sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

「悪童日記」の本と舞台とトーク

2019-03-27 | 芸術、とか
時々行く読書会で、課題本が「悪童日記」でその原作の舞台を見て
演出家のトークを聴くという会があって、3月初めに、お休みをとって行ってきました。
「悪童日記」は映画だけ見たことがあったので、本を買ってみましたが
するすると読めて、もっと難しい感じかと思ってたのに全然違って驚いた。
そして本の文体や中身も、映画を見てお話は知ってたのに、驚いた。これはすごい。
非常にユニークで現代的。舞台は第二次大戦下のハンガリーを想定してあるのだけど。
そして、映画も良かったけどこの小説の凄さは、全部は表せてないなと。
とにかく読んでほしい。好みは分かれると思うけど素晴らしい文学です。

舞台は、「サファリ・P」という劇団?の公演。
演劇に暗いので、サファリ・Pのことを全然知らなかったけど、いやはや面白かった!
原作では作者は母語でないフランス語で書いていて、
しかも一般的な感情を排したり主観を厳しく制限したりしていて、
簡潔に事実だけを述べるようでありながら、いびつで不思議な文体なのですが、
そういう文体の面白さを舞台にすることを目指したと書かれています。

小説は双子の日記の体裁なのですが、たとえば「僕らは〜が好きだ」とは書かず、
「僕らは〜をたくさん食べる」と事実だけを述べる、と書かれています。
それくらい徹底的に感情や主観を排したら、やはり不思議な文体になっていくのです。
その舞台化ですが、舞台ではなんと俳優に固定した役が当てはめられていないのでした。
五人の役者さんが登場しますが、くるくると役がかわる。
そして何人かの俳優さんはダンサーでもあって、ダンスの場面も動きが素晴らしい。
すごく面白く見たのですが、これ、物語を知らない人が見たら
どれくらいわかるんだろう?というのが、すごい疑問。
誰が誰で何を言っているのか、混乱したままかなりのスピード感で
疾走していくような舞台は、話を知らずに見たらどんななのかな〜と。
それはそれで、全然違う見方になって、面白いのだろうか?すごく気になる。

昼にお芝居を見て、夜にはその脚本演出をされた山口茜さんと
ハヤカワ文庫の編集長の方とのトーク。
舞台の後の、疲れ切ってはいるものの高揚した感じの演出家の方のお話は
舞台の熱気の残り香のような、ライブ感がありました。

この日は、お芝居の後、若い友達の現代アート系の個展と、



京都国立博物館の斉白石の中国画も見にいって
すごく充実した日だった。
斉白石の絵は、わたしがマレーシアで習っていた水墨画の先生を思い出させて
懐かしくて懐かしくて、感傷的になるほどだった。
特に植物の、葉っぱや花の、線、色、筆使い。
先生お元気かしらん。先生の絵も人柄も好きで楽しかったなぁ。

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