダで風を楽しもう。
イチヂクモッツァレラと。


イチヂクを干した。
うまく美味しいドライフルーツになるかなー(もちろんワインのアテ用)


わたしのTL誰も阪神のこと書いてないし、速報!と来たらiPhoneの話だし、阪神ってもう優勝したの?
(してた)


美味しいお店の参鶏湯もらって、食べたけど、ニンニクがキツいわー。
一つの料理でニンニクはせいぜい一欠片くらいまでかなぁ。ゴロゴロあるとキツい…
韓国料理苦手かもしれないと今頃気づいた在日人生。。



「味わう舞台vol.5」

2023-10-22 | 芸術、とか
毎年聴いてる林英世さんの朗読の舞台。
伊丹のお食事のできる店(カフェやレストランやお寿司屋さんやうどん屋さんやいろいろ)で
まずお食事をしてから、朗読や一人芝居やダンスなどのパフォーマンスを楽しむという企画で
今までいろんなパフォーマーの方が出演されてきました。

2019年に初めて聴いたのだけど→向田邦子「鮒」
初めて聴いた林さんの朗読が素晴らしくてびっくりしてから、欠かさず来てます。
今年は白雪のブルワリーレストラン長寿蔵の2階でビュッフェをいただいてからの舞台でした。
今までで一番長い話で1時間を超えたと思うけど、引き込まれてあっという間でした。
よかったー!感動!

一人で朗読でこんなにまるまる世界を作ってしまえるのかといつも驚くけど、
今年の山本周五郎もますます良くて、真面目な人間が幸せになる暖かい話はやっぱりいいなぁ。
来年もその次も必ず聴きたい。
そういえば落語でも良い人間ばかり出てくる噺が結構好きです。

今までに見たもののメモをまとめておこうと思ったら、2021年はコロナで中止だったのかな?
・19年秋vol.2:お寿司屋さんで向田邦子の「鮒」
向田邦子らしいどことなく不穏な感じのする家庭内小説。

・20年秋vol.3:中華料理屋さんで、松本清張「遠くからの声」
この年はもう一度、別の方(蟷螂襲、丹下真寿美)の舞台も観ました。
お蕎麦屋さんで久保田万太郎の「三の酉」をお二人で読まれました。

・22年秋vol.4:会場はお茶のみどり園本店。おいしいお弁当と和菓子をいただいてから、
畳の部屋で藤沢周平の「驟り雨(はしりあめ)」良い話。なんという余韻。
30分ほどの掌編ですが、元々時代小説はあまり読まないのに
最近ちょっといいなと思うようになってきてたところだったので、
(江戸落語はよく聴くしね)すごく面白く聴きました。
邪魔がいたら殺さんばかりの殺気を持ち人の生き死にに何の感慨も持たないような男が
ほんのちょっとした事で昔の自分に戻る話で、その元の自分に戻るきっかけもベタなんだけど、
文章の力と朗読する人の演技力で十分説得力があって少し涙ぐみました。
ベタなものを斜に構えて認めないことも多いけど、年と共に何でも感動したもの勝ちだなぁと思います。

映画:ダンサーインパリ

2023-10-21 | 映画


しょうもない駄邦題のせいで、危うく見逃すところだったけど、最高のさいこうのサイコー!
ちなみにタイトルのフランス語原題は「en corps」で「 体の中で」かな。全然違う。
そもそもパリのシーンは最初と最後だけなのになんでもパリとかニューヨークとかつけりゃいいと
安直に考えるのいい加減にしてほしい。しょっちゅう怒ってるけど、治らないねぇ・・・
この監督の前作も「パリのどこかであなたと」というあかん駄邦題で気の毒なことだわ。

