sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

映画:それでもわたしは生きていく

2024-05-29 | 映画


「アデル、ブルーは熱い色」を思い出す青いポスターに思い切り短い髪のレア・セドゥ。
いやぁ、肌がねぇ、顔も体も光り輝くような肌が本当にきれいで、目が離せなかった。
モデルさんのようなスリムな体型ではないんだけど、
肉感的というののほんの少し手前くらいの体の存在感が
リアルな生身の女をばんばんと見せつけていた。
Tシャツとパンツというのがもっさりして似合わない豊満さというか、豊かな体だけど、
プリントのワンピースを着るとハッと目を引きます。そんな感じの女優よね。

お話は、ヒロインは、夫を亡くしたあと通訳の仕事をしながら8歳の娘を育てている。
施設にいる父は認知症になり娘のこともわからなくなっていくので
教養のある教師だった父を愛していた彼女にはそれがつらい。
そんな日々の中、再開した旧友と恋に落ち付き合うようになるけど…
という話だけど特に大きなことが起こるわけでもない、家族ムービー的な地味な話で
淡々と季節が変わるんだけどとてもいいです。
2022年に見た「ベルイマン島にて」や大好きな「未来よこんにちは」の監督。さもありなん。

介護と恋愛の話、みたいに書かれてるのを見たけどそういうかっちりしたテーマでもなく、
それらも含めて、いいことも悪いことも、嬉しいことも悲しいこともある
ひとりの人の人生をわりと散漫に描いてる(褒めてる)映画だと思います。
これぞフランス映画だなぁと思うし、こういうフランス映画好きです。

でも文化的な違いなのか、
ママのベッドに目を覚ました娘が潜り込んだらママの向こうに彼もいるというシーン、
ベッドにいるママの恋人に小さい子どもがにっこりするシーンにはポジティブというか、
少しびっくりしました。昭和の言葉で言うと大変に発展的で、フランスはまだ遠いなーと。笑
しかも彼氏は既婚者なのにそれでも子供にオープンでいいのかとそこも驚いた(^_^;)、
すぐに自分のモラルと感覚をチューニングし直しました。
大丈夫、わたしはまだフランス人です(?)

映像も自然でリアルな美しさがあって、エリック・ロメールを引き合いに出されてるけど
それもよくわかります。日差し、風に揺れる木漏れ日、公園の緑。35mmフィルム。


>「ロメールとのもう1つのつながりは、ミアもまた、人生のリアルで記録的な側面を好むということ。劇中でクレマンがサンドラに自分の仕事を説明するけど、これもロメールの映画にありそうなシーンだ。物語の中に突然、小さなドキュメンタリー的な瞬間が現れる。そして彼女の映画では登場人物たちの旅路には省略もトリックもない。道を一歩ずつ進んでいく、現実というものに対する忠誠心もロメール的に思える。」
(クレマン役のメルヴィル・プポー)


>「一方、言葉はよりベルイマン的だね。ロメールよりも心理的で、より苦悩が深い。」
(パパ役のパスカル・グレゴリー)


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