sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

がまくんとかえるくん

2022-10-11 | 芸術、とか
圧倒的な優しさだった。
市立伊丹ミュージアムの「アーノルド・ローベル展」(5月でした。今頃書いてるけど)
がまくんとかえるくんの絵本はうちにも、英語版があって
誰でも知ってる有名な絵本作家ですが、その原画などのほかに
それとは違う黒白のスタイリッシュなペン画なども見られて良い展示でした。

あと、彼のホームビデオが流れてて、それがよかった。
トーベ・ヤンソンの撮ったホームビデオが泣けるくらい好きなんだけど、ホームビデオっていいよねぇ。
冗長で退屈なことも多いけど、そういう日常のかけがえのなさこそがホームビデオの良さと思って
平和な退屈さを味わう。しみじみする。
彼のホームビデオ見るとほんとに優しい人なのがわかります。
作品と本人が全然違う人もいるけど、この人は作品の通りの人なのねと思った。
ローベルがゲイってしらなかったけど、小さい頃に学校が合わなかったのも関係あるのかな。
いろいろあったと思うけど、彼の写ってる写真にも優しさしかない。
一度結婚して子供も作って育ててから別れたようだけど、その後も元妻とは仲が良かったみたいだし
子供にとっては素晴らしい父親だったようです。
家族の幸せな様子もホームビデオにはありました。とても温かかった。

がまくんとかえるくんの話で、落ち葉を掃きに行く話が「賢者の贈り物」系なんだけど好き。
それぞれが同じ日に、相手の庭の落ち葉を掃いてきれいにしてあげよう!驚くだろうな〜って思って
こっそり訪ねてって落ち葉掃除をするのです。
ところが帰った後に掃除した落ち葉が風でまた散らかってしまう。
でもそんなこととは知らずにそれぞれの家に帰ったふたりは、
自分の庭の落ち葉を見て、これは明日掃除しよう。自分ちのは明日でいいけど、
今日は友達のお庭の落ち葉をきれいにできたからよかったな〜としあわせな気持ちで眠るのです。

それぞれ相手がしてくれたことも知らず、自分がしてあげたことが無駄になったことも知らず、
ただ自分が相手に何かいいことをしてあげられたと思うだけでシンプルにしあわせなのです。
無償の愛だけど、無償の愛って結局一方通行ではないのよね。
気づいてなくてもちゃんとお互いに気持ちが通ってるから、成立して、続いていく。

無償の愛のつもりでひとりで頑張って、見返りを求めてしまいがちな自分自身を責めて
見返りを求めまいとますます頑張って、最後にはぼろぼろになってしまいがちなわたしなのですが
お互いの優しさがあってこその無償の愛なんだよね、と昔とは違う感想を持ちました。
しかしとにかく何もかも優しい展示だった。

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