さて、映画は導入のとても美しく凝ったバレエシーンの画作りにうっとりしながらも、
まあコントラストの強いおしゃれ映画かなと思ったし、
恋人の裏切りで苦悩して怪我をするヒロインってもしや馬鹿っぽい幼稚な女かと不安になったけど、
これが全然違って本当に本当によかった〜!
ヒロインのとにかく素直な性質と容姿と演技にじわじわと、そして最後はめちゃくちゃ好感を持ちました。
恋人の裏切りへの苦悩と葛藤なんてほとんど出てこなくて(動揺で怪我はするけど)
別れのドロドロやグダグダもなくて、元恋人のことなんてほとんど出てこないのが面白かった。
嫉妬や葛藤や苦悩やそれらを乗り越えるための大きなドラマ…なんてもの全然なくて
肩透かしを食らった感じにわりと淡々と話は進みます。
恋人のことを置いといたとしても、人生を賭けたバレエが踊れなくなったら、
そりゃ深い絶望に沈み込んで苦しむだろうという予想も裏切られ、
なんか淡々とぼんやりと、どうしようかなぁ、なにしようかなぁって感じの主人公のままで話が進むのです。
主人公の内面や悩みには特にスポットを当てて描かれないけど、それよりなにより
ブルターニュの田舎の生活やダンサーたち、ちらっと出てくる料理も何もかもが素敵で心鷲掴み。
フードトラックの料理人が出てくるのがフードトラック好きなのでうれしいし、
モチーフの一つである父親との関係についてもとてもいい感じに描かれています。
田舎で元バレエ仲間と普段着のまま軽く踊って見せるシーンもいいし、
主人公がまた踊るきっかけになる練習シーンの彼女のほんのちょっとした動きにもはっとするし、
踊るシーンには舞台以外でもいいシーンがたくさんありました。

他の登場人物の造形も絶妙です。
思いやり深い療法士のヤンはイケメンだけど笑わせてくれるし、
天使のようにかわいい親友の子、料理人カップル、父親、姉妹、田舎の家の老婦人、
みんなそれぞれのキャラがとてもちゃんといい具合に作られ描かれていて、
奥行きのある良質なドラマになってると思う。
そして何より、ラストのダンスが圧巻でもう涙が出るほどよくてびっくりした。
映像もきれいだけど、それよりとにかくこの主人公のダンスに引き込まれました。
オープニングのむやみにスタイリッシュな映像との対比を考えても面白かった。

全然難しい映画ではなく、壊れそうな心のひだを繊細に描くというのでもなく、
重すぎず軽すぎない、いわゆる小品かもしれないけど、
もっと日常に近いところでするりと気持ちに入ってくる暖かい映画でした。
あと、エンドロールの趣向もちょっとよかった。
もう最初から最後まで良かったので、もし近くの映画館にあとで来たらもう一度見たいな。

↓公式サイトから主役の人と、コンテンポラリーダンスの振付師の本人役で出ていた人について
エリーズを演じるのは、パリ・オペラ座バレエのプルミエール・ダンスーズで、クラシックとコンテンポラリーを自在に行き来するマリオン・バルボー。ダンスシーンに一切のスタントを使わないと決意したクラピッシュ監督が、映画初出演にも拘らず主演に抜擢した逸材だ。オープニングの15 分間のバレエシーンは圧巻。舞台裏にカメラが潜入し、本番前に神経を研ぎ澄ますダンサーたちを捉える。バルボーが踊るのは「ラ・バヤデール」。舞姫(バヤデール)ニキヤが恋人に裏切られる物語だ。胸に迫る見事なダンスを踊り、自らの手で人生の第二章を切り開こうとするエリーズの心情を、誰もが共鳴できるように繊細かつリアルに演じた。
 エリーズが出会うダンスカンパニーの主宰者に、コンテンポラリー界の奇才ホフェッシュ・シェクターが本人役で出演。代表作「ポリティカル・マザー ザ・コレオグラファーズ・カット」を振り付ける過程にカメラが密着し、トニー賞にノミネートされた振付家の創作の秘密に迫る。さらに、エリーズが惹かれるダンサーとして、フランス出身のメディ・バキが出演。コンテンポラリーとブレイキンを融合したパフォーマンスで魅了する。

ズッキーニのスープ

2023-10-20 | お弁当や食べ物
ズッキーニまるまる一本のスープを作って、料理は引き算だなぁとまた思う。
わたしは料理を作るのも食べるのも好きだけど、料理についてあれこれ考えること自体好きだ。
以前、ひとり鍋のレシピ本通りに4週間毎日お鍋を作って食べて楽しかったことがあるんだけど、
→お鍋マラソン
自己流アレンジを我慢して本の通りにわりとシンプルなお鍋を作る日々で学んだのは、
料理は引き算だなぁということだった。この年になるまで料理を作り続けてやっと気づいた。
それまで自分で鍋物をするといつも同じような味になってしまっていたのは、
味も栄養もあれもこれもと欲張って食材の種類が多すぎたせい。
食材が多いと旨味は増えるし味は複雑に美味しくなるけど、
家庭でそれをすると結局同じような味になるだけで
個別の食材を丁寧に味わうことができてなかったのだなあと、
シンプルなのに想像以上に美味しい色々なお鍋を食べながら思ったのでした。

最近、逆流性食道炎が続いててつらいので、今回は鍋ではなく
胃を労るのに優しいスープを作る生活をしようかなぁと思ってるんだけど、
具材は3つくらいまでに絞って、旬のものをちゃんと味わいながら美味しく治したい。
先月、映画を見て少し遅くなった日には冷蔵庫にあったズッキーニでズッキーニ丸々一本入った
夏の終わりのスープを作ってみました。
少し前に作ったサンドライトマトのオリーブ油漬けの油で炒めてから蒸し煮して、スープに。
ドライトマトの風味が濃くて美味しいです。
プチトマトと蒸して冷凍してあったコーンも少し入れました。
いつもなら冷蔵庫にあった玉ねぎ、人参やきのこ類も入れて、ベーコンやトマト缶もいれたりして
夏らしいトマト味の色々入ったスープにするんだけど、我慢してズッキーニを活かそうと思った。
結果シンプルで滋味のあるスープになって、いろいろ入れすぎないでよかったです。
ズッキーニ満喫。
美味しくなるとわかっていても入れすぎないというのを目標に
この秋冬はスープを色々作ろう。
(写真はズッキーニではなくさつま芋のスープですが)

くどうれいんと西加奈子の食エッセイ

2023-10-18 | お弁当や食べ物
くどうれいんの新しい食エッセイ「桃を煮るひと」を貸してくれた友達が、
次には西加奈子の食エッセイ「ごはんぐるり」を貸してくれて、まあエッセイもいろいろだなあ。
自分はくどうれいんの最初の食エッセイ「わたしを空腹にしないほうがいい」を読んで、
あなたはわたしか!と叫んだくらい食べることへの情熱や向き合い方、幸せになり具合が似てるけど、
西加奈子とはだいぶ違うなと思った。

くどうれいんが食べることや食べものに向ける情熱にはむしろ「わたし」が消え去る瞬間があるけど、
西加奈子にとっては逆で「食べもの」の方が消え去ってその時の「わたし」の方が鮮やかに
或いはノスタルジックに現れていると思う。
作家だなぁとも思うけど、わたしはくどうれいん側にしかなれない。

たとえば西加奈子は旅でテンションが上がってジャンクなものをたくさん食べてしまい
肝心の料理が食べられないという自分の癖を肯定的に書いてて、
それはそれで旅の楽しさに震える「わたし」が愛しくかわいくて面白いんだけど、
わたしは前夜から旅先で食べる美味しいものへ思いを馳せ想像を巡らせ、
それまでの食事をどのように何をどう食べながら旅先のその一食を最高に楽しく美味しく味わうか
ワクワクしながらその食事を食べるずっと前から向き合っているのです。
くどうれいんもそんなタイプではないかな。
そこでは「わたし」は消えて、頭はそのご飯のことで一杯になってる。
映画の感想を書く時、わたしは結局そこに「わたし」を、書いてしまうんだけど、
食べ物に関してはそうではないなと思うと、本当に食いしん坊なのだなぁとまた思う。

西加奈子はまた、
漠然とだが、「なんでも美味しそうに食べ、お酒をよく飲んで、少々のガサツさは気にしない」人が好きなのだ、
と書かれてて、わたしもそういう人は好きだけど、
こと食べ物のことになるとわたしはついうっかり真剣になってしまうのである。

>「美味しいものを美味しく食べたい。シンプルな欲求だけど、そのために手間を惜しまない人は、少ない」
でも西さん自身はその手間を惜しんでしまうと。
うんうん。わたしは惜しまない方だな。いつもではないけど。

「お茶を美味しく飲みたい、とてもシンプル、だけど、そのためにずっとやかんを見守ることを、私はしない」と
美味しいお茶のために、お湯が沸く瞬間までずっとヤカンを見守る人のことを書かれてるけど、
まあ、わたしはわりとそういう人である。多分くどうれいんも。笑

たとえばこれは
昨夜から今日の昼何食べるか考えてあったので、昼休みにバタバタしなくていいように
朝ごはん食べながら昼の用意もし他時の写真だけど(昼休み包丁使わずに食べられるようにした)
このように常に食べることを考えてるのです。

どちらがいいというのではなく、どちらの食いしん坊もいいなと思うし
いろんな食いしん坊があっていいし、とにかくどんな食いしん坊でも食いしん坊は好き。

映画:エリザベート1878

2023-10-16 | 映画


宝塚歌劇の「エリザベート」にはあったドラマや「物語」というものが全然ない映画だった!笑
まあ思ったよりだいぶ変な映画で(褒めてる)
もっとポップでも良かったんだけど、思いの外クラシックでした。
あのエリザベートの物語をもっとポップに語り直した映画を想像してたけど、
いやはやそもそも物語がないのだった。
でも、その分ディテールはどれもとても良いです。こまごまと、どれも面白かったり
美しかったり、おかしかったり、切なかったりして、とても良い。
映画というものが発明され、フィルムに記録されるシーンのユーモラスな動き、
いとこ?のバイエルン王ルートヴィヒ2世との、美しく孤独なはぐれもの同士の理解と不思議な愛情、
(二人が湖で小舟に浮かぶシーンの美しさ)
(ヴィスコンティがルートヴィヒを描いた「神々の黄昏」ではロミー・シュナイダーが
エリザベートを演じていて凄まじく落ち着き払っていた美しさが悲しいほどだった)
有名な肖像画を描かれるのにモデルになっているシーンなど、ディテールを追うだけで満足できる。
そして背景になる自然も建物も衣装も、映像も美術も全部きれいで素晴らしかったー。
あと、上に貼った予告編でも聴けるGo Go Go〜って歌うテーマ曲もいいね。

エリザベートは、
夫であるオーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフを愛してるかどうかはわからないけど
彼からの愛を求めはしている(そしてもう諦めている)様子からわかるように
愛されたいだけの、求めることしかできない子どものようで、
(与えるという語彙は彼女の辞書になさそう)それは強く無垢で我儘で傲慢で孤独な魂。
権力にも豪奢さにも惓んだ空っぽな心。
でも言動は奔放で、象徴としての公務を果たしていればその奔放さは宮廷の中では仕方なく許されていて、
彼女に共感できる人は少ないかもしれないけど、ある種の魅力は確かにある。パンクか。
演じた女優さんもすごくよかった。
「ファントムスレッド」、「ベルイマン島にて」に出てた女優さんで、顔は古典的な美人かもしれないけど
それより顎から首、肩にかけてのラインや全体の体つきなどに優美な魅力があるからか
どちらも強い立場の夫を持つ役で、エリザベートもまたそうだということに気づいた。
夫に反撃するか支配から逃れるか反抗するかそれぞれの性格も生き方も違うヒロインだけど
大きな夫を持つ女性の屈託が彼女のどの役にもあるのは、面白い傾向だなぁ。

エリザベートには周りに数人のある程度気を許せるお付きの女性がいるんだけど
そこにシスターフッド的連帯は全然なく、常に権力者である主人と下僕の主従関係ははっきりしていて
そこではヒロインは腹心のおつきの女性のささやかな幸せを、自分のために躊躇なく当然のようにひねりつぶす。
ここもヒロインへの共感を拒絶するところだなぁと思う。
公式サイトのコメントでヒロインが自由になれてよかったみたいなことを書いてる人がいたけど
え?権力に押さえつけられた人(エリザベート)が、だからってまた自分も権力で人を踏み台にするのを、
無邪気によかったと喜ぶの?
え?もしかして単に女性の解放の話とか思って見てる???
そういう「物語」のある「いい話」じゃないから、面白い映画になってるんだけど、
著名人のコメントが的外れすぎることって本当に多いなぁ。

そんなコメントの中でフェミニストの清水晶子さんのコメントは、そうそう!ほんとそれ!と思いました。
以下公式サイトより
>若さと美貌を期待され続けて40歳を迎えたオーストリア皇妃の苦悩と逃亡。
あまりに恵まれ過ぎて共感しづらいこの伝説的な女性をまったく伝記的ではない形で取り上げることで、マリー・クロイツァー監督は、フェミニスト的な共感を生み出そうとしているのではなく、各国の王族や皇族といった特権階級の女性たちに対して現代社会がいまだに抱き続けるロマンチックな幻想を苛立ちと共に破壊しようとしているように見える。
鼻につく高慢さと偽りない苦悩とを併せ持つ、好感を抱かせない、しかし強靭な個性を持つ中年女性としてエリザベートを描き切ったヴィッキー・クリープスの演技が素晴らしい。


ちなみに宝塚歌劇のエリザベートはこんな感じ。
そこでは、皇妃として美貌ばかり讃えられ人としては抑圧され、自由や愛や理解に飢えて苦悩し、
旅ばかり繰り返すようになる、自由を求める孤独な女性の物語だったと思うけど、
この映画のエリザベートは自由こそ望みはするけど、愛や理解を求めて得られないといった切なさは
あまり感じられない。

あ、あと、宝塚のエリザベートにはイマジナリーフレンド的な、死を擬人化した黄泉の帝王
「トート」という美貌の人物が出てくるのも面白いところです。