sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

映画:ラヴソング(甜蜜蜜)

2015-05-29 | 映画


ちょっと古い香港映画です。
アジアのロマンチックな映画が見たくて借りてみた。
1986年から95年くらいまでのお話で、上映は97年ごろ、
香港返還の年だったでしょうか。
マギー・チャンとレオン・ライの美男美女のラブストーリーです。

マギー・チャンはしゅっとした美女ですが
この頃より、もう少し年をとったくらいの方が好みだなぁ。
生意気系の顔だけど口元や顎が繊細で、
喉から首の線がとてもきれいなので、
映画「花様年華」の頃のチャイナドレスの美しさが記憶に残っています。
この映画の中では気が強くて野心的だけど情に厚い若い女性の役です。

今回のあらすじはネタばれいっぱい、古い映画なので。
嫌な人はこの先は読まないで。

田舎から香港へ出てきたばかりの青年はマクドナルドでバイトする女性と出会う。
純朴な田舎者青年としっかりもの彼女は愛し合うようになるけど、
青年には田舎に婚約者がいて、あくまでも友達同士の関係と思おうとする。
バブル後、商売に失敗したヒロインは、
その間も呑気で無神経なままの青年に苛立ち(婚約者のブレスレットを選ぶのに
同行させた上で、彼女に同じものをプレゼントして、喜ばれると思ってる鈍感さ)
マッサージ屋で出会ったヤクザの愛人になり青年とは別れる。
その後青年は婚約者を呼び寄せ、結婚式にリッチになってるヒロインを招待し再会。
何度か会ううちに、お互い忘れられない存在だと気づき
それぞれがパートナーと別れようと決心するが、ヒロインは、
警察と組織に追われるやくざを一人にできず、一緒に香港を離れてしまう。
その後、アメリカに渡った青年は・・・

コテコテのメロドラマですが、いくつも印象的なシーンはあります。
主役の二人が初めて結ばれるシーン、
食事をして並んで洗い物をして、手を拭くところで
タオル越しに触れる手の、どきどき感。
コートのボタンを不器用にとめながら、結局また外すことになるところ。
ヤクザのボスが怖くないのか?と聞いて怖いのはねずみだけよと答えた
気丈な女への気持ちを表すのに、背中の刺青の真ん中に
なんとミッキーマウスを彫ったボスの粋さ。
そしてボスの屍体を、そのミッキーマウスで確認するシーン。
香港から逃げる時に、俺は港港に女がいるからお前は残れ、
いい男を見つければいいと突き放すボスの侠気と愛情(惚れる)。
主人公青年の結婚式のパーティで数年ぶりに再会した彼女が、
なんだか気持ちが落ち着かずに、やたらもぐもぐ食べ続けるシーン。
昔、映画のロケで香港に来たウィリアム・ホールデンとの約束を信じて
待ち続ける、昔は美しかったおばさん、
エイズにかかったタイ人の恋人である娼婦と田舎へ行く英語教師の外国人、
主人公二人が再会して、昔行ったホテルに行き、同じ部屋だよ、でももう
わたしたちのものは何もないわ、というよるべない寂しい会話、

などなど、いいシーンいっぱいでした。
前半の、主人公青年のあまりにデフォルメされたおぼこい田舎者演技は
いまいちなんですけど、
全体に流れる感傷的で切ない雰囲気と、
この映画のキーになってるテレサテンのナンバーが補っていますね。
映画としては、古臭いところも多いし名作とは思わないけど
90年前後の感じがすごく懐かしい映画でした。
ラストで、オープニングの黒白シーンがもう一度出てくるのですが
まあよくある手ではあるけど、ちょっと粋と行っていい仕掛けもあります。

